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2023年7月

2023年7月31日 (月)

6種24枚

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 目を開けているのかつぶっているのか、しっかりイビキはかいている「ちち(仮名)」さんです。飼い主は月に一度の主治医の診察を受けて血液検査のために採血をして、よっしゃ、と少しよいお食事をして遅い時間に帰宅。遊んでもらえるかな、これから一緒に寝てもらえるのかな、などと期待している彼女を置いて、午前零時少し前に再び家を出ていく飼い主だったのでした。

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 某コンビニエンスストアにおいて、8月1日より対象となるアイスクリーム類を2個買うと、おぱんちゅうさぎのクリアフォルダーが貰えますというので、やっぱりそれは7月31日から8月1日に変わる夜中の零時からなのか、とよくよく要項を見ると、しっかり零時から。で、図柄は全部で6種類あって、各店舗、ひとつの図柄は4枚ずつ、合計24枚だ、という、もう煽る煽る、のキャンペーンでした。

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 煽られた以上、のせられてあげないと経済が回りませんので、深夜にアイスクリームをまとめ買いするオッサン。6種類ともコンプリート、とするのではなくて、あえて、A4サイズいっぱいにおぱんちゅうさぎが描かれているもの3種類を、各2枚ずつ手に入れました。

 えぇ、そうです。3枚は手元に置き、残る3枚は職場の同僚に進呈します。

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 いたいけな、けなげな、といった形容詞で語られるおぱんちゅうさぎ。いや、もうほとんど不幸のズンドコとしか言い様のない日々を送ってると思いますが、そういう所がウケルのでしょうか。なんとなく、シュールな感じが漂うところも魅力ではあります。

 それにしても、我ながら、アホです。

2023年7月30日 (日)

心残り

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 こたつ布団に鼻先を突っ込んで眠る「ちち(仮名)」さん。もう少し、そう、あともう少しすれば、お母さんがえいやっとこたつ布団をめくる日がやってきます。その日が来たら、彼女は、おそらくとても哀しそうな顔をすることでしょう。ワンコは暑いのが苦手なはずですから、こたつ布団なんて暑苦しいものは好きではないはずなのですが、いつも室内はエアコンが効いていて快適ですから、そういうデメリットは気にならないのだろうと思います。

 飼い主は昨日、片道4時間ほどの道のりを運転しただけなのに、なぜかとても疲れてしまいました。本来であれば本日も引き続き、餘部埼灯台と経ヶ岬灯台を訪ねる予定だったのですが、起き上がることができませんでした。この年齢で毎週毎週、土曜日曜と続けて出歩くのは体力的に無理があるのかもしれません。

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 7月17日に訪ねた本州最西端、毘沙ノ鼻。このあと、角島灯台へ行き、帰りに下関駅の観光案内所でいただいたのがこの証明書。本州の東西南北それぞれの端っこへ行って証明書を手に入れ、それを下関市の方へ送ると、コンプリートして良かったね、という証明書がもらえます。どうやら下関市が中心になって動いているようで、証明書も大変立派なものです。

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 昨日手に入れた、本州最南端の到達証明書。大きさは下関の半分ですが、両面に印刷されています。こちらは潮岬観光タワーの入場料を払うと引き換えにいただけるものです。観光タワーの1階に日付印が用意されていて、自分で押すようになっています。下関では、観光案内所の方から日付を入れるかどうかを聞かれて、ハイと答えると綺麗に筆文字っぽく書いてくれましたので、力の入れ方がちょっと違う感じです。

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 本州最北端、大間崎への到達証明書は、大間崎にある3軒の土産物屋さん、いずれかで購入できます。午前7時半頃現地に到着して、土産物屋さんが開くのを今か今かと待っておりました。最初に開いたお店に飛び込んで、職場の人へのお土産物を買い、同時にこの証明書をいただきましたが、こちらはレジの所に日付と時刻を刻印する機械があって、チャッと印字されました。

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 見開きで、右半分はマグロのモニュメントの輪郭が切り込んであり、ここに写真などを挟んでおくと、左側、マグロの形の窓から見えますよ、という仕掛けです。で、それは良いのですけれど、問題はこの裏面です。

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 土産物店の名前が入っています。と、いうことは、他のお店で購入すると違う名前が入っているということなのでしょうか。どうでも良いことながら、もしも再び大間崎へ行くことがあったならば、今度は時間に余裕を持って、違うお店で試してみたいと思っております。そして何より、本州最東端が残っております。ここが、実はとっても難儀なんですよねぇ。

2023年7月29日 (土)

最南端

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 私をほったらかしてどこへ行ってたのよ、と拗ねている「ちち(仮名)」さん。飼い主は本日、妻を伴ってまる1日遊びに出かけておりましたので、彼女にしてみればあまり遊んでくれないお姉さんと小さいお兄さんという組み合わせて家に居て、面白くなかったのだろうと思います。毎週末全国どこかの灯台を目指して遊びに出かけておりましたので、たまには妻にも外出を、ということにしたのですが、我が家のワンコは車に乗るのが苦手なので、お留守番をするしかないのです。

 すでに本州の最西端と最北端に到達し、「到達証明書」なる書類を手に入れた飼い主ですが、とっくの昔に到達していた本州最南端に関しては、その証明書が手元に見当たりません。仕方がないので、証明書を手に入れるためだけに本州最南端の地を目指したのです。1月前に行ったときに、そのことに気づいていればそれで済んでいたのに、実に馬鹿げた話です。

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 かつて新婚旅行のメッカであった南紀。白浜アドベンチャーワールドなどが頑張っておりますけれど、どこへ行っても往時の賑わいはないように思います。私のように奈良県在住の人間からすると、軽く旅行に行くといったら、兵庫県へカニを食べにいくとか、伊勢志摩へこれまた魚介類を楽しみに行くとか、北陸へ温泉とこれまたカニ、南紀方面で海の幸と温泉、などなど、まぁ近場で遊べるところはいくらもあるわけです。最近は交通機関の発達もめざましく、また道路の整備も進んだので、大抵のところへは自家用車でサササッと行って帰ってこられます。本州最南端の潮岬まで、自宅からクルマで3時間ちょっと。これがJRの特急を使うと、5時間程度はかかります。せっかくつながった紀勢本線が一部廃止に向かうのではないか、などと言われているのも無理のないところです。

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 本日は灯台スタンプラリーと無関係ですが、結局訪ねてしまった樫野埼灯台。明治時代、トルコ帝国から来日していた使節団が帰国途中で暴風雨に遭い、ここ大島の船甲羅という岩に激突した結果、乗員587名が死亡、生存者はわずかに69名という「エルトゥールル号事件」のあったところです。座礁した船の乗組員のうち何名かが40メートル下の海から崖をよじ登ってこの灯台に助けを求め、灯台の職員が世界の国旗が掲載された本を見せるとトルコ国旗を指さした、という話が伝わっているそうです。

 この件があって、トルコの人たちの日本に対する印象というものは大変良いものになったということで、イラン・イラク戦争の際、イラン国内にいた邦人を帰国させるべく、「イラン上空を飛ぶ飛行機はみんな堕とすよ!」というフセイン大統領の警告にもかかわらずトルコ航空機2機が飛んでくれた、というお話につながるわけです。

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 ここは串本 向かいは大島 仲を取り持つ巡航船、という串本節。けれども今では、串本と大島との間は大島大橋で結ばれています。その大島にはトルコ記念館があり、エルトゥールル号の殉職者の慰霊塔もあります。トルコ記念館の前の道路がエルトゥールル通りと名付けられていて、5年ごとにトルコからも人を招いて合同慰霊祭が開かれています。

 まぁとにかくいいお天気で暑いので、妻はここまで来て駐車場へ引き返し、クルマで涼むことに。私ひとりでこの先にある樫野埼灯台を目指しました。歩いているだけで汗が噴き出してきます。

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 樫野崎灯台は「登れる灯台」ではありませんので、灯台の内部に入ることはできません。その代わり、灯台の隣に階段が設置されていて、これを上ることで灯台上部のデッキに到達することができます。実際これが「登れる灯台」であったとしても、レンズの収められているところまでは登ることができませんから、むしろ、広々としたデッキからレンズの部分を間近に見ることができます。他所の灯台でもこういうのを作ってくれたらいいのになぁ、と思いますけれど、ここは串本町がトルコとの友好関係に力を入れている中で実現しているわけで、どこでも可能というわけではないでしょう。

 それにしても、こうして、「登れる灯台」以外のものを見学するなんてことも始めてしまうと、ややこしいことになりそうです。

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2023年7月28日 (金)

きっちきち

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 また撮ってるの・・・とあきらめ顔の「ちち(仮名)」さん。お散歩から帰ってきたところで少し息が上がっているので、どうでもえぇわ、という感じになっているのかもしれません。こんなにも暑い季節になりましたが、彼女のご要望により、こたつ布団がかかったままになっております。布団をかぶるわけではないのですが、人間がこたつに入るときにめくり上げる部分、それがもたれかかるのにちょうどよくて、さらには起ち上がるときにも支えになるということで、暑苦しいながらもそのまま置いてあります。

 この季節、夕方になると雷が鳴ることも増えてきましたが、さすがにこの歳になると雷が鳴っても知らん顔をしています。若い頃は、雷が鳴ると尻尾を下げてキュンキュンと鳴くのが常でしたが、それが演技であると見抜かれた、と知ってからはあまりやらなくなりました。

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 ハンス・オスターのでべそモデルに収まった木軸の萬年筆。以前にもご紹介しましたように、モンブラン149が余裕で収まる、という太さのスロットを持つこのケースですが、写真のペンはクリップまで収めるとこんな感じに。クリップを外に出すと、写真でもわかるようにケースの方にクリップの跡が付きますので、できればこうしてクリップごと中に収めたいところです。

 この写真は少し「やらせ」でして、きっちきちに収まっている具合を示すためにこうしていますけれど、ふだんはクリップを下の方にしてますので、もう少しゆったりと収まっています。

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 プラチナ萬年筆謹製、70周年記念のスネークウッドです。この材はあっけなくひび割れてしまうことがよく知られていますが、製造する際にも次から次へと割れてしまって、とんでもなく歩留まりが悪かった、という話が伝わっています。モンブランの149などと同じく尾栓を回して胴軸内にインクを吸入する方式で、コンヴァータを軸の中に仕込んだ、いわゆるなんちゃって吸入式にされなかったのは素晴らしいと思います。

 実際、カートリッヂ・コンヴァータ両用式の萬年筆の方がよほど使い勝手が良いのですが、上等な萬年筆と言ったら吸入式、なんていう個人的な思い込みがあって、なかなかその呪縛から逃れることができません。メーカーさんにしても、これ、吸入式です、と売り出したら話題にはなるでしょうけれど、結局はそんなに数売れない,ということになるのでしょう。昨今の異様なまでのインクブームの中にあっても、その多種多様なインクを使うための筆記具はガラスペン、というのが主流ですから、吸入式の萬年筆はやっぱりヘンタイさん向けになってしまいます。

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 どこのメーカーの萬年筆であろうとも、私はこのインクしか入れません、という人も結構多く、それが正解だろうな、と思います。同じインクをいれても、萬年筆によってその書き心地が違ってきますから良い比較材料になりますし、何と言っても管理が楽です。この萬年筆にはこれを、あの萬年筆にはあれを、と色々やっていると、早晩、管理しきれなくなります。実際、萬年筆とインクの対照表なんてエクセルシートを作ったりもしましたが、私自身、そういうマメなことが長続きするような性格ではありません。

 話を戻しますと、この70周年スネークウッドも、見る人が見ると、「割れている」のだそうです。私など鈍いものにとっては、割れている、というのはそれこそ材木の背割りみたいにぱっかーんと大きな亀裂が入っていることを言うわけですが、繊細な、注意深い人が見ると、軸の表面に極めて細かな「割れ」が多数あるから、これは割れている、ということになるのだそうです。まぁ,私などは一生気がつきませんけれども。

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2023年7月27日 (木)

出開帳

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 先日、秋田へお邪魔しました折に、現地の方からお土産にといただいたペンケースと、何なのこれ?と訝しがる「ちち(仮名)」さん。彼女も結構な巨柴なのですけれど、秋田犬はあの大きさですから、家の中で飼うと相当なさらなる圧迫感があることでしょう。世間ではレトリヴァー系など結構な大きさのワンコでも家の中で飼うということが普通になってきておりますけれど、私などは昭和の人ですから、やはりワンコは家の外につながれていて、申し訳程度の貧相な犬小屋で雨露や寒さをしのぐものだ、という意識が強いのです。現状の大きさでも結構邪魔なので、これ以上に大きな生き物が家の中にでんと寝ていたりする、というのは想像しにくいです。何よりこの歳ですから、今後、新しくワンコを飼うなどということは考えられませんね。

