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2023年6月

2023年6月30日 (金)

塗り

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 眠り込んでしまった「ちち(仮名)」さん。この記事が公開される頃には、飼い主も同じように眠り込んでいることを祈ります。これまで何度か夜行バスというものに乗りましたけれど、そのすべてが「豪華版」とされるものばかり。東京大阪間であれば新幹線に乗れてしまう、あるいはそれ以上のお値段の夜行バスにしか乗ったことがないのです。

 明日の松江大会参加のため、京都駅前でちょっと呑んで、いい気分で他校バスに乗り込み、出雲大社まで寝ていこうという魂胆です。出雲大社にお参りをしてから、これまで乗ったことのない一畑電車に乗って松江まで戻り、WAGNERに参加した後、さらに次の目的地を目指します。

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 関西圏から島根県まで、クルマで4~5時間というところです。夜行バスの場合、それでは早く着きすぎてしまいますので、乗客は外に出さずに乗務員さんだけ仮眠、という休憩を途中でとるのでしょう。夜の高速道路、SAに寄りますと、ドアが閉まったままの高速バスが止まっているのを見ることがあります。1名常務で、途中1時間程度の仮眠をとる。なかなか大変なお仕事ですね。

 問題は、6月から7月へと移るところで、九州から中国地方にかけてけっこうな雨が予想されていること。鉄道であれば運行休止、となるような状況も予想されています。松江大会に参加予定の皆様、気をつけてお越しください。

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 バスの中では寝ているだけですので、特にネタになるようなこともありません。北海道に行ったことのない私ですが、なぜかこんなものが手元にあります。おそらくは「良識あるヘンタイ倶楽部」の北海道本部からもたらされたものでしょう。

 それにしても、鉛筆に漆塗ったり金粉振ったりしますか。凄いですね。

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 これ、削ったらバチがあたるんじゃないでしょうか。でも、削らない限り、ただの綺麗な棒です。普通の鉛筆だって塗られてはいますけれど、それは普通の塗料で塗っているので、漆を、しかも何度も重ね塗りするなんて。手作業につき、一本ずつ風合いが異なります、なんて普通に書いてます。こういうのは、ずっと削らずに家宝として保存すべきでしょうか。出雲の神様に伺ってみるのも良いかもしれません。

 それでは皆様、おやすみなさい。

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2023年6月29日 (木)

細いの

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 少し笑っているかのような「ちち(仮名)」さん。本当は体温調節のためにはぁはぁしているだけですけれど、人間は何でも都合良く解釈する生き物なので、これを「笑っている」と思ってしまうのです。飼い主はこの一週間、例によってできるだけ体重を落とそうという無駄に近い努力を続けて、明日は朝からお休みを貰って主治医の診察と血液検査を受けます。不良患者なので、いつも「〇〇グラム増えましたねぇ」などと言われながら、そんなの誤差、水分でしょ、なんて受け流しておりますけれど、それでもお世話になり始めた頃は80キロ代半ばであった体重が今や70キロ代前半、もうすぐ60キロ台も狙えるぞ、というところまで来ました。まぁ、歳を重ねて食べられなくなっただけ、とも言いますが。

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 こんなところにモンブラン印のペンケースが・・・と開けてみたら、中には言っていたのはシェーファーのタルガさん達。スリムタルガさんがどこかへ行かないようにとしまい込んだところへ、あとから見つかった普通のタルガが居候、という感じです。

 手前の金色と銀色のがスリムタルガ、奥が普通のタルガ。いったい、タルガは何本あるのでしょうか。見るたび、この軸の柄は持ってないヤツだ、などと手を伸ばすので、どんどん増殖してきたのです。

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 自慢。スリムタルガにはきちんとコンヴァータがついております。まだ、ゴムも大丈夫です。スリムなのはエレガントですけれど、そうやって特殊なものをこしらえて、途中でやぁめた、と放り投げてそのまんま。世界中で、スリムタルガ系のペンを持っている人たちは難儀していることでしょう。カヴェコのコンヴァータですとか、そういう、小さいのに合うヤツ、口の部分が合うというのが救いですが。

 でも、私のような者こそ、コンヴァータなくても良いわけです。ただのコレクションなのですから。こんな細い軸握って字を書いたら、普通に書くよりさらに汚い文字になってしまうでしょう。それでも、見せびらかすには良いペンです。

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2023年6月28日 (水)

ペンよりも

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 なぜか「三時」になっている「ちち(仮名)」さん。この姿を見せるのはお母さん以外の家族限定です。ひとたびお母さんに「三時」になっていると知られたら最後、大嫌いなウェットティッシュと点耳薬でお耳の中を掃除されてしまうので、このような彼女を見て「三時になってる!」と家族の誰かがチクっても、お母さんがどれどれとのぞきに来たときには両耳をピンと立てて「なぁに?」という顔をしてみせるのです。

 見た目より何より、実際、ついさっきまで「三時」になっていたということは、何らかの耳のトラブルを抱えているということ。ですから隠している場合ではないのですが、ワンコにとっては嫌な事をされないことこそが正義なのでしょう。

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 紙製のスリーヴと、その中に収まっていたプラスティック製のケース。どちらも、中央にしっかりとPILOTと表示されています。普及価格帯とは言えないまでも、高級品でもない、そういうペンを収めたプラスティック製のケースに、紙製のスリーヴまで付いてくる。過剰包装だ何だと批判されることの方が多い昨今ですが、百貨店でこれを買ったならば、さらに百貨店の包装紙で綺麗に包んでくれて、手提げ袋に入れて渡してくれたわけです。その小さな紙袋を持って売り場を離れるときの高揚感、想像するだけで素晴らしいものですね。

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 一応、中に入っていた筆記具もご紹介しておきますと、PILOTカスタム、アートクラフトカエデの萬年筆とボールペンです。いわゆる、旧カスタムのカエデ、ってやつですね。嫌いではなくて、我が家のどこかに、少なくともあと2~3本は転がっているはずです。

 で、これのキャップをとって、貼り付けられている大きなペン先をお見せしても、それでおしまいです。2本のペンが収まっているケース内、右下に「説明書等は台紙の下にあります。」と書かれた白い紙、あるいはシールが貼られております。ですので、萬年筆とボールペンが載っている台紙という名の赤いものをペンごと取り出してみます。

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 残念ながら、説明書は入っておりませんでした。でも、説明書だけが入っているより、写真のこれだけが入っている方が嬉しいですね。銀紙に包まれたカートリッヂではなくて、ちゃんと箱に収まったカートリッヂインク。もちろん、1本なんてことはありませんね。

 インキカートリッヂ、ではないのですよ。シングルスペアー、なのです。今ではあえて言いませんね、シングルなんて。こんな風に、ケースに入っていたインクカートリッヂなどは、すべて取り出してひとまとめにしてあるのですが、これはこのケース、そしてペンと共に一緒にしておくことにしましょう。

2023年6月27日 (火)

えぐれてる

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 撮ろうとすると横を向く「ちち(仮名)」さん。なので何枚か撮りましたけれど、みんなちょっとずつブレております。まだ火曜日、ですけれどもう火曜日、夜が明けたら水曜日です。今週は金曜の夜から夜行バスに乗ってWAGNERの松江大会に参加しますので、飼い主の頭の中は蕎麦でいっぱいになっております。そういえば、かつてのWAGNER松江大会会場であった一畑百貨店も閉店の方向だとか。それでも全国的に名の知れた萬年筆販売店が二軒もある松江は本当に魅力的な街です。今からでも遅くはありませんので、7月1日は松江に行こう、とつぶやいてみてください。現地でお会いできたら、一緒に蕎麦でも手繰りましょう。

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 ロットリングのPRIMUS。プライマスと読むようです。学童用筆記具で、萬年筆の他に芯フォルダーなどもあるようです。我が子が猛烈な強筆圧で、それこそ鉛筆を握る指から血の気が失せて白くなるほどギュッと握っておりましたので、萬年筆を与えてみたら筆圧が下がったということもあります。日本でも萬年筆でお習字、というのをやればよいとは思うものの、何でも他人のせいにすることが当然の権利であるかのように振る舞う「意識の高い」保護者が多数を占めている現状では、萬年筆などというもの、怖くて教室になど持ち込ませることはできません。いずれ鉛筆を持たせることも危険だから学校で何とかしろ、などと言われるようになるだろうと思っております。

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 他社の学童用萬年筆でもそうですけれど、握りやすいように、指のかかる部分を凹ませるなどの工夫がなされているわけですが、こいつは大胆にググッとえぐっております。萬年筆ですから、ペン先が天井に向く、ペン芯が紙に向くように持つのが当然。ですから、全周にわたって綺麗にえぐれている必要もないわけです。えぐれている部分には円周方向のでこぼこがなく、ここは影響ないよな、という部分にだけ、ギャザード的な凹凸が作られています。

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 今更学童用萬年筆で正しい持ち方から練習しても、文字が不自由なのは死ぬまで治りません。こうして写真を撮るために握ってみても、なんだかしっくりこない。きちんと握ることができていないのではないか、と思います。何から何まで下手くそなのです。

 鉛筆を持ち始めた頃に、周りの大人達から徹底的に下手だダメだと教えてもらいましたので、この歳になって治るとも思っていませんし、これもまた個性だ、というぐらいに思っています。けれどもこれから筆記具を手にする子どもたちには、できるだけ丁寧に教えてあげたいと思っています。そういう意味でも、学童用萬年筆を使ったお習字、日本でも流行れば良いのですけれど。

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2023年6月26日 (月)

樹脂の竹

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 職場の同僚達がこしらえた七夕飾り。最近、職場で変に人気となっているおぱんちゅうさぎさんと並ぶ館長の私、そしてその間には「まりりん」さんです。

 こうやって呑気に毎日を過ごしていられるというのも、実にありがたい話。土曜日のNANIWA PEN SHOWでは、久々に少々ハードな働き方をしましたのでいささか疲れましたけれど、普段はそういうことは滅多にありません。

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 PILOTの名(迷)作、バンブーです。黒か青か、どっちか譲ってあげよう、というので、黒にしましたけれど、青にしておけば良かったかなぁ、と今頃になって思っております。赤も選択肢に入っていたら、迷うことなくそれにしたと思います。

 フランスだかどこだかの有名なデザイナーの手になるものだそうですけれど、まぁ、竹だと言われたらそうですし、こんなん竹やない、と言う人がいても頷いてしまいます。竹の形状というより、イメージなのでしょうね。アートなことはさっぱりわかりません。ペン先とペン芯が余分に付いてきたのですが、そちらはBでした。これを譲ってくださった方は、今も布教に努めてらっしゃるのでしょうか。

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 キャップをとると、この複雑な形状で良くもネジ式嵌合にできたものだと思いつつ、実はそう複雑でもないのだな、ということに気づきます。キャップこそヘンテコな形をしていますけれど、その内側と、それに組み合わされる首軸は真円断面ですから、別に何と言うこともないのです。

