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2023年1月

2023年1月31日 (火)

そこで満足

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 あまりにもグゥグゥと声?をあげているので覗いてみたのですが、ただただ弛緩して熟睡しているだけの「ちち(仮名)」さんなのでした。ワンコは毛皮を身に纏っていますから、暑い季節よりむしろ寒い季節の方が得意なはずですが、彼女の場合、長年のお座敷犬生活でその強みも薄れ、寒い日にはお散歩を早めに切り上げて帰りたがる始末です。

 何より、年がら年中換毛期というのも困ったものです。萬年筆の写真を撮って記事に添えたら、彼女の毛が写っている、なんてことは普通のことなので、最近は気にもかけなくなってしまいました。飼い主も歳をとって、生来のえぇ加減さに磨きがかかってきております。

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 何でそんなに次から次へと萬年筆を手に入れようとするのか、というのは自分でも疑問に思うところです。そもそも、字を書くことは大嫌い。度が過ぎるほど不器用で、目も悪いので調整などできるはずもなく、蒐集した萬年筆をきちんとコレクションしておくわけでもない。どんなものが何本ぐらいあるのか、それすら把握していないのですから、じゃ、一体何のために次から次へと、という疑問が出てくるわけです。

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 このことについては、公式に「思考停止」ということにしております。考えても仕方のないことです。ある時期、というか、ある程度の本数に達するまでは、手に入れた萬年筆の一本一本にそれぞれ違う色のインクを入れて、なんてこともやってましたが、それはそのまま、インクを入れっぱなしにして干上がらせてしまうことにつながります。せっかく集めた萬年筆を危険に晒す行為というわけです。なので、ある時期からはあまりインクを入れることもなくなりました。手に入れた萬年筆を眺めてニヤついて、仕舞い込んでそのまま、という、これもまた萬年筆にとって可哀想な仕打ちをしてあるわけです。

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 変なモンが好きなので、ミュージックニブなんてものは大好物です。セイラーのは見た目が普通なので、国産ではプラチナかPILOTとなります。すでにPILOTのものは手に入れたので、今度はぷらちなを、と思っていあちこち物色している中、手元にもしっかりあった、というお話です。

 おそらくはこれも、手に入れた時には記事にしているのでしょう。自分の過去記事なんて何の価値もないので、書いたらそれまで、の書き捨てですから、すっかり忘れていたのです。

 おっ、これいいな、と思った時には、手元にあるんじゃないか? と疑うことから始めなければなりません、という教訓を、今頃得たというお話でした。

2023年1月30日 (月)

一体化 その2

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 こたつ布団がなくなった、インナーだけのこたつに寄り添って寝ていた「ちち(仮名)」さん。哀れに思ったお母さんが、ほいっとクッションを投げてくれたので、結果として間に挟まって快適に眠っています。

 それ以来、このスタイルを気に入ってしまい、何とか良いポジションにクッションを持ってこようとするものの、自分ではどうすることもできず、家族をじっと見つめて「何とかして」と要求する、それがここ数日の彼女なのです。

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 多面体断面を持つキャップレスといったら、これです。マットブラックの樹脂軸。本来、樹脂軸よりは金属の軸野木軸の方が数倍好きな私なのですけれど、こいつは別です。さまざまなキャップレスの中で一番、といったらこれです。

 38年間の教員生活、6つの学校でお世話になりました。3年、12年、3年、11年と、ここまでは中学校。次いで7年間の小中一貫校で、後半の4年間は教頭。最後は人手不足のため、登用されるはずなどないはずの校長として、小学校に2年。どれも思い出深い学校ですけれども、3年しか勤めていない学校というのは、お察しの通り、相性が良くなかったということです。

 12年も勤めた学校を出て次の学校に行ったら、そこはしないでも名門と言われる学校から流れてきた人たちばかりの閉鎖的なところで、何かというと「名門の〇〇校では・・・」という話が出てくるのです。そのたび、ここはその学校じゃないだろう、と腹が立つことばかり。嫌いだと思っていると良くないことに遭うもので、この学校では大橋堂のエボナイト軸とマット軸のキャップレス、2本も萬年筆を借りパクされました。赴任したその日、100円もしない透明軸のボールペンに、誰も彼もが自分の印鑑を捺した小さな紙片を入れているのを不思議に思ったものでしたが、要するにその程度の民度の職員室だった、ということなのです。なので、3年が過ぎたとき、来年は過員になるから誰か異動してくれ、と校長に言われたとき、一番に飛びついたのでした。

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 当時はまだ、高価な萬年筆を次々と買えるような状況でもありませんでしたから、特殊合金ペン先で廉価版だったこのキャップレスを買って、日常のメイン萬年筆にしていたのです。気合いの入った書類、長文などを書くときには、おもむろに大橋堂を出してきて、何度も何度もキャップを回して書き始める、という具合。

 マット軸の多面体キャップレス、クリップにはPILOTと彫ってあって、そのほぼ裏側には、JAPANと彫られております。8000円という価格シールの貼られた方はほぼミント。WAGNERの会合でN御大から譲っていただいたものです。そしてもう一方は、毎日胸ポケットに挿して持ち歩いているもので、まっとじくとはいうものの軸はテカテカで、金属部分は黒い塗装が剥げてきているところもあります。

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 もう1本か2本、この多面体キャップレスを手に入れたいものです。ほぼ未使用の方は、なぜか中のペン体がこんなものなので、畏れ多くて、とても使う気になれません。まぁ、うちには山のようにキャップレスがありますから、とりあえず軸だけでも見つかれば、適当なペン体を入れて普段使いにしたいと思っております。

 ちなみに、今、普段使いしているものは超絶気持ちの良い書き味で、なおかつ実用的。書き味に溺れるようなこともなく、細かな文字を書き連ねて行くときにもしっかりと書けます。金ペンでなくてもここまでやれる、という見本のようなペンです。ま、書かれた文字は酷いものですが。

2023年1月29日 (日)

忘れるために

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 こたつ布団と自分のお布団との間に挟まってご満悦の「ちち(仮名)」さん。そろそろご飯かな、という時間になるまで、ずっとこの場所で気分よく過ごしているのです。

 飼い主はここ数日、「寒冷刺激」の人体実験に励んでおります。漢字で書くとたいそうですが、敢えて寒いところに体を置くことで、今よりは脂肪が燃焼しやすい体質に変えていこう、というだけの話です。

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 もう四半世紀ほど前、大阪南港にあった某巨大家具店のショウルームでベッドとともに買った羽毛布団。これが実に優れもので、夏涼しく冬暖かい、というもの。その布団で寝ると快適すぎて、冬の朝は布団から出るのも一苦労です。

 そこで、暖房を切った部屋に横たわり、薄いブランケット一枚を被った寝る、ということをやっているのです。

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 寝るまでの時間も、これまた暖房を入れない部屋でPC作業をしたり、萬年筆でいたずら書きをしたり。あまりの寒さで指が動かなくなるので、両手を擦り合わせたり、洗面所でお湯をかけたりしながら寒さに耐えています。

 あぁ、また何か変なこと始めたな、すぐに飽きるだろうけど、というのが家族の反応です。ま、それ以外、どうすることもできませんしね。

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 いたずら書きをするのには太字でぬらぬら、というのが良さそうですが、きちんと調整してもらった細字の萬年筆で文字を書き連ねていくのも良いものですし、そういうことでないと、寒いという感覚の方が勝ってしまいます。

 あとは、寒い中ではなかなか寝付かれない、ということが課題ですが、継続していくうちには、寒い部屋でもグゥグゥ寝られるようになることでしょう。

2023年1月28日 (土)

一体化 その1

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 私はどこにいるでしょう、状態となっている「ちち(仮名)」さん。お気に入りのこたつ布団の上で粗相をしてしまい、お布団は洗濯に。インナーだけがかけられたこたつの周りをウロウロした挙句、それでもコタツに寄り添って寝ているのを見たお母さんが、寒いだろう、とクッションを置いてくれたのです。いっぺんで気に入ってしまい、こたつ布団が復活してもなお、この場所でこうして寝るのがやめられない彼女なのです。

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 ペン先が出てくる穴周りとクリップが一体で成形されているキャップレス。いまだに、何でこれを作らないんだろう、という声が高いのですけれど、販売されていた当時は売れてなかったんですから仕方ありません。このペンも、黒、青、赤と三色、三越百貨店の見切り処分で安く手に入れたものです。