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 夏前から突如思い立って始めた「登れる灯台スタンプラリー」参戦ですが、本日の時点で公表されている達成者は192名で、すでに二巡目の達成者だ、という方もいらっしゃるようです。始まってから6年目ですが、コロナ禍を挟んでいますのでまだ少ないのでしょう。この夏あたり、爆発的に達成者が増えるのではないかと思いますので、私などは300番目までに入れるかどうか微妙なところでしょう。

 定年退職後の身でありますし、つつましく生活しないといけませんので、「何かのついで」に灯台「にも」行く、という形に(無理矢理)しております。その「本来の」目的として有用なのがWAGNERの地方大会です。山口券の角島灯台は中国地区(松江)大会の翌日に訪ねる計画でしたし、三島大会には神奈川県の観音埼灯台を見学してから参加しました。そういうことですので、当然、見せびらかし用の萬年筆を持って行く必要があります。何泊であろうが荷物はペーパームーンリュックひとつ、と決めていますので、持って行けるペンも数本。比較的軽症な人たちを冥府魔道に引き込むための道具としてのキャップレス(どノーマル&どヘンタイ)とモンブラン256、そしてHワークスのセルサスです。

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 セルサスは、とにかくありとあらゆる部分をモンブラン146に沿ってこしらえた、ということなので、並べてみました。キャップを閉じた状態ですとほぼ同じ長さです。軸径も似たようなものですが、重さは明らかに違います。いかにチタンとはいえ、146よりはズシリと来ます。

 同じ日に伝染病みたいに3~4人がこのペンを買ったのですが、それぞれにけっこう個体差があって、私のは比較的素性が良かったようです。何もしなくてもインクが漏れる、ペンケースが汚れる、という報告があったので、ずっと1本挿しのペンケースに収めて運び、どうです、チタンでできた萬年筆なのですよ、と見せびらかします。

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 キャップをポストしますと、セルサスの方が長くなります。鈍感な私のことですからあてにはなりませんが、筆記時のバランスはほぼ同じような感じです。誰でもスッと書ける、それでいて飽きることがない。そういうところが146の持ち味かと思いますから、セルサスもそういう報告を狙って作られているのでしょう。購入時に一通り説明をしていただきましたが、146、というワードが何度も何度も出てきました。吸入機構も146と同じようなものであればもっと良かったのですが、それは今後の改良に期待するしかありません。現状は、結構辛いと感じます。

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 一条の猛烈に遅くて長いネジを回して尾栓を外し、現れたノブを回して吸入、排出を行います。しかしこのノブ、手がかりを良くするためにか突起が設けられていますが、この突起が指にあたって実に痛いのです。ノブの内側には白い樹脂製の部品が仕込まれていて、これが上下することで吸入の状態が把握できるようになっています。しかし、そんなのを見ている余裕などないほど、このノブを回すのはしんどいのです。

 で、こういうことをお話ししながら、見ず知らずの人と旧知の人同士であるかのようにお話をして盛り上がる、それがWAGNERの地方大会のよいところ、というか目的であるわけです。次は8月5日の名古屋。大会が終わったらその足で沼津に向かい、翌日、熱海の初島灯台と静岡の御前埼灯台を見学しながら奈良に戻る、という計画です。お天気に恵まれますように。

2023年7月26日 (水)

ほしいなぁ

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 気がつくと、飼い主が寝転がっている側へ頭を持ってきて寝ていた「ちち(仮名)」さん。こういうところがワンコの可愛いところ、ニャンコにはとても真似できないでしょう、などと言いますと、いやいやニャンコだって、飼い主が新聞読んでたら紙面に載ってくるとか、パソコンいじってたらキーボードの上に座るとか、なかなかかわいいもんですよ、などと反論されるのですが、それって邪魔してるだけやん、と思ってしまいます。ニャンコはワンコより賢いからそうするのだ、と言いますけれど、賢くなくても従順に、素直に愛してくれるワンコがいい、と思ってしまいます。私みたいに出来の悪い人間が賢いペットを飼おうなんて、それがそもそも間違ってるわけでして、ワンコの、賢くてもどことなく抜けたところ、というのが良いのです。

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 もう大分前の話になりますけれど、三島で開かれたWAGNERの会合で、PILOTのエラボーの話題が出たのです。販売され始めた頃は、加盟店以外での販売を阻止する目的もあって軸に番号を入れていた、なんてお話を伺って、それならその、番号の入った個体が欲しいものだなぁと思ったことでした。

 そりゃウチにも初代エラボーぐらいならありますけれど、番号入りの初期のモデルなんて、いいなぁ、などと思っていたのです。

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 ペン先の形状、そしてそれに合わせられたペン芯。とにかくヘンタイ心をくすぐられてしまいます。大衆受けすることを第一に考えた製品作りをしていたトヨタが、ときどきとんでもなくヘンタイな車を出すというのにも似て、PILOTも結構とんでもない萬年筆を出してきています。国産三大メーカーで言うと、やはりセイラーが一番ヘンタイな感じがしますけれど、子きっぱつもの凄く変なのを出してくるのはPILOTで、ひっそり地味に、しかもコンスタントに変なのを出しているのがプラチナ。でも、セイラーやプラチナが変なの出しても、やっぱりね、という感じなのに対して、PILOTがやると余計に変な感じが増すのが不思議なところです。

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 誰が思いついたのか、このペン先の形状。PILOTのやることですから、求められる機能、性能を実現するためにこの形が必然であったのだと信じたいところです。で、こいつをアメリカに持って行ってファルコンって、うまいなぁ、という感じ。ファルコンという名のアメリカ向けモデルを逆輸入して信者に頒布するという、なんとも慈悲深い教会が銀座にありましたが、今は昔、です。

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 裏返してみると、ペン芯は何となくテカっていて、なおかつ、ブツブツのようなものが出ています。これって、いわゆる漆塗りのペン芯、ですね。そうやったんや、ウチにも漆塗りペン芯のエラボー、あったんや、と感慨深く見ておりましたら、首軸に汚れがあることに気づきました。傷と言うべきかもしれません。古いモデルですし中古で手に入れたものですから仕方がないとはいえ、傷は嫌ですね。磨かなければ。

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 と、よくよく見たら、傷と思ったのは傷ではなくて、個別の番号が彫られていたのでした。何のことはない、普通に初期型のエラボーを手に入れて今まで持っていたのですね。知らなかっただけで。でも、お話を聞かなければ、この番号入りの個体を持っている、ということも知らないままだったのです。難儀なことですね。

2023年7月25日 (火)

到達

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 実は風船であった「あきお(実名)」さん。上の方、左の団生徒比べるとその大きさに驚かされます。こんなぬいぐるみ、お値段はどれほどのものになるのだろう、と下司なことを考えつつ、秋田在住のAさんに夕食をごちそうになり、積もる話を「山のように」して、お別れして構内を通りましたら、「あきお(実名)」さんが居ない。えっ? と焦りつつよく見たら、空気を抜かれて上からシートをかぶせられていたのでした。

 翌朝、すなわち今日の朝に見ましたら、元気に膨らんでおりました。秋田駅を日常的に利用されている皆様は、彼が膨らんだりしぼんだりするところを見ることができるということですね。実に羨ましい限りです。

 土曜日にお仕事を終えてから夜行バスに乗り、そこからすぐにクルマを飛ばして灯台を見て、さらに平泉、そして下北半島へと、在来線と新幹線、そしてレンタカーを駆使して投宿し、翌日、下北半島をぐるりと回ってから秋田へ出ての再会。もうあとは入道埼灯台を見に行くだけだ、という気の緩みもあって、少し寝過ごして予定より遅めの出発となりました。

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 それでも、いいお天気。今回の東北シリーズ、全行程、体中の水分が抜けるほどのいいお天気が続きました。それでも、食べるものがおいしいので体重は減りませんでしたので、もうすぐやってくる主治医への受診を前に、またまた厳しい減量生活に入らなければなりません。

 平日なんですね、昨日も今日も。なので、いわゆる観光地であっても、そんなにものすごい人出ではないわけです。ここ、入道埼灯台は、北緯40度のラインが通っているところとしても知られます。ヨーロッパ大陸各地、北緯40度以上なのにそんなに寒さが厳しいわけではないところがありますよぉ、それは海流の影響でね・・・と西岸海洋性気候のお話をするときに、ここ秋田県は必ず引き合いに出されるのです。とくに関西に暮らしている者にとっては、東北地方ってとにかく寒くて、何となく暗いようなイメージを抱きがちですが、なかなかどうして、東北地方でも夏は夏。冬の寒さが厳しいのだな、とうかがえるのは、三色の信号機が縦になっているところとか、市街地の路面などに融雪装置があることなどでしょうか。夏に行っただけですと、いや、やっぱり暑いわ、で終わりになってしまいますが、冬に行く勇気もなかなか持てません。

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 実際ここ入道埼灯台にいる間、結構な数の観光客がやってきましたけれど、皆さんこの、北緯40度のモニュメントと、その先の海岸線ばかりを見て帰って行く、という感じでした。小一時間ここに居る間、訪れた人は30人ほど、灯台に登った人は5人足らず、という感じでした。まぁそれぐらいの方が、スタンプラリー遂行中の身としてはありがたいのです。7月21日現在の達成者は190名。私が達成する予定の二ヶ月先には何人に増えているのでしょうか。ここから8月、夏休みの期間にかかりますから、私が16基コンプリートする頃には300人ぐらいに増えているのかもしれません。

 写真左の背の高い石に背中をつけて、北緯40度のモニュメントの中心となる丸いエリアの方を向くと、視線の先に何個か石が並んでいます。それぞれの石は真ん中にスリットが入っていて、北緯40度線を表しているのだそうです。

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 なるほど、ね。たくさんの子どもたちに北緯40度のお話をしてきて、そういう仕事を離れた今、初めてその北緯40度線に立つ。社会の先生だったらあっちこっち旅行をして見識を広めないといけないよ、と若い人には言うものの、自分はほとんど奈良から出たことがなく、修学旅行の引率に行くぐらいしか、泊まりがけの旅行には行ったことがない、という人なのです。そして爺になった今、脚が動く内に、と狂ったように全国あちこちへ出かけている、という自分を滑稽に思いますが、そういう性格なので仕方がありません。

 さて、明日から3日間、お仕事の方は結構ハードな内容が続く予定ですが、東北各地でいただいたエネルギーで乗り切ろうと思います。

 

2023年7月24日 (月)

つながり

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 秋田駅で存在感を発揮している「あきお(実名)」さん。新幹線改札を出たところのナマハゲペアーもかなりのものですけれど、拙BLOGのトップを飾るなら文句なしにこちらでしょう。

 本沙汰は天候にも恵まれ、なおかつ私のような寝坊助が朝の5時きっか日に目を覚ますという奇跡も起こりましたので、むつ市内のホテルから恐山、そして大間崎へと、順調に予定を消化することができました。恐山には開門前に到着したのですが、すでに先客が10名ほど。その人たちは全員、開門と同時に境内にある温泉へと一直線でしたので、本堂から地獄めぐり、全てたった一人ですませるという経験ができました。

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 大間崎は晴れておりましたけれど、海の上にはモヤがかかっていて、北海道は見えません。本州最北端到達証明書をもらうため、近辺のお店が開く午前8時まで待って、証明書とお土産を買って一路尻屋埼灯台へ、と行きたいところですが、昨夜借り出したレンタカーのガソリンが残りひと目盛りでしたので、おそらくは本州最北端であろうガソリンスタンドで給油して、先を急ぎます。

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 これまで、安乗埼、大王埼、潮岬、犬吠埼、野島埼(見学未了)、観音崎、都井岬、角島、尻屋埼と見て参りましたが、なぜかここでは、やっときた、とうとう来た、という気持ちになりました。相当に来るのが難しい、という思いからそう思ったのでしょうか。

 参観受付の方と、ここまで来るバス路線がなくなったこと、すぐ近くにある巨大なセメント工場が閉鎖されて原状回復のための工事に入っていること、昨日は霧が深くて何も見えなかったこと、などなどひとしきりおしゃべりをして、灯台に登ります。これまでにお邪魔した登れる灯台には、必ず資料室が付属しておりましたが、ここにはありません。

