ヘンタイ狩り

昨年末、ウサギさんの被り物を着けたまま眠る「ちち(仮名)」さん。パッと見ただけではこれが何であるのか、理解できない人の方が多いでしょう。彼女は毎日、こんな風に日中の大部分の時間を眠って過ごします。
その短い覚醒時間に、年末年始、ほとんど顔を合わせることのなかった長男と出会った彼女は、まるでずっと若いワンコであるかのように走り回り、あちこちで立ち止まってはその場でグルグル回る、ということを繰り返して、「再会」した喜びを全身で表現していました。これでこそワンコです。実に可愛いではありませんか。
昨年末の年忘れ泉筆五宝展の会場で、師匠からいただいたデスクペン。この箱の中に入ってる中から、好きなの選んで、ということでしたので、デスクペン言うたらこれでしょう、と言う常識的なチョイスをしたのです。
デスクペンみたいな小さなペンポイントで、そうそうインクが出るものではない、と少佐もおっしゃってました。デスクペンは隣の机の人に音が聞こえるほどにカリカリと書くもの、と相場が決まっているのです。
パッケージにもこの通り、萬年筆初心者の私でも安心して手を出せる文言が書かれております。
ところが、これを選んだ直後、周りにいた方から物言いがつきました。ここでこれを選ぶのは間違っている。正しいペンを選びなさい、と。
何もわからない私のことですので、先輩諸氏のご指導に従って、厚かましくも2本目を頂戴してしまいました。それがこちらです。
ちょっとアンタ、これ、これ見てみぃな、デスクペンのくせしてM付いてるやんか。もぅよぉ言わんわ、と思わず大阪のオバはんになってしまうところでしたが、飴ちゃんを持っていなかったのと、豹柄のコートを着てこなかったのとで何とか思いとどまりました。
世の中にはまだまだ知らない世界があるものです。カーボンインク専用ですと!?それってヌルヌルして仕事にならんというやつではないのでしょうか。
などと騒いでおりましたら、なにも言わずにかいてみよ、と、仮にOさんとしておきましょうか、さる方が最初の方のデスクペンを差し出されたのです。それはもう、何も言わずに書くこと能わず、という書き味でございました。それで火のついた別の方、仮にMさんとしておきましょう、その方が後の方のペンを研ぎ始めて、これは勝った!と。何とも恐ろしい世界です。Oさんは、そりゃMでカーボンインクなんだから良いのは当たり前、と笑ってらっしゃいました。
結局のところ、いわゆるヘンタイな方ほど、Mの方を掴んでいらっしゃったようです。私など、まだまだ修行が足らんな、と思ったことでした。
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