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 良いですね、この造形。萬年筆自体がちょっと変わった筆記具、普通の人はまず選ばない筆記具であって、尚且つその中でも特殊な形をしているのですから、これであれこれ形のバリエーション増やして欲しいというのは無理な注文なのでしょう。実際、軸の材質や塗りを変えただけのものでも、各店舗限定品などとして出されると人気殺到です。それがキャップレスであるということこそが、キャップレスの最大の魅力なのでしょう。 

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 内側はともかく、外側は円ではなくて多角形という断面。握りやすいですし、復活してもらえたら本当に嬉しいのですけれど、今の時代、ただ昔の形を再現するだけでは商品力としてどうなの、だということもあるでしょうから、こればっかりはヘンタイさんたちがいつまでもうめき続ける、という話になるのでしょう。

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2023年1月27日 (金)

首が赤い

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 静かに寝ている「ちち(仮名)」さんを撮影したら、しっかり目を開けておりました。危ないところです。そのまま何枚も撮っていたら、起き出して鳴き始めたはずです。何となくぼぉっとしているうちに退散したので、今も静かにしています。

 彼女はアレルギーがよく出る方で、そこらじゅう痒い痒いと掻きまくって傷だらけになります。毎日、風呂に入る時にシャツを見ると必ずと言って良いほど血がついている飼い主と同じ。やはりワンコは飼い主に似るのです。

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 冬になると乾燥して余計に痒みが増すので、放置しておくと大変なことになります。ワンコにはアポクェルという素晴らしいお薬があるので、定期的に海外から購入しておりますけれど、円高が進んだせいでドンと値段が上がりました。

 飼い主の方は、痒みを我慢するしかありません。暖かくなると痒みが増すので、通勤時など車のエアコンは切ったまま。PCを置いてある部屋にも暖房は入れず、ドテラを着て膝掛けを掛け、時折り冷えた両手を脇や太腿の下に入れて温めながら、こんな駄文を打っているのです。

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 萬年筆というもの、外見は煌びやかでもキャップを取ると何の変哲もない黒い首軸が出てくる、というものが結構多いのですが、本日は掻きむしってところどころ出血している飼い主を憐れんで首軸が赤いペンを引っ張り出してみました。

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 プラチナとセイラー。プラチナの方は14Kのホワイトゴールドという、かつての国産萬年筆によくみられたペン先ですが、セイラーの方はいわゆる鉄ペンです。でも、せっかく首軸の赤い萬年筆代表として出ていただくので、ちょこっとした特徴のあるものにしています。今も工場があったなら、面白かったのになぁ、と勝手なことを思いつつ。

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2023年1月26日 (木)

実用品

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 お食事を楽しんでいる「まりりん(たぶん雄)」さん。年末年始からこちら、あまり食欲がなかったのですが、ここのところは毎朝きちんとお食事を楽しんでいます。しかも、亀さん専用に作られたというドライフードを、パクパク食べています。どこかで、食べ物の好みが変わったのか、ドライフードの味に慣れたのか、あるいは単に食欲が増進したのか。いずれにせよ、よく食べるのは良いことです。その結果として、水槽の水は毎日取り替えてやる必要がありますが、亀が元気にしているのなら良いことです。

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 誰もが称賛するものは好きに慣なれない、なっちゃいけないと思い込んでいる、哀れな天邪鬼、それが私です。だからというわけでもないのですが、その製品としての素晴らしさは認めつつも、一本も持っていなかったのが146。人に相談されたらトヨタ車を買いなさいと言うくせに、自分では絶対に買わないというのと同じでしょう。

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 ところが、気がつけば手元に2本の146。一本は実用品、もう一本はコレクション、という感じになっていますが、実際にはその役割を反対にした方がよいのかもしれない、と思っています。

 実用しているのは、いわゆるガッチャマン。さまざまな時期のモデルからパーツを寄せ集めて組み上げられたものだと聞いております。こいつがまた、しなやかに撓むペン先で、かつ、柔らかすぎるということもないので、楽しみつつ実用的に文字が書けます。ただし、筆跡がミミズの足跡なのはお約束です。

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 クリップの形、違うんでしょうか。こういった細かな部分の違いにも気を留めて研究されている方には敬意を表しますが、自分もその世界に入ったら寝食を忘れて打ち込みそうなので、敢えて無視するようにしております。何事もほどほどが一番です、なんて言いつつ、そのほどほどってのがすでに相当危ない領域だということについては、死ぬまであえて気づかないふりをしているしかありません。

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 髪の上にペン先を落としてグッと筆圧をかけてみると、しなり具合が違うことに気づきます。なので、スペックで萬年筆を探している人には、数字だけじゃないんですよ、とよく言うのですけれど、このモデルに限って言えば、18っていう数字ばかりが一人歩きしているような印象もありますね。

2023年1月25日 (水)

銀世界

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 寝付けないのか、目隠しの下からこちらの様子を伺う「ちち(仮名)」さん。実に寒い1日でしたが、積雪はたいしたこともなく、通常通り出勤することができました。

 やっぱり、というべきか、夏タイヤのまま、歩くようなスピードで這い出してくるクルマも少なからずいましたけれど、そういうのは大抵どこかでバチがあたっていたのと、普段は人影のないバス停に長蛇の列ができていたこと。やはり田舎、車社会であることを実感したことでした。

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 このシャルロッテ、手持ちの銀軸の中では比較的「銀色」を保っている方です。もっとも、こいつが黒く硫化していったら、綺麗な銀色に戻すなんてこと、不器用でナマクラな私には不可能ですから、銀軸なんだな、とわかる状態を保ってくれていることはありがたいことです。

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 新宿西口からゴソゴソ歩いて妙に細長いビルに登り、ガラスケースの中にこいつがいるのを見つけた時、清水の舞台どころか都庁から飛び降りる覚悟で買い求めたことを覚えています。今、そのお店は移転してさらに立派になっているそうですが、東京なんて滅多に行きませんし、行ったとしてもお上りさんが新宿まで行くのは至難の業。危険なお店でもあるし、もう近づくことはないでしょう。

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 購入した当時は、B Bのペン先がついていることに残念な思いを持っておりました。けれど、神戸は元町の萬年筆店が出した最初期のオリヂナルインク、濃紺のそれを入れていたずら書きをした時に、おぉ、萬年筆の筆跡で濃淡が美しいとはこういうことなのか、と実感したのでした。そういう意味で、より病を重くしてくれた一本です。手持ちのペンにしては珍しく綺麗に洗浄して保管してあるのも、このペンへの想いの深さゆえなのかもしれません。

2023年1月24日 (火)

デッキ

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 すでに夢の中にいる「ちち(仮名)」さんを密かに撮影。おそらく彼女は認識していません。ワンコのくせに寒いのは好きではないようで、吹雪の中となった夕方のお散歩は結構嫌がっていたようです。

 私の暮らしているあたりは滅多に雪など積もりません。10年に一度の大寒波到来、ということですけれど、全母スタッドレスタイヤの恩恵を感じたのも数年前。この夏、3年以上履き続けたスタッドレスタイヤをホイルごと処分しましたけれど、この人生、もうスタッドレスタイヤは履かないだろうな、と思っていたほどです。

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 それが、昨年製造で新品同様の中古スタッドレスタイヤを、趣味の悪いホイルごと安く手に入れたので、まぁ縁起物だと思って履き替えたら、今年こそは役に立ってくれそうです。

 パニック障害に陥りやすくて電車に乗るのが苦手な長女の車も、日が暮れてから急遽スタッドレスに履き替えて、とりあえず明日の出勤は大丈夫です。ま、夏タイヤでカチンコチンの道に繰り出してくる、意味不明な自信を持ったバカドライバーが道を塞いでなければ、という条件付きではありますが。

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 鉄のクジラ館のお土産ボールペンで思い出したのが、PILOTのこちらの萬年筆。軸の断面が深遠、またはそれに近い形ではなくて、潜水艦のそれのような、筆記時に上になる部分が平らになっている、面白い形の軸になっています。