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 この灯台周辺は寒立馬の放牧地なので、こういうゲートを通らないと灯台まで行くことができません。しかもこのゲートは時間制で、夕方4時を過ぎると開きません。なかなか厳しい環境です。

 ここへ来るまでに、六ヶ所村など、原子力エネルギー関連の施設も多数ありましたが、下手に写真など撮ってテロリストと間違われても困りますので、それらの威容に関しては、へぇ〜、と心に留めておくだけにしました。

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 事前リサーチでは、そこらじゅうに寒立馬のフンがある、なんてことでしたが、むしろお馬さんたちは電気柵の中にいて、近くにも寄れない状態でした。あとは、猛烈な数の虻。クルマにもたかっているので、乗り込む際にはタイミングを見計らって一気にドアを開け、乗り込んだら素早く閉める、ということが大切です。田舎もんなので、実は結構うまくやれたりします。

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 レンタカーのエンジンにススが溜まっているといけないので、元気よくエンジンを回しておりましたら、予定よりはるかに早く八戸駅まで戻ることができましたが、秋田へ向かう列車はすでに出発した後で、次の列車まではかなりある、という状況。急いだからといって良いことがあるとは限らないのものです。

 そして、秋田在住のA氏に晩ご飯をご一緒していただいて、積もる話で気がつけばこんな時間。いつも思うことですが、萬年筆趣味がなければ、この灯台巡りだってやってなかったでしょうし、各地で懐かしい方にお会いして楽しいひと時を過ごすこともなく、いや、そもそもそういう方に出会うことすらなかったわけですから、実にありがたいものだとあらためて思ったことでした。


2023年7月23日 (日)

ポール・フレール

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 へちゃーっと伸びて眠る「ちち(仮名)」さん。飼い主がいない今も、同じようにしていることでしょう。9時間の夜行バスの旅、寝付くまで少し手間取りましたけれど、気がつけば朝、といつものパターンで、定刻よりおよそ30分早く郡山駅に到着しました。そこからカーシェアで借りた車を飛ばして塩屋埼灯台まで、およそ1時間のドライブ。最新型のノートePowerでしたので、意図した以上にハイペースなドライブになってしまいましたが、もともと少しキツめの計画でしたので、助かった、というのが正直なところです。

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 今更、なのですけれど、現行ノートって、これ、初見で驚かされますね。アームレストがそのままダッシュボードまで伸びてる、という感じ。しかもその下はただの空間。橋がかかっている感じですね。最近の車ならここにドリンクホルダーがあるわけですが、そもそもこれだと場所がありません。グレードその他によっても違うのでしょうか。

 さすがルノーと共通のプラットホーム、高速になる程しっかりしてます。時速100(単位省略)でもリラックスしていられます。

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 塩屋埼灯台を見学して、美空ひばりさんの歌が流れる記念碑を見て、ピストンコースで郡山駅へ戻り、新幹線と東北本線を乗り継いで平泉へ。こくほうだいいちごう、せかいいさんの一角をなす中尊寺金色堂を拝ませていただきました。

 塩屋埼灯台も、中尊寺も、とにかく坂道。金色堂を拝んでの帰り道、高館義経堂への道もまた上り坂と階段。平泉駅へ戻って乗った電車は、不思議なことにロングシートの片側だけ満席ですその向かいはガラガラ、と思ったら、日除けのない仕様なのでした。背中から西陽に温められながら、うとうとしていたら盛岡駅。ここで駅の周りをうろついて、9月のWAGNER会場の場所も確認して、新幹線で八戸へと向かいます。

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 こまち併結のはやぶさ号に乗るので、解結作業の様子でもみようか、と待っていたのですが、柵から離れて、というアナウンスが繰り返される中、小さな子供を抱き上げた親が柵にべったり。こういう体験を通して、傍若無人、外道な撮り鉄ができあがっていくのだろうなぁ、と思ったことでした。アホの同類になるのは嫌なので、作業の様子は見ないで乗車しました。

 八戸からレンタカーに乗って、カーナビの表示にびっくり。今夜の宿まで4時間近くかかるとの表示。こういうものは、一般道30キロで走るものとして計算されてるのがほとんどだ、と自分に言い聞かせて、何とか2時間で投宿。明日は早朝から下北半島ぐるりと回って、その後、秋田へと向かいます。

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2023年7月22日 (土)

れいんぼー

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 暑い暑い、とはぁはぁしている「ちち(仮名)」さん。お昼過ぎ、飼い主が職場から帰ってきた時には落ち着いてゆったりと寝ていたのですが、夕方のお散歩でけっこう暑い思いをされたようです。

 そんな彼女にお留守番をお願いして、夜の8時を過ぎた頃に自宅を出発。東北地方にある登れる灯台3基を一気に回ろうという計画です。初日となる今夜は夜行バスで車中泊。目覚めたらレンタカーを駆ってまずは塩屋埼灯台を目指します。

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 今夜、お世話になりますのは、近鉄バスが運行担当のギャラクシー号、福島行き。あべのハルカスの下から出発して、定刻通りに京都駅前にやってきてくれました。乗車率は定員の三分の一強というところでしょうか。

 全行程中、バスから降りることのできる開放休憩は一回だけ。新名神の土山SAのみで、そこを出たら車内消灯、そこまでは客席個別のカーテンも網棚の上に巻き上げられている状態です。勝手に降ろしたって構わないのでしょうけれど。

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 イコマ製菓さん謹製のレインボーラムネ。毎度、購入権を得るために往復ハガキを送るも、ことごとく選に漏れていたのですが、何軒か安定的に購入できるお店を見つけた今では、欲しいと思った時に購入できます。

 ベロモルーペが置いてあるのは、プリゴジンさんとは何の関係もなく、ただ、大きさ比較するのに手近にあったものを置いたから、というだけのことです。レインボーラムネは、他のラムネと比べて粒の大きさがやや大ぶり、というのも特徴のひとつなのです。

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 600グラム入りの一袋分をバットにあけてみたところ。レインボーラムネと言いますけれど、白、黄、青、ピンクの4色で、色に関係なく全てピーチ味です。社内の他所の事業所にいろいろお世話になりましたので、そこの職員さんたちにささやかなお礼を、ということで、暑いのを我慢してマスクに手袋という姿で小袋に詰めてギフトラッピング。全くと言って良いほど女子力はありませんので、手間をかけた割に見栄えはサッパリです。

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 今回の作業を通して判明したのは、レインボーラムネはほとんどが白いやつやん、ということでした。写真の一袋におよそ100グラムほどのラムネが入っていますが、白いのが30個超で、黄、青、ピンクはそれぞれその三分の一にも満たない数です。110グラムくらいで60個あるかないか、ぐらいでしょうか。白い中に、彩りとして他の色、という感じです。こんな見た目でも、レインボーラムネ、食べてください、と持っていったら、けっこう喜んでもらえたので、良しとしておきましょう。

2023年7月21日 (金)

かわいいっ!

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 アクロバティックな姿勢の「まりりん(雄丸出し)」さん。水槽の向こうに腕が見えますが、その女性職員さんが「まりり~んっ」などと甘くささやきかけているので、そちらに向かって突進しているところなのです。このカメさんは手を振ってくれて可愛い、などと皆さんおっしゃってくださるのですけれど、今の時期はカメさんにとっては恋の季節なので、とにかく異性を見つけて交尾に持ち込もうとしているわけです。なので動くものは皆、雌のカメさんなのだ、ということなのかもしれません。

 まりりんさんは、フィルターの上に乗っかって水槽の外、写真では左側に当たる方を見ていたのですけれど、その視線を横切った女性職員さんが水槽の向こう側で声をかけたものですから、必死になってそちらへ向かおうとして、まさしく壁を歩いているところなのです。明日はしっかり水槽の水を取り替えて、日曜日は何とかしのいでもらい、月曜、火曜と私が不在の間は、女性職員さんに水を換えていただくようにお願いをしております。まりりんさん、嫌われないようにいい子にしていてほしいものです。

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 その見た目も、そしてお値段も、とてもじゃないけれど可愛いとは言えない、けれども愛着という点ではピカイチなのがこちらのペンケース。できることなら追加で手に入れたいものだ、と無責任に思っていますけれど、実際、北欧の匠まで行ってしまったら、出会い頭に現物があったりして、見事に事故に遭う、ということになりかねないので、欲しいなぁ、と思うだけにとどめています。

 幻と言われていたのが左のペンケースで、東京近郊にお住まいの方でも滅多に現物が陳列されているところに出くわさないし、もし出くわした人がいても、その人が即買ってしまうので、私のようなお上りさんは手に入れるどころか現物を拝むことすらできないだろうと諦めていたものなのです。それが、今、目の前に、というので少しばかり、いや、かなり興奮していたのでしょう。ほとんど呆れたような感じで、買いなさいな、と言ってくれた妻・・・どころか、買ってくれたのでした。ありがとうございました。

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 そのとき、硝子ケースの中には同じようなケースが2点あって、その違いはスロットの太さ。モンブランの149が収まるようなものと、そうではない普通のサイズのもの。当時、モンブラン149などは持っておりませんでしたが、迷わず149が入るサイズの方を求めました。左側が通常の太さのものです。こうして並べてみると、違いがよくわかります。

 ちなみに、左側のケースは自分で買ったもの。そう、また出会えるかな、などと、その後も北欧の匠へと足を運んでいたのです、私は。けれど悪いことはできないもので、これまで再会したことがありません。その結果、こういうフラップ型のものを購入していたりするわけです。結局、悪いことをしているわけですね。

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 この、ペンを収めるスロットの絞り、見事です。単独ならともかく、こうして連続している状態で絞って成形するのはとんでもなく難しいのだそうです。作者であるハンス・オスター氏は革職人ですが、教師のようなこともされているとかいないとか、そういうお話も伺ったことがあるのですが、定かではありません。一度、北欧の匠にお邪魔してお話を聞いてみる必要がありそうですが、そういうことをするとまた事故に遭う可能性もあります。

 もう少し若かった頃は今以上にアホでしたから、東京へ行く機会があると、銀座の伊東屋さんに行かねば、となって、あくまでそのついでに、という名目でペンクラスターから北欧の匠、悪魔の館などを歴訪して、揚げ句に教会の上で懺悔をし、ありゃ、ここに地下鉄の入口がある、などと言いながら赤い電車に乗って新宿に出て、何となく汚い路地を歩いて細長いビルに登り・・・などということを、ほとんど義務であるかのようにやっておりました。そうそう、秋葉原にも詣でる必要がある、などと思い出したりもしますので、東京駅へ戻ってきたらクタクタでした。まだ滅多に東京なんど行かないくせにエクスプレス予約の会員になっていて、サクッと新幹線とったらヱビスビールと崎陽軒のシウマイを買って乗り込み、新横浜出るまでに車中でひとり宴会。そこから眠りに堕ちて、三河安城を通過しました、のアナウンスで目覚める、というパターン。あの時代もう少し堅実に,萬年筆と距離を置いて暮らしていたなら、今頃は完全にリタイアしてのんびり過ごしていたかもしれません。けれど、その分、いろんな人たちと出会う機会もなかったはずで、これはお金の問題じゃない、と無理に自分を納得させている惨めな老人です。まぁ、仕方のないことですね。我慢できないんですから。

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2023年7月20日 (木)

かわ いい

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 珍しく体の大部分をクッションにのせて鼾をかいている「ちち(仮名)」さん。まだ梅雨入り前、薫風爽やかな頃に、この夏を越せるのだろうか、などと心配していたことが馬鹿らしく思えるほど、食欲旺盛で、元気に動き回っております。先住犬の「くま(仮名)」さんが晩年おむつをしてほとんど寝て過ごしていたことを思うと、まだまだ元気でいられるだろうな、という感じです。

 これまで旅行らしい旅行をほとんどしてこなかった飼い主が、突然ものに取り憑かれたように灯台巡りをしているのは、ひとつにはそういう性格だから。何か気になる、ハマっていることがあると歯止めがきかなくなる、熱しやすく冷めやすい性格だということに加えて、歩くことができる間にあっちこっち行っておかないと、という強迫観念みたいなものがあるからなのです。若い頃は「誰も俺の前は歩かせない」なんていう感じで、同行者が勘弁してくれと言うほどに速く歩いていた私なのですが、昨今は駅の構内などを歩いていてもどんどん抜かれていきます。実に哀しいことです。今のうちに、ガシガシ歩かなければいけないところへ行っておこう、という老人の悪あがきなのかもしれません。

