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2023年1月 1日 (日)

今年も萬年筆

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 あけましておめでとうございます。吉例となりました干支のかぶり物、兎の耳を被った「ちち(仮名)」さんです。本日は「まりりん(たぶん雄)」さんの水槽の水を取り替えたり、そのついでに水槽の外で遊ばせたりしておりましたので、彼女としては心中穏やかではなく、結構なストレスを感じていたように思います。三が日が過ぎ、4日の仕事始めの朝にはいなくなりますので、彼女にはもう少し辛抱していただきましょう。

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 昨年の神戸ペンショウ会場にて、朝から目をつけていて、あぁこれは本当は売りたくないのだな、というお値段を見つつも、敢えて、閉場まで残っていたらお嫁にください、とお願いしておったものです。きっちり、最後まで待っていてくれたので、持ち主さんを責め立てて、いただいてきたものです。このあたりになりますと、もはや個人のコレクションというより、歴史的資料でありますので、さすがの私も居所不明にならないようにしっかりと管理しております。

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 まず、外箱の凝った造りに感心します。シンプルな構造ではありますが、蓋の部分はピンで箱本体とつながっています。結局は短命に終わったプラチナのノック式萬年筆、このように箱も残っていて、しかも、きちんと動作して、恐らくは未使用、というのは滅多に目にしないものです。

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 先日の年忘れ泉筆五宝展でいただいてきた、書き味がすばらしいという遺骸は何の変哲もないPILOTキャップレスと並べてみました。長さはほぼ同じで、パッと見、プラチナの方はショート軸の萬年筆のような外観です。ショート軸における胴軸、もしくは尻軸というべき、キャップに隠れていない部分にみえるところ、これがまるまるノックボタンになっています。そのあたりは、現在のキュリダスにも受け継がれている、と言うべきでしょうか。

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 カートリッヂを入れる際にはこのように分解します。ここでPILOTのように「ペン体」が外に出てくることはありません。クリップの付いている側に見えるねじのついている部分、これがお尻の方のノックボタンに押されて沈んでいき、その結果、ペン先が出てくるのです。これ以上いじくり回して貴重な資料を壊してはいけませんので、いじるのはここまでです。

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 ペン先がちょろっと出ているところなども両者同じです。ただ、PILOTの方はノックボタンが明らかに沈み込んで全長が短くなっているのに対して、プラチナの方はノックボタン全体が沈み込んでいるので、そう言われなければ気がつかない人もいるかもしれない、という感じです。

 年の初めに、こういう大物を出してしまいましたので、今年はもう、大きな記事は書けませんけれど、今年もボチボチ萬年筆、やっていきたいと思っております。よろしくお付き合いください。

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