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 キャップだけ外してそこら辺に置いてあったら、誰かが踏みつけて変形させたのか、と思うような形状。閉まる時に僅かにクリック感のあるバネかつら嵌合、いや、このクリック感は落とし込み嵌合かな、とも思ってしまうような、独特の感触でキャップが閉まります。

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 そしてこの、尻軸を少し引き出してから捻る、というなんともヘンタイ心をくすぐりまくる吸入方式。古い萬年筆はあまり好まない私ですが、こいつは心底大好きなのです。

 さて、明日は無事に職場に着いて、何もなく帰って来られるでしょうか。夏タイヤのままのドライバーさんたちの良識だけが頼りです。

2023年1月23日 (月)

見直し

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 暖かい部屋でよく眠る「ちち(仮名)」さん。猛烈な寒波の到来が予想される中、お散歩に連れて行くお母さんは大変な思いをしているはずですが、彼女はまだ暗いうちからゴソゴソと起きだして控えめに鳴き、朝ごはんをもらったら勇躍寒い中お散歩に飛び出します。飼い主はまだ夢の中。実にありがたいお話です。感謝。

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 インクを入れたまま放置してあった笑暮屋さんの萬年筆。目を見張るような、おぅ、と声を上げるような書き味ではないのですが、すこしなじんできたのか、あるいは単に書いている私の体調のせいなのか、本日は実に気持ちよく書くことができました。

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 お店で調整してもらった状態では今ひとつしっくりこなかったので、私の筆記角度をご存じの方に再調整してもらって、その後、しばらく置いてあった、その間にインクの粘度が上がって良い感じになったのかもしれません。

 クリップがないので、持ち歩くのには向いていませんから、職場で使うことにします。山ほど萬年筆を抱えていながら、今、職場で少し太め、大きめの文字を書こうとすればサファリしかない、という残念な状況なのが、これで少しは格好がつくかな、というところです。萬年筆はやっぱり、使わないといけませんが、しばらく間をあけて書いてみる、というのもまた、新しい発見があって良いものです。

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2023年1月22日 (日)

病の素

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 こたつ布団の裾を寝床にして眠る「ちち(仮名)」さん。この手前側では、飼い主がこたつの中へと下半身を滑り込ませているのですが、そういう時には決まって、ここは私の寝るところなのよ、と言わんばかりに、どかっと乗っかってくるのです。我が家の女王様ですね。

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 本日は京都、上賀茂神社へお参りしてきました。午前中、いいお天気でしたので、どこかへお出かけしたくなって、意味もなく北を目指したのです。

 上賀茂神社といえば、神馬堂の焼き餅、なのですが、欲しければ遅くとも午前中に行かないと手に入りません。本日は最初から諦めています。

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 その代わりがこちら。本日は境内で手づくり市が開かれていて、ブルージュ洛北さんもそちらに出展されていたのです。名物のフレンチトースト、結構遅い時間でしたが、まだまだ残っていましたので保護しました。

 こういうものを食べていますと、糖尿病なんて治りませんね。でも、美味しいです。

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 明日からの1週間、また忙しくなりそうですし、むちゃくちゃ寒くなるようです。こんな日曜の夜は、ブログも適当に書いて早く寝るに限ります。ま、そうでなくても毎日適当なんですけれども。

2023年1月21日 (土)

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 お布団を折り曲げて寝そべる「ちち(仮名)」さん。これなら彼女のケージにぴったり、大きくてゆったり寝られるだろう、と買ってきたものですけれど、彼女にとっては平らな広いお布団より、こうして折り曲げた、枕になる部分のあるお布団の方が寝心地が良いものと思われます。

 毎夜、ケージに入ると、数分間はキュンキュン鳴きながらお布団と格闘していて、静かになったな、と思えばこんな風にお布団を折り曲げたり隅に追いやったり、とにかく、お好みの形になるまで寝ようとはしません。こだわりの仕様になっているわけです。

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 シェーファーのノンナンセンス。資料としては価値ありでも、愛用するかと言われたらそうでもないという萬年筆。廉価な萬年筆にしては軸も太めでしっかりした造りですし、金属軸ですから樹脂製のものより見た目の重厚感もあります。自宅からは遠方になる文具店にお邪魔した折に、いわゆる「発掘」をしたものです。

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 ペン先にインクがついていますから、書いてみたこともあるようです。通常、こういうものはBlogのネタにしたらそれっきりしまい込まれて忘れられてしまいますが、使いもしないノンナンセンスを2本も持ち帰っているというところで、その内容を忘れていても、あぁ、と気づいてしまう、そういう存在なのです。

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 並べてみてその面白さに気づく、というものですね。左の方だけ見せた場合、詳しくない人なら「曲がってます」となるでしょう。修理が必要だと思う人もいるでしょう。ペン先にインクがついているのは、そういう人に「まぁ書いてみ」とやったからかもしれません。

 これを置いてあった文具店でも、キャップをとらずに中身が変わるような工夫が必要だったものと思われます。ごく簡単な工夫ですね。

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2023年1月20日 (金)

B級!

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 寝ているところを写真に撮られているのに気づき、慌てて顔を上げた「ちち(仮名)」さん。それはむしろ悪手でした。基本的にはこの姿勢、いわゆる「三輪さん」から頭を落とし、グリーンのブランケットの中に鼻先を突っ込んで眠ります。いつも思うことなのですが、ワンコはそんな寝方で息苦しくないのでしょうか。

 先日、職場の同僚が新型コロナウィルス感染症に罹患して1週間自宅療養となりました。その間、結構な鼻づまりがあったそうですが、それを聞いて、自分だったら発狂しているな、と思いました。寝ているときに鼻が詰まっていると、そのまま窒息するような気がして、ガバと飛び起きては鼻の穴の周りにメンソレータムを塗り込んだり、鼻づまりスプレーを噴射したりと大騒ぎです。ここ数年、そのような鼻づまりになることがないので、それが何より幸せなことだと思っております。

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 金曜の夜、映画でも見に行くか、と上映情報を見ておりましたら、「キラーカブトガニ」というタイトルに目が吸い寄せられました。爆破処理された原発付近の海に暮らすカブトガニが放射能の影響で凶暴化し、次々と人間を襲って食べる、というお話。脱皮を繰り返して巨大化したカブトガニに、メカ好きな高校生が立ち向かう・・・なんてお話。実にB級です。

 そんなくだらない、もう、見るに堪えないほどくだらない映画の話にひっぺりだされたペチットワン、本当にお気の毒です。あまりにもB級な映画を見てしまうと、こんなん映画とちゃう! と叫んでしまいそうになりますが、ペチットワンも、萬年筆とちゃう! のですね。

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 萬年筆「タイプ」の筆記具、それがペチットワン。楽しくなる書き心地、萬年筆タイプのペチットワン、なのです。どこからどう見ても萬年筆やんか、と思ってしまいますけれど、あくまで萬年筆「タイプ」の筆記具なのです。

 考えてみれば、B級とはいえ、日本語字幕をつけて、ちゃんとした配給会社からリリースされるわけです。C級とかD級とか、そういうランクはあまり聞いたことがありません。B級であること、それが売りなのです。

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 猫のダヤン、なんでしょうか。最近はニャンコのワンコ化が進んでいて、ツンデレではなく、いっつも飼い主にデレデレしていて、しかも愛想良く振る舞う猫が増えてきているそうです。本物の猫好きではなくて、可愛いから何か飼いたい、猫がいい! なんて人が増えてきた結果なのかもしれません。長く飼ってくれていたご主人様が非業の死を遂げても、化け猫になって復讐するなんてことはしてくれそうにない、もちろん荷物を運んできてくれるなんてこともない、ただただ読んでいる新聞や打っているキーボードの上に乗っかってくるだけ、みたいなニャンコ、それはそれで問題ありと思いますが・・・。

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 萬年筆タイプ、っていうぐらいなので、ペン先も少し違うのですね。ハート穴らしき模様というか刻印というか、そのようなものがあります。握って書いてしまえば、もう萬年筆そのものです。こういうのを親方に頼んで入院バージョンぐらいに仕上げてもらい、人に見せては馬鹿にされつつ、書かせて唸らせる、なんてことをやってみたいものです。

 B級って、それはそれで凄く存在意義の高いものなのかもしれません。

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2023年1月19日 (木)