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 カップケーキやマドレーヌなどを食べ終わった後の光景、ではありません。ご存じの方も多いと思いますが、これは、ある意味ブランドものの小銭入れなのです。確か鹿の革だと説明を受けた記憶がありますけれど、その説明をしてくださった方が、30秒に1回ぐらいのペースでしょうもない駄洒落をおっしゃるので、そちらに気をとられて、いや気をそがれてろくに聞いていないというのが本当のところです。

 あるとき、銀座の町を歩いていて、あるお店に入りましたところ、店主とでべそさんとが話し込んでいらっしゃったのです。「北欧の匠」でのことですが、なかなかに興味をひかれるお話でしたので、商品を見ながらも、耳がマギー審司師匠になっていた私でした。

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 そうこうするうち、例の上品な奥様が、「まぁどうぞ、お座りになって。」と紅茶を勧めてくださったのです。そのあまりの自然さに、スッとその場に座ってしまった私。恐ろしいことに、成川さんとでべそさんの会話に加わるような形になってしまいました。その年のフェンテ交流会のことについて、あるいは今は蔵前に工房を構えてらっしゃる革製品作家さんの現状と今後について、などというお話をされていたのでした。実に畏れ多いことでありましたので、けっして小さくはない身を可能な限り縮めながら、じっとその場で恐縮しつつ座っていたのでした。

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 鹿の革でこしらえた小銭入れ。カップケーキのカスみたいになった状態から、ツンとつつくとこんな風にしまります。ですから、小銭入れとしては実に使いやすいものですし、何よりこの、使われている革が実にいい。革がいい、かわいい・・・なんてことを説明していただいて、これを購入させていただいたのでした。おそらく、そのときお店に並んでいたものの中では一番お手頃な価格のものだったはずです。いや、それ以外のものにはとても手を出せなかった、というのが正しい表現でしょう。

 後に、妻と一緒に再び大店にお邪魔した際に、当時、幻とまで言われていたペンケースが陳列されているのを見て、あぁ、これがあの幻の、と妻に話しておりましたら、幻が目の前に出てきたんだから、と買ってもらった、ということにつながるのです。成川さんはお店にいらっしゃらなかったので、駄洒落のプレゼントはありませんでしたが。

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2023年7月19日 (水)

準備万端

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 カメラが離れていくのをじっと待っている「ちち(仮名)」さん。換毛期に入ったためか、このところ大変に食欲旺盛になっている彼女、家族が食卓に座っていると何かくれと言って鳴くようになりました、お行儀の悪いことで、躾をしなければなりませんけれど、老体ながらまだまだ食欲があるというところをまずは喜びたいものです。

 明日、7月20日からは、夏の青春18きっぷが使用可能な期間に入ります。このあと9月10日まで、5日分、どこへ行こうかと考えるのも楽しいものですが、今年は8月中に2日連続で使うことを2回計画していて、さて残った1回分はどこでどう使おうか、というところです。今週末からの東北シリーズでは「使い倒す」ということができず、せいぜい1日1000円ほど節約できた、という程度になりますので使いません。

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 18きっぷ、私は財布に入れて持ち歩いていましたが、こういうものも売られているのですね。いくつかパターンのある中で、やっぱり湘南色でしょう、ということで選んでみました。このように18きっぷを入れて、首からぶら下げて旅を続けるわけですが、いや、本当にこれ、首から下げて旅をするのかどうか、たいへん怪しいところです。

 乗り潰し旅や、普通なら降りないような駅で降りてみる,などという使い方なら、しょっちゅう券を見せる必要がありますが、私の場合、乗ると結構長い距離を進む方ですので、その日一番に改札印を押してもらったら、下手をするとその日の終わりまで誰にも券を見せない、ということもあり得ます。そういう人には、このケース、無用の長物なのかもしれません。

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 裏側には小銭入れぐらいにはなりそうな外ポケット。確かに便利なのですが、実際、使う場面が思い浮かべられないのです。何より私の場合、こういうものを首からぶら下げて移動していると、いつの間にかストラップだけになっていた、などということが起こりそうで怖いのです。

 さらに、クリックリーダーという老眼鏡を首にかけておりますので、そこへもう一本、こういうループ状のものをかけると、お互いに干渉してややこしいことになります。

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 と、そんなことを言いながらも、もう一つ、同じようなものを買ってしまいました。こちらは革の質感と、透明な窓の部分に比較的しっかりとした、硬い素材が使われているところに惹かれたのです。ストラップをつけずに、あるいは写真とは違う、横の部分に取り付けて、そのまま社員証みたいに胸ポケットに入れておく、という形に落ち着きそうです。

 その日一番に言った駅では、どちらの場合もケースから出してスタンプを押してもらう必要がありますが、その場合の取り出しやすさに関しては、湘南色の方が勝っているように思われます。しかし、このケースも、革が馴染んでくるにつれて使いやすくなっていくことでしょう。この夏は、18きっぷで中国人観光客とバトる、という場面がたくさんありそうです。

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2023年7月18日 (火)

どちらにも

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 微妙に顔をそらして写真を拒否する「ちち(仮名)」さん。飼い主も写真を撮られるのは大嫌いで、中学校や高校のときに、遠足や修学旅行などで集合写真が撮られるときには、カシャッ というタイミングで横を向いたりしゃがんだりするのが常でした。後日、その写真が教室に貼られて、授業参観に来た保護者が注文する、というシステムなのですけれど、「お前、何しに行ったんや。ひとつも写ってないやないかっ!」と母親に叱られる、というのもいつものことでした。極めつけは卒業アルバム。当時は一人ずつの写真ではなくて集合写真でしたから、逃げ隠れできたとも言えます。いや、別に、将来犯罪者になったときに晒されないように、なんて考えていたわけではありません。

 昨日、九州と長州への旅から帰って来た飼い主ですが、今週土曜日には東北地方へと出発です。福島から岩手、青森と回って最後は秋田に至る予定ですけれど、本日の大雨で少し怪しくなってきました。現地の皆さんの大変な状況を思うと、エアコンの効いた室内でボンヤリ過ごしているのが実に申し訳ない思いです。

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 本日は、セイラー萬年筆が出していた、萬年筆とボールペン、1本で両方使えまっせ、というもの。キャップをとると、14Kのペン先が顔を出します。いわゆる尾栓の部分には穴が開いていて、そこからボールペンの先が出てくる仕掛けです。

 この個体は海外向けだったらしく、お値段が日本円ではなくドル表記になっています。よくある透明軸の事務用ボールペンの中に入っている、ごく普通のリフィルを思い出してください。お尻の方に、インクが入っていない空間がありますよね。このペンのリフィルは、あの何も入っていない部分ほどの長さしかありません。実用性という意味ではどうだったのでしょうか。複写が必要でカーボン紙を挟んで書くような場面でだけ,お尻から出したボールペンを使い、普段はあくまで萬年筆メインに使う、ということだったのでしょうか。

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 そのまんまです。海外向け、お値段がドルで書かれているというのに、ここは日本語です。シールのように見えますから、英語表記にすることも難しくはなかったのでしょうけれど、本格的に海外に出すつもりはない、ということなのか、後の世の人間からすると、面白いところです。

 軸の真ん中にこういう部分があれば、まぁ普通は捻りたくもなるし、捻ったらボールペンの先が出てくるのだから説明不要、ということなのかもしれません。

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 立派です。14Kです。これが色ものだったら、ここ、鉄ペンで行くでしょう。やっぱりこのモデルは、あくまで萬年筆。いざというときに、ボールペンとしても使えますよ、というコンセプトだったのでしょう。もしそうでなかったとしても、インクカートリッヂが収まる空間を確保した上で十分な長さのボールペンリフィルを収めるなどということは物理的に不可能ですから、仕方なく、だったのかもしれません。いずれにせよ面白いものですから、それで十分です。

 秋田へお邪魔することについては、今週末まで現地の情報をウォッチして、無理そうならば9月に送って、代わりに本州最東端、魹ヶ崎へ行くということも計画に入れました。どちらになっても大丈夫なように、すでに準備万端。遊ぶことだけは真剣に取り組む私です。

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2023年7月17日 (月)

暑い!

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 ん? 帰ってきたん? という「ちち(仮名)」さん。2~3日飼い主の顔を見ない、ってなことは珍しくもないので、帰ってきたからといって熱烈歓迎というわけでもありません。それでも、こうして顔を上げた以上は、きちんとワシャワシャしてもらうまでじっと見ています。

 天候を心配するには灯台巡りの常ですけれど、神戸から宮崎までのフェリーにしても、ゆらゆらとは揺れていたのを感じたものの酔うほどでもなく、宮崎、福岡、山口の各県もとにかく快晴で暑い暑い。相当に水分が抜けたはずなのに、痩せてもいない飼い主なのでした。

 小倉のホテルを出て、レンタカーで関門トンネルを抜け、本州最西端の毘沙の鼻へ。まずは角島灯台へ行ってから帰りに寄るつもりだったのですが、前を行くジェットスキーを引っ張るクルマが、いかに本州最西端といえども、この速度では目的地に着くまでに日が暮れてしまう・・・というほどに遅かったので、ついていくのを止めたのです。

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 すみっこぐらし、ということですね。本州で最後に夕日が見られる場所、ということで、恋人同士で夕暮れ時に訪れるという場所なんですが、オッサンがひとりで来てしまいました。ここからは、遠く角島も見えています。

 こうやってひとしきり時間を潰したので、もう障害物もなくなっただろう、と角島灯台への国道191号へと戻ったのですが、相変わらず道路を駐車場と間違えているようなクルマがコンボイを組んで走っていまして、予定より大幅に遅れて角島灯台へ到着。達観するしかありません。

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 角島灯台は、昨日お邪魔した都井岬灯台と同じく、すぐそばに売店もあり、非常に賑やかです。これまでにお邪魔した安乗崎、大王崎、潮岬、犬吠埼、そして野島崎(登ってませんけれど)などもそうでしたが、飲んだり食べたり、時間を潰すのに困るようなことはありません。観音崎は灯台そのものの周りには何もなくて、純粋に灯台という感じでした。バスなどで訪ねるのなら、周りにあれこれあった方が助かりますね。

 角島灯台からの帰り、前を行くクルマはアクセルよりブレーキを踏んでいる時間の方が遙かに長い、という状態でしたので、見通しの良いところでお別れして、そのあと、ちょっと制御不能気味な巡航ミサイルのうしろにくっついて行ったので、行きと同じ道のりとは思えないほどの時間で下関市街まで帰ってくることができました。怖いことは怖いですけれど、ミサイルっぽく前を走ってるぶんにはプリウスも悪くありません。

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 レンタカーを返却して、門司港駅前へ。皆さんこのクソ暑い中、何枚も何枚もポーズをとって駅舎と一緒に自撮りをされてましたので、邪魔にならないように横の方からそっと駅舎を撮らせていただきました。門司港レトロ、っていうことで見所と言われる建物などがたくさんあるのですけれど、とにかく暑いので回る気力もなく、とりあえず一番近くにある九州鉄道記念館で少し涼んで、外に出たところで、踏切の警報音が鳴っているのに気づきました。

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 やってしまいました。撮り鉄してしまいました。恥ずべき行為ですね。線路の外からですし、他人の土地に立ち入ったりもしていませんので、まぁお許しいただけるかと。日本一ゆっくりと走る鉄道、などと言われておりますね。これに乗って和布刈まで行って、というプランもあったのですが、行ったからどうなるというものでもなく、また、この列車に乗ってるのは大部分が親子連れ。せっかくの休日、小さな子どもの阿鼻叫喚の中に身を置くこともないだろう、というので見送りました。

 で、門司港レトロ、見たり食べたりすることもないので帰ろうか、と思いつつ、ピストンコースも面白くないので、船に乗り、巌流島に寄ってから下関、唐戸港へと向かいました。

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 武蔵に櫂でシバき倒されて気絶していた佐々木小次郎を、武蔵の弟子達がさらにボコボコにしてとどめを刺した、などと言われておりますが、真相はどうなのでしょうか。剣客ですから、自分より強そうな相手を倒して名を上げていく,それは当然のこと。むしろ、気絶していたところから息を吹き返して、その後も長く生きていたりすると、小次郎もかえって無様なことであったろうと思われますから。まぁ良かったのでしょう。