 これは握りにくそう、書きにくそう、と思ってしまいますけれど、すんなりと握って書けてしまいます。嫌に感じるところはありません。それより、またも発見してしまった、このペン先。ずっと長い間、一度は使ってみたい、自分のコレクションに加えたいと思っていたフォルカンが、我が家から2本も発掘されるなんて、持ち主はどれほどボンヤリしているのでしょうか。

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 もともとBのペン先がついているというだけでも、微香性のヘンタイの香りがしますけれど、フォルカンとなれば微香性では済みません。ペン芯ごと取り替えているところなどからも、前の持ち主がどれほど人たらしであったのか、ということがうかがえます。

 マエの持ち主が萬年筆趣味界隈で大活躍していた頃には、このペンなんかも比較的安価にオークションなどで手に入ったものです。昨今は、どこのどなたがそんなお値段でお買い上げになるのだろう、というようなものすごい開始価格で、それでもあっさりと落札されていくだけでなく、終盤には競り合いになって価格がつり上がっていったりしています。もはやオークションなどは、最後のフロンティアなどではなくなってしまいました。そういうわけで、暑い夏をしっかり乗り切って、吹く風が気持ちよくなった頃、10月14日と15日の神戸ペンショウが楽しみです。前日から神戸宿泊ということで、北野工房のまちにほど近いホテルを予約してしまいました。

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2023年6月25日 (日)

錫の竹

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 日曜日の夜、なかなか寝付かれない様子の「ちち(仮名)」さん。飼い主は、昨日のNANIWA PEN SHOWに電源関係の道具類を持ち込んでいたのですが、帰りは宅配便に頼らずにそれら一式を入れた重さ20キロのコンテナを駐車場に駐めた車まで手持ちで運ぶ・・・という暴挙に出たために、両腕の筋肉がおかしな感じになっています。まるまる1日受付に立っていたので、足にも相当ダメージが来ていたのですけれど、そちらは教員稼業で鍛えていたこともあって、一晩寝たら何ともなくなっておりました。

 NANIWA PEN SHOW閉会後も一仕事してから帰宅したこともあって、体をいたわって本日は一日、ゴロゴロして過ごしました。また5日間、お仕事に励んで、来週金曜日の晩には夜行バスに乗ってWAGNER松江へ。そのあとは山口県まで移動して宿泊し、灯台巡りをしてから帰宅するという計画が待っています。その翌週も夜行バスに乗って・・・と、どこかへ行くついでに灯台巡りをする、できるだけお金をかけずにあれこれ楽しもうという、せこいお爺さんなのでした。

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 そんなお爺さんが一生手にすることがないような高級な錫器を作っているのが、ロイヤルセランゴール。マレーシア王室御用達のピューター製造メーカーです。その会社とコラボしたシェーファー製の萬年筆。軸やキャップは当然、ピューターです。

 製造数限定の萬年筆ですが、なぜかオークションサイトでは頻繁に見かけます。本当にその本数なのか疑わしいとよく言われるのですが、真相は不明です。

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 ペリカンM800クラスの堂々とした萬年筆です。胴軸、キャップには竹の模様があります。アジアンシリーズ、と言いますけれど、これ以外にどういうペンがあったのでしょうか。シェーファー社がずっと元気であったなら、もっといろんなモデルが世に出ていたのでしょうか。同社の特徴的なインレイドニブではなく、オープンニブですし、これが世に出た頃、すでに同社の萬年筆事業は衰退気味だったのかもしれません。

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 歴史に「たら」はいけませんけれど、同社が日本のセイラー萬年筆との提携を維持していたなら、あるいは、という思いもありますけれど、世界中で萬年筆を使う人が減っていく中で、日本では売れる・・・という状況を維持していたところで、それほど業績に寄与するものでもなかったのでしょう。けれども、シェーファーという萬年筆メーカーの現状を見ると、本当に寂しい気持ちです。

 そういえば、ほんまもんの竹の萬年筆、というのもセイラーが出してましたが、今ではとても手が出ないお値段になっていますね。私も歳が歳ですから、これから先は、手元にある萬年筆をいかに減らしていくか、が大切。新しいものなど、手に入れている場合ではありませんね。

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2023年6月24日 (土)

NANIW PEN SHOW 2023

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 クーラーの効いた部屋で、なぜかはぁはぁしている「ちち(仮名)」さん。確かに、今日は暑い1日でした。京阪電鉄の本社もあるOMMビルの展示場で、NANIWA PEN SHOW 2023が開催されました。

 昨年は入口や整理券の配布場所が初見の人にはまずわからないという会場でしたが、今年は大丈夫。イヴェントというものは、主催団体のカラーや開催目的などによって運営方法も来場者への対応も変わってきますが、宇宙遊泳系のイヴェントと、Y.Y.Pen倶楽部のイヴェントとでは、同じく萬年筆やインクなどを扱っていても、かなり方向性が違いますし、来場者の方も、重なっていたり、全く違っていたりします。そういうところが、また、面白いのです。

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 宇宙遊泳系のイヴェントは、インクやガラスペン、紙物などを、使う人の裾野を広げることに重きを置かれていて、作家さんやお店の方々と、お客さんになる人たち、まるでお友達みたいに親密というか戯れあっているというか、そういう雰囲気を強く感じて、それはそれで一つの方向性としてアリとは思いつつ、私個人としては全く肌に合いません。なので、何度か宇宙遊泳系のイヴェントにお邪魔しましたけれど、どうにも居心地が良くありませんでした。それでも、NANIWA PEN SHOWについては、その中でもまだ何となく居場所もあるかな、ぐらいの感じなので、昨年、今年と微力ながらお手伝いをさせていただきました。

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 今回は広い会場で、整理券を配布した350人ほどの方は開場と同時に全員、お入りいただくことができました。この入場整理に関しては、今回はY.Y.Pen倶楽部にお任せいただく、ということで進んでいまして、指示された内容に忠実に進めていたのですが、とっても不思議なことにいざ人を捌こうかという、その直前になって、別系統からこれは違う、あれはこうしろ、などと事前の打ち合わせにない指示が降りてきました。その指示をしている(目の前にいる)人が誰なのか、どういう立場、資格の人なのかもわからず、とにかく、自分たちのやり方とは違うから、というだけで、一方的なお話が続きました。あまりに不可解なのと、急な変更はもちろん無理があります。私の理解の外にあるのが宇宙遊泳だと思ってますので、持ち前の鈍感力を発揮してほぼ完全に無視。当初の指示通りに進めさせてもらいました。その人が宇宙遊泳運営関係者さんで、ご気分を害されたようでしたら、二度と手も顔も出さないことぐらいしか、お詫びと責任のとりようがありません。

 まぁ、色々とありましたけれど、とにかく、来場者の皆さんが楽しそうに過ごされ、そして満足げに帰って行かれたこと、これにつきますね。皆さん、お疲れ様でした。そして少し先ですけれど、10月14日、15日は神戸ペンショウです。皆さん、秋の神戸でお会いしましょう。

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2023年6月23日 (金)

にこいちの2

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 おぱんちゅうさぎさんが大好きな「まりりん(絶賛発情中)」さん。館内にはすでに七夕飾りがしてあるのですが、そこにも私とおぱんちゅうさぎさんに挟まれてまりりんさんが描かれております。

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 さて、お尻が割れてしまっているRSー150ですが、その割れた胴軸をくるくる回して外してみると、インクカートリッヂが挿さったままになっておりました。時代を考えるとブルーブラックである可能性が高いと思われます。そして、カートリッヂのお尻に、何か金属製のパーツがくっついています。

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 本来はこうして使うものだったのでしょうか。手前が挿さったままになっていたカートリッヂで、それを取り外して、謎のパーツにダブルのカートリッヂを2個取り付けてみたところです。

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 はい、この状態で胴軸にも収まります。やはり、こうやって使うものだったのだと考えるのが妥当でしょう。私のような素人には分かりませんけれど、蒐集と研究をきちんとされている方なら、何を当たり前のことを、と思われるような、そういうことなのだろうと思います。2個つけて一つのものとして使う、ということですね。

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2023年6月22日 (木)

週末はOMM

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 よく眠る「ちち(仮名)」さん。これで安心していましたら、その後、未明と言うべき時刻に鳴き叫び始めて、この時刻ではさすがに放っておく訳にもいかない、と叩き起こされてしまう、という結末になりました。もっとも、飼い主はこの寝顔を見て安心したためか、そのまま自然死しておりましたから、実際に起きてご飯を与え、お散歩に連れだしたのは妻です。

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 5月6日のY.Y.Dayで受け取っておりましたが、これまで紹介するのを忘れていた、デルタジムサービスの80周年記念萬年筆JADEです。西梅田駅から南へ少し歩き、北新地駅を過ぎたあたり、堂島アバンザというデラックスなビルの1階で、ギフショナリー・デルタという文具店を営業されています。水都大阪、ということで、街のあちこちを流れる川の水面をイメージした、味わい深い翠色。PILOT845がベースですので、実に堂々としたペンです。

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 インクやガラスペン、紙ものその他「書くこととその周辺」に関するお店がたくさん出展して全国各地で開かれている「宇宙遊泳」ですが、昨年度から大阪でも開催されていて、ずばり「NANIWA PEN SHOW」という名前です。今年は6月24日(土)に、大阪天満橋のOMMビル内の会場で開かれます。

 大阪メトロ谷町線や京阪本線の天満橋駅直結のOMMビル。昨年の中之島公会堂も素晴らしい会場でしたが、入口が少しわかりにくいなどの課題もありました。今年はこういった大規模なイヴェントを開くための会場ですので、それらの課題の多くが解決されていることと思います。

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 地元での開催ということで、Y.Y.Penクラブのメンバーもお手伝いをいたします。今回も豪華メンバーの出展ですので、盛り上がること確実、と思われます。私は会場内にはほとんど入ることなく、会場入口で来場してくださった皆様のお相手をいたします。誰もが気分良く、楽しい、そんな1日を過ごせますように、ご協力をお願いいたします。多分、混雑すると思いますけれど、まぁゆったりとした気持ちで入場待ちをしていただければ、と思います。

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 それでは皆様、土曜日は大阪天満橋のOMMビルで、NANIWA PEN SHOWで萬年筆しましょう。萬年筆とは少し縁遠い、という方も、この機会に萬年筆の高みに堕ちる、という琴を体験していただければ、と思っております。

 暑い時期ですので、水分補給等、十分にご準備とご注意の上、お越しください。

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2023年6月21日 (水)

にこいち番外編

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 今宵もまた、写真を撮られても避けようともしない「ちち(仮名)」さん。勤務先の近くにある中学校の定期テストに合わせて放課後の学習会が開かれるために、この1週間ほどは毎日残業です。しかしながら、ずっと一人の人に残業を命じるのは、その人にばかり残業代が支払われることになるのでよろしくない、ということで、私以外の職員もたまに残業に入ってくれます。みんな家庭の主婦をしながらのお勤めなのに、夕方の忙しい時間に申し訳ない限りです。