思い出と後悔と

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 少しだけ空いたけど隙間からこちらの雰囲気和を感じ取りつつ、しっかりと眠り込んでいる「ちち(仮名)」さん。本日もよく眠っています。彼女にもしものことがあったらどうするか。飼い主の年齢を考えると次のペットはない、と思っているのですが、猫だの亀だの、めいめい勝手に次のペットを考えているようです。

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 もうかなり前のことになりますが、広島県の呉まで、クルマで行ったことがあります。お約束通りに大和ミュージアムに入って、そして鉄のクジラ館へ。そこで買ったお土産だと思われる6色ボールペンです。潜水艦っぽいシェイブをしていて、喫水線より下になる部分は赤く塗られています。

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 大和ミュージアムの方でも、セイラー萬年筆謹製、戦艦大和が優美蒔絵で描かれた萬年筆を何度も手に取ってはあれこれ悩んでいたのですが、結局、購入せずに終わりました。どうやらその後廃番になったようで、時折オークションサイトなどに出てくると結構いいお値段がついていたりします。

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 東京スカイツリーに上った時も、高層部にある売店でだけ売ってます、という、これまた優美蒔絵のセイラー製萬年筆をかうべきかいなか、と悩んだものです。

 結局、どちらも買わなかったのは正しい判断だったと思っています。重厚長大な戦艦やタワーを描いた、軽くて小ぶりな萬年筆。むしろ、もっとお値段の張るもので、かつそれに見合う大きさであったなら、とも思いますが、そうであったなら、さらにお高いものであったはずですから、悩むところまで行かなかった可能性が高いと、今は思います。狂った趣味ではありますけれど、少しは理性で抑えられる部分もあるのだなぁ、と自分を見直すことがあるのも事実です。

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2023年1月18日 (水)

目鼻立ち

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 精一杯お手手を伸ばしてアピールする「まりりん(たぶん雄)」さん。口元にお弁当を付けているのは、お食事の直後だから。ここ数日、食欲が出てきて、毎日のように餌を食べてくれるようになりました。甲羅の脱皮も続いています。

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 ガラクタの整理をしていると、顔がある、というか、目鼻のあるボールペンが出てきました。例によって、いつ、どのようにして手に入れたのか、記憶が全くありません。

 目鼻がついてる、ということに喜んで手を出したが、これ喜ぶだろあ、とどなたかがくださったかのいずれかでしょう。

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 至って普通の油性ボールペンです。あえて特徴を見出すならば、胴軸を取り外す時に、ネジが速いな、と感じるところでしょうか。

 ネジ式嵌合の萬年筆の中には、キャップを外すのに時間のかかるものがあります。このボールペンはその反対です。3回転半と、回す回数自体は普通ですが、それで進む距離が長いのです。しっかりと固定して、かつ扱いやすくする、というのには最適かと思います。こんなネジのキャップを持つマ萬年筆なら、下手くそな私がスーツの内ポケットに入れて持ち歩いても、いつの間にか本体だけがポケットの中に残る、ということもなくなるかもしれません。

 目鼻のついたボールペン、と言いましたけれど、嵌合部も含めて見ると、口もあるような。亀さんと同じく、なかなか愛嬌があります。

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2023年1月17日 (火)

辟易

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 本日は午後から出勤して8時間のお仕事。帰宅した時には、「ちち(仮名)」さんは夢の中でした。最近、ほとんど起きて動いている彼女を見ていませんので、明日こそはしっかりと可愛い可愛いしてあげなければ、と現時点では思っております。

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 萬年筆研究会のオリヂナル萬年筆と、プラチナの薫風。完封は買うつもりではなかったのに、周りの人が騒いでるので興味を持ってしまい、ダメ元でお店に電話をかけたら残念なことに在庫が残っていた、という一本。

 そして、もう一本は、このペン先がついてるなら私が買わないわけにはいかないでしょう、という訳のわからない理由で手に入れたものです。

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 本日は夕刻から地域の自治会や学校園の代表が集まる会議だったのですが、ここに集まる先生方が、みんなもう、典型的な「先生」であることに毎度辟易しています。子供のため、という言葉ですべてを脇に押しやって前に進む、今、学校がブラックであると言われる原因を作った人たち。そして、その劣悪な環境から逃げ出すことをよしとせず、我が身や家族の犠牲に目をつぶって奉仕を続ける、尊くも愚かな人たちなのです。

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 この人たち、いつになったら目が覚めるのだろう、と思う私は、最近までその世界にいて、そして、こうして毎日、こんな駄文を垂れ流しており、その原因となる筆記具をいまだ蒐集しているわけです。ウンザリ、です。

 人間って、本当に訳わかりませんね。理性で波どうすることもできない衝動で動きます。これさえなければ、もっと穏やかで楽ちんな毎日が送れるはずなのですが。

2023年1月16日 (月)

ぱっちん

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 本日もよく眠っている「ちち(仮名)」さん。今日の昼間も、途絶えることなく誰かが家にいる状態でしたので、精神的に安定していたのかもしれません。この年末年始、亀一匹を家に連れてきただけでこんなに落ち着かなくなるのか、と驚いたものですが、もともと彼女は甘えん坊で、何でも独り占めしないと気が済まないタイプ。かつて「くま(仮名)」さんが健在であった頃には、相手が先住犬であるにもかかわらず、追いかけ回して威嚇してばかりでした。亡くなった際にも、遺体の匂いを嗅ごうとすらしなかったほど。多頭飼いには合わないタイプのワンコのようです。

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 セイラーの古い萬年筆。とはいえ、ヴィンテージというほどのものではありません。古いプロフィットで14Kのペン先付き、というと大抵は樹脂製の軸を持つものですが、これは金属製。さほど大きなペンではないのに、ずっしりとした重みを感じます。

 さるお店の店頭で、委託販売品として売られていったもので、樹脂製のものは良く見かけるけれど金属製は・・・という、いつもの逆張り精神でつい手に入れてしまったものです。

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 写真を撮るのが下手くそなので全くわかりませんが、茶色と緑色の2本です。緑色の方は、いわゆる仏壇萬年筆に見えますが、自然光のもとで見ますと深い緑色、何となくモザイクというか、まだらというか、そういう感じの軸色です。

 例によって、このペンも実用しておりません。小さく細身なのに重たいペン、というのは、むしろ扱いにくかったりしますので、私のように胃が不自由な人間には会わない感じです。

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 キャップは、パチンとはめ込むタイプ。世間一般に言うところの「嵌合式」です。けれど、キャップレスなど繰り出し式の万年筆でない場合はキャップを取り付けないと持ち歩いたり保管したりするのに不便、というかインクが乾いてしまって実用できませんから、萬年筆といったら必ずキャップを「はめ」るものです。だからこういうのは、「落とし込み嵌合」というのだ、とその世界の泰斗に教えていただいて、それ以来、布教を続けていますが、雑誌その他のメディアではいつも「嵌合式」と紹介されますから、残念ながら、それが正式な名前であるかのように思っている人の方が圧倒的に多いのでしょう。

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 マシな人でも、パッチン嵌合、という程度。要するに萬年筆のキャップを本体に取り付けることを、その方式によらず「嵌合」と言い、方式によって、ネジ式嵌合、落とし込み嵌合などと呼び分けているわけです。

 で、人を弄るのが大好きでイチビリな私は、国産ショートタイプの萬年筆などで採用されている、音もクリック感もなしにスッとキャップの中に本体が滑り込んで抜け落ちることもなく固定される方式は何と言うんですか、とお聞きしましたら、バネかつら嵌合とでも言うのだろう、と。キャップ内に仕込まれた「バネかつら」の働きにより、本体とキャップとが押しつけ合うような形になって固定されるというわけです。

 パッチンとキャップを嵌めるものだけを「嵌合式」と呼ぶのは恥ずかしいので、もうやめましょう。

2023年1月15日 (日)

これも旬?

