銀世界

寝付けないのか、目隠しの下からこちらの様子を伺う「ちち(仮名)」さん。実に寒い1日でしたが、積雪はたいしたこともなく、通常通り出勤することができました。
やっぱり、というべきか、夏タイヤのまま、歩くようなスピードで這い出してくるクルマも少なからずいましたけれど、そういうのは大抵どこかでバチがあたっていたのと、普段は人影のないバス停に長蛇の列ができていたこと。やはり田舎、車社会であることを実感したことでした。
このシャルロッテ、手持ちの銀軸の中では比較的「銀色」を保っている方です。もっとも、こいつが黒く硫化していったら、綺麗な銀色に戻すなんてこと、不器用でナマクラな私には不可能ですから、銀軸なんだな、とわかる状態を保ってくれていることはありがたいことです。

新宿西口からゴソゴソ歩いて妙に細長いビルに登り、ガラスケースの中にこいつがいるのを見つけた時、清水の舞台どころか都庁から飛び降りる覚悟で買い求めたことを覚えています。今、そのお店は移転してさらに立派になっているそうですが、東京なんて滅多に行きませんし、行ったとしてもお上りさんが新宿まで行くのは至難の業。危険なお店でもあるし、もう近づくことはないでしょう。
購入した当時は、B Bのペン先がついていることに残念な思いを持っておりました。けれど、神戸は元町の萬年筆店が出した最初期のオリヂナルインク、濃紺のそれを入れていたずら書きをした時に、おぉ、萬年筆の筆跡で濃淡が美しいとはこういうことなのか、と実感したのでした。そういう意味で、より病を重くしてくれた一本です。手持ちのペンにしては珍しく綺麗に洗浄して保管してあるのも、このペンへの想いの深さゆえなのかもしれません。
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