 しかし、前職では残業というものが制度としてありませんでしたから、いわゆる定額働かせ放題ということで、朝は6時に出勤して夜、というか朝の4時に風呂だけ入りに家に帰る、という職員が実際におりました。そのパターンを毎日毎日繰り返しているのですけれど、時折、金曜日の夕方に姿を見ないことがありました。「ももクロに行くねんと〇〇〇(その先生の名前)が言ったから、今日はノー残業デー」と俵万智が歌ったとか歌わなかったとか。まぁ、1時間余分にお仕事するとその分お給料がもらえるなんて、還暦超えるまで知りませんでした。

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 先日訪ねた安乗崎灯台(三重県)と潮岬灯台(和歌山県)の入場券。300円払うと灯台の中を見学できます。安乗崎灯台に行きました際に、窓口でおじさんがこの券を見せながら、「潮岬でこれ見せると、絵葉書もらえますから。」と教えてくださいました。どちらの灯台も150周年と言うことを記念してのコラボなのだそうです。安乗崎灯台の入場券を潮岬灯台で見せると絵葉書がもらえる、潮岬灯台の入場券を安乗崎灯台で見せると絵葉書がもらえる・・・これ、私間違って解釈しておりました。

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 安乗崎灯台の入場券を潮岬灯台で見せると、潮岬灯台の絵葉書がもらえるのだ、と勝手に思い込んでおりました。本当にそうなら、潮岬灯台の入場券を持ってもう一度安乗崎灯台に来なければならないなぁ、と結構真剣に考えておりました。

 世間の方は教師は常識がない、もっと社会を知らなければ、なんて言いますけれど、そんな私は社会科の教員。新任の時、国語の先生足らないからよろしくと言われて、最初の授業は中学2年の国語。大岡信ですとか、小林秀雄ですとか、大人でも読み解くのが難解な教材を私みたいな教員に教えられた生徒たちには、本当に申し訳ない話ですが、今後はどこの自治体でも教員免許持ってない人でもバンバン先生として採用する方針のようですから、ま、少し胸をなで下ろしていても良いのかもしれません。

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 実際にはそんなアホな話があるわけもなく、潮岬灯台ではあっさり、安乗崎と潮岬、両方の灯台の絵葉書をいただくことができました。そりゃそうですよね。もし私が理解していたようなことになっていたら、みんな怒りますよね。

 さて、登れる灯台スタンプラリー、残りは13基。聞くところによると、スタンプラリー完遂の際にスタンプ帳を召し上げられた、なんて話もあったようですが、すでに記念品授与も終わっておりますから、それはないのかとも思います。今月中にあと1基。7月中には4基訪ねる予定をしておりますが、飛行機に乗らないと行けない、行きにくいところがある、というのが辛いところです。

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2023年6月20日 (火)

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 本日も見事な寝姿の「ちち(仮名)」さん。こういう風に熟睡してくれるのが一番です。中学生の期末テスト対策ということで、ここ1週間ほどは毎日1時間ほど長く勤務しますので、帰宅した時にはこうして落ち着いている彼女を見ることになろうと思います。

 PILOTのRS-150という萬年筆が手元に2本あるのですが、こいつがどうにも、一人では何もできない子達なので、ニコイチして片方を処分するか、と思い始めています。けれど、2本あるからこそ面白い、というところもあって、ヘンタイとしては悩むところなのです。

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 写真を見て、2本の違いがわかっていただけるでしょうか。どちらか上げますよ、と言われたら上と下、どちらを選びますか。見た目で選ぶと文句なしに上の方で、キャップや軸を外して中まで見たら、ヘンタイさんなら下の方でしょう、ということになります。

 そういう風に撮っていないのでわかりづらいですが、下の方は、尻軸のところを見ますと、いわゆる尾栓がありません。それだけならまだしもお尻のところで軸がバッキバキに割れているのです。

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 ここまで見れば、割れてる方には値打ちはない、と、ちゃんとしてる方を選ぶのが普通です。お尻の蓋がないだけなら何とかなりますが、割れているのは筆記にも支障を来します。しかしながら、このペアで考える時、この割れている方の個体は、部分取りとして極めて貴重なのです。

 割れている方は、キャップなども傷が多く、見た目が汚いのですが、とりあえずキャップを外してみましょう。

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 何と、左が綺麗な方で、右が割れている方です。こうなると、綺麗な方の首軸を捨てて、割れている方の首軸に付け替えたくなりますね。ペン先を引っこ抜いて付け替える、なんて器用なことができない人間にとっては、首軸ごとすげ替えるしかありません。単にペン先が開いているだけではなくて、曲がってしまっていますね。

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 そう、大事なことを忘れかけていました。このRS-150をなぜ手に入れたのか。それは、キャップの上の方についているこのボタンを押してみたかったからなのです。そもそも押せるのか、押したらちゃんと押し下げられてくれるのか、というところに興味を抱いていたのです。

 大丈夫、しっかり押せます。押すとボタンが引っ込んで、クリップが持ち上がります。厚手の生地を使った上等なスーツのポケットに挿すときには、ボタンを押してクリップを広げておけば、スッと入るわけです。こういう面白い仕掛けのあるペンですから、普段使いしたいところです。しかいs、そのためには2本それぞれの良いところを持ち寄って、きちんと機能する1本に仕上げる必要があります。割れている方の個体には、実はとんでもないお宝が隠されているのです。

2023年6月19日 (月)

葬式鉄

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 突如現れた「おぱんちゅうさぎ」さんに猛然と遊んでアピールをする「まりりん(さかりのついた雄)」さん。多くの生き物は、両目と鼻または口の三点が逆三角形に並んでいるのを見て「顔」と判断をするのだそうです。今の時期はカメさんの繁殖期ですので、もう必死で手を伸ばしているのです。

 土曜日曜と遊び倒した飼い主、その大半の時間は乗り物に乗って過ごしていたのですが、日曜日はとんでもなくアホな時間の使い方をしておりました。まず、近鉄全線乗り放題のきっぷがあるからと朝早くに家を出て特急も使わずに三重県の津を目指します。底へやってきたのは、今月末で引退することになっているキハ85気動車。名古屋から新宮や紀伊勝浦へ運転されている特急南紀号は、普段は2両編成なんてこともありますけれど、この日はなんと5両編成でした。

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 新宮方の先頭車はこのような貫通タイプ。それでも、かつて「ワイドビュー」と謳っていましたので、大きく側面に回り込んだ前面形状ゆえ、こいつが中間車となった時のために、特殊形状の連結部幌がついおります。これが5号車で、私が取った座席は4号車。すぐ後ろの座席になぜか外国からのお客様がカップルで乗っていらして、辺りをはばかることなく語り合っていたのと、前方におじさまおばさまの団体が乗り込んで宴会をしていたので、道中はずっとノイズキャンセリング機能の付いたイヤホンで音楽を聴いておりました。せっかくのカミンズエンジンの咆哮を、もっとしっかり聞くべきでしたが、聞きたくもないおしゃべりは聞きたくない、という気持ちが勝ちました。

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 車内にもこんな人が。この人はさほど迷惑にならない範囲で撮り鉄されてました。沿線にも結構たくさんの撮り鉄が涌いていて、ワイドビューな車窓から外を眺めていると目が合ってしまう、という実に不愉快な状況。撮り鉄が迷惑というのは、そういうところもあるのです。

 同じ社内には、他にも気合いの入ったヘンタイさんがいっぱい。そう考えると、後ろの席の外国人カップルとか、前の方でどんちゃん騒ぎをしている爺さん婆さんなんてのは、むしろ「普通に乗っていた」人たちと言えるでしょう。

 津駅のホームで、手提げ袋に缶ビールを何本も入れてニタニタ笑いながら待っていたおばさん。あろうことか、通路を挟んで私の隣にお座りになって、紀伊勝浦まで約3時間の道中、ビールがぬるくならないうちにやっつけて涼しい顔をしてらっしゃいました。呑み鉄ってやつですね。

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 こういう、ヘンタイチックな連結部、これが今月いっぱいで見られなくなるのです。キハ85の非貫通先頭車については、北近畿タンゴ鉄道で4両ほどが余生を送るようですから、この先も見ることができます。この、ヘンタイな貫通型先頭車が見られなくなるのが残念なところです。

 9時1分に津を出発して、紀伊勝浦に11時56分着。途中の新宮で出発待ちをしていた紀伊田辺行きの普通電車が追いかけてくるのを待って乗り継いで、串本駅に12時55分に到着。4時間弱、列車に揺られて本州最南端の駅へとやってきたわけですが、津駅まで2時間半ほど電車に乗っていますので、ここまで6時間半ほどは列車の中の人だったわけです。こういうアホを、乗り鉄というのです。

 ちなみに、帰りは串本から天王寺までくろしお号に乗りましたが、結構新しめの287系電車、アホな揺れで興ざめでした。JR西日本の車両っていうのは、どうも詰めの甘いのが多いように感じます。というか、むしろ特急車の出来が良くないと言うべきでしょうか。そんな列車に揺られて、最後はモリソンBarで呑み、またまた電車に揺られて帰宅。こういうことを来月1日の松江大会でもやりますし、その翌週の三島大会でもやります。撮り鉄、呑み鉄、葬式鉄と馬鹿にしておりますけれど、乗り鉄もけっこうアホだという自覚があるのです。

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2023年6月18日 (日)

寄り道

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 飼い主が帰宅したことにも気づかず、鼾をかいている「ちち(仮名)」さん。よいよい、そうでなくては。できることなら家族が起き出してくるまでそのまま眠り続けてほしいものです。

 飼い主は日曜日というのに朝の6時過ぎに家を出たのですけれど、すでに朝ご飯とお散歩を済ませて帰ってきた彼女と入れ違いでした。クルマを飛ばせば自宅から4時間かからずに行き着ける場所へ、7時間近くかけて列車の旅。それだけでは飽き足らず、帰りには文字通りの寄り道をしてきたのですから、オッサン、なんぼなんでも遊びすぎやで、というところでしょうか。

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 寄り道してきたのは、奈良県御所市にあるモリソンカフェ&バー。往路7時間、復路4時間と、もうお腹いっぱいですというぐらい列車に揺られて、その揚げ句に一杯(ではない)ひっかけて帰ってきたのです。昼間はカフェ、夜はバー。入り口を入ってすぐのカウンターに萬年筆が並んでいます。手前の萬年筆は、希望すれば付けペンではありますけれど試筆させてもらえます。モリソンの萬年筆なんて、そうそう持っている人はいないですし、持っていても長く放置していて朽ちてしまっていたりしますから、実物を握らせてもらえるのは貴重です。

 萬年筆がメインでバーはオマケ、と思ってはいけません。たった1本、潰さずに入れたミントが香るモヒート、砂糖っけなしで作ってくれますので甘ったるいのが好きでない人にもおすすめ。そして、奈良県御所市というと結構名の知れた蔵もあるので、日本酒も楽しめます。ミシュランで星をもらうようなシェフが買い求めるという地元産の鴨を使った酒肴も絶品。ちょっと寄っていくつもりが、結構長居してしまいました。