 あまりにも暑かったので、予定を繰り上げて早めに新幹線に乗り、日が暮れてもまとわりつくような暑さの残る奈良へ戻って、まりりんさんの水槽の水を換えるために職場へ寄り、その後帰宅。連休で遊び倒すのは良いのですけれど、生き物を飼っていると気になって仕方がありません。月曜日に帰ってきて、また土曜日から灯台巡り。我ながら、アホです。

2023年7月16日 (日)

181人

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 ソテツの生える道路側を悠然と歩く御崎馬の親子(知らんけど)。元は高鍋藩が管理していた牧場であった都井岬、今でも、一年を通して自然の中で放牧されているので、ほとんど野生の馬です。時代劇に出てくるお馬さん、アラブ種とかの大きなものですけれど、本当はこのような、体高130センチ程度のお馬さんに侍などが乗っていたのだそうです。オス一頭に対してメス数頭のグループで暮らすそうなので、本当にこれ、親子というか、そのハーレムなのかもしれません。

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 紀伊水道を抜けて室戸岬の沖をかすめ、定刻に宮崎港に到着して、連絡バスで宮崎駅、そしてレンタカーで都井岬。何とか午前中に到着して、いよいよここから都井岬、というところに料金所のようなものがあり、協力金400円を支払って先に進みます。下手くそな癖に結構飛ばしてしまう私ですが、流石にお馬さんと衝突したらアウトなので、慎重に進みます。世界中のの道路は自分ののもの、と信じているオーナーが多い(と、私が勝手に思い込んでいる)メルセデスに、誇らしげにロッテリアのマークをつけたクルマなのですが、そんな連中ですらゆっくりと走っています。

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 こやつなど、ホンマにクルマに体当たりしてくるんとちゃうか、と一瞬焦らせてくれましたが、スゥ〜っと車を避けて歩いて行きました。交通マナーという点では、信号を守り、車の流れが途切れてから横断する奈良公園の鹿の方がよほど洗練されております。野生なんですね。

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 お馬さんにぶつかることもなく、無事、都井岬灯台に到着。この階段のすぐ下に、店内で飲食もできそうな売店があって、灯台の受付の人も、いつも売店の人がいるので寂しくない、なんておっしゃるほど。日南線の串間駅からバスの便もあるので、時間に余裕があれば訪ねやすい灯台と言えるでしょう。本日、こちらにお邪魔した時点で、全国16基の登れる灯台スタンプラリー達成者は181人。さて、私は何番目に達成できるのでしょうか。

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 あまりにも良いお天気でしたし、極めて順調に灯台まで来ることができましたので、御崎神社にお礼参りに行きました。ほとんど波打ち際まで降りていくと、写真左下の拝所があり、そこから目の前の大きな岩山に祀られている祠を遥拝させていただきました。ありがとうございました。

 あとは、宮崎駅までピストンコース。レンタカーを返却したら、にちりん、ソニックと乗り継いで小倉駅へ。午後2時半過ぎに宮崎を出て、小倉に着いたのが7時過ぎ。九州は実に広いですね。ちなみに、きりしまで鹿児島中央へ出てしんかんせんにのる、という手もあるのですが、金額的に断然お安い方を取りました。安く、多く、というのが、灯台巡りの基本コンセプトなので、今夜も安いビジネスホテルに泊まって、明日は本州最西端を目指します。

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2023年7月15日 (土)

ゆらゆら

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 ご飯をもらって満足げな「まりりん(男の子確定)」さん。平日は毎朝ご飯をもらい、それを食べ散らかしたところで水槽の水を取り替えてもらう、という流れになっていますが、本日から三連休で、尚且つ火曜日も飼い主がお休み、ということで、本日のお昼過ぎ、まずはご飯、そしてこのあと、水槽の水、ぜんぶ換えました、というところです。

 餌鉢に残った分も、明日には食べてしまうでしょう。月曜日は欠食ですが、火曜の朝には優しい女性スタッフたちが来て面倒見てくれますから、むしろ、欠食する分、フンが少なくなって良いでしょう。

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 神戸、三宮新港フェリーターミナル。各社三宮駅から徒歩20分ほどのところです。手前から伸びている徒歩乗船用の通路、なぜか本日は使用しないということで、写真でトラックが登っている坂を歩いて乗船する、という珍しい体験をさせてもらいました。

 港内係留中でも、常にゆらゆらと揺れていて、通路を歩くと何となく変な感じがします。これまでに乗ったことのあるフェリーではそうでもなかったので、船の大きさとか構造とか、そういうものも関係しているのかもしれません。

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 このあと19時過ぎに出港して、室戸岬の沖合を通って太平洋を宮崎まで。酔うのではないかと心配で、久しぶりに酔い止めなどを飲んでおります。港内でもすでに相当電波が弱いので、ここで更新しておかなければ、ということなのです。

 大好物の離岸、そして明朝の接岸。船の旅は非日常でテンション上がります。

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2023年7月14日 (金)

生産性が低い萬年筆

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 キュンキュン鳴きながら寝床をこしらえていたはずなのに、できあがったものは枕としか思えないものでした。「ちち(仮名)」さんは枕を好むワンコなので、これで良いのでしょう。ただ、後ろ脚がフローリングの上にはみ出ていますので、水を飲もうと目を覚ましたとき、起ち上がることができなくてギャンギャン鳴く可能性があります。自分でこしらえた枕に顔を埋め、お尻の方は床に置かれたボックスにあてがっていますので、非常に安定感のある、寝やすそうなかたちであることは確かです。

 飼い主は退勤後にハンズに寄り、肩からかけられる小さなポーチを買い求めました。iPad miniがギリギリ入る大きさですが、それを入れるのが目的ではなく、灯台巡りのスタンプ帳その他を入れるのが主目的です。その状態で,着替えその他を収めたリュックにそのまま入れられる、というのが味噌で、灯台に着いたらそのポーチだけを肩にかけて登るのです。風の強いところでスタンプ帳など手持ちをしておりますと、どこかへ飛ばされてしまう危険もありますから、ガッチリを肩掛け、これにつきます。

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 そういうわけで、この三連休は萬年筆の記事を書くことはないと思われますので、以前、ちょろっと顔出ししただけのこの1本、モンブランの256さんです。後期型と思われますけれど、私よりも長くこの世にいらっしゃる1本です。国産のショート軸萬年筆などと違って、キャップをかぶせるときに、どのあたりまでで止めたら良いのか、がわかりにくいのが難点です。結構良い書き心地ですので、萬年筆関係のイヴェントに参加する際に持参して、見せびらかし、ホレホレして、書いてみるようにすすめているのですが、キャップをポストするにしても、かぶせるにしても、どこまで? というのが難しいところです。一応、キャップをするときはインク窓が隠れたらそこまででいいですよ、と言っております。

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 ペン先のサイズが大きいので、はっきりとイカペンとわかります。しかし、これを見て「イカ」だとみた先人は偉いですね。外国の方は、このペン先を愛称で呼んだりしているのでしょうか。まさか、Squid Pen・・・なんてことはないのだろうと思いますが。

 珍しいかどうかは別として、萬年筆の古いものはあまり好きではないのです。その時代にあっては素晴らしい造形だったとしても、今の時代に見てカッコいいかどうか、というのは別の話。古き良きもの、なんてものが理解できるような素養は持っていないので、まぁ何でも新しい方が、という人なのですが、この256、ずんぐりとしたこの形には惹かれてしまいます。

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 こいつのペン先は柔らかいよぉ、という話になると、ついつい筆圧をかけてグイングインとやりたくなりますけれど、これはそういう柔らかさではなくて、筆圧をかけずに書いても感じるものです。EFではありますけれど、国産のFからひょっとするとMに近いかも、という感じですのでカリカリという感触はありません。かといって、ヌラヌラドバドバでもない、ほどよい感じに調整していただいています。

 何となく、するすると書けてしまうので、気がついたら悪戯書きをしています。実に生産性の低い筆記具だと言えます。こういうものを仕事で使うなんて言語道断ですから、仕事場には持って行かないようにしないといけません。断捨離を続けていっても、最後の方まで残す1本だろうと思います。

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2023年7月13日 (木)

もったいない

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 眠たそうにしている「ちち(仮名)」さん。ぐぅぐぅ鼾をかいて寝ていたのですけれど、飼い主が帰宅したのを察知して目を開けたところなのです。こうなると、飼い主が近くに寄っていって、「よしよし」してあげないと収まりません。家族はそれを見て、あぁ、せっかくよぅ寝てたのに、と残念そうな声を上げるのです。

 飼い主の方は相変わらず、日々の仕事をこなし、家に帰ってくれば灯台巡りの計画を練り直し・・・という毎日です。貧乏性なので、そこまで行ったからには灯台だけでなく、何か他の物も見てこなくては・・・という呪縛から逃れることができません。三重県や和歌山県の灯台を巡ったぐらいですと、そうも思わないのですが、遠方へ行くとなると、それだけを目的に、というのはもったいないと感じてしまいます。先週末は三島でWAGNERの会合があるから、とそれにひっかけて三つの灯台を巡ることを計画し、うち二つについて目的を達成しました。今週末には、何と灯台に行くためだけにフェリーに乗って行き、現地ではレンタカーを借りて走り、ホテルにも泊まり、新幹線で帰ってくる、という豪勢な計画を立てていますが、これで灯台二つ。そうしないと回れないのですけれど、実にもったいなく感じてしまいます。

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 加藤清氏の手になるセルロイド製のエクステンダー。エクステンダーそのものは大昔からあって、くるくると先端を回して短くなった鉛筆をがっちりくわえ込ませる、というところに(だけ)魅力を感じて、字を書かない学生であった私でも使っておりました。これは確か、まだ加藤氏がご存命であった頃に手に入れたもの。当時は筆記具の形をしていれば何でも良かった、のかもしれません。

 凝ったメカはなくて、単純にキャップをとり、萬年筆で言えば胴軸、尻軸にあたる部分に短くなった鉛筆を差し込むだけです。したがって、少し短くなってきたなぁ、程度の鉛筆には使えません。これの特徴である、キャップをして、胸ポケットなどに挿して持ち歩く、ということができなくなってしまうからです。

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 短くなった鉛筆は、TSUNAGOを使って合体させて伸ばす、いうことをやっておりますけれど、まず作業がしんどい。短くなった鉛筆を穴に突っ込んで、ぐりぐりと結合するための穴を掘る、この作業がキモで、かつ、一番しんどいのです。何本も作業を続けますと確実に手の平がダメになります。短くなった鉛筆のお尻の部分を突っ込んで、正確に心出しをして穴を空ける、というのは非常に難しく、空けた穴が中心からズレていますと、できあがった長い鉛筆もどことなく曲がったような感じになってしまいます。何より、電動鉛筆削りなどに受け入れてもらえないという悲劇も起こったりします。

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 2本の鉛筆を寄せて、だいたいこのぐらいかな、と組み合わせてみると、長すぎる鉛筆ができてしまったりすることもあります。下手くそにつなぎますと、継ぎ目が目立ちますので、子どもたちの餌食に。つないであるところにあえて力をかけて、せっかく長くした鉛筆をまた短くしてしまう、という非常識な遊びに熱中してしまう子どももおります。

 この写真でいうと、上の方、これの構成要素になっているものは2本とも、加藤氏のエクステンダーには適合しません。下の方、涙ぐましい努力の成果、というべきものなら、こうやってつなぐのではなくて、エクステンダーに入れてしまうのが良いでしょう。

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 子どもたちによって折られてしまった、継ぎ足し加工をした鉛筆の前の方。こうやって軸を割られてしまうと、再度つなぐことは難しいので、エクステンダーに入れて使うしかなくなります。もとはお尻に消しゴムがつけられていた鉛筆から消しゴムとその周りの金属製のカヴァーを取り外して加工したのですけれど、もともと消しゴムをつけるために径が小さくなっていた部分でしたから、余計に折りやすかったのです。

 エクステンダーも、今や「おしゃれ」なものとして、あえてそれに入れて鉛筆を使う、という感じになってきていますね。いったん産まれたものの命を少しでも長らえさせる、こういう商品、これからも発展していくジャンルであろうと思います。

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2023年7月12日 (水)

あたり?はずれ?

