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2022年10月

2022年10月31日 (月)

はやぶさ

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 お手々を揃えて賢く伏せっている「ちち(仮名)」さん。女の子ゆえ本名はネット上に公開しておりませんが、この子を家に迎えたとき、妻と娘は私による命名を断固として許さず、当初は「もも」とかいう名前にするつもりであったようです。しかしながら、その当時において、それは大変に流行っている名前でありましたので、拒否権を発動させていただいたのです。本田宗一郎ではありませんけれど、人と同じコトするんならやらない方がマシ、なのであります。

 教員をやっておりますと、実に多彩な「なまえ」に出会うわけですが、同じ学年には同じ名前が多い、ということもまた実感として感じておりました。なんで世界にたった一人の愛すべき我が子に、流行りの名前なんてつけるのか。まぁ考え方は人それぞれですけれど、私は嫌なのです。このワンコにも、アニメのキャラクターからとった名前を...なんて話も出ましたけれど、そんな名前では恥ずかしくて人前で呼べませんから却下。ごくごくありきたりな和名をつけて貰って、幸せに暮らしているわけです。

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 先日、これなんでしょう、と問いかけましたけれども、こんな辺鄙なBlogを読んでくださっているようなヘンタイさんには「ナメとんのかっ」というようなことで大変失礼をいたしました。輸出して売る先での名前はすばらしいのですけれど、和名はなんとも、というこの萬年筆。けれどそのペン先を一目見たら、変なモン好きとしては手を出さずにはいられないのもまた事実。そしてまた、このへんてこりんなペン先が、大真面目に設計された、日本語をきれいに、気持ちよく書くためのものであるという事実。

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 ご多分に漏れず、ブツブツしています。ペン芯の裏側に塗られた漆。使い込んでいけば剥げ落ちてしまう運命なのでしょう。しっかりゴミが付いていますけれど、あまりこのあたりには触らないようにしているので、ゴミやホコリはペン先洗浄の際に細心の注意を払って取り除きたいとの考えから、そのまま撮影しております。

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 日本ではこういう、うねうねしたデザインは受けない、といわれてきましたけれど、自動車の世界ではマツダのうねうねした車体の車が異様に増殖してきております。マツダが増え、スバルも多くなってきました。それとともに、それらの車に遭遇して不快な思いをする機会も増えてきています。個人的にはこの現象を、マツダやスバルがプリウス化してきている、と呼んでおりますが、いや、これは単に母数が大きいからであってプリウスでもまともな運転してる人はたくさんいると知ってはいるのですが、こうしたプリウス的なクルマを見ると避けたり抜いたりして離れるようにしております。安全第一ですので。

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 で、日本語の文字をとにかくきれいに書く、というような目標で作られたペン先というもの、私のように字が不自由な人間には全く使うことができないわけです。も横列な筆圧をかけるくせに軟調のペン先が大好物、なんて人も少なからずいるわけですが、趣味とはいえ、実用する萬年筆は自分の特性を考えて選ぶべきでしょう。そういうことから、このペンは観賞用、コレクション一択ですので、ペン芯の漆も今しばらくは安泰であろうかと思います。

 

2022年10月30日 (日)

Trip or •••

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 顔を上げ、こちらを見て愛想を振る「ちち(仮名)」さん。明日の晩もこんな感じで、おやつをくれへんかったらイタズラしまっせ、などと言いそうな顔をするのかもしれません。

 いっぽう飼い主は今、高速走行中の列車の中でこの記事を書いています。例によってホンの思いつきでTIPSを覗きに行ってしまった、その帰りです。

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 ちょっと思いついたときには、すでに本日の午後の部しかチケットが残っておりませんでした。整理券をもらってまで入りたい、あれだけは買わなければ、なんて人たちや出展者、運営の皆様には申し訳ないのですが、もう萬年筆はいらないし、インクも不要だしガラスペンに興味はなく、紙物は買っても惜しんで使わないままになるのがわかっていますので、じゃあ、何しに行ったんだ、ということになります。

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 会場とその周辺で見知ったお顔を見かけたらご挨拶を、というのが主目的でして、正直、それだけのために安くはない電車賃かけてまで行くか、と自問自答したわけですが、結局は来てしまいました。私にとっては、実は萬年筆に出会うよりも、そっちの方が楽しい、という風になってきております。歳のせいでしょうか。

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 今年は、いつもの年よりも萬年筆色が濃いと感じられました。個人的には良い傾向と思います。この会場では400人ほど「しか」入らないので、来年は二つのフロアに分かれての開催を予定されているという噂も聞こえました。それでキャパシティが上がる分、当日券、ってものもご検討いただきたいところです。こんな勝手なことを言う奴がいっぱい出てきますから、イヴェントを企画、運営するって、本当に大変なことですね。

2022年10月29日 (土)

じごく

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 本日はぐっすりと眠ることができている「ちち(仮名)」さん。遮光用のバスタオルの隙間から写真を撮っている飼い主にも、全く気づいていない様子です。これからの季節、こたつむりの状態で自然死してしまいがちな飼い主としては、夜中に目覚めてくれないことが一番なので、この遮光幕、良いと思います。