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 問題はここ御所市というのが結構交通不便な場所であること。御所市として、いろんな地域活性化の手を打ってますので、御所に行って泊まるというのを目的にした旅をされるのがお勧めです。かく言う私も、ぜひ一度、泊まりに行かなければ、と思っております。

 面白いのは、ちょっと顔を出して一杯ひっかけて帰って行く人たちと共通の話題で盛り上がっていろいろお話ができたこと。そして日曜の晩だというのに、遠くから旅行で来られている人たちも複数いて、そんな人たちともさまざまな話題で盛り上がりました。もちろん皆さん初対面ですが、このシャイで無口な私が・・・と思ってしまいました。

 そういうわけで、本日はいささか酔っておりますので、これにて営業終了。明日から5日間、しっかりとお仕事に励んで、来週末の土曜日には大阪天満橋のOMMビルで開かれますNANIWA PEN SHOW 2023のお手伝いに励みます。皆さん、天満橋でお待ちしております。

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2023年6月17日 (土)

晴れ間

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 帰宅してすぐにパシャリとやりに来る飼い主に、「やだよ」と意思表示をする「ちち(仮名)」さん。この土曜日曜は梅雨の晴れ間だということでしたので、早起きして三重県まで出かけておりました。

 バスと電車を乗り継いで目的地へ行くのに、どの乗り継ぎも2~3分というナイスな待ち時間なので、強迫神経症の私としては怖くてたまらず結局1本早いバスをつかまえて駅へ。それで余裕が生まれると、大きな駅でお菓子を買ったりして、特急列車内で口を動かすことになってしまいますので、健康にはよくありません。

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 日本全国、北海道と四国を除く各地に「登れる灯台」というのが16基あって、そこを巡ってスタンプを集めると記念品がいただけるという、実にヘンタイ心をくすぐる企画があるのです。開始から5年ほどで、未だ達成者は200人に満たないということですので、私のように飛行機に乗れない者でも死ぬ気で一往復乗ればなんとかなるか・・・というわけです。近畿地方には三重県に2基、和歌山県に1基。本日は三重県にあります安乗崎灯台と大王崎灯台にお邪魔して参りました。電車の駅から安乗崎灯台屁と連れて行ってくれるバスは1日に3~4便。しかも、灯台のそばまで行ったらすぐに折り返して帰って行く、というダイヤですので、日に3便しかない内の最初の便に乗って終点に着いたら、帰りの便は2時間後です。バス停から20分ほど歩いて灯台まで行ったら見学、とここまでは良いのですけれど、バス停まで降りる時間を除いても実に1時間以上、たっぷりと現地で過ごさなければなりません。

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 で、行きの電車の中であれこれ調べますと、伊勢市駅前にカーシェアリングのステーションがありましたので、伊勢市から約1時間、クルマを走らせて安乗崎灯台へ。駐車場で車を降りると、足の不自由そうな年配の女性に「バス停はこっちへ行くんですかね?」と声をかけられました。

 時刻は最初のバスが電車の駅を出るよりも早かったので、この人の歩き方でバス停まで降りても30分は待たなければいけない感じでしたが、果たしてあの人は無事にバスに乗って駅まで行くことができたのか、と思いつつ、灯台を見学し、スタンプ帳を購入します。

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 珍しい四角形断面の灯台。元は木造で、それが建っている岬がどんどん浸食されて崩れていくので、その都度、手前の方へと移築されて現在に至っているのだそうです。灯台の上まで登って海を見ると、底までしっかり見える透明度。灯台のあるところは当然ながら海のそばで、多くの場合街からは遠く離れていて、場合によっては海辺の集落からも少し離れていたりするわけです。今はほぼすべて無人となっている各地の灯台ですが、人が常駐していた頃はさぞや大変だったのだろうな、と他人事ながら心配になります。

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 見学を終えて、灯台のそばにあるカフェでお土産を買ったら、今度は大王崎灯台へ。こちらは駅からも近く、バスの便も頻繁にあるので、当初は安乗崎灯台まで往復したあとのオマケみたいな感じでしたが、灯台としてはこちらの方が大きく立派で、かつ、それらしい形をしています。

 スタンプを押すのに練習用の紙まで持って行ったのですけれど、どちらの灯台でも、係の方が押してくださるので、くっきり、綺麗に、斜めになったりしていないスタンプが残せました。

 中へ入れるとか上まで登れるとかは別として、各灯台には入り口付近などにQRコードが掲出されていて、読み取ると「デジタル灯台カード」というものを手に入れることができます。それをここに載せるのはあまりに無粋ですので、皆様もぜひ、どこかの灯台へお出かけください。

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2023年6月16日 (金)

珍しく

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 いつもならきゅんきゅん泣いている時間なのですが、おとなしく鼾をかいている「ちち(仮名)」さん。飼い主は本日6回目のワクチン接種をしましたので、左腕の付け根が痛くて難儀しておりますが、発熱などは今のところありません。6月中に限定して、近鉄全線2日間乗り放題、という切符が売られていますので、ワクチン接種のあと駅に寄って購入。この土曜日曜はできるだけ長い距離と時間、電車に乗ってやるぞ、と意気込んでいるところです。

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 先日のペントレーディング東京では、けっこう大きな獲物を逃してしまいまして、残念に思っております。開場と同時に入ると混み合うので、と少し遅れて入場し、そのあとも皆さんとの会話を楽しんで、各ブースが好いてきた頃を見計らって品定め、というとっても「上品な」参加形態をとっておりますので、鵜の目鷹の目で各ブースを巡回している人たちに勝てないのは当然のことですが、それにしても、あんなの、自分以外にも欲しがる人いるんだなぁ、と世の中にヘンタイのタネは尽きないことを思い知らされた次第です。で、悔し紛れにこいつらを連れて帰ってきたのです。

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 PILOTのクワトロ、萬年筆とシャープペンシル、いずれもマットブラックで未使用と思われるもの。マットブラックじくというもの、気に入って使い倒していくと次第にテカりが出てきて、まぁそれが味わいなのですけれど、マット軸ならではの美しさからは遠ざかってしまいます。全日本マット軸協会の末席に名を連ねている身としては、こういう美しいマット軸はそのままの姿で後世に伝えていかなければならないと思っております。

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 クアトロなので、丸く面取りされた四角形断面の軸とキャップです。そして、全体的に細身ですので、例によって槍の部分がむき出しになっております。四角い軸と首軸がズレルことなくしっかりと合わさるところに、PILOTだなぁ、と感じます。首軸はともかく、キャップと胴軸は結構ずっしりとした感触でしたが、ひょっとして金属製?などと一瞬思いつつ、いや、まさか、と。これまた、詳しい人にしっかりとお聞きしてお勉強しなければなりませんね。素人で初心者のヘンタイですので、知らないこと、わからないことだらけです。

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2023年6月15日 (木)

みほん

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 かなり蒸し暑くなってきて、ワンコにとっては辛い毎日です。けれども、「ちち(仮名)」さんよりも家族の方が先に音を上げますから、比較的簡単に涼しい環境に身を置くことができます。この子は赤ちゃんの時からずっとそういう環境で育ってきていますから、夏の暑さにぐったりしたり冬の寒さに縮み上がったりということをほとんど経験していません。そのせいか、ずっと換毛のサイクルがおかしくて、夏なのに分厚い毛皮のままだったり、これから冬に向かうという時期に寂しい姿になったりします。

 昨日、そして本日と、社内の他部署で不要となった家具類をありがたく頂戴する為に、他の施設を回っておりました。本日は市内東方の山間部にある施設へと車を走らせたのですが、同乗した事務員さんはよほど上品な環境で育ってきたのか、ガードレールのない山道を走っている間中、ずっと怖い怖いと言っておりました。道路が怖かったのか、私の運転が恐ろしかったのか、その辺は不明です。で、怖い思いをさせた埋め合わせに、道中にある「太安万侶の墓」に立ち寄ってしばしの休憩。道路に接している急斜面の茶畑をひぃひぃ言いながら登っていくと、おそらくは直径5m弱程度と思われる円墳があります。まだ私が高校生だった頃、この墓が発見されて、現地説明会が開かれるというので、学校をサボって、詰襟の制服姿でバスに乗って見学に着たことを思い出しました。ずいぶんと綺麗に整備されていますが、訪れる人もほとんどないようで、立派な施設も寂れていく一方です。

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 かつては立派な萬年筆であったと思われる一本。PILOT謹製の、見事な仏壇萬年筆です。おそらくはきちんと背広を着てお仕事をしていた人が胸ポケットに挿していたものだろうなぁ、などと往時を偲びながらキャップをとると、そこにあるべきものがありません。肝心要の首軸は、キャップと共に去ってしまい、あとには胴軸だけが残されている、という状況です。

 黒い樹脂の部分が相当にもろくなっていて、首軸がキャップの中に留まろうとする時に揉めたのでしょうか、キッチリ割れてしまっています。萬年筆は書けるものでなければならないのに、欠けてしまったのではどうしようもありません。

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 それでも何とかキャップの中から首軸を救い出して、胴軸の割れた部分が見えないようにうまく取り繕って記念撮影。書けなくても良いので、このペン先の形、ホレ、鉄仮面みたいだろ、と言って人に見せる、今となってはそれだけがこのペンの値打ちです。

 おそらく、首軸と一体になったテコ式の吸入機構があったのだろうなぁ、と思われます。それを確かめるためには、かろうじて軸としての形を保っている胴軸をたたき割って、中に収まっている吸入機構を取り出すしかありません。でも、良いのです。文字が書ける萬年筆なら山のようにありますから、何もこのペンで字を書いたり、その仕組みを確かめたりする必要もないのです。ですので最後に、その特徴的なペン先をアップでご披露して、それでおしまいです。

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2023年6月14日 (水)

実にトリッキー

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 じっとこちらを見る「ちち(仮名)」さん。自分の大好きなものがいつまでそのままそこにあるのか、ということは深刻な問題で、そのことをあれやこれやと思い悩んだりするわけですけれど、実は自分自身がいつまでこの地上に実体として存在しうるのか、ということについては、意外と忘れてしまっているものです。知り合いのあの人、この人が、もう鬼籍に入られているとか、今でもピンピンしているとか、そういうのを聞く時、へぇ~、と文字通り他人事なのですけれど、実はそれ、もう自分のみに置き換えて考えなければならない問題、時期なのだ、ということなのです。気楽に他人の心配をしている場合ではありません。

 まだまだ若かった頃は自動車雑誌を買いあさり、あるいは読みあさって、買えもしないクルマの試乗記に一喜一憂していたものです。この車はおとなしいようでいて、こういう場面では実にトリッキーな挙動を見せる・・・なんていうのは試乗記では定番の記述で、ホォ~、それはイカンなぁ、と思っていたりする自分は、そのトリッキーな挙動を起こさせるところまでクルマをもっていく運転技量なんて全くないのに、あれこれと考えているわけです。実に滑稽な話ですが、萬年筆だってそうなのです。書き味が良いとか悪いとか、ホントにわかってるの? というお話で、この文字はこういう形なんだよ、ということすらきちんとできないのに、文字を書く道具にあれこれ言うなんておこがましい限りです。