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 今日もまたしっかりとこたつを護りながら眠る「ちち(仮名)」さん。「梅雨明けしたものと思われます。」という言葉を聞いたら、お母さんはこたつ布団を剥ぎ取ってクリーニングに出し、夏に向けてすっきりとした居間へと模様替えをすることになっているのです。こたつ布団を片付けるという会話が頻繁に耳に入ってくるので、彼女としては断固阻止、私が安眠できるように夏の間もこたつ布団の設置を強く求めます、ということを態度で訴えているようです。でも、抵抗は無意味、なのです。

 全国に16基ある「登れる灯台」を回ってスタンプを集める、というミッションに取り憑かれている飼い主にとって、この夏が正念場なのですけれど、それは同時に、みんなが夏のヴァケーションに出かける時期に、自分も海を目指していく、ということなのです。海のない奈良県に住んでいる人が海を求めて辺鄙なところへ出かけて行くのですから、現地付近での宿泊が必須となります。手前どもはビジネスホテルでございます、などと言っているホテルが、一泊3万円なんてプライスタグを掲げていたりしますので、適価で泊まる、ということはなかなかに困難です。

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 そういう場合、このブランドのホテルがけっこう助けになってくれます。とにもかくにも安く上げることを最優先に考えてこしらえ、運営しているわけですから、行楽シーズンなど猛烈なラックレートが普通になっていても、ここだけはビジネスホテルなお値段。であることが多いように思います。創業者が宗教がかっているとか、あれこれ悪い噂が聞かれるとか、そういうことはあっても、お値段は私たちに優しいのです。

 そして何よりこのブランド、駅に近いところに立地していることが多いのも特徴です。できるだけ公共交通機関を使って灯台巡りをしたいものだと思っている場合、駅に近いホテルというのは大いに魅力的です。それぞれのホテルごとに敷地や建物のオーナーさんは違っているのに、全国どこでも同じような内装で同じようなサーヴィス、というのは、何となくボーグ集合体みたいなイメージすら感じてしまいます。

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 で、そんなに何度も利用するのであれば、会員カードでも作っておこうか、と近所の同ホテルに行って来たわけです。フロントには、研修中という名札を着けた若い男性がいて、その方がカード作成の作業をしてくれたのですが、丁寧な対応ではあるものの、どうにもおぼつかない感じでしょっちゅう隣にいる女性(おそらくは支配人)に指示や助言を仰いでおります。

 こういうのを見ると、大丈夫かいな、と思ってしまうのですが、まぁ誰でも最初は初めてで不慣れなもの。経験を積んでこそ堂々と落ち着いて何でもこなせるようになるわけですから仕方がありません。待つことしばし、どこ狙って撮ったんだというような暗い暗い写真のついたカードが手渡されたのでした。

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 で、このカードを手にしたら、公式アプリをスマートフォンにインストールして、カードの登録内容をアプリにも覚えさせることで、デジタル会員証のできあがり、となるはずが、エラーが出て一向に進みません。何度試しても、「登録情報がありません」となるのです。仕方がないのでカードを作ってくれたホテルに電話して相談すると、データがサーヴァに上がってないのだろうから、30分ほどしてから再度試してほしい、ということでした。

 と、それからしばらくしてホテルから電話があって、姓のところに名を、名のところには姓を入れてもらったら登録できます、とおっしゃる。確かにこのカード、ローマ字表記で入れさせるくせに、姓から名、という順番。学術論文なんかでは、日本人の名前でもこの順番で記述しているのをよく見ますけれど、データを打ち込んでくれた青年は、まだまだ日本では一般的な、まず名、そして姓、という順番でデータを登録してくれたようです。まぁ、もう二度とやる作業ではないので、どうでも良いといえば良いのですけれど、なんとなく気持ちが悪いのも事実です。

2023年7月11日 (火)

きょうだい? の続き

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 自分がゆったりとのれる大きさのクッションをかき回して、折りたたんで、できあがった嶺に顎をのせて眠る「ちち(仮名)」さん。このようにうまくいったときは良いのですけれど、気に入った形にならないときはいつまでもキュンキュン言いながらクッションをホリホリしています。こいつ、あざといなぁ、と思うのは、ホリホリしながら横目でチラチラ飼い主を見ているところ。仕方がないので、「アカンなぁ、お父さんが、お布団に怒ったるわな。コラッ!」なんて、わざわざかまいに行くと、明らかに喜んでいます。

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 昨日の続きです。このところ毎週末に灯台巡りに出かけているので、そちらに精力を奪われてBlogを書くのはどうしても後回しになる、という状態ですが、あんまり不真面目にやっていると、3年ほど前に「潜った」時のように長期にわたり更新休止なんてことになってしまいます。あのときは、教員、それも管理職をしている人間がBlogなんて書いていていいのかっ、と教育委員会の事務局にお問い合わせをされた保護者あるいは関係ない善意の市民がいたので、争うのも面倒臭いからとしばらくなりを潜めていたのです。

 退職して2年目のこの春、かつて勤めていた自治体では、校長のお仕事として「毎日、学校Webページ内のBlogを更新する」というのが課されているようです。どこの学校のWebページを見ても、その付きの行事予定表すらアップされていないのに、日々の学校Blogは欠かさず更新されているような状況です。あのとき苦言を呈された方は、どんな思いでご覧になっているのか、お気持ちを伺ってみたいものです。

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 右端のやつは、古くはPILOTデラックスと呼ばれていたのか、あるいは混同されているのか、「デラックス」という名前でオークション等でよく見かけます。軸はともかく、キャップの径が一回り大きいので、デラックス漆系統の上品な雰囲気からは少し離れているように思います。

 天冠にカワサキ重工みたいなマークの入ったものも手元にあったのです。今、一般的にPILOTデラックス漆といったら、一番左端の、山伏の頭襟みたいな天冠を持つものが一般的でしょう。

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 ペン先。18Kなんてものも混じってますね。いわゆるハート穴の形も違っているものがあります。萬年筆なんかたくさん買い込んで、書くのに使う手は1本だけでしょ、なんてことはとっくに聞き流せるようになっていますけれど、ロクにコレクションを整理していないので、すでに手元にあるものと同じものを入手してしまったり、あぁ、これは持ってる・・・と思い込んで貴重な出会いを無にしたり。そもそも、整理整頓などという言葉から一番遠いところで生きている私に、コレクションを管理するなんて無理なことなのでしょう。

 もう少し、手元のペンを整理していけば、同じようなのがもっと出てきそうで怖いです。

2023年7月10日 (月)

きょうだい?

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 さすがにもう、こたつも片付けんと、夏やしなぁ、というお母さんの声を聞いてから、ずっとこたつを守り続けている「ちち(仮名)」さん。片付けられてなるものか、という強い意志を見せておりますけれど、結局のところ、家の中で一番強いのはお母さんなので、誰しもそれに抗うことはできないのです。梅雨が明けたら布団を剥ぐ、と宣言されておりますので、こうしてこたつ布団にもたれてかかって眠ることができる日々もあとわずかなのです。

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 写真を撮るのが下手くそだと、青いものも黒く写ってしまいます。このPILOTデラックス漆は濃紺。クリップの形などから見て、いざ廃盤となるとみんな血眼になって探している最近のモデルに近いものかと思います。

 このシリーズほど長いこと作り続けられていると、こんなのもあったのか、というようなのも見つかります。メーカー的にはきちんと番号をつけて細かく管理をしているのでしょうけれど、ユーザからすれば商品名しかないので、あれもこれも「デラックス漆」になってしまうわけです。

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 とりあえず、手持ちのペンの中から近そうなものを集めてみました。左の3本、すべてクリップが旧タイプですし、一番左はキャップリングのあたりが他のものとは大きくちがっています。キャップも胴軸もほぼ同じ径に見える右の3本に対して、キャップだけ太くなっているのがわかります。そして何より、左端のペンは手に持ったときに軽く感じます。樹脂製でしょう。

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 デラックス漆ではあるけれど、こんな風に必ずそう書いてあるか、と言うとそうでもないようです。こういうところ、面白みがなさそうに思えてそれでいて実はヘンタイなペンを結構送り出しているPILOTらしくて良いですね。

 ウルトラマンたち、顔かたちはよく似ていても、角をはやしていたり頭の一部が外れたり、胸にポチポチがたくさん着いていたりと、ホンマにあんたら親子、兄弟なのか?という状態ですから、それに比べると、興味のない人が見れば同じペンにしか見えない、というだけでもシリーズとしての統一感は保たれていると言えるでしょう。次回は、ここがこう違う、というところなどをもう少し細かくお見せします。

 

2023年7月 9日 (日)

2敗目

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 あら、帰ってきたのね、という顔の「ちち(仮名)」さん。先週金曜日の夜に家を出て、翌日は観音崎灯台から三島、そして千葉県銚子市へ移動して、本日は朝から犬吠埼灯台を参観しました。もともと風の強いところですけれど、灯台の上まで上がるとさらに猛烈な風で、昨日、強風のために参観休止となっていたのも頷けます。

 東海地方は雨になるだろう、ということで、もともとの熱海に泊まって初島、そして御前崎に寄って帰宅という、非常に楽な行程から、しんどい行程へと急遽変更したわけですが、結論から言うと、失敗だったのかもしれません。

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 犬吠埼はとても良いお天気で、受付の方にもあれこれと親切にしていただきながら、気持ちよく参観。朝の8時過ぎにホテルを出てレンタカーに乗り、20分ほど走って灯台、そして20分ほど参観して、また20分ほど走ってレンタカーを返却。そこから成田線、内房線を乗り継いで、12時過ぎには君津駅に到着。ここで再びレンタカーを借りて、野島崎灯台へと向かったのでした。

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 ちょっと後ろめたいのは、せっかく銚子に来たのに銚子電鉄に乗らなかったということ。もっとも、創立100周年のお祝いということで本日は全線無料で乗れます、ということでしたので、たとえ電車に乗ったとしても貢献することはできなかったのです。ですので、せめて駄洒落商品だけでも買って増収に貢献しようというわけです。職場の皆さんにも、まずい棒をお土産に買いました。

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 特別なお醤油、だというのにのせられて、銚子駅の売店で購入。さて、これを使う場面はあるのでしょうか。卵かけご飯に使う、などと誤ったことをいう家族もおりますけれど、それを言うなら卵ご飯です。高級な、特別なお醤油を必要とするような食事をしておりませんので、使い途はさっぱり思い浮かびません。

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 で、君津駅からクルマを飛ばすこと90分、野島崎は快晴でしたけれど、東映映画のオープニングか、というような波の荒さ。強風のために、参観休止ということで、来たけれども見られない、ということ再び、です。

 安乗崎、大王崎、潮岬と順調に来て、次の角島で躓いて、これについては今回の大雨で、山陰本線の復旧も目処が立ちません。今回、観音崎と犬吠埼をクリアしましたので、7戦5勝です。予定通り初島と御前崎に行っておれば1敗で済んでいたのでしょうけれど、これまた、急遽とった昨夜のホテルが大満足でしたので良しとしましょう。

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 この灯台巡り、できるだけ短い時間で、交通費もなるべく抑え、宿泊も最小限に、かつお安く。そういう中で、このホテルは当たり、と言うのに出会えると、本当に幸せです。

 あとは、野島崎灯台だけのためにもう一度行く、というのも面白くないので、何とか他の灯台と絡めてみたい、と思っております。そういう計画を立てている時間が、実は一番楽しいのです。

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2023年7月 8日 (土)

あめかぜ

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 撮らんといて、と横を向く「ちち(仮名)」さん。飼い主はただいま、千葉県銚子市に投宿中ですが、これは出発前に撮った一枚です。

 大阪難波のOCATから夜行高速バスに乗り、横須賀中央駅で降りたのは予定より30分早い午前7時。これまでは通過したことしかない同駅周辺を探索したのち、30分早くレンタカーに乗り込んで観音埼灯台へ。曇り空ですが、雨は降っていません。

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 幸いなことに、灯台に着いても雨は降っていませんでした。過去観音埼灯台のあたりは水深の浅いところが多くて、沖合に設置されたブイの間を通らないと挫傷してしまうのだとか。スタンプを捺していただくだけでなく、いろんなお話を灯光会の方に聞かせていただきました。

 横須賀中央駅近くのカーシェアステーションを7時半に出て、同所に9時半に返却。急ぎ横須賀駅までのバスを捕まえて、三島へ向かいます。

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 本日は特にこぢんまりとした大会となりました。曇り空で、時折り雨が落ちてくる天候。いつもの受付の人、たこ娘さん、その他私も含めてWAGNERに来ていても不思議はない人の他に、比較的若い方が3名ほど参加されて、本日も萬年筆談義中心の会合となりました。

 そんな中、ただいま絶賛遂行中の登れる灯台16基巡り、とっくの昔に達成(何と14人目)されたという方も会場にいらっしゃったので、その周りではもっぱら全国の灯台を巡る話で盛り上がっておりました。まさしく、世にヘンタイの種は尽きまじ、と仁右衛門マスターがおっしゃったとかおっしゃらなかったとか、そういう世界観でありました。私など、今年中の達成を目指していますが、300番までに入れるかどうか怪しいところです。

 明日は犬吠埼灯台と野島崎灯台を目指しますが、強風のため、本日の犬吠埼灯台の参観は中止となっておりました。またもや、灯台を目の前にして撤収、ということになるのかもしれません。

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2023年7月 7日 (金)

警報級?