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 日曜日の昼下がり、鼾をかいて眠る「ちち(仮名)」さんでしたが、カメラを向けると鼾がやみ、少し目を開けてこちらをじっと見るのです。もう少し若ければ、ここでダッシュで起き上がって遊んで攻撃に転じるところなのですが、彼女も相当なお歳です。起ち上がることが実に大変で、時折水を飲むのにも難儀してよっこらしょっと、それもよろけながらの動きです。さて、どこまで元気でいてくれるのでしょうか。

 飼い主の方も、父と母の亡くなった年齢を足して2で割ったところまで、残り2年。ワンコより、自分のことを心配すべきでしょう。

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 昨年末の12月30日、年の瀬のせわしいときに、わざわざ両国まで出かけて行くという、酔狂を通り越してはた迷惑な行動で手に入れたのが下の透明な萬年筆。中国メーカーらしく完全コピーか、と思いきや、一回り大きく、キャップの嵌合もネジ式という、結構(失礼)真面目な造りになっています。そのことで、上の萬年筆、プラチナのグラマーへのオマージュなんだな、ということになっているようです。

 こいつが今、結構な頻度でオークションサイトなどに出てくるのです。いや、これまでも一定のペースで目にしてはいましたが、それらはすべてと言っていいほど鉄ペン先を持つもの。かつて、「これがねぇ・・・」と二右衛門マスター氏に目の前に突き出された、14Kペン先を持つものは滅多に目にすることがありませんでした。

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 それが、ここのところよく出てくるのです。かつて、京都駅前(と、言うには少し無理があるかも)の文明商社で、ケースの中からごっそり発掘して持ち帰った各色、各種のグラマーの中にも、14Kペン先のものはなかったのですが、これも持っている人がそろそろ整理を、という時期になったのでしょう。

 こういう時期にしっかりと手に入れておかないと、またしばらく、目にすることがなくなります。私の場合は手元にありますから飛びつく必要もありませんし、むしろ、まだ手に入れていない人に譲るべきだと思っていますが、まぁこれも、ネタ萬年筆ではありますね。

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2023年1月14日 (土)

旬?

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 本日も夜鳴きすることなく熟睡してくれている「ちち(仮名)」さん。飼い主自体が、明日は休みだ!となると無駄に夜更かしをするタイプなので、ワンコもそれに似たのか、それとも元々夜行性であるということがそのまま出てくるのか、とにかく夜中に動き回ったり鳴いたりする傾向にあります。体内時計的なものが少しずつズレていくような感じで、うまくハマっているときは何の問題もないのですが、ズレてくると夜中でもガサゴソ動き回り、人の気配を感じ取ると鳴き叫ぶ、ということになります。今のいいリズムが少しでも長く続いてくれることを願います。

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 何か面白そうな萬年筆、出てないかなぁ・・・とオークションサイトを見て回ることが多いのですが、ここのところ、それほどメジャーとは思えないものが結構な頻度で出てくるので、こういうものも、やはり一期一会、欲しいものは見たときに手を出すべし、と実感します。

 イタリア製の木軸萬年筆・ボルギニという会社のものだそうで、材質はブライヤーだとか。住友林業が50周年記念で製作して配ったものが、オークションサイトで時折見られます。大きさ比較に、キャップレスと並べてみました。ほぼ同じ大きさです。

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 その昔、こいつを落札してみようと頑張っていたら、競合者がどんどん値を釣り上げてくるので諦めて下りたことがありました。すると、その1週間ほど後に、別の出品者から同じものが、かつ安価に出てきて、今度は競合相手もなしにすんなりお手頃価格、いや、開始価格で手に入りました。

 当時は、WAGNERの会合があるとお気に入りの萬年筆を持って行っては見せびらかし、お互い書き味を確かめあう、なんてことが今より活発に行われておりましたので、わたくしも当然、こいつを持ち込んだところ、同じペンを持ってきている人と出会いました。

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 そういうこともあるわけです。こんなけったいな、ガラクタみたいなペン、ほかにも欲しがる人おるんやなぁ、とビッド合戦していたら、結局負けてしまったのですけれど、その相手というのが二右衛門マスターだった、なんてこともありました。

 このペンに関しては、中華萬を中心にコレクションしている人、そう、その日WAGNERに来ていた人が競合相手でした。下りてよかった、より安いお値段で手に入れられたのだから・・・なんてことは、あんまり言えませんでしたけれど。

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 で、あまり話題にも上らないようなこの萬年筆、最近、よく出品されているのを見かけます。ある時期に手に入れた人、住友林業からもらった人などが、もうそろそろ整理しようか、となっているのかもしれません。金ペンでもありませんし、変なモン好きでもなければ、あまり魅力を感じることもない萬年筆です。しばらくしたらさっぱり見なくなって、何年か後にまた何本も…ということが繰り返されるのでしょうね。

2023年1月13日 (金)

もと暗し

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 旅行に出かけてきた妻と長女が戻ってきたので、さぞ安心した(ことであろう)と思われる「ちち(仮名)」さん。本日は気持ちよく眠っていて、ここ数日続いていた夜鳴きは出ておりません。家族の誰かが家にいない、ということは、ワンコにとっては気になる、或いはストレスになることなのかもしれません。

 今週は火曜日からのスタートで1日儲けた! と思ったら、明日は出勤日。しかも、昔懐かしい半ドンです。かつて教員の週あたりの労働時間を40時間以内に抑えるべく、無理矢理学校を週5日制とした際、毎月第2、第4、場合によっては第5土曜日も、「学校のある日」として残して、その日に出勤した分は夏休みなどの長期か休業中に「強制的に」休ませることで調整する、というシステムが導入されていました。今の職場はまさにその時代を引きずっていて、誰も来館しないのに午前中のみ開けております。これぞまさしく、開店休業というやつです。

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 さて、昔話のついでに、最近はオークションなども面白くなくなってきたなぁ、というお話。かつて、開始価格1万円のビッグトレドに入札をしておいたらそのまま落札となって、そこからトレドの蒐集にはまり込んでしまった・・・という暗い過去があるわけですが、そういった面白いことは、まず起きなくなりました.出品者も、自信を持って開始価格1円とかで出品して、キッチリ数十万円で落札されていく萬年筆たち。今やロマンのかけらもありません。

 そんなオークションですけれども、「標準器」たるM800の14Cペン先付き、なんていうのも時折出ていて、あぁこういうのは手に入れておかないとな、と入札に参加してはみるのですが、おい、それ、M800の値段とちゃうやろ、トレドが買えるわっ! という結末になることが常です。一体いつから、この狂ったような相場が普通になったのでしょうか。

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 まぁ、普通は14金より18金の方をありがたがるんだから、いいもんね、いらんもんね、とうそぶいていたら、我が家にもありました。なぜこれがここにあるのかは、例によって不明です。

 惜しむらくは、まだオークションが「最後のフロンティア」だった時代、私は萬年筆は実用するものだからと、細字系ばかりを集めに走っていたことです。あの頃、今ではメーカーも出していない3Bなんかをどんどん落としておけば良かったのになぁ、と残念がっています。同じ趣味でも時間の経過と共に嗜好が変わっていくというのも、また面白いものですね。

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2023年1月12日 (木)

正か従か

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 夜中に目を覚まして鳴き叫ぶ「ちち(仮名)」さん。昨日も同じくらいの時間に鳴き叫んでいましたので、もはや毎日のルーティーンのようなものとなっている感もあります。彼女に刺激を与えないように家の者が早めに床についても、やっぱり一人で鳴いていますので、そういうものだと諦めるしかないようです。

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 敷物を敷いたり、ペントレーに置いたりしなくても、畳の畝に沿って置けば萬年筆が転がることなく写真が撮れる、と思ってやってみましたが、この場合、背景となる畳の目が気になって、実に気持ち悪いですね。

 PILOTの845と、その派生モデルというべき一位の木。その名前の由来は十六代仁徳天皇の治世まで遡る、とも言われております。

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 堂々たる体躯。どうせ鬼のように使うわけでもないものですから、見た目も大切です。個人的には、ペリカンのM800ぐらいが最低限で、それより細かったり小さかったりする萬年筆では、メモ程度のものしかかくきがしない、とロクに書きもしないのに偉そうなことを言っている私です。

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 黒い845はBB、一位の木はBのペン先がついています。中国の高官は象牙の笏を持っていたけれど、日本では象牙が手に入りにくいので一位の木を使っており、その出来栄えの良さを喜ばれた仁徳天皇が一位の木に正一位の位を与えた、という話がありますが、他にもいろんな説があるようです。

 どちらにもCON-70がついておりますので、しばらくはこの2本にインクを入れて、休憩時間などいたずら書きを楽しんでみたいと思っております。


2023年1月11日 (水)