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 今回のペントレーディング東京2023、ふだんの東京行きより容量の大きな鞄を持って行ったのは、こいつを持ち帰るため。ペントレの会場で某印刷屋さんとお話をしていて、この界隈、萬年筆以外にカメラとか時計とか好きな人多いですねぇ、なんて言ってたのですが、その他にも、革製品なんてものも入ります。それいつの時代の萬年筆だ、ホントにこの世のものか? なんて萬年筆について熱く語る「半@関東」な人たちであるとか、とにかくマニアックにも程があるという人がたくさんいるわけですけれど、そうした人たちの会話がカメラだ時計だ革製品だと、その他の分野にも及んで、それがまた深い深い闇の中へ・・・ということがよくあります。

 少なくとも萬年筆研究会の会合に顔を出すような人たちの中には、トリッキーではなくてトレッキーな人がいて、そういった人達の会話が実にトリッキーというかマニアックというか、どこへ話が飛んでいくかよくわかりません。そしてその会話が、いつの間にかプロレスの話になったりすることもあって、そうなるとそれまで傍らでおとなしくしていた人が突然・・・なんてこともよくあります。実に危ない世界です。

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 最後のフロンティア(である宇宙)を探検するためにも、これ全部揃えましょう、なんて、誰でしょうね、こんなにも素敵で憎らしいコピーを思いついたのは。わからん人はこれを見ても、何かの映画やドラマの登場人物なんだろうな、と思う程度。TNGの中からこれ選ぶのかぁ、などと思う人はすでに冒されています。「病膏肓に入る」という状態ですね。膏は横隔膜、肓は心臓のことだそうで、その間に入ってしまえばいかな名医といえども手は出せない、と二人の子どもの姿になった「病気」が語り合っていたという、晋の景公がみた夢のお話です。

 左上のピカード艦長はフランス人ですが、宇宙船の中では分子から飲食物などを生成するレプリケータという機械に向かって「アールグレイ、ホットで」と命じます。フランス人が紅茶、それもイギリス首相であった人物に由来するアールグレイを好んで飲む、というのも面白い話です。日本人にはアールグレイを好まない人も少なからずいますが、アイスなら話は別。けれど、ホットなのです。このセリフが書かれたマグカップ、トレッキーな人はこいつに香り高いホットなアールグレイティーをなみなみと注いで楽しんでいただきたいものです。

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 萬年筆研究会の会員で、なおかつY.Y.Pen倶楽部のメンバーでもある、さる研究者。何と宇宙に関連のある研究をされているのですけれども、この方の奥様は西太后より恐ろしいのだそうですが、娘さんともども、トレッキーなのだとか。代表的なクリンゴン料理であるガーグを食べてみたいなどと恐ろしいことをおっしゃっているそうです。実際の撮影においては、見せるためには生きたミミズを、食べるシーンにはうどんに着色したものを使っていたという話もあるようです。こう書けば、まぁ、食べたいと思う人の方が少ないでしょうね。新鮮なものを躍り食いするのが一番だ、ということになっております。

 件の研究者は、いつも奥様には内緒で萬年筆やら革製品やらを買い込んでは、ばれないように涙ぐましい努力をされているわけですけれども、そういうことこそが、「抵抗は無意味だ」という話になるわけで・・・。

 何のことかさっぱりわからん、という人、胸をなで下ろしてください。まだ大丈夫です。どういうことなのか知りたい、と思った人は、諦めてWAGNERの会合で誰かトレッキーをつかまえて話を聞いてください。きっと病膏肓に入るところまで感染させられてしまうことでしょう。

2023年6月13日 (火)

受け取り・2

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 撮るならどうぞお好きに、と動かない「ちち(仮名)」さん。飼い主が帰宅しますとわざわざ不自由な足こそで玄関まで迎えに出てきてくれるのですが、その道中、あるいはそこからお布団へと戻る途中、高確率で尻餅をついては「きゅ~ん」と鳴きますので、いや、お迎えは嬉しいし可愛らしいのだけれど、できることならお布団の上で出迎えてくれたらもっと嬉しいよ、と言い聞かせております。でも、ワンコというものは幼児と同じで今この瞬間こそがすべてなので、たとえ人語を理解したとしても、先のことなんて言い聞かせても無駄というものでしょう。

 ペントレだっ、お祭だっ、と喜び勇んで高い新幹線代払っていそいそと東京へ出かけて行くわけですが、昨今はそれも、何を目的に行くのか、自分でもよくわからなくなってきております。そこへ行ったからと言って今まで見たこともない萬年筆に出会える、なんてことは滅多にないので、結局は会場に来られている皆さんにやぁやぁとご挨拶をして、萬(年筆)談(義)に明け暮れる、ということになります。

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 このようなイヴェントに際して、師匠が実施してくださる「フライングゲット」というもの、賛否両論、というか、むしろ私の周りでは否定的な声の方が多いように思いますが、私のようにシャイな人間にとってはありがたいものです。周りの人に見られることなく、自宅等でPCの前に座ったまま、「おっ、これえぇやん!」でポチッとすれば済むわけですから。

 しかし、師匠のところに萬年筆その他を送りつけたらお嫁入りが保証されるというものでもありません。今回も、単独ではしんどかったのだと思われる「オマケつき」が多数登場しておりました。そしてその「オマケ」というのは、メインとなるペンにくっつけて供される他のペン、だと思ったら大間違い、だと私は思うのです。実は、「これメインだよ」というペンそのものがオマケで、それを解説する文章が本命の商品なのではないか、ということです。

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 リフォームの萬年筆なんて、存在はずっと昔から知っていながら、おそらくこれが初めて手に入れたものになるでしょう。簡易な回転吸入式、何の変哲もない鉄ペンがついていて、何より持った感じ、非常に軽い。実用品としてサササッと文字を書く人には良いのでしょうけれど、趣味の対象としてみると、これを愛する人はヘンタイの中のヘンタイ、なのかもしれません。私のように初心者のヘンタイ、素人のヘンタイにとっては放って置いたら死ぬまで縁のないペンです。

 で、ここが大切なところなのですが、いつもは私、部屋の中に洗濯乾燥機が設置されているホテルに泊まることを前提として、小さな肩掛け鞄ひとつで「東京に泊まります!」と行きますので、皆さんに呆れられておるのですが、今回、これなら宿泊に必要な着替えなども持ってきているだろう、と思ってもらえる程度の鞄を持って行ったのです。そしてその目的は着替えを詰めていくことではなくて、帰途、かさばるものを入れるためだったのですが、そのかさばるものについては、また別の機会に。

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2023年6月12日 (月)

受け取り・1

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 めずらしくカメラから逃げなかった「ちち(仮名)」さん。本日は気分も落ち着いていて、眠らなくてもお布団の上でじっとしているなど、とても良い子にしています。こういうときは触らずにそっとしておきたいところですが、良い子にしているので思いっきりヨシヨシとしてあげないといけません。しかしそれをすると、だんだんと気分が高揚してきて、もっともっととせがむようになり、ついには夜中になっても寝付かない、ということにつながってしまうので、この辺が頃合いかな、というのをしっかりと考えないといけません。

 飼い主は土曜日に半日勤務した分の振替休日を本日の午前に取りましたので、朝はゆっくりと寝て、お昼過ぎから出勤。昨夜は品川駅を21時過ぎの新幹線に乗って、それがまた線路点検のためとかいう理由で5分程度遅れたりして、結局最終電車で自宅最寄り駅まで戻ってくる、という綱渡りな行程でしたけれども、週明けに疲れが残るということもなかったのはありがたい限りです。

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 ペントレの会場であれやこれやと見てしまうと、結局萬年筆のコレクションが膨れ上がるという結果になってしまうので、極力見ないようにしているのです。ならば何のためにわざわざ東京まで行くのだ、ということになるのですけれど、会場内ではそのほとんどの時間を参加者の皆さんとどうでもいい会話をして過ごしています。で、こちらは事前に出展を知って取り置きをお願いしていた品物に、オマケとしてついてきたもの。

 オマケですけれど、どちらもしっかりとした萬年筆です。とりあえず使ってみたいのだけれども、などと言う人が身近に現れたら、この辺を、「どうぞお使いください」と言ってお渡しする、そういうものになります。

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 そういえば、天安門事件も6月でした。どんな色の猫でも鼠さえ捕ってくれば良い猫なのだと言う指導者が荒療治の改革を進めて、大きな混乱を招いたのですけれども、そのおかげで、というところが私たちにはあります。一定以上の品質のものがびっくりするようなお値段で手に入るのは、そのおかげなのです。ジンハオ、って聞くと、あぁ、やたらと飾り立てた安物、パクリの萬年筆ね、なんていうイメージでしたけれど、いやパクリもここまでやれば本家が慌てるかもしれないレヴェル。萬年筆を純粋な実用品と考え、そこにオマケとして見た目の良さとか、有名な他社のモデルの特徴なんかが盛り込まれておればそれで十分、と考える人の方が多数派でしょうから、いずれ国産の萬年筆なんてものは超高級品だけになってしまうのかもしれません。

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 セイラー萬年筆のカラーバリエーションモデルですよ、と言われたら信じる人も少なくないはず。萬年筆を見て、キャップを外し、ルーペを取り出してペン先の刻印などをチェックする、というヘンタイさんを除けば、たいていの人はそうでしょう。

 面白がって、こういうのが出た、とやっているわけですけれど、いや、これは実際、将来こっちが本物になってしまい、もともとの「本物」は会社ごとなくなってしまっているかも、ということを思ってしまいます。すでに今、金ペン先を有り難がる人がどんどん減ってます。ヘンタイでない人は、これで十分となる、いや、これが標準で、そうでない従来型の萬年筆に対して、何て馬鹿な真似をしてるんだ、と思う人の割合が増えてくるのではないか、と危惧してしまいます。おそろしいことですね。

2023年6月11日 (日)

ペントレーディング東京2023

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 帰宅した飼い主にも気付くことなく、よく寝ている「ちち(仮名)」さん。良い傾向です。これなら飼い主も朝までよく眠れることでしょう。

 土曜日のお昼にダッシュで退勤してバスに飛び乗り、予定よりも早い電車をつかまえることができたので、東京到着後まずホテルにチェックインして、折畳傘一本持って身軽に呑み歩いたあとは寝るのみ。今朝もゆっくり起きて、開場と同時に行くとちょっとは混むだろう、と遅れ気味に浜松町へ向かいました。

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 会場設営などに手間取ったのか、と一瞬思いましたけれど、会場は11時、というのは私の思い込みで、実際は11時30分。少しずつ人が集まってきたので書き加えられたのでしょうか。ただ立って待つのも面白くないので、ビル内の探検に。同じフロアの別エリア、東京インターナショナルペンショウなどが開かれる広い会場のあたりまで行くと、絶叫する運営スタッフと、その指示を全く聞かない参加者、という、思わずニヤついてしまう光景。ドール関係のイヴェントだったようですが、あぁ、こういう人たちこそがヘンタイさんなのだなぁ(詠嘆)と感動したことでした。

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 今年のポスター。制作はいつものあの方。このお人形さんは我が家にもいらっしゃいますが、お帽子は被っていません。元から帽子を被っているお人形にメガネをあつらえてかけさせたのだということでした。彼が立つインク瓶の側面に書かれている万年筆愛好者の団体名に注目です。北ペンクラブがないのは、活動が穏やかになっているからなのでしょうか。

 で、このポスターを肴にして参加者の皆さんとお話。ワイワイペンクラブの正式な表記って?という話になって、まぁ、正解はあるのだけれど結局は書く人次第、なんてえぇ加減な会話を楽しみました。

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 出展者を見ますと、ペントレーディングですから、その名に相応しい陣容になっていたかと思います。宇宙遊泳系のイヴェントも裾野を広げるのに貢献しているとは思うのですが、私のようなオッサンには何となく居心地が悪くて、このようなペンに比重のかかったイヴェントの方が落ち着けます。ですが、二週間後のNANIWA PENSHOWには全面的に協力する予定ですので、遠方の方もちょこっと新幹線や高速バスに乗って大阪へおいでになりませんか?