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 どっか行くの? と微笑んでいる「ちち(仮名)」さん。そうなのよ、お父さんは自分の趣味に走って、あなたを置いて遊びに出かけるのよ、と。明日のWAGNER三島大会に参加すべく、熱心にも前の晩から出かける飼い主なのでした。

 夜行バスに乗ろうと大阪市内へ向かう途中、電車内でニュースサイトをチェックしていると、この週末、東海地方は警報級の大雨になりそうだ、との見出し。難儀な話です。そう言えば、前に宇宙遊泳静岡にお邪魔して、静岡おでんを食べて駅に戻ったら、避難勧告が出た、というアラートが携帯電話から鳴り響いておりました。明日は三島、明後日は熱海と御前崎、という計画、実現できそうにありません。

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 本日は大阪難波駅の西、大昔は関西本線の湊町駅と言われていた場所から出発です。地上にだだっ広い、それでいて寂れた感じのターミナル駅があったのを地下に移し、その跡地にビルを建ててOCATとしたものですが、伊丹や関空から飛ぶ人がチェックインする場所というより、全国各地へと向かうバスのターミナル、という性格が強い施設です。そしてここは、聖地の一つでもあるのです。

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 この場所を覚えておいでの方はそう多くないことでしょう。ここは大阪市立難波は市民学習センター。2010年、記念すべき第1回のY.Y.Dayがここで開催されたのです。この会場を確保しようと動いていた時には、まだ、Y.Y.Pen倶楽部という洒落た名称は確定しておらず、本名であるところの「良識あるヘンタイ倶楽部」名義で会場使用の申請書を提出しようとしていたのでした。

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 受付のカウンターには妙齢のお嬢さん。カウンターの上に置かれた申請書の「使用団体名」の欄に、「常識あるへ」まだ書いたところで、当時の番頭、しげお兄さんの筆が止まりました。女の人の前で、公式な書類に、ヘンタイとか書いてもえぇんやろか。流れ落ちる脂汗。しばし静止の後、しげお兄さんは右上に小さく⭕️をつけたのでした。「良識あるペンタイ倶楽部」というのが、このとき会場を借りた団体の名前でした。

 名医もハマった血圧計トラブルとか、親方によるY.Y.Pen全部パクってるやん事件とか、二次会やったお店潰れてしもたやんかとか、話題には事欠かない第1回だったのです。

 と、いうことで、萬年筆愛好家の皆様、明日は三島でお会いしましょう。

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2023年7月 6日 (木)

どたばた

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  どて~っと寝そべる「ちち(仮名)」さん。飼い主は週末に向けてあれこれとやっつけておくべき仕事があって、彼女にかまってやる時間がなかなかとれないのですが、毎日帰宅すると、不自由な後ろ脚を踏ん張ってよっこらしょと起き上がって、出迎えにきてくれます。こういうところがワンコの可愛らしいところで、ニャンコはこういうことをしない、という勝手なイメージを持っているのですが、猫派の人に言わせると、ニャンコはもっと繊細で緻密な愛情表現をするのだ、ということです。犬派と猫派を比べると、猫派の方が知的レヴェルが高い傾向にある、なんてことまで言われておりますし、実際、日本国内では猫の飼育頭数が犬のそれを上回ってしまったのだそうです。哀しいことですね。

 明日のたなばたを前に、飼い主は天気予報とにらめっこしながら、WAGNER三島大会の翌日、灯台巡りがうまくいくのだろうか、と考えていたのですが、結局、お天気には勝てない,という結論を出しました。初島灯台と御前崎灯台、この2基については7月9日に訪問する予定でしたが、今回は見送ることにいたします。

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 雨が降りますと、傘を差すかカッパを着るかしないと濡れてしまいます。晴れの日に歩いてもいろいろと事故ってしまう鈍くさい私のことですから、雨の日に、それも海の近くへ行くなんてことになると、どんな事故が起こるかわかりません。

 また、雨が降ったら洗濯物も干せません。けれど写真のペンはホスカルというのです。セイラー萬年筆という会社はどこまでが本気でどこ~が冗談なのかよくわからないところがあります。新工場を建てるために伐らなければならなくなった敷地内の木、そいつで記念萬年筆を作ってしまうなんて、普通の会社では思いつかないことでしょう。そしてこのペンも、細くて軽いからホスカル、って、安直すぎます。

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 でも、この細くて軽いということが結構ウケたようで、今でもホスカル大好き、なんて人によく出くわします。私などは何を握ってもダメですけれど、特にこういう細くて軽いのは余計にダメで、文字を書くという苦行を共にするのなら太めでしっかりとした重さのあるペンの方が良いのです。このペンもそこら辺の隙間から出てきて、あぁ、自分もホスカル持ってたんだ、と思い出す、というか、初めて知ったような感じです。

 これはたまたま鉄ペンですけれど、金ペンのついたものもどこかに転がっているはずです。どうせなら、もっと軸に加飾のあるモデルを集めておけば良かったのですが、今はもう、どんなペンでも気が狂ったように値上がりしていますから、見つけたとしても手が出ないでしょう。

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 ペン先にはF-55とか、字幅のF、そして710という数字が刻印されています。それぞれに意味があるのでしょうから、今度、詳しそうな人に会ったら聞いてみたいものです。これよりもっと古いペンならば、三島大会へ持って行くとすぐにあれこれ教えてもらえると思いますが、紙様なんてのはほとんど化け物みたいな人ですから、このペンについても何か教えていただけるかもしれません。

 萬年筆関連の集まりに参加するとき、何か欲しいものを手に入れる、と言うことも重要でしょうけれど、朝から夕方まで、特にこれといって何も手に入れることなく、人が持っているペンや自分が持ってきたペンについてあぁだこぅだと話す、と言うのも実に楽しいものなのです。土曜日にご用とお急ぎでない方は、三島に来てみませんか。

 私は三島大会のあと、熱海で泊まって二つの灯台を見て回る予定でしたが、西から雨が近づいておりますので、どうにか他の灯台を見て帰ろうとあれこれ考え、宿やらレンタカーやら、いろんな予約を取り直して、ようやく目処が立てられました。明日のたなばたを前に、ドタバタしていた、というわけですが、何とか雨から逃げ切って、灯台巡り「も」成立させたいと思っております。

2023年7月 5日 (水)

西から来たもの

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 西ではなく東を向いて寝ている「ちち(仮名)」さん。お釈迦様は涅槃の際、頭を北に、お顔を西に向けて横たわられていたそうです。昔は良く聞きましたが、当節は「こら、ワレ、西向かしたろかっ!」tってなことを言いますと、見た目は本職以上やんけ、というようなおまわりさん達に取り囲まれたりするわけです。

 飼い主はこの7月、とにかく旅行しまくりです。6月30日から7月2日にかけての中国地方への旅では、結局、目的の半分を果たすことができませんでしたので、8月末のWAGNER岡山大会に引っ掛けて実現させる予定です。目前に迫ったこの週末は、WAGNER三島大会ですので、それに引っ掛けて前日夜から夜行バスで神奈川県に向かい、観音崎灯台を参観してから三島へ戻ります。そしてその夜は熱海に泊まり、翌日は初島灯台と御前崎灯台を参観しながら自宅への道へと戻ります。残念なことに今の時期、青春18きっぷは発売中ながら利用期間ではない、という微妙なところですので、休日乗り放題切符と青空フリーパスを使うことで正規運賃より400円ほど節約するのがやっとです。

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 先日のWAGNER松江大会で頂戴した、ちょっと古く見えるウォーターマンのブルーブラックインク。今も同じようなパッケージで売られておりますけれど、さて、いつごろからパーカーと共通のものになったのでしょうか。ウォーターマンのインクは安心、などと言われてきて、対するパーカーのインクはとっても危ないかも、などと言われてきています。今やどちらもニューウェル・ラバーメイドグループのブランドですのでインクについても同じものだともいわれていて、もしそれが本当なら、安全なのか怖いのか、どっちに寄せたんだろう、というのが気になります。

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 プライベートリザーブのきれいな青インク・・・ということで、ちゃっかりいただいてきました。そのときは気づかずに、持ち帰ってしげしげと見ていて、箱に貼られているラベルを見て、あぁ、そうなのかと。万年筆博士の名前を見ると、別に何の関係もないのに親しみを感じてしまいます。1本しかもっていないので、私、博士ユーザーです、なんて言えませんけれども、もう、新たに1本作ってもらおう、なんて気持ちにはなりませんね。第一、仕上がるまで生きていられるかどうか、怪しいものです。

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 これも、中国地方のどこかで開かれたWAGNERの会合でいただいた記憶があるのですが、間違っているかもしれません。これ、長いこと保管しておくと、どうしてもベタベタしてきます。何より、私みたいな素人はペン先とペン芯とを分離してお掃除、なんて恐ろしいことは避けてますので、ペン芯をきれいに洗ったから、とこういう液体につける、という必要もないのです。それにしては、我が家にはこういうセット、いくつも転がっています。困ったものです。

 困ったものと言えば、全国の登れる灯台をめぐる計画、秋田と青森にある灯台を参観するには飛行機で行くしかない、と周りに脅されていたのですけれど、飛行機を使わずに行って帰ってくることができる、ということが判明してしまい、早速、旅程を組んでしまいました。土曜日の午前中に勤務すると、翌週に半日の振替休をもらえる、ということを「悪用」して、月曜から振替休とそれに続く半日、翌日と、1日半の有給休暇を取得すれば、土、日、月、火で三丁上がり、青森と秋田なのに、なんで三丁上がりなのか、わかりますよね。

 それにしても、萬年筆と灯台の共通点は何でしょう。その形状でしょうか。すっかりとり憑かれてしまいました。

2023年7月 4日 (火)

色褪せた?

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 ひたすら寝ている「ちち(仮名)」さんでしたが、この写真を撮ったときのシャッター音で目を開けました。けれども、そんなことはどうでもよい、とにかく私は眠たいのだ、ということで、すぐにまた目を閉じて鼾をかき始めました。

 この、眠くてたまらない、というところが大切で、そうでなければ夜中に目を覚まして家族を叩き起こそうとしますので、逆に言うと、日中もう少し起きて過ごすように仕向けてやれば、とも思うのですが、そうなると人間様の方も時間を取ってあれこれやらなければなりませんから簡単ではありません。

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 先日のWAGNER松江大会、WAGNER会員にはならないけれども会合には参加して大いに盛り上げる、という心意気の方が参加されていて、その方が小さな段ボール箱いっぱいの萬年筆やらインクやら、参加者に提供してくださっていたのでした。仮にOさんとしておきましょう。

 私もOさんからインクをいただいて帰りましたが、それだけでは飽き足らず、若い参加者に「これもらっときなさい!」と自分のものでもないのに強力プッシュした萬年筆、それがPILOTのカスタム67でした。

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 カスタム67は、どこといって特徴のない、地味な萬年筆ということもできます。しかし、カスタムシリーズはその特徴がないように見えるところが特徴のひとつ。キャップをとって書いてみれば、なかなか味わい深い萬年筆であることがすぐにわかります。こういう萬年筆を自分のものにしてずっと使っていくと、日を重ねるごとに好きになっていくのだろうと思います。

 松江から帰って、自宅にあるカスタム67を探してみましたところ、このちょっと変な軸色のものが出てきました。もともと黒い軸だったものが色褪せたのか、とも思いましたが、そうではないでしょう。天冠と尾栓が綺麗に黒くて、軸だけマット調に色褪せていくなんて都合が良すぎます。

