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2022年12月25日 (日)

通説

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 こたつ布団の端を独占して眠る「ちち(仮名)」さん。彼女の尻尾が置かれているあたりからこたつに潜り込んで、対角線を有効に使うと、実に快適なこたつむりができます。しかしその場合、彼女の後ろ脚があるあたりに飼い主の胴体が来るわけで、そうなると彼女はお布団のヘリを独占して眠ることができません。毎夜、この一等地を巡って飼い主と飼い犬との攻防が繰り広げられる、それが冬の我が家の風景です。

 寒い日が続いて、お肌が乾燥してくると、頬骨のあたりを触ったときにカサカサした感触がいたします。それは体調がよろしくない証しでもありますので、脂を補給する必要があります。脂ギッシュなオッサンでなければ、私ではないのです。

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 とういうことで、久々に京都は山科の某店へ。とにかく熟成した豚肉を使い、低温でじっくり揚げられたとんかつは絶品です。女性にはきっとウケが悪いと思われるのは、お肉が脂たっぷりなものであるということ。ま、そういう向きは、ヒレカツを食されれば良いわけです。で、本日はリブロースをお願いしましたところ、使われるお肉はTokyo Xでありました。取り扱いが難しいことで、あまり出会うことのないお肉ですけれども、有名どころのとんかつ屋さんに行くとその名を聞くこともある、知る人ぞ知る豚肉です。しっかりとあぶれる脂を堪能して参りました。

 脂を取ると体に悪い、というのが通説ですけれど、私は脂をしっかり取ると元気になり、寝覚めがよくなり、そして体重も減少して身のこなしも軽くなります。脂は悪者、とだけいうのは間違っているような気がします。お爺さん、お婆さんの巣窟とも言える国会議事堂内の食堂では、脂ののったステーキだのとんかつだのといった料理が一番の売れ筋だというのも、むべなるかな、です。

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 何やこの地味なホスカルは、と見過ごしてしまいそうなのですけれど、これはホスカルでもラスカルでもありません。ラスカルはアライグマ、こいつは外来種で、日本固有種であるニホンイシガメの天敵となっているようです。こいつが川べりをうろついては、愛すべきニホンイシガメとバリバリと捕食するのだそうです。実にけしからん話です。実際、アライグマなんてものはその見た目とは裏腹に実に凶暴なものとも聞きます。スターリング少年はよほど動物の扱いがうまいのか、それともラスカルが特別なのか、そのいずれかなのでしょう。

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 実に地味な萬年筆です。仏壇であり、軸も細くて軽い上に、これといった加飾もありません。天冠や尾栓にも、マークも何もないのです。萬年筆のペン先の話をするとき、18KのKは、「きん」ではなくて「カラット」です、と言いますと、たいていの人は「ダイヤと同じ・・・」などという反応をしますけれど、そちらは「キャラット」です。24Kがいわゆる純金ですから、21金は8分の7が金で残り8分の1が他の金属となります。18Kですと金の含有量が75%ですから、最近のドイツ製萬年筆などではAU750なんて表記もあります。WAGNER入会時に会員番号の希望を聞かれた人が、750とか585とかは空いてますか、というのをよく目にします。585は広島の怪人と呼ばれる方のものとなっており、その奥様(二右衛門半の継承順位1位)が750でしたが、奥様の方はすでに会員ではないような気がします。

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 で、24Kすなわち純金というのは柔らかいものだから、これをペン先に使うとなると形状を工夫して曲がりにくくしなければ簡単に壊れてしまうゆえ、結果として固いペン先になるのではないか・・・と言われつつ、このセイラーのペン先は結構柔らかな感じです。こればっかりは実際に手にしてみた人でないとわからないところでしょう。23Kとか22Kとかいうのもありましたけれど、それらはそんなに柔らかいものではありませんでしたし、現行セイラーの21Kにしても、ふわんふわんというわけではありません。

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 と、まぁ、こういうことなんだそうです。知り合いにとても柔らかなペン先を好む人がおりますが、その方はまた無類の強筆圧でもあります。考えてみると、筆圧の弱い人は、たとえ柔らかなペン先を持つペンであっても、ほとんど筆圧をかけないわけですから、ペン先が撓るようなこともほとんどない、というわけです。ある程度以上の筆圧をかける人が柔らかなペン先を持つ萬年筆で書こうとしたとき、お、これは撓るぞ、ペン先が柔らかいぞ、となるのでしょう。

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 はい、無用と言われている筆圧をかけてみるとこんな感じ。これ以上やると、ペン先がペン芯から離れてそのまんまになってしまいそうです。だいたい、ペン先がパカッと割れてしまうような書き方、これでは筆記具として実用になりません。こうして割れるところまで筆圧をかけずとも、このペンは実によく撓ります。すなわちそれは、私のように文字を書くのが不得手な人間には使いこなすことができないペン先であるということです。たまに取り出して人様にお見せし、話のタネにする、というためだけの1本なのです。

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コメント

ペン先 23kまでは、手にしたことが
ありますが、24kは初めて目にしました。
変なもん好きの、月見草先生。流石です。
1月の神戸ワグナーでよろしければ、
拝ませてください!

 大西和久 さん

 変でしょ。噂には聞いていて、それで手に入れてあったこともわかっていたのですが、整理が悪いので埋もれていたのです。で、年末年始、亀を連れて帰ってくるべくガラクタを移動している中で出てきたのがこちら。

 実際、24Kなんてやわらかくてペン先にはならないから、形状で固くしてある、なんて話を聞いて信じ込んでいたので、書いてみると意外に柔らかいものだなぁ、と。それは、先日の名古屋でのWAGNERで、同じペンが実にヘロヘロなのを見て、おっ、と思ったからなのです。個体差もあるかな、という感じではありましたが。

 忘れないように、1月、お会いできるのを楽しみにしております。

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