とても綺麗
お布団に向かって盛んに吠えていた「ちち(仮名)」さんですが、「よしよし、お布団あかんなぁ、お父さんが怒ったろ」などと言いながら撫で撫でしてあげると、すぐに落ち着いて寝入ってしまいました。吠えまくっていた割には、お布団の形はそのままです。要するに入眠儀礼というか、人間の子どもが寝ゾロをいうのと同じなのでしょう。
いいお天気でしたので、お昼前からフラフラと外出して、用もないのに電車に乗ってあちこち回って時間を潰す、という実に非生産的な日曜日を過ごしました。そんな暇があるなら冬タイヤを外して夏タイヤに付け替えるなど、やるべき事はいくらでもあったのに、です。ダメなおっさんです。
毎年、キャップレスの変わり種が出されると知っていながら、いつも売り切れてからその存在を知る、というのが常です。もっとも、ウォッチしていたからと言っていつもしっかりと手に入れられるか、というとそうでもありません。だいたい、常日頃から販売店に通ってお店の人と仲良くなっておかなければ、そういった情報も得られません。ですので、我が家にある萬年筆はそのほとんどが一度は人の手に渡ったものばかりなのです。まぁ、萬年筆にしてみれば、こんな時の不自由なオッサンに死蔵されるより、一度はきちんと使われた方が幸せというものでしょう。
よく似た軸のネットブラックというのは、なぜか2本もウチにあるのですけれど、このリンクブラックとはご縁がありませんでした。どちらも胴軸にエンジンターンが施されているところが特徴で、キャップレスに限らずこういう軸が大好物という人も少なくありません。キャップレスの場合にはそもそも軸が黄銅製ですから、しっかりとした重みも感じられて余計にすばらしく思われます。
日本国内では通常手に入れることができない黒いニブ。どうクリアしたのか知りませんけれど、このモデルには黒いペン先がついてくるというのが最大の特徴であり、値打ちのあるところでしょう。ネットブラックの方はクリップその他、黒くない部分がありますが、このモデルは少なくとも外観についてはすべてが真っ黒です。このように胴軸を分解してペン体を出さない限り、黒くないところは見えません。
少し前までなら、気楽にアメリカあたりの文具店に注文を出して、こういう黒いニブのついたペン体を手に入れることもできましたが、昨今はそれをすると損をしたような気分になってしまいます。
先日の泉筆五宝展で、たこ娘さんの手が空いたところを見計らってペン先を診ていただいたのですが、まぁ削るまでもないでしょう、ということで段差を修正していただきました。私のような素人がルーペで覗いてみても、非常に綺麗な形の球でしたので、段差を直していただいた後、すぐにインクを入れて、滑らかな書き味を楽しんでおります。
けれども、こいつをキャップレスらしく持ち歩いて使っていると、写真に写しているあたりがどんどんと剥げてくることでしょう。それもまた味わいではあるのですけれど、躊躇してしまいます。そうやって、どんどん死蔵されるペンが増えていくのですね。
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