コンプリート

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 本日も、これまでのところはおとなしく眠っている「ちち(仮名)」さん。いつもお世話をしてくれているお母さんとお姉さんが旅行に出かけたので、夜の8時を過ぎても誰も「ハウス!」と言ってくれず、困惑したような面持ちで寝そべっていたのですが、優しいお父さんからハウス!という声がかかったので、いそいそとケージに入って、おやつを貰って熟睡、です。

 このあと、深夜というべき時間帯になりますと、誰を呼ぶともなく鳴くのですけれど、しばらく我慢をしておりますと諦めてまた眠ります。歳をとってボケが出てきているのかもしれません。

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 ついに揃いました。「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、美しくこそおはしけれ。」というわけです。で、気にもとめていなかったのですけれど、このキャップレス達、ペン先はどうなっているのだろう、と。「ゆかしかりし・・・」というわけで、1本ずつ中のペン体をチェックしてみました。そもそもこの5本の絣、新品未使用もあれば中古品もある、というラインナップです。

 先日のWAGNER神戸で手に入れた・・・というか、代理購入してきて貰ったようなものですけれど、白の絣はEF。それを挟んでいる緑と黒は、どちらもMでした。

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 おそらく、黒とか青は中古品だったように思います。黒には、コンヴァータが装着されております。そして青いのはF。最後に確認した赤にまさかのBがついておりました。昔はBなんて普通の人は使わないもの、なんて思っていたのですけれど、いや、Bは良いですね。前々から手元にあったものなのに、何だかもうけたような気分になってしまいました。

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 さて、そうなると、これまで仲良く同居していたのにはじき出された螺鈿さんが不憫です。我が家にはもう一本、螺鈿さんがいるはずなので、お仲間を探して新しい住処で新生活、ということにしていただきましょう。でも、もう1本って、どこに隠れているのか。それが問題です。

2023年1月10日 (火)

怪人のペンケース

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 熟睡している「ちち(仮名)」さん。この後、ケトジェニックな生活を目指す飼い主が、脂肪たっぷりの豚肉を食べていたところで目覚めて、ひとしきり騒いでおりましたが、その最中に寝床で粗相。突然静かになったのは、それを隠蔽するための努力を始めたからでした。歳をとって体がいうことをきかなくなっても、積み上げた経験と知恵でカヴァー、というところでしょうか。

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 先日の神戸にて、広島の怪人こと羅焚屋さんに見せていただいた、いや無理やり見せられた一本。堆朱の軸がポイントなのかな、とも思いましたが、金色に輝くキャップも妖しいオーラを出しています。

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 間違い探し的な感じで、違和感を感じるところ、あるいは、ごく素直に、このペンの特徴的なところはどこか、と探してみます。難解です。そもそも、広島の怪人があたりまえのペンなど見せてくるはずがありません。

 手に入れる時はダボハゼ状態で何でもかんでも吸い込んでいきますけれど、その後、じっくりと観察したりいじくり回したりするのが恐ろしいところです。一旦そこに収まったら最後、普通のペンであっても普通ではなくなる、それが怪人のペンケースなのです。実に恐ろしい。

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 手に入れた段階で、すでにエクボなどがあって状態の良くなかったキャップを、さもそれが普通であるかのように、パーカーの、それも金キャップに替えられています。割とよく合うんですよ、とこともなげにおっしゃるそのお姿に、正当な「半」の血脈を感じました。ホンマもんです。

 かつて、四日市の「ほう」にお住まいの二右衛門マスターに見せていただいた国産ショートタイプの萬年筆。キャップ、首(胴)軸、そして胴(尻)軸が、それぞれ国産大手3社のものでした。どうやって合わせたんです? と問うと、こともなげに「手に入れた時からこの状態やった」と返すマスター。風格、です。

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 記事にするならこのペン先、しっかりと紹介しなさい、という、広島半さんからの強いご指導がありましたので、この写真を。桜の花のような模様の中に「共」の文字を見つけて、思わず中華萬ですかと問う私。まだまだ初心者から抜け出せません。これは、農協の萬年筆なのだそうです。

 そして、衝撃の21Kに、全体的にはイカペンと言われる形状。そして、KUMIaIの文字。あらゆる意味で、これはもう、持つ人を選ぶペン、としか言いようのない変なモンです。

 そして、広島半大師匠の別れ際のお言葉。今度会う時には、もっと凄いモン持ってくる、と。岡山でのWAGNERが待ち遠しく思われてなりません。

2023年1月 9日 (月)

新年会

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 おやすみ、をしてからもこちらを見つめている「ちち(仮名)」さん。今日はお休みのはずなのに、結局どこか行っちゃったのよね、とでも言いたげな顔をしております。その分、今日は多めにヨシヨシしてあげたので、大人しく寝てはいます。

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 先日の泉筆五宝展には万年筆を持たずに参加したのですが、そんな時に限ってサイン帳が回ってきて、ま、そういう集いですから萬年筆限定、と。その場は近くにいる人の萬年筆を借りて凌ぎましたが、やはりこういう集まりでは萬年筆にインクを詰めて持ち寄り、見せびらかしたり書かせたり、と会うのが基本ですね。

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 某広島の怪人さんに見せてもらったダイヤモンド。いいペンだけど鉄ペンだしなぁ、と最近は手を出していませんでしたが、キャップを取るとこんなことに。やはり、普通のペンを持っていると非難を浴びてしまう、という御仁だけのことはありますね。

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 貴重なヴィンテージもののペン先を使って何てことしてるんだ、ってところですが、我が家にも吸入機構がダメになったのが何本かありますから、試してみようかな、と思ってしまった、年の初めの楽しい集まりなのでした。

 なを、広島の怪人さんに見せてもらった妖しいペン、こいつは序章に過ぎません。


2023年1月 8日 (日)

あと1本?

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 かぶり物で写真を撮られている「ちち(仮名)」さん。元日のお写真は、この状態でペロリと舌なめずりをしているショットが採用されましたので、松の内が明けた本日はこちら、きちんとカメラの方を向いている賢い1枚です。

 カメさんが家にいなくなったことを確かめに仏間に行っては、満足そうに帰ってくる彼女。やはり相当なストレスになっていたものと思われますが、もし私が現職を退くとなった場合、職場には私以外にカメを「触れる」人がいませんので、そういう人を養成するか、もしくはカメと共に職場を去るか、ということになります。まぁ当分はそういうことにはならないとは思いつつ、あんた、もうクビね、と言われてしまうことだってあるかもしれませんので、もしそうなったら、どうやって犬と亀の棲み分けをするか、というのが大きな課題です。

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 セイラー萬年筆謹製、ちょっと古い木軸。このシリーズ、ハマって集め出すとキリがないことで知られています。質実剛健、実用萬年筆の鑑というべき萬年筆なのですが、現在ではコレクターズアイテムといってもよいでしょう。

 キャップは落とし込み嵌合、いわゆるパッチンで、サッと取り出してパパッと書く、そういうのに最適です。ペン先は実用的な固さ。趣味性の高い万年筆ではないのですが、この、木製の軸が悪い道に引っ張るのです。

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 我が家にいるこの2本にしても、材が違うのかどうか、色合いが異なります。よく見かけるのは鉄刀木のものですが、他にも色々とややこしい樹種のものがあるようです。

 そして、ペン先は18K、21K、23K。我が家には残念ながらまだ23Kをお迎えしていない・・・はずです。というのは、これ、本当にこの2本だけなのかどうか、自信がないから。とりあえず現状では、23Kはウチにはない、という前提で、見つけたら手に入れようとしておりますが、手に入れた途端にどっかから出てくる、という可能性もなくはない、というのが恐ろしいところです。やはり、計画的に手に入れて、記録をきちんと残していく、ということが大切ですね。これから先も、そういうこと、やるつもりは全然ないのですけれども。

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2023年1月 7日 (土)

あじわい

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 ケージの中で、すやすや眠る「ちち(仮名)」さん。三連休の初日、家にいる家族はまったりと過ごし、それに合わせて静かに寝て過ごした彼女。飼い主は、午後から映画を見に出掛けて、マニアックなものを2本見て、深夜のご帰館となりました。全国の映画館で絶賛上映中、っていう映画も良いのですが、知る人ぞ知る、っていうのを選んで視るというのもハマるとやめられません。

