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2023年3月29日 (水)

パルテノン神殿

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 珍しく(?)おとなしく眠っている「ちち(仮名)」さん。本日は比較的活動量が多かったのでご老体に堪えたのかもしれません。この状態で朝まで鳴かずに寝てくれるのが一番です。夜中に鳴くのはご近所にご迷惑をかけてしまうので、亡いにこしたことはありません。

 今の家に越してくるときに、まずご近所へご挨拶にうかがったわけですが、お向かいの二軒は非常に対照的で、かたや雨が降ったら洗濯物を取り入れておいてくださるようなおうちで、偶然とは言え知り合いの知り合い・・・ってまぁ他人なのですけれど、縁浅からぬ人のご両親だということも後にわかって、ますます濃厚なお付き合いに。と,そういう方に限って、老後をゆったり過ごすため、と海と山に囲まれた土地へとお引っ越しをされたのです。もう一軒のおうちはワンコが大嫌いなお母さんがいて、ご挨拶に行った3分後にはご近所ほぼすべてに「犬飼ってる人が越してくる!」っていう情報が周知されておりました。そのお母さんは歩くことも、かつてのように放送局の如く話すこともままならない状態になられましたが、娘さんがしっかりと意志を継いで、毎日、家の前の道路一面に犬が嫌がる液体を撒いてらっしゃいます。しかし、我が家のワンコは鈍いのか、飼い主に似てひねくれているのか、ワンコが嫌うはずの液体をものともせずその家に近づいていくのが困りものです。

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 たくさんたくさん萬年筆を買ってらっしゃる方と一緒に百貨店の萬年筆売り場に行きました折に、これ、安くしときますから飼ってくださいと在庫処分の申し出があったペン。型番はPTS-50000で、ホンマかいな、というような製品名で今もカタログに載っています。元をたどれば、かつてのプラチナ・プラチナの流れを汲むものらしいのですが、私はこれを買ってから長いこと、モデル名すら知りませんでした。なので、軸の外観から遺跡の柱を連想して、パルテノン神殿、と個人的に呼んでおりました。

 では、このペンを何と呼ぶか。ペン先にはしっかりと3776の刻印が入っております。そして字幅についても漢字表記。これを買った頃は萬年筆は手に入れたらインクを通すものだ、と思い込んでおりましたから,実用を考えて細字を選んだのか、それしか在庫が残っていなかったのかのいずれかでしょう。

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 こいつのモデル名は、銀無垢。そのまんまやないかい、という名前です。このモデル、プラチナ製のペン先をつけたら猛烈に高くなるから、ということで18Kのペン先。こういうのは、今のプラチナの状況を考えますと、遠からず廃盤になるか、ディケイド系の14Kペン先に置き換えられてしまうか、それ以前に廃盤になってしまうか、というところではないでしょうか。そうならないことを希望していますけれど。

 このペンを買ってすぐ喫茶店に入り、その場でペン先調整をして貰ったのです。そのときにペン先の入りが猛烈に固くて、ペン先を抜くのにコーヒーが冷めてしまうほどの時間がかかっておりました。こういうこともありますから、私のような不器用なものは手を出してはいけないのです。

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 夜目遠目笠の内、でありまして、一見すると美しいペンですが、我が手に握ってじっと見ますと、特に胴軸に結構な傷と汚れが見られます。それほど雑に扱ったという訳でもないのですが、傷がついたところは他の部分よりも硫化が早く進んでいるようです。パッと見、銀色の万年筆ですけれども、目をこらしてよく見ると、所々金色になっているところがあります。これが後に真っ黒になるところなので、こすってはいけません。重曹を溶かした液体につけて綺麗にしようなんて邪心を起こしてはいけないのです。

 キャップがお尻にささらない、と言われているようですが、この固体はしっかりとささります。ただ、その状態で握って書くとき、指がねじの部分に来ますので、嫌がる人は嫌がるかもしれません。例によって私は鈍いのでなんとも思いません。

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 天冠と尾栓に、このような刻印があります。それはそれで良いのですけれど、これ、この萬年筆を手に入れた当時、猛威を振るっていた萬年筆とカメラ系のYouTuberさん(当時はそんな言葉、まだ広まってなかったかもしれません)によれば、これは見つけたら工場へ持ち込まなければならないほどの大問題なのだそうです。クリップを時計の12時の位置とした場合に、SILVER 925という文字列は水平になっていなければならないはず。これはいわゆる「1時」なので、ダメなんだそうです。ねじの締め加減で、どうにでもなる問題でしょうし、こんな小さな文字を筆記時に確認できる人の方が少ないでしょうから、無問題ですね。

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