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 段ボール箱の底。こんな感じに組み合わせるものを、地獄底というのだそうです。空の箱の底を押すと蟻地獄みたいに凹むから、とか、箱の中にものが入っている状態では底の部分を解体しにくいから、とか、諸説あるようです。確かに、動かないところを指して、ここ、地獄になってるな、と職人さんがいうのを聞いたことがあります。

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 で、こういう箱をいくつか解体して、組み合わされる各部がどんな形、寸法になっているのかを研究しています。間近に迫った神戸ペンショウに向けて、これで得られた知見をもとに「箱」を作って活用するためです。

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 厚手の紙に、エクセルで急造した方眼紙に鉛筆で線を引き、鋏で切り取って組み合わせる、ということを何度か繰り返して、ようやくそれらしいものが出来上がりました。数学、わけても幾何はサッパリという私の頭脳にしては上出来です。

 神戸ペンショウのどこかで、これを使った「箱」が活躍するはずです。秋は神戸で萬年筆。神戸ペンショウまで、残り2週間を切りました。

2022年10月28日 (金)

場違い

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 薄暗い寝床の中で、なぜか眠れない様子の「ちち(仮名)」さん。リヴィングルームにいる家族からは見えないバスタオルの向こうでやたらとガサゴソしているので、覗いてみたらお布団の成形中でした。お布団が好みの形にならないと、落ち着いて眠ることができないというのは、犬が飼い主に似る、ということのひとつなのかもしれません。

 飼い主は、きちんとしたお布団では寝付けない傾向があります。そのくせ、リヴィングの床に寝転がったら朝まで意識が戻らないなんてことはしょっちゅう。やはり安物の人間というのは寝床もそれ相応のものでないと落ち着かないものなのかもしれません。

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 私が萬年筆ヘンタイだと知っている同僚が、「テレビで300万円の萬年筆っていうのが出てましたっ!」と、驚いたのと呆れたのとが一緒になったような表情で教えてくれました。で、たしかアルファベット4文字のメーカーでした・・・って言いますので、抽斗からサファリを出して「LAMYですか? これは3980円だけど」などと言ってみると大当たりだったそうです。

 さらに聞いていくと、ぐるんとひねったらペン先が出てきて・・・などと言いますので、じゃあアレだな、と現物を見せてあげるために探してみまして、比較的簡単に発見できました。ペンケースにダイアログ1、2、3と並んで入っておりました。

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 東京へ出ますと、田舎もんらしく銀座へ行って、伊東屋には行かなくても松屋(牛丼ではない方)には行くのです。7階あたりに、ちょっとしたセレクトショップ的なコーナーがあって、そこに「変なモン」がないかと見に行くわけですが、そのついでに萬年筆の売り場でダイアログ3がまもなく発売というのを見てしまって、即予約したわけです。で、初期ロットには何か問題があったらしく、入荷が大幅に遅れたのです。お詫びに、などとボトルインクをつけてくれたことを覚えております。

 ところで、このペンケースは4本挿しなのですが、ちょっと場違いというか仲間はずれというか、そういうペンが混じっていました。

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 なんかこう、パッとしませんね。ありきたりな仏壇萬年筆。でも見る人が見れば、おぉ、アレやんか、となるのでしょう。私はド素人なので、キャップをとってみるまでなんなのか全くわかりませんでしたが・・・。

2022年10月27日 (木)

はけぐち

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 本日も御簾の向こうで熟睡されている「ちち(仮名)」さん。本日は地域の小学校が午前中で授業を打ち切って児童を帰らせるという日でしたので、こりゃたくさんの子どもたちが押し寄せるぞ、ということで学年ごとに利用できる時間帯を制限して営業していたのですが、私のところや学校などは「無料託児所」だと信じて疑わない保護者が少なからずいますので、何でこの時間帯にうちの子が遊びに行けないんだっ!という苦情が少なからずあって、まぁ説明しても向こうははじめから聞く耳持たないので、徒労感に満ち満ちた1日でした。

 うちへ苦情を寄こしたある保護者は、返す刀ならぬ携帯電話で小学校にクレーム。私に無断で昼から子どもを帰らせるとは何事、とか、そんな無理難題を言いまくっていたそうです。それを聞いた校長先生は、文句あるなら私のところへ言って欲しい、小学校はそんなこと知らん、という当たり前の回答。まぁそういうわけで、退勤後は気分転換に妖しい映画を見に街へ出ておりました。

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 小学校の校長先生もよほど腹に据えかねたのか、保護者とおんなじことをおっしゃっていたのが印象的でした。時間帯で利用できる児童を分けるなら、事前に全ての児童にお知らせを配って欲しい。それも、確実に保護者が読むような手立てを講じて欲しい、と。あぁこれ、永遠の課題というべきものなのです。小学生のランドセルの底を見ると、学校で配られたプリントが堆積してハリセンチョップの山になっているというのは、もはや常識と言うべきお話。その校長先生は教育委員会事務局にお勤めの後、若くして校長に昇進されたので、私のようになり手がいないからとやむを得ず、泣く泣く(いずれも教育委員会の弁)校長をやらせざるを得なかった、というような人とは根本的に違うエリートなのです。