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 プラチナ萬年筆謹製のアマゾナス。アマゾネス、という表記も見かけますし、そちらの方がなじみがあるとも言えますが、ポルトガル語ではアマゾンのことをアマゾナスという・・・って、まぁ発音に近づけてカタカナで書いたらそうなる、ってことなんでしょうね。ピパピパという名のカエルの革を貼ってある萬年筆です。このカエルさん、和名はコモリガエルというのだそうです。

 日頃、日に一度は「まりりん(たぶん雄)」さんを水槽から出して遊んでやっていますので、爬虫類の手触りにも慣れてきたのですが、両棲類であるカエルさん、こいつばかりはヌルッとしていて、あまり触りたくない感じです。萬年筆の外装としては、このボコボコした革がクッション的な役割を果たしていて、ちょっとソフトな握り心地です。この個体は結構使い込まれているので、かなり革もぺちゃんこと言うか、痩せた感じになってきていますが、それでもでこぼこはしっかりと感じられます。

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 古き佳きプラチナ、首軸に象嵌入りです。気合いを入れて探せば、このシリーズ、他にも爬虫類系統の革を使ったものがあるそうですが、これ以上萬年筆を増やすのもアレですので、できれば見つけたくないところです。見つけてしまうと、手元に置きたいと思ってしまいますから。

 せっかくなので、これも調整などしていただいて、インクを通して使ってやろうかと思っております。

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 ただこれ、細字なんです。細字の萬年筆はそうそうたくさん要らないので、出番がないとも言えます。いつも胸ポケットに挿しているマット軸のキャップレスが抜群に良い書き味なので、それを超えるような調整をしていただけたら交代もあるかな、という程度。そう考えると、我が家にはそんな萬年筆が一杯転がっていますね。マメな人は毎日とか週替わりとかでどんどんローテーションして使っていくようですが、私みたいなのがそれを真似すると、インクを入れたまま干上がった萬年筆を大量生産することになってしまうでしょう。

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 金属部分は、緑青を吹いたみたいになっています。こうして腐蝕が進んでいくのでしょう。それならば、気にせずガシガシ日常使いしてあげた方が萬年筆も喜ぶのかもしれません。自分が使わないのであれば、お嫁に出してあげるのが良いのかもしれませんね。

2023年1月 6日 (金)

主役は?

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 悠然とお散歩する「まりりん(たぶん雄)」さんと、それをじっと見ている「ちち(仮名)」さん。この後、ワンコが亀にかみつく、という事態になったのですが、カメさんは電光石火で頭と手足、それに尻尾を引っ込めて事なきを得たのです。けれど、よほど恐ろしかったと見えて、その後10分ほど、すべてを引っ込めたまま、全く動くことはありませんでした。

 お正月休みが明けて、亀さんは職場の方に復帰しましたので、このような場面はもう見られませんが、お互い、いや特にワンコにとってはその方が幸せなのかと思います。

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 少し加水分解が始まってしまっていますが、古き佳き時代のPILOTの萬年筆が収まっていたケース。汎用と言えば汎用ですが、モデル名の銘板がついておりますから、一応それ専用のケースということでしょう。

 手に取るとずっしりと重くて、初めてだとどこに手をかけてどう開けたらよいのかわかりづらいのですが、大切な萬年筆、一生モノの萬年筆を買ったのだ、という満足感が得られるケースであったろうことは想像に難くありません。

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 ふたを開けると、連動して中敷きが持ち上がり、収められている萬年筆ともども、ぐぃ~んと持ち上がります。売り場などでは、こういう風にしてディスプレイしてあったりしたのでしょうか。街の文具店にしろ、百貨店にしろ、ガラスケースの中、客が勝手に手を触れることのできないところに展示されていたのではないでしょうか。

 外側は重厚な感じがしますけれど、この持ち上がる部分、安っぽい感じがします。もう少し頑張りましょう、と言いたいところですが、そこに力を入れすぎるとケースだけで相当なお値段になってしまうでしょうから、この辺が妥当なところなのでしょう。

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 ふたと中敷きとがひもでつながれていて、ふたを開けるとそれに引っ張られて持ち上がる、という仕掛けです。もう、こういうものは作られないのでしょうね。

 現在でも、限定品とかのキャップレスは結構立派な箱に入っておりますので、中身を取り出したあとは邪魔者でしかない、ということもありますね。昔のものでちょっと珍しいから、中の萬年筆よりはこの方が主役みたいな顔をしてBlogの記事になったりする、というのも、持ち主がヘンタイだからでしょうか。

2023年1月 5日 (木)

ヘンタイ狩り

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 昨年末、ウサギさんの被り物を着けたまま眠る「ちち(仮名)」さん。パッと見ただけではこれが何であるのか、理解できない人の方が多いでしょう。彼女は毎日、こんな風に日中の大部分の時間を眠って過ごします。

 その短い覚醒時間に、年末年始、ほとんど顔を合わせることのなかった長男と出会った彼女は、まるでずっと若いワンコであるかのように走り回り、あちこちで立ち止まってはその場でグルグル回る、ということを繰り返して、「再会」した喜びを全身で表現していました。これでこそワンコです。実に可愛いではありませんか。

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 昨年末の年忘れ泉筆五宝展の会場で、師匠からいただいたデスクペン。この箱の中に入ってる中から、好きなの選んで、ということでしたので、デスクペン言うたらこれでしょう、と言う常識的なチョイスをしたのです。

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 デスクペンみたいな小さなペンポイントで、そうそうインクが出るものではない、と少佐もおっしゃってました。デスクペンは隣の机の人に音が聞こえるほどにカリカリと書くもの、と相場が決まっているのです。

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 パッケージにもこの通り、萬年筆初心者の私でも安心して手を出せる文言が書かれております。

 ところが、これを選んだ直後、周りにいた方から物言いがつきました。ここでこれを選ぶのは間違っている。正しいペンを選びなさい、と。

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 何もわからない私のことですので、先輩諸氏のご指導に従って、厚かましくも2本目を頂戴してしまいました。それがこちらです。

 ちょっとアンタ、これ、これ見てみぃな、デスクペンのくせしてM付いてるやんか。もぅよぉ言わんわ、と思わず大阪のオバはんになってしまうところでしたが、飴ちゃんを持っていなかったのと、豹柄のコートを着てこなかったのとで何とか思いとどまりました。

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 世の中にはまだまだ知らない世界があるものです。カーボンインク専用ですと!?それってヌルヌルして仕事にならんというやつではないのでしょうか。

 などと騒いでおりましたら、なにも言わずにかいてみよ、と、仮にOさんとしておきましょうか、さる方が最初の方のデスクペンを差し出されたのです。それはもう、何も言わずに書くこと能わず、という書き味でございました。それで火のついた別の方、仮にMさんとしておきましょう、その方が後の方のペンを研ぎ始めて、これは勝った!と。何とも恐ろしい世界です。Oさんは、そりゃMでカーボンインクなんだから良いのは当たり前、と笑ってらっしゃいました。

 結局のところ、いわゆるヘンタイな方ほど、Mの方を掴んでいらっしゃったようです。私など、まだまだ修行が足らんな、と思ったことでした。


2023年1月 4日 (水)

ねぞろ

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 目隠し用のバスタオルの下からこちらをうかがう「ちち(仮名)」さん。目の上のたんこぶであった「まりりん(たぶん雄)」さんがいなくなったので、ここぞとばかり飼い主に甘えようと、もう寝ますとケージに入ったにもかかわらず、いつまでもキャンキャン鳴いています。

 ここで返事をすると余計面倒なことになるので無視していると、突然いびきが聞こえてきます。赤ちゃんが眠たい時にグズって泣くことを「寝ぞろ」というのですが、まさにそれです。

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 本日も果てしない探索と整理(らしき行為)をしておりましたら、こんなものが出てきました。ワイシャツのポケットに入るような、ごく薄手の手帳というか、簡単なメモ帳といったものです。昔は年の暮れになると、職場にカレンダーや備忘録、手帳などが積み上がったものです。学校に勤めておりましたので、毎年、学生服の大手で天神様そのものの名前の会社が、B4サイズの日めくりを持ってきてくださるのを楽しみにしておりました。それを毎日、自分の仕事にして1枚ずつめくっておりました。そして、月に一度はちぎったあと綴じの部分に残った「カス」を取り除く作業、これも名人芸の域に達していた(と勝手に思っている)のです。