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 私の持っている個体はそれほどでもなかったのですが、松江大会で若い人たちにお勧めしていた個体は、ペン先が実に綺麗にお辞儀しておりました。他にどなたも手を出さなかったら、下手すると自分のものにしていたかもしれません。それほどに深くお辞儀をしていたのです。

 でも、そういう風に目の前に出てくるペンをどんどん取り込んでいったら、終活になりません。むしろこういう地味で堅実なペンほど、手放す対象になりがちですね。残念ではありますが、ペンを握る手は1本しかないので仕方のないところです。

2023年7月 3日 (月)

連盟存命

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 邪魔するでぇ・・・(邪魔すんねやったら帰って!)と暖簾をくぐる「ちち(仮名)」さん。本日は御御脚の調子が良いらしく、夜中に突然、「散歩や、散歩!」と鳴き始めて、結構長い時間、自宅周辺を徘徊されてました。これから暑くなってくると、朝早く、あるいは日が暮れてからでないと、下手に外を歩くと足の裏を火傷してしまいます。それでなくても足腰が弱っていて、ちょっとした弾みにペタンと座り込んでしまいますので、若いワンコ以上に気をつけてやる必要があります。

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 7月1日のWAGNER松江大会を終えて足早に松江駅へ向かい、サササッとお土産と食料を買い込んで特急列車に飛び乗った・・・のが今回の評価のポイント。その時点では長門市に泊まり、翌日角島灯台を見学してから小倉へ出て、新幹線の企画乗車券でお安く自宅へ戻る、という計画だったのですが、2日分を見越して松江から小倉までの乗車券を買い求めようとしたところで駅の人に止められた、そこでいったん落ち着くべきだったのです。松江駅発16時38分の特急に乗ることで、何とか21時に長門市にたどり着ける。それを逃すとあとがない、という状況が判断を狂わせた、いや、余裕がなくて何も考えられなかったという、なんとも恥ずかしい話だったのです。

 この時点で山陰本線の益田から下関までの区間は運休になっていたのに、翌日の運転再開に賭けたことが第一の間違い。ただ、これについては松江駅の係員でもどうなるかわからないということでしたから、それ自体はやむを得ません。けれども、そこを慎重に考えて、バスを使って山陽側に抜け、可能な限り山口県の方へと向かって、下関や門司、小倉あたりで泊まって明日に備える、という方法もあったかもしれません。いずれにせよ、翌日も山陰本線の長門市から下関までは運休でしたが、小倉や下関からレンタカーで灯台を目指す、という方法が採れました。

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 結局、益田に泊まることになって、これは素晴らしい! と叫びたくなるようなホテルを発掘できたのですから良しとすべきですが、いざ益田駅に降り立ってみると、明日(7月2日)はどうやって自宅に帰ろうか、ということになります。益田駅前には、何と大阪王将があり、餃子でも焼いてもらってビール飲みながら考える、という手もあったのですけれど、再び山陰本線を東へ、というのはあまりにも能がない。けれど、鉄路で帰るにはそれしかありません。現役時代、飛行機はこういう理屈で浮き上がって飛ぶんだよ、と生徒に教えてはいたものの、飛行機が飛ぶことには未だに疑いを持っているので、石見空港から飛行機、なんてこともあり得ません。そうなると、前々から気になっていた、アホみたいに長い高速バス路線を使おう、となるのは必然だったのです。

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 悔しいことに、7月2日は抜けるような青空が続いておりました。こんな時に灯台に登って海を見たらどんなにか素晴らしいだろう、と思っても仕方がないので、ひたすらバスの中で寝て過ごしたのです。益田駅前を10時20分に出て、休憩も含めて8時間、大阪駅のバスターミナルに18時半頃に到着いたしました。

 夜行バスでは望めない楽しみ、それが途中休憩のSAやPAなどで地元のコロッケをいただくことで、これを活動の中心としているのが全日本コロッケ連盟です。もちろんそのような組織があるわけではなくて、勝手に名乗っているだけなのですけれど、メンチカツ支部なんてものもありまして、かつては結構活発に活動していたのですが、歳をとって車で遠出しなくなったので、最近は活動休止状態になっておりました。

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 今回、高速道路上で3回の休憩があり、コロッケにありつけたのはそのうち2回。いずれもサクサクほくほくでおいしくいただきました。なお「世界で唯一のクロケット法人」を標榜する日本コロッケ協会という組織がありますが、そちらとは(勝手に)友好関係にあるものの、直接関係のない組織です。ただ、そちらで行われているコロッケ検定、これはぜひ、皆様も受験していただきまして、コロッケニストの称号を得ていただきたいと思います。もちろん私は、全問正解の認定コロッケニストですよ。日本国民として当然ですね。梅雨末期の大雨もそうですが、これからの季節、台風も多く来襲します。そんなときこそ、コロッケですね。

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2023年7月 2日 (日)

いただいた

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 エアコンの効いている室内でもはぁはぁしている「ちち(仮名)」さん。ワンコですからこういうものなのでしょう。今回の松江行き、往路の夜行バスは乗った瞬間に「あたり!」と思える涼しさで、しかもトイレ前の席ですので本来ならひとつ後ろの席の人のものであるはずの吹き出し口も含めて4つの吹き出し口を独占。さすがの私でも「ちょいと寒いなぁ」と感じるほどの冷えっぷりで快適に出雲まで参りました。松江市の市民活動センターは、共用部分は全く空調されておらず、施設内にある飲食店は店内の冷気が逃げないように透明なビニールカーテンで入口を仕切っているという惨状でしたが、会場となった会議室はまぁまぁ不快ではない程度に冷えてくれました。そして、その夜お世話になったホテルもまた、冷房の利きが非常に良く、リモコンの表示温度よりよく冷えているなぁ、という感想。実に快適な一夜を過ごすことができました。

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 松江駅で山陰本線の益田駅から先は運休中と知り、宿泊予定の長門市内のホテルをキャンセルして、とりあえず益田駅近くで空いているホテルということでロクに確かめもせずに予約を入れたら、その日の最後の一室、喫煙室でした。でも、こういう懐かしいものに出会えましたし、実に快適な一夜を過ごすことができましたので、私が慌てて取ったにしては上出来でした。このマッチ、記念にいただいてしまったのですが、もはやタバコも吸いませんから、これはお盆の時期に活躍してもらうことにしましょう。

 今回の松江大会、いろいろなものをいただいてしまいました。地元から参加のOさんがあれこれと持ち込まれた中からインクをいただき、それ以上にたくさんの楽しい会話を楽しませていただきました。また松江大会が開催されるのであれば万難を排してはせ参じなくては、と思った次第です。そして、その他にもあれこれ、いただいてしまいました。

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 こちら、「天地」関連のグッズ。実はこの「あめつち」に関しては、以前にもご縁があって、今回もまた、同じ方から。エレベーターでお顔を見かけて、あ・・・ひょっとしてこの方・・・と思っている内に一緒に会場へと入って、あぁやっぱり、と。歳をとってどんどん人の顔を覚えられなくなっているのですけれど、萬年筆関連でお会いした方に関しては、やはり忘れがたいものなのです。仕事で出会った人の顔はどんどん忘れてしまっておりますけれど・・・。

 「あめつち」も走り始めて5周年。実はまだ乗ったことがないのです。城崎温泉当たりまで顔を出したりもしているようですし、来年からは、今年限りで引退する奥出雲おろち号の後継も務めるようです。でも、あれはあれで、オープンだからこそ値打ちがあるというものですから、天地で代わりが務まるのかどうか、難しいところだと思います。事業者的には、せっかくこしらえた車両ですし、稼働率が上がるのはよいことです。でも、もういい加減にキハ40系引退させてやれよ、とも思います。キハ121,126系統をベースに、新しい観光列車をこしらえてくれたらと思いますけれど、こういう列車には速さは必要ないのでしょうね。

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 これは「見せて」いただいたもの。いつも受付に座っている人からも紹介されるのではないかと思いますが、とりあえずこっちでやれという指示も出ておりますので皆様に。PILOTのミューが2本、それがどうした? なんて呑気に構えていてはいけませんね。

 金ペン、あるいは金色をしたペン先のついているPILOTミューなんてものが合ったんだぁ・・・と無邪気に喜んでいてはいけません。会場に来られていた外国人の方はものすごいコレクションをお持ちで、これは日本人以外での「半」認定第1号かも、と委員長としても背筋が伸びてしまったところでありますが、まぁ、珍しいものはお持ちですけれどもキチンとされていましたので、「半」としては弱いかもしれません。

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 はい、わかりましたか? おそらくは右のペン、もとは普通にPILOTミューだったものを、ペン先の部分を綺麗に切り取って、どこかから持ってきたペン先をエイヤッと突っ込んだ、ということなのでしょう。この場合、ペン芯はどうしたのでしょうか。削ったのか、ペン先と一緒に入れ替えたのか。そうだとすると、その先、ヤリにつながる部分なんかはどうなっているのか。謎の多い1本です。

 こうして、インクの話こそ出たものの、萬年筆とその周辺以外のお話はほとんどないままに、実に濃い萬年筆な時間を過ごした今年の松江大会なのでした。こういうWAGNERの会合、ここ数年ではほとんどありませんでした。実に素晴らしい。

 素晴らしいと言えば、飛び込んだ先のホテルでその日から復活していた旅行支援。しっかり恩恵にあずかってしまいました。いろんな意味で、大変満足度の高い松江遠征。そしてその先のお話も、結構濃いのだけれども、中味としては実に薄い、という妙なことになったのです。

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2023年7月 1日 (土)

WAGNER松江

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 寝ているけれど眠ってはいない「ちち(仮名)」さん。昨夜の飼い主もまさにそんな感じで、乗った夜行バスが各座席にカーテンのない、今となっては旧世代の車両だったこと、人によっては最上の席ともされているトイレ前(後ろに人がいない)の席だったにもかかわらず、旧式ゆえそこだけリクライニング角度が少なく、十分に眠れないまま、出雲大社に到着いたしました。

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 ささっと拝殿だけ参拝して、巨大なしめ縄のところまで出てきて、電車が極端に少ないことを思い出してアッ、となって、駅まで競歩。電鉄出雲大社駅から川跡行きの電車をなんとか捕まえて、川跡では別ホームに移動したら即発車、という素晴らしい接続。あとは松江しんじ湖温泉までのんびりとローカル私鉄の旅です。全行程、元京王車でしたが、川跡からはヲタク席のついた3202号車でした。

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 途中、一畑口でスイッチバックしますので、そこからは後ろへと去ってゆく風景を眺めながらうとうと。呑気な電車旅です。松江しんじ湖温泉駅からバスに乗って、松江市市民活動センターへ。私としては珍しいことに、開場前の到着です。

 本日のWAGNERは、近年稀に見る「萬年筆な」1日でした。参加者も老若男女、さらには外国人の方まで。ただ残念なことに、「こんにちは、僕です」と入ってきた人はいませんでした。どうされているのでしょうか。また、会場からすぐそばの「はらぶんパピロ21」にお邪魔してみましたが、ガラスケースの中は往時のようなヘンタイ(褒めてます)ラインナップではなくなっていたものの、結構珍しいモデルもしれっと並んでいたりしました。

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 で、参加者の皆さんに見せていただいたり書かせていただいたりした萬年筆、どれもみな素晴らしいもの、変テコなものばかりで、いやぁ、WAGNERでこんなにお腹いっぱいになったのは本当に久しぶり、と感慨に耽っておりました。また、例によって、あれやこれやといろんなものをいただいてしまい、たいへん恐縮、なのですが、それらは帰宅しましてから整理してお知らせできればと思います。そういえば、見せていただいた中に、超弩級のヘンタイなペンもありました。今日のところは、他のBLOGで速報されるのではと思います。

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 会場の皆様へのご挨拶もそこそこに、16時に会場を出て、松江駅まで再び競歩。同駅16時38分発のスーパーまつかぜに乗って今夜の泊地、長門市を目指した・・・かったのですが、益田から先の山陰線は本日運休、とのことで、急遽、益田に宿を取り直して、明日の運転再開に賭けることにしたのです。で、スーパー松風に揺られている間に、明日も山陰線益田以西、山口線は共に終日運休、と決まったのでした。

 でも、悪いことばかりではありません。益田駅前の今夜のホテル、最高です。旅行支援適用でお安い上に、綺麗でサーヴィス充実。もう一度泊まりに来たい、と思わせられる素晴らしさです。明日は益田から大阪まで高速バスで帰ります。灯台巡り、プランの練り直しが必要です。

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