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2023年6月10日 (土)

お付き合い?

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 飼い主がカメラで狙っているから、本当は顔を背けたいのだけれど、眠たすぎてそれもできないでいる「ちち(仮名)」さん。うつろな目をしてこちらを向いたまま、シャッター音を聞いて目を閉じてしまったのでした。

 本日は隔週の土曜開館の日なので、来館者なんか来ないのになぁ、と思いつつ出勤。かつて、公務員も週40時間労働にしなくてはいけない、ということで、公立学校の教員も合わせなさい、ということになりました。まず1992年から第2土曜を休業日とし、95年からは第4土曜もお休みになって、2002年には学校週五日制が実施となり、法的にも拘束力を持つ状態となったのです。その頃の名残で、今も私の勤務先では第2・第4・第5土曜日だけ開館しているのですけれど、子どもは誰も遊びになんか来ないのです。それではいけないからもっと利用者が増えるように努力しなさい、っていわれているのですけれど、学校がお休みの日に、子どもが家庭で過ごせる、家族と過ごしているっていう状態こそが良いことで、むしろ歓迎すべきものだと思っているので、館長である私は聞き流してしまっているのが現状です。

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 私のものにしては珍しく、私が実店舗で購入したものらしき萬年筆。ペリカンのオリヴィーンです。けっこうミドラーなので、緑色の透明軸、これは買うしかない、とでも思ったのでしょう。実に浅はかなことです。そもそも、ペリカンの萬年筆で手に合うのはM800系統。M600系ですらちょいと短くないか、と思うような人なのに、クラシックシリーズなんて愛用できるはずがないのです。

 クラシックシリーズは大変に凶悪で、手を替え品を替え、次々と世に送り出されてきていて、そこそこ売れているようですけれど、これ鉄ペンでっせ、と声を大にして言いたいところ。鉄ペンが悪いというわけではないのですけれど、どうせ萬年筆なんて趣味のもの、ならばペン先の素材にもロマンを求めたいところですが、もはやインクに侵されることもないから、と金の入ってないペン先で良しとするのは、どうなのでしょう。

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 こうして未使用の状態で見ていると、綺麗だなぁということになりますけれど、ここにインクを入れたら、緑色の透けているのはわからないし入れたインクの色だってわからない、そもそも、しっとりとした濃いめのグリーですから、光の加減では黒軸にすら見えてしまいます。ますます存在意義のわからないペンになってしまいます。そうういものを、なんで買ったんだろう、と自分の馬鹿さ加減を責めてしまいます。

 おそらく、オリヴィーンはえぇぞ、と煽っている記事か何かを読んでのせられたのでしょう。いい萬年筆だとは思いますけれど、これは趣味のものとは言いがたく、実用品でしょう。インク沼の人であれば、これを買うお金でインクを何色も買って、それを数千円のカクノなんかに呑ませて楽しむ方がいいでしょう。そして何より、ペリカンの中では普及価格帯のものでしょうけれど、国産なら金ペン付きが余裕で買えるお値段。

 この萬年筆は箱から出して、机の上に飾っておくのが良いのかもしれません。日々これを見て、あぁアホやったなぁ、と自分を責め続けることで、同じようなことを繰り返さないようにできれば、と。萬年筆自体はとても良いものですし、これを使おうと思って買った人にはおめでとうと言いたいのですが、自分に対しては、アホやったなぁ、と言い続けたいと思うのです。この先発掘が進めば、同じようなものがもっと出てくるかと思うと、正直、気が重いです。

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2023年6月 9日 (金)

似合わない

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 昨日と同様、くったりと眠り込んでいる「ちち(仮名)」さん。飼い主がもし、現役時代からしっかりとした人生設計をしていて、必要のない支出はせず、必要なところにきちんと支出して、真面目に、堅実に生きてきていたら、今、こうして眠る彼女を昼間から見守る毎日を送っていたことでしょう。けれど現実には、不要な支出(無駄遣い、とか浪費、とか言います)を繰り返し、肝心なところへの支出を惜しんでは安物買いの銭失いを繰り返して、将来のことはおろか、その日一日の見通しすら持たずに生きてきた結果、水道光熱費ぐらいは稼がなくては、と今もあくせく働いているわけです。

 まぁその結果として、いろんな人とのつながりもあり、日曜の夜から月曜の朝にかけては憂鬱で金曜の朝には少し元気が出てくるという、まぁ当たり前の毎日を過ごすことができているわけですが、歳を重ねてくるとこんな私でも少しは経験から来る知恵がついてきて、これまでの生き方をひたすら悔いてしまう、という部分はどんどん重くなってきております。自分さえこの世に存在しなければ何もかもうまく行ってたのに・・・と思ってしまうのは、幼年時代から何も進化していない証拠です。

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 漢字の部首にしか見えない文字で書かれているということは、私が嫌いな国で売られていた、あるいは売るはずであった製品を国内に持ってきたということなのでしょうか。これまた軍神マルスのロゴを掲げた製品とこの国の文字、っていうのは悪い冗談にしか思えませんけれど、内容物はしっかりとした製品です。

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 箱の内側にまで・・・まぁ、無視しましょう。メカメカしい、我が国で言うところの製図用シャープペンシルと、それを収めて持ち歩くための革製のケースがセットになったもので、高架下にある、銀座五十音より絶対狭いぞ、と思えるお店で見かけてしまって、もう連れ帰るしかない、と思い込んでしまったものなのです。

 冷静に、いや、冷静にならなくても、少々興奮気味の時に考えたって、こんなもの、自分が使い倒すとは思えません。机の上に転がっている鉛筆ですら使わないというほど文字を書かない人なのに、こんな上等な筆記具を、しかもしっかりとしたケースに入れて持ち歩いて、必要なときに取り出して筆記する、などと言うことをするはずがないのです。先が折れたり減ったりしない鉛筆を右手に貼り付けていたってメモをとることはない、というのが私という人間なのですから。

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 しかもこれ、必要に応じて収納する芯の硬度を変えるなんて、そんなことするはずがありません。教員として採用された初日、初任者が一堂に会して教育長のお話を聞く、という場面で、メモをとっていなかったのは私一人だったのだそうです。衆人環視の中で、社会人は人の話を聞く時にメモをとるものです、と言われ、過ちを指摘されたらすぐに改めることが大切です、とたたみかけられても、メモをとるべき用意すら持ち合わせてなかったという、とんでもない勘違い野郎だった私。いや、過去形にしてはいけませんね。現在進行形が妥当でしょう。

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 なのに、なのに、こういうメカメカしいものには目がないのです。こういうものを自分は保有しておるのだよ、という気持ちだけで満足してしまうのです。ですから、コレくださいとレジに持って行ってお金を払うところがクライマックスで、家に持ち帰ったらそのまま袋から出しもせずに、多くはそのまま忘れ去ってしまうのです。今、終活の一環として整理とも言えない発掘作業を続けておりますけれど、まぁホコリをかぶっているものをいったん手に取ってBlogに載せたらまた忘れ去る。結局、どこまで行ってもダメな自分を呪う気力すらないのです。

 でもまぁ、あらためて手に取ってみてみると、ほんとに良いですね。文房具って、それ自体、魔性のものだと思います。

2023年6月 8日 (木)

悪い客

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 雨音が良い子守歌になるのか、結構激しい雨の中、それに負けないぐらいの豪快な鼾をかいて眠る「ちち(仮名)」さん。窓を開けておくと湿気を含んでいるとはいえ涼しい風が入ってくるので、今夜は人間も寝やすいことでしょう。今週は土曜日までお仕事がありますけれど、6日目となる土曜日には花の都東京へ遊びに出る予定。遊びに行く予定が入っていると、いつもより長い1週間も苦にならない、という遠足を待つ小学生みたいな飼い主なのです。

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 これぞ発掘、というべきものがこのケース。今を去ること10年近く前には、山陰地区でもWAGNERの会合が開かれておりました。地方の大会に「遠征」という名前で茶々入れに行くのが当時の楽しみで、実際には会合そっちのけで現地を観光して回っていたりしたものです。松江でそういう話になると、現地の有名な文房具(萬年筆)屋さんに行かないわけにはいきません。松江と言えば中屋萬年筆展とパピロ21、と相場が決まっております。そういえば、中屋萬年筆店、まだお元気で続けられているのでしょうか。

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 こちらはパピロ21で購入したパーカー50ファルコン。当時、パピロ21の奥様がまだお元気で、ショウケース内には「売らない」萬年筆がいろいろと並んでおりました。これもそのうちの一つで、値札が付いていないのでそれとわかった上で、短期アルバイトに毛の生えた程度の知識しかないお店の人(本当にお手伝いだったのかも)に、コレくださいと言ってみたのです。

 奥様がいらっしゃったら、「聞いてきます」となるわけですが、そのとき、奥様はWAGNERの会場に詰めてらっしゃったので、お店にいないことは先刻承知の上です。そして見事、「では5000円で」となったのでした。

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 ファルコンというとステンレスのものが思い浮かびますが、このブラウンもなかなか良い感じです。当然金ペン先ではありませんが、萬年筆としての書き味も、そんなに悪いものではないのです。これまで私が手にした個体はどれもフローが良く、ペン先が全く動きませんからスルスルと速書きするのに最適です。当時は数学の教員をしておりましたから、放課後の補習では青インクを入れたファルコンでスルスルと式を書いて指導していたことが思い出されます。

 鬼の居ぬ間に・・・手に入れてしまったセットですけれど、タイムカプセルみたいに今まで保管(?)してきましたので、許してもらえていると勝手に思っているのです。

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2023年6月 7日 (水)

麻疹

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 ふと顔を上げて、ぼぉ~っとしている「ちち(仮名)」さん。このあと、写真を撮られたことにも気づかずに再び眠りに堕ちました。そういう状態、飼い主と家族にとっては大歓迎です。今朝も朝早く、それこそ未明に近い時間から鳴いておりましたので、さすがに眠たいのでしょう。