 ここ数年は、届けられるカレンダー類の絶対量もグンと少なくなり、こうした手帳系に至ってはほとんど見ないようになりました。お店で買い物をしたときにも、よくいただいたりしたものですけれど、昨今はそれも、結構なお得意様、もしくは高額のお買い物をした場合に限られるようです。写真の手帳は、すでに週に2日ほどしかお店を開けない、という状態になっていた文明商社に「掘り」にお邪魔した際に、まぁ今日はあんまりえぇモンがなかったから、これでも持って帰って・・・とおばちゃんにいただいたものと記憶しています。

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 手帳の中には、コンパクトなカレンダーが2部。2009年も、丑年だったのですね。この年のお正月から始めたのが、例の干支トレド。一周しましたので止めましたが、一度どこかで、十二支すべてをそれぞれこしらえて、写真に収めておくのも悪くないな、と思っております。

 手帳の中味は、上下見開きで一ヶ月分のスケジュール表。あとはフリーのメモ欄と、名前と電話番号、FAX番号だけの名簿。列車やバスの時刻を書き留めておく表に、度量衡換算表といったところ。薄手のものですから、必要最小限のものが盛り込まれている感じです。

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 家族名簿、っていうのがいいですね。その次に「おぼえ」という、自分のプロフィールを記載するところがありますから、これはもう、忙しく働いているお父さんが、せめて誕生日ぐらいはケーキ買って早く帰れるように、そういう記念日なんかを忘れないように、という欄なのだろうと思われます。裏側に細かな数字が透けて見えますが、これはおなじみの年齢換算表。何年生まれだったら今年は何歳、っているやつです。

 今、この手帳にびっしりと書き込むべき情報は、すべて携帯電話の中に収まっています。かつてのシステム手帳ブームの際も、ファイロファクスその他、あれこれ買っては挫折してしまった私は、結局、手帳は使えない人間なのだと理解したのです。二度と手帳に可能性など見いだすまいと決心して、そうなると、細字や極細字の萬年筆、何に使おうかな、と。それで、中字や太字のものが増えてきたということでもあります。今、文明商社ってどうなっているのでしょうか。少し前に通りがかったときは、まだお店の形は残っておりましたが、営業されているのでしょうか。確かめようもなさそうなところが哀しく思われます。

2023年1月 3日 (火)

おさめ

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 いつものようにクッション相手に鳴き叫んでいましたが、そっくり裏返すことで快適な寝心地が得られて満足げな「ちち(仮名)」さん。彼女は知るよしもありませんが、明日の朝には「まりりん(たぶん雄)」さんもいなくなることですし、正月休みも明けて家族も皆仕事に出ていくので、ようやく、普通の日々が帰ってくる、というところでしょう。

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 以前はそんなこと、あんまり言わなかったように思うのですが、昨今は忘年筆だとか新年筆だとか、そういう名目で萬年筆を手に入れる人がいるようです。いつ手に入れようが、本人は年がら年中次の一本は、なんて考えてるわけで、そういう口実無しに潔くほしいものは欲しいで良いじゃないか、なんて開き直っております。

 PILOTの旧型カスタム、言ってみればこれが、今年の忘年筆。本当にふとしたはずみで、他の方がSNSでお話しされているところに不躾にも割り込んだ結果、手に入れた物なのです。

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 この手のペン先にはご縁がなかったのですが、その少し前、某巨大オークションで結構なお値段で落札されていたので、じゃあ一度、どんなものか試してみたいな、と。そんな折も折、これまた良家の子女、ともいうべきものが目の前にヌッと出てきたので、はしたなくもクレクレとなった次第です。ご縁のものですね、これは。

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 さて、どんなふうに使いましょうか。まずはどのように躾けられているか、を拝見して、それからぼちぼちと。もし、この子にぴったりの用途があれば、ヘヴィローテーションとなりますが、最近はこれまでにも増して字を書かないので、果たして、活躍の場があるのかどうか。楽しませていただきます。

2023年1月 2日 (月)

喧騒

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 すでに電気も消されて眠る時間にもかかわらず、ガサゴソ動き回っている「まりりん(たぶん雄)」さん。相変わらず「ちち(仮名)」さんには煙たがられておりますが、本人(亀)は全く気にしていないようです。我が家で過ごすのもあと1日。それは同時に、またお仕事が始まる、ということでもあります。

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 本日は初詣。例年通り、お伊勢さんです。今年はなぜか、内宮の正殿にお参りした後、長女が毎年通り慣れているルートを外れて荒祭宮の方へ。これも神様に呼ばれたのでしょう、ということでそのままお参りをしてきました。いつもながら、何か不思議なことが起こるものです。

 帰途に次男の希望もあって鳥羽水族館へ回ったのですが、一通り見て回って時間が余りましたので、御木本真珠島へ。ここで、海女さんの作業を見学することができました。

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 気温0度、水温15度ということでしたが、定期公演であるとはいえ、本当に寒い中、ご苦労なことです。今時はどなたもウェットスーツなどをきてお仕事をされていますので、伝統的な磯着での作業を見られるところはこういったショーだけ、とのことです。

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 それにしても、行きも帰りも電車内のやかましさと言ったら、学校勤めをしていた者からしても許容し難いレヴェル。これだから、お出かけにノイズキャンセリングイヤホンは手放せません。あと、トイレのついてる列車だからって、無理にトイレに行かなくてもいいんですよ、みなさん。1時間ぐらい、もたないもんでしょうか。お出かけするときこそ、大人が子供にお手本を見せないといけませんね。

 

2023年1月 1日 (日)

今年も萬年筆

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 あけましておめでとうございます。吉例となりました干支のかぶり物、兎の耳を被った「ちち(仮名)」さんです。本日は「まりりん(たぶん雄)」さんの水槽の水を取り替えたり、そのついでに水槽の外で遊ばせたりしておりましたので、彼女としては心中穏やかではなく、結構なストレスを感じていたように思います。三が日が過ぎ、4日の仕事始めの朝にはいなくなりますので、彼女にはもう少し辛抱していただきましょう。

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 昨年の神戸ペンショウ会場にて、朝から目をつけていて、あぁこれは本当は売りたくないのだな、というお値段を見つつも、敢えて、閉場まで残っていたらお嫁にください、とお願いしておったものです。きっちり、最後まで待っていてくれたので、持ち主さんを責め立てて、いただいてきたものです。このあたりになりますと、もはや個人のコレクションというより、歴史的資料でありますので、さすがの私も居所不明にならないようにしっかりと管理しております。

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 まず、外箱の凝った造りに感心します。シンプルな構造ではありますが、蓋の部分はピンで箱本体とつながっています。結局は短命に終わったプラチナのノック式萬年筆、このように箱も残っていて、しかも、きちんと動作して、恐らくは未使用、というのは滅多に目にしないものです。

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 先日の年忘れ泉筆五宝展でいただいてきた、書き味がすばらしいという遺骸は何の変哲もないPILOTキャップレスと並べてみました。長さはほぼ同じで、パッと見、プラチナの方はショート軸の萬年筆のような外観です。ショート軸における胴軸、もしくは尻軸というべき、キャップに隠れていない部分にみえるところ、これがまるまるノックボタンになっています。そのあたりは、現在のキュリダスにも受け継がれている、と言うべきでしょうか。

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 カートリッヂを入れる際にはこのように分解します。ここでPILOTのように「ペン体」が外に出てくることはありません。クリップの付いている側に見えるねじのついている部分、これがお尻の方のノックボタンに押されて沈んでいき、その結果、ペン先が出てくるのです。これ以上いじくり回して貴重な資料を壊してはいけませんので、いじるのはここまでです。

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 ペン先がちょろっと出ているところなども両者同じです。ただ、PILOTの方はノックボタンが明らかに沈み込んで全長が短くなっているのに対して、プラチナの方はノックボタン全体が沈み込んでいるので、そう言われなければ気がつかない人もいるかもしれない、という感じです。

 年の初めに、こういう大物を出してしまいましたので、今年はもう、大きな記事は書けませんけれど、今年もボチボチ萬年筆、やっていきたいと思っております。よろしくお付き合いください。

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