大先輩
ケージの柵に食い込むようにして、こちらをじっと見る「ちち(仮名)」さん。飼い主がまだ小学生だった頃、「ペス(実名)」さんという雄犬を飼っていたのですが、ある日、お散歩の最中にノーリードで散歩中の土佐犬に遭遇。3倍ほどある体で襲いかかられて、背中に噛みつかれ、もううちの犬は死んだ、と思いました。相手の飼い主はニタニタ笑っているだけで謝罪も何もなく、「さぁ、行くぞ」と土佐犬を連れて去って行ったのですが、半泣きになって家に帰り、子細に点検しても、「ペス(実名)」さんの体には傷ひとつなかったのです。あまりにモフモフだったので、阿呆な土佐犬は毛の部分を噛んだだけ。道理でうちの犬は平気な顔をしていたわけです。
箱の中に転がっていたSWANのレバレス。恐らくは私より年上の萬年筆です。英国マビートッド社の萬年筆は、JACKDAW(ジャックダウ)、KIWI(キーウィ)、BlLACKBIRD(ブラックバード)、そしてSWAN(スワン)という4階級(?)の製品を出していたそうで、このSWANは最上級ラインの製品だったそうです。
軸やキャップの素材はセルロイドなのかとも思いますが、それにしては痩せておらず良い状態。もともとの素材の質や現在までの扱いなどで、大きく変わってくるところなのでしょう。軸には社名やモデル名などが彫られており、文字に入れられた白いペイントも残っています。私の手元にあってはいけないような、状態の良いヴィンテージ萬年筆なのです。
お辞儀をしているニブ。柔らかいと言うより、よく撓るという感じの書き味です。これだけお辞儀をしているので、撓りますけれど堅いタッチであり、ヘロヘロな書き味ではありません。ペン芯がインクを保持する能力もなかなかのものです。
特徴的なレバーレスの吸入機構を持ちます。尻軸をまず左にひねっておいてペン先をインク瓶につけ、しかる後に尻軸を元に戻すと、けっこうな量のインクを吸い込んでくれます。雑巾を絞るような感じで、中のインクサックをひねっているのだそうです。今も生きています。持ち歩くのはさすがにアレですので、インクを入れて家で使おうか、などと思うのですが、そもそも、いつ何のために字を書くねん、という人なので、使う機会はなかなかなさそうです。
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