 飼い主はこのところ急速に老化が進んだ感じです。えぇ歳をして、いやしんぼでガシガシ食べていたのですけれど、最近はそのあとがいけない。胃もたれ、胸焼けが長く続きます。けっこう癌の血筋ですので、単なる老化ではない可能性も、と考えると、遊んでないでせっせと整理しなくては、という焦りをおぼえるのですけれど、それでも体が動かない。根っからの怠け者であるということは、歳をとっても変わらず、むしろ、磨きがかかっているように思います。

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 透明軸はあまり好きではない私ですが、何を思ったかオレンジ色の透明軸という、文字通り色ものに手を出してしまった、という証拠の1本。おそらくは松山三越百貨店のオリヂナルで、みかんをイメージしてこの軸色なのでしょう。大きさから言って、14Kのペン先でも良さそうなものですけれど、そこは天下の三越が出すものですから、きっちり21Kのペン先、金具類も含めてシルバーに仕上げられています。

 この頃の私は、とにかく萬年筆なら何でも手を出していたようです。今ですと「沼」という便利な言葉がありますが、その頃は「はしか」などと言っておりました。一度はかかっておかないと、大人になってからかかると命にかかわる・・・って、その通りですね。

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 松山なんて行ったこともない、という私でした。そう、松山に三越百貨店があることさえ知らなかったほどです。まだ宇高連絡船がある頃に、香川県に「部活動の研修旅行」なんてもので行ったことがありますけれど、愛媛県に足を踏み入れたのは平成17年頃、猛烈に荒れた学校に勤務しているときに2代目のエログランドを新車で購入し、とてもじゃないけれど職場に乗っていくわけにはいかない、さりとて軽自動車というのも当たり前すぎて面白くない、と思ったわけです。同じ軽なら軽トラックが最強、とサンバーとアクティに絞って中古車を探していた、という時点ですでにヘンタイなのですが、そのとき、偶然にもエスカルゴの中古車、それもBe-1と同じパンプキンイエローに塗られた個体が伊予西条のお店で売られているのを発見したのです。で、即日乗り込んで商談を決め、そのまま乗って帰ってきた、というヘンタイぶりです。

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 松山というと、セイラー萬年筆の城下町、呉に近いのです。高速船に乗ればあっという間に着くのです。この個体はさすが百貨店の限定品だけあって、きっちりと12時です。この部分、クリップと碇のマークとの位置関係を見て、クリップが時計の11時とか13時の位置にあったら、さぁ大変、天応工場へ持ち込みましょう、なんてYouTubeで主張している人がいたのも懐かしい思い出。「僕」は今も元気でこんにちはと挨拶しているのでしょうか。今月末には松江に行きますけれど、まさか実物に遭うなんてことは・・・ないと信じたいですね。

2023年6月 6日 (火)

はみ出し

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 クッションの上にのってひとしきりホリホリした結果、クッションを変名形にしてしまい、その外側にもたれるように寝そべる「ちち(仮名)」さん。近くにお姉さんがいるので、この状態からじっと顔を見ては「ぎゃん」と鳴くのですけれど、お姉さんは結構厳しいので、「甘えるな!」と一喝しておしまい。これはダメだと思ったのか、そのまた向こうにいる飼い主に、あざとく、哀しげな様子で鳴きかけるのです。

 今週末の土曜日は、午前中だけお仕事をして、その足で東京へ向かい、日曜日のペントレに備える予定ですが、先週末のようなことになると交通機関も麻痺するでしょうから、世紀の雨男と言われた自分の能力が発動されないように祈るばかりです。

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 PILOTの特殊合金製ペン先を持つ萬年筆。要するに普及価格帯の、なおかつ、この色からして女性をターゲットにしていたのではないかと思われる1本です。本日は何もこのペンでなくても良かったのですけれど、どっかにあるかなぁ、とあれこれペンを手に取っては胴軸を外し、ということをやっていて、あ、これだ、と最初に見つかったのがこれだった、ということです。

 金ペンではありませんが、見た目もまぁまぁで、萬年筆を使ったことないんです、なんて人に差し上げてこちらの世界へ堕ちてくるようにするための実弾として使うのに良さそうです。昨今はカクノみたいに安くてしっかりした萬年筆がいっぱいありますけれど、これだとそこら辺のお店ではまず見かけることがない(昔のものですから)でしょうし、なおかつ、スーパーの文具売り場でもカートリッヂが手に入ります。

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 一番のネックはここでしょうか。比較のため引っ張り出されているのはモンブランのノブレス。カートリッヂはヨーロッパ標準タイプですから槍にささる部分は細くすぼまっています。そのため、同じような細い軸であっても、カートリッヂやコンヴァータの胴は首軸の内側に入ります。

 けれどPILOTのカートリッヂは、槍にささる部分までほぼ同じ径ですから、槍にささったカートリッヂを覆い隠すような首軸とした場合、それだけ軸の径が大きくなります。太い萬年筆になってしまうわけです。

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 私、萬年筆って使ったことないです、っていう人にこの萬年筆をプレゼントした場合、カートリッヂにしろコンヴァータにしろそこら辺で簡単に手に入りますけれど、いざそのカートリッヂを挿そう、という段になると、うまくできない、あるいは心理的に抵抗があってやれない、ということも十分に考えられるのではないかと思います。

 家の中から次々と発掘される萬年筆の中から、こいつは誰かに差し上げよう、なんて思うものだけをより分けたりしておりますけれど、残念なことにそういった萬年筆にはこういった初心者殺しなところを持っているものが少なからずあるのが困りものです。

2023年6月 5日 (月)

まう

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 ふっと顔を上げた「ちち(仮名)」さん。見える範囲にいる家族に、手当たり次第にきゅんきゅんと鳴きかけて、あれこれ構ってもらおうとしていたのですが、あまりに度が過ぎたので飼い主に叱られて、この直前までフテ寝していたのです。何気なくクッションの上に座り込んでいるように見えますけれど、彼女にとってはこのポジションに決まるまでが大変なようで、何度も何度もくるくる回り、ホリホリを繰り返して、ようやく満足のいく結果になった寝床なのです。この、理想の位置にバシッと決まらないと寝ようとしないのが難儀なところです。

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 どこかにあるはず、とずっと探していた萬年筆でしたが、この箱に入っていたのでなかなか見つかりませんでした。最後はこの箱に貼られた、中味が何であるかを示すシールのおかげで、この中にあったんか・・・と声を上げることになりました。この箱は何度も手に取っては積み上げてを繰り返していたものだったからです。

 もっとも、これはまだ、しっかりした箱に入っているだけマシです。セイラー時代の我らがY.Y.Penなんて、もっと簡素な紙箱に収まっておりました。不要なコストをカットして、本体にお金をかけつつできるだけ安く、というコンセプトによるものです。こちらの萬年筆とは販売数が桁違いですから、そういうことも影響してきます。

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 茶色い軸というのも珍しいものですが、萬年筆研究会の限定萬年筆には意外とよく出てくる色目です。他にはなさそうな色、と言うのも大好物ですけれど、私は子どもの頃から地味な茶色の服ばかり着ておりましたので、茶色には結構なじみがあるのです。貧しい貧しい教員の家で育ちましたから、冬のセーターなんかはすべて母親が編んでくれたもの。最初は無地で一色なのですが、翌年はそれをほどいて新しい毛糸を足して編み直すので、毎年、ラインや模様が追加になります。ヤカンの蓋の上に竹輪が載ったような器具があって、それでお湯を沸かしつつ、ほどいた毛糸を竹輪の中に通すとまっすぐになるのですが、その前段階として、両手を広げてほどいた毛糸を巻き取る手伝いをしなければならない、それがなんとも苦痛だったことを覚えております。

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 萬年筆研究会の限定萬年筆は、とにかくペン先の模様(刻印)にいろんなこだわりがありますけれど、これはそれらの中でも特にヘンタイ度が高いものといえるでしょう。一般的にペン先の刻印は、文字は別として、全体的にシンメトリカルなものです。けれど、こいつは違うのです。

 漢字、それも普通ではない漢字を刻印してあります。そもそも漢字には左右非対称なものも多いですし、無理に左右対称な漢字を刻印しても、面白くもなんともありません。「馬」の鏡文字、いわゆる「左馬」が刻印されております。

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 「はなむけ」という言葉があります。それは「むまの鼻向け」すなわち、旅立つ人の乗る馬の鼻先を正しい方角に向けてやる、と言うことから来ているのだという説があります。普通は人が馬を引くものだけれど、馬が人を引く、すなわち幸運に向かって連れて行ってくれる、ということを願うものであるとか、「うま」をひっくりかえすと「まう」、舞うのは祝い事の時、というわけで、これもおめでたいとされます。寿司屋の屋号とか看板にも、左馬、よく見かけますね。これが世に出て、もう9年。私の生き方、少しは良い方に向いたのでしょうか。

2023年6月 4日 (日)

空似?

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 へたり込む「ちち(仮名)」さん。もうすっかり、この座り方が規定値になってしまいました。先月中旬、シャンプーしに行くまでは、もう少し元気だったのです。シャンプーして帰ってきてから数日間は寝るも満足に眠らない状態で、ようやく落ち着いたと思ったら、後ろ脚の衰えぶりが際立って来ました。本気でワンコ用車いすを考えてやらないといけませんが、果たしてそれで元気にお散歩をするかというと疑問です。最近はお散歩に出てもすぐにへたり込んでしまい、後半は抱きかかえられて帰ってくるような状態が続いているのです。

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 大好物である、黒くなった銀製の筆記具。本日はシェーファーのメカニカルペンシルです。軸の表面には日本で言うところの唐草模様のような模様が入っているのですが、ここまで黒くなってしまうとよくわかりません。これ、確か相方がいたはず、と思ってあちこち掘ってみると、これではないか、と思われるものが出てきましたが、そいつはシェーファーではありませんでした。

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 シェーファーらしいのは、やはりこのクリップの小ささ。小さいクリップながら、しっかりとホワイトドットが入っています。ここまで綺麗に硫化が進んでいると、むしろこれを日常使いすることで軸がこすれて黒いのがとれてしまうのでは、という心配があります。なので、ヨシヨシ、黒くなったぞ、と喜びながら、それを見せびらかしつつ使うことができないというジレンマ。あれもこれも黒くなってきているので、どれか一つ実験台として使ってみることも必要かもしれません。

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 まだまだ綺麗に銀色に輝いているボールペン、これが他人。シェーファーではなく、アンソンというブランドのようです。これも結構長いこと放置してあるのに一向に黒くなりませんので、ホンマに銀軸なのか、あるいは何かコーティングされているのか、そういうところも確かめてみなければなりませんが、老眼なので調べるのも一苦労。今度、若い人に説明書から何から読んで貰うことにしましょう。

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2023年6月 3日 (土)

