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2022年10月15日 (土)

ひっそり

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 静かに寝ているとばかり思っていたら、顔を上げてこちらを見つめていた「ちち(仮名)」さん。こういうとき飼い主は、すぐに顔を背けたり目をつぶったりして、彼女が次のアクションに移らないようにするのです。やり損なうと、きゅんきゅん鳴きだして収拾が付かなくなります。

 昨日は強制的にお風呂に入れられて、阿鼻叫喚の大騒ぎでしたので、本日もその疲れが完全にはとれていないようで、そのままおとなしくお休みになりました。

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 ん、何かあるぞ、とつまみ上げてみたら、プラチナの堆朱(ついしゅ)でした。コクヨの野帳の上にポンと置かれていたので、保護色のようになっていて気づきませんでした。結構前に入手した記憶はありましたが、インクを入れて使っていた記憶がありません。けれども空のインクカートリッヂが挿さっておりましたので、その状態で入手したものか、記憶はないけれど使っていたのか、いずれにしてもお掃除が必要です。

 萬年筆はガシガシ使ってこそ、と思っておりますので、かつては手に入れた萬年筆に片っ端からインクを入れておりましたが、次第にそういうことが億劫になってきて、やがてはインクを入れた萬年筆ですら握らないようになり、だんだんとインクの固まった萬年筆が増えてきたのです。今、その空白を取り戻すべく、見つけた萬年筆を次々と洗浄しまくっているわけです。

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 何層にも漆を塗り重ねたあとで、その表面を敢えて削り落とすことで、このような面白い模様が生まれるのだとか。筆記時にも、軸の表面にあるでこぼこを感じますが、筆記の妨げになるほどではありません。手に入れたときには、堆朱なんて技法についても知らず、とりあえず好きな緑色の軸だ、ということだけだったように思います。

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 プラチナのある程度上等な萬年筆らしく、首軸に象嵌が施されています。キャップは落とし込みではなく、スライドさせて摩擦力だけでしまるという方式。キャップの内側に仕込まれたバネかつらがいい仕事をしておりますので、今もしっかりとキャップが止まりますし、かっちりとしたしまり具合、実にいい感じを保っています。

 こういった昭和な萬年筆、できれば復刻していただきたいものですけれど、売れるのか、ということを考えると難しいところでしょう。今あるものを大切に慈しみながら使う、というのが、できる最善の策かと思います。

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