箱の中味は

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 尻餅をついたまま動けない「ちち(仮名)」さん。彼女のためにあっちこっちにマットを敷き詰めましたので、本人(犬)さえその気になればよいしょっと起ち上がることは可能なのですけれど、力を入れなくてはなりませんし、おそらく、そのときにどこかに痛みなりストレスなりを感じるのでしょう、こういう状態になると、とりあえずきゅんきゅんと鳴くことにしているようです。そのとき、そばに行って撫で撫でしてやると落ち着きますし、何なら腰を持ち上げて立たせてあげるとどこなり自分の好きなところへと歩いて行きます。長男がお休みで家にいるときには、長男のそばで黙ってじっとしていることが多いようです。

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 発掘されるものの多くが国産、それもPILOTの萬年筆が圧倒的に多いので、そうでないものを選んで記事にするようにしているのですが、そもそも萬年筆をそれほどたくさん持っているわけではないので、ネタ切れというのはやってきます。この段ボール箱は、まだTWSBI社製品が日本で販売されていなかった頃のものも含め、未開封のもの。これが世に出た当時、人脈や語学力のある人は台湾の同社から直接送って貰うなどして購入していたのですが、私のような素人にはそういうツテも何もないので、e-Bayで試験的に販売されている、という情報を得てすぐさま飛び込んでいったのです。ダイヤモンド530とか、そういうモデル名だたかと思います。もちろんお目当ては萬年筆ではなく、その箱の裏に収まっていた例のもの、でした。

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 開封し、インクを入れて使っているものがこちら。赤インクを入れているところからも、萬年筆自体、それほど大切にされていないということがよくわかります。PILOT製のペン先をムリクリ押し込んで首軸にクラックの入ったものなどもありますが、それの写真を載せるとヘンタイだと思われるので止めておきます。

 透明軸の萬年筆というものは、何となく安っぽい感じがするものです。けれどもこれは、持ったときにずっしりとした感じで、何となく樹脂が分厚いのかな、というような、しっかりとしたペン、という印象です。

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 当時,e-Bayで購入すると、英語でメールのやりとりなどする必要がありましたので、翻訳ソフトの助けなども借りて怪しいメールを送ると、何と日本語で返信が来て、まだ準備できてないけどいずれ日本でも売るつもり。それまで待ってもらうのがベストだけれど、まぁしゃあないなぁ、てな感じで、何本か購入しては送ってもらい、えぇ、そんなら私も欲しかった、という人のためにまた購入し、と、結局1ダース以上購入したはずです。そのときの残り物が一番下の箱かと思います。あとの二つは1.5っていう変なペン先ですから、少し後のものでしょう。

 妙なもので、ここまで未開封でおいてあると、開けてみたい気持ちと、開けずにとっておきたい気持ちとが半々。いずれは開けてみることになるのでしょうけれど、その際にも、530ではなくて他の箱から、となりそうです。そういうことしてるから、変なものが積み上がるんですね。

2023年6月 2日 (金)

そのときの自分

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 カメラから顔を背け続けて、最後は寝たふりをしてしまう「ちち(仮名)」さん。元気は元気ですが、以前と比べると食が細くなりました。こうして寝ている目の前に寝転がってパンをかじる、なんてお行儀の悪いことをしていても、全く反応しなくなりました。以前の彼女であったならば、そういう場合、飼い主が手に持っているパンに可能な限り鼻を近づけて、私にも頂戴アピールをしていたはずです。歳をとるのは哀しいことです。

 かく言う飼い主も、同じ年代の人に比べればまだまだ食べ過ぎなところはありますけれど、それでも、勢いよく食べたあとで苦しいと感じることが増えてきました。健啖家というのは、歳をとってもガンガン食べるものだそうですから、私はそうではない、ということがよくわかりました。

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 同じもの、それも古びたものが三つもあるなんて、これを手に入れたときの自分は何を考えていたのでしょうか。だいたい、字を書くのは右手だけなのに何本もの萬年筆持ってどうするの、ということなのですが、それ自体は「コレクションです」とか「いろんな萬年筆を試したいから」とか、何とでも言えますし、まぁ呆れながらもわかってはもらえます。けれど、全く同じものを3本というのは、自分でも理解に苦しみます。

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 セイラー萬年筆謹製のシャレーナ。3箱あるので萬年筆とボールペンとシャープペンシルだろう、と思っていたら、まさかの萬年筆3本。この細くて厄介な萬年筆、14Kのペン先をつけ3000円で売っていたなんて。くっついている値札にはシャレーナのロゴも入っているので本当にそうなのかもしれません。

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 細くて握りにくい、書きにくい、と言うのが第一印象。手帳をいつも持ち歩いてマメにメモをとる人にはよい相棒なのかもしれません。けれどその場合、インクがどれほど持つのだろう、と心配になりますが、そういう人は毎日のように使い、こまめにインク残量もチェックするはずですから問題ないのでしょう。

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 最近萬年筆を使い始めた、という人には、カートリッヂの交換も敷居が高そうです。PILOTなど国産他社の細い軸を持つ萬年筆でも、こういう、槍がむき出しになったものがあります。それらは通常のカートリッヂを使いながら可能な限り軸を細くするためにやっているわけですが、こいつは専用のカートリッヂを使いつつ、それがギリギリ収まるような細い軸にするためにこうしているわけです。もはや執念ですね。けれども何より恐ろしいのは、これを手に入れたときの私の状態。同じものを3本ではなく、あれこれ違うものを買った方が楽しかったでしょうに。

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2023年6月 1日 (木)

範疇にない?

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 飼い主の帰宅は遅めだったのですけれど、「ちち(仮名)」さんは起きて待っていてくれました。こんな風に目を開けている彼女の写真を正面から撮ることができるなんて、なかなかあることではありません。昨日は帰宅して車を車庫に収めてからバスに乗り、駅前の飲食店へ行って少しビールなど呑んで「ぷはぁ~」とやってすぐ帰宅。そのとき、まだ完全に日が暮れていないという幸せ。

 学校に勤めていたときは、日があるうちは生徒がいて、日が暮れて暗くなる直前に何とか家に着ける、それぐらいの時刻が「最終下校時刻」となっていたわけです。その時刻になると教員総出で校門に立って「早ぅ帰りやぁ!」と声をからして叫ぶのですが、生徒の方は校門を出て最初の角を曲がったあたりでたむろして日が暮れてもお構いなしにしゃべり続けている、と。その際、石を投げたり集積されている不燃ゴミの山を崩して遊んだり、はたまた近隣に響き渡る大きな声を上げて走り回ったり、ということで、お住まいの皆さんから学校に苦情が来ます。無視することもできないのでそれを駆逐すべく出動して・・・ってことが一段落するのが夜の8時前ぐらい。そこから事務仕事に取りかかって、テレビ番組もスポーツニュースばっかりになる頃から明日の授業の用意に取りかかる。そこで、公共交通機関で通勤している家庭科の先生が真っ青な顔をして「明日の調理実習に使う人参を注文し忘れた!」なんて叫ぶものですから、クルマ通勤の先生が遅くまで開いているスーパーへ連れて行き、そのついでにおうちまで送り届けて、そこからまた学校に戻って・・・。警備保障会社のシステムから「そろそろ防犯セットしてお帰りください。」というメッセージが職員室に響き渡るのが日付も変わった午前1時。手なれた様子で「延長」ボタンを押す教員。カラオケ屋で鍛えた技であろうと推察されますが、延長可能なのは午前4時が限度なので、そこで諦めて帰宅し、風呂に入って着替えてから再度出勤するのが朝の7時頃です。

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 本日も、偶数月の1日に発行されるこの小冊子をいただきに文房具屋さんへ。教員だった頃は、今日は1日だなぁ、と思いつつ手も足も出ず、休みの日になるまでお預けだったのですが、最近では発行日に速攻で手に入れております。勤務時間が朝の8時半から夕方の5時15分までで、お昼の休憩時間は1時間きっちり、ということがこんなにありがたいものか、と還暦を過ぎてしみじみ。この話をしますと、周りの人たちは例外なく「アホか!」という顔になります。いや、ホンマにアホでした。教員生活最後の2年ほどは、そのアホさ加減にようやく気づいたので、遅くまで居残ろうとする先生達に早く帰れと声をかけ、「帰れるモンなら帰りたいわっ!」と逆ギレされては「何が手強い?」と聞き取って、次々と仕事の量を減らすようにしておりました。この場合に、コロナ禍は大きな追い風、味方になってくれました。

 今、コロナ禍から「以前の」生活に戻そうという動きがものすごく強くなってきていて、せっかく減らした仕事をまたもとの分量に戻すなんていう学校も少なくないようです。私はもう業界から抜けたかこの人ですから、「まぁまぁ、何とお気の毒なことで・・・」と気楽に見ておりますけれども、もし自分の身内や親しい人などがこの業界に身を投じるなどと言ったら、全力で引き留めるでしょう。日本の公教育、もうダメです。

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 で、今号のBun2ですけれど、何と、何と、記事にも広告にも、どこにも萬年筆がありませんでした。哀しいことです。文房具自体大好きですからまぁ良いのですけれど、せめて広告の1本ぐらいあっても良かったのでは、と残念な気持ちです。それでも、こいつを職員室に置いておくと、手に取った先生達の多くは「へぇ~っ」となっていたことを思い出します。いつも言っていることですけれど、学校の先生は、文房具やその周辺に興味の薄い人たちが大半なのです。あえて言いましょう、カスであると。

 文房具に限りませんけれど、とにかくいろんなことに興味や好奇心を持っている人でなければ、先生なんてやってちゃダメだと思うのです。目の前の業務をこなすことに精一杯、余裕もなく、そう、道ばたに咲く花の可憐な姿に目をとめ、心を動かされることもない。そんなつまらん大人に何かを教わる子どもは気の毒です。子どもは、「変な大人」を見つけるのが得意で、そして、好きになる傾向が強いのです。せめて先生だけでも「変名大人」の要素を持っていなければ、子どもたちだって息が詰まると思うのですが、大半の先生達はそうは思っていないようです。

 凄くお値段の高い鉛筆を、自作の革製のシースに入れて持ち歩いているという人の記事が載っておりました。こういう変な大人、いいですね。

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 鉛筆削りの名人なんだそうです。かの有名な「Uni」の会社には、鉛筆削り入社式、なんてものがあるそうですが、そこで講師を務めているぐらいの鉛筆削り名人なのだそうです。

 そういえば、萬年筆趣味の世界にもそういう人、何人かいますね。今思い出しましたけれど、「サラリーマン金太郎」っていう漫画で、漁師をやっていた主人公がサラリーマンになって、最初に与えられた仕事がひたすら鉛筆を削ること、でした。そして社内で、彼の削った鉛筆を使った人たちから、なんとも言えないのだけれど、とにかく心地いいんだ、という使用感が数多く寄せられる。というお話だったかと。

 私、鉛筆削れません。まぁ書くように削るのだったらできないことはないけれど、見られたものじゃないのです。教員だった時は、とにかく、何もかもできないことだらけで、本当に情けない先生だったのですけれど、「変な大人」だったことだけは自信があります。まぁ、今の私を見ても。そんなこと、とても想像できません、って皆さん言うのでしょうけれども。

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