 本来はそこで、すべての子どもに、確実に保護者に届くような方法でお知らせのお手紙を配る方法についてお教えを乞うべきだったのですが、そこはそれ、三流四流五流、いやそれ以下の教員だった悲しさで、そんなこと、思いつきもしなかったのです。えぇい、原辰徳いや腹立つなぁと机の抽斗をひっくり返して整理整頓。これをやると不思議と気持ちが静まるのですが、隅っこから出てきたのが写真のキャップレスデシモです。

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 キャップレスは何本も持っているけれど、不思議とデシモやフェルモは持ってない、と日頃から公言し、実際そう思っていたのですが、ご覧のようにしっかりとデシモが手元にあります。それも、ヘンタイ仕様のが。これ、一時流行ったのです。神戸は六甲アイランドの鞄屋さんに無理を言って萬年筆に革を巻いて貰うという遊び。革を巻くとその分軸が太くなりますから、土台となるペンはデシモということになるのです。

 で、久々に対面したデシモさんの健康チェックを行って、古くなったインクカートリッヂを捨てて、ペン先に水を通して洗浄し、インクさえ入れれば気持ちよくかけるじょうたいにする、という作業を通して、本日のモヤモヤも解消。明日からは小学校の校長先生のことは見えないことにして、自分のやり方で広報、周知活動をしっかりやることにいたしました。おそらくそのことでまたキツいご指導を頂戴することになるかと思うのですが、同じく校長経験者とはいえ、格の違いは如何ともしがたいので、じっと頭を垂れてお小言が頭上を通り過ぎるのを待つことにします。我ながら、ほんと、反省という言葉のかけらも持ち合わせていないヤツだなぁと、改めて呆れておるところです。

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2022年10月26日 (水)

竜骨

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 暖かな日射しの中、お散歩を楽しむ「まりりん(たぶん雄)」さん。只今、甲羅の脱皮が進んでいる状況ですので、積極的に日光にあるようにしております。水槽の中で落ち着いているときではなくて、ガサゴソしているときを狙って外に連れ出し、陽の当たるところで自由に歩かせるのですが、暑いのか、開けたところが嫌なのか、とにかく日陰になっている、閉じた雰囲気のところをめざして歩いて行きます。

 亀というと歩みが遅いものの代名詞ですけれど、結構な速さで進みますし、写真のようなグレーチングの上でも臆することなく、ときには下の溝を覗き込みながら歩いて行きます。もちろん事前に彼女(彼?)の厚みを計測して、隙間から落ちることがないことを確認済みです。こうしてお散歩をさせている間、私は少しだけ距離を開けて傍らに立ち、じっと見守っています。その姿を不審に思った通行人がよく見ると亀がいるので驚いて声をかけてくる、というのがいつものことなのです。

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 「まりりん(たぶん雄)」さんの場合は一条ですが、亀の甲羅には周囲よりグッと盛り上がっている部分があります。クリンゴン人の額にも同様の隆起がありますが、亀の場合、そしてPILOTーGの場合は、クリンゴン人と異なりこの部分をぶつけ合うことは避けなければなりません。

 一般的に、PILOTのGといわれていますけれど、Super300Gというのが正しいのではないかと思われます。どうしてこんなペン先の形状にしたのか、思いついたのか。けっしてしなやかだとは思えない形状でもあります。筆圧をかけてみると少しは撓るような感じもしますけれど、あまり調子に乗ってグイグイやっていますとペン先が剥がれてしまいそうに思われます。

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 ごく普通のカートリッヂ・コンヴァータ両用式です。こういうものは、とりあえずペン先の形を見たら手に入れてみて、手元に来たら胴軸を外して、あぁ、とか、おぅ、とか言う、そんな感じで何本か集めておりますが、吸入機構を持つタイプですとむしろ活躍させることが難しいので、両用式が良いのかと思います。吸入式のものは、もうほとんどが資料としての保有で、実用できませんし、メーカーでの修理も断られますけれども、頼めば使えるようにしてくれるお店もあるところが萬年筆の面白いところです。見かけたらとりあえず保護、でしょう。

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2022年10月25日 (火)

不均衡

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 クッションに埋もれながら家人の行動を見守る「ちち(仮名)」さん。これは完全に覚醒している状態ですので、今やっ、と思えば立ち上がってこちらへ駆け寄って・・・来るはずなのですが、この状態ですと後ろ脚がフローリングの上にあるので、後ろ脚に衰えが来ている彼女は、すぐには立ち上がることができません。家人はその隙に、サッと逃げるのです。

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 おフランス製の大きくて長い萬年筆。ウォーターマンのルマン100です。ここだけの話、パッと見て100と200の区別が付かない私なのですが、この状態でいうと、クリップの付いているところの輪っかが1本なので、まぁ100なのかな、ぐらいです。もうちょっとはっきりした大きさの違いがあれば、とも思いますが、並べてみないと同じ大きさに見えます。この個体は木軸ですが、誰かに愛用されていたものですから、胴軸だけが黒ずんでいます。キャップや尾栓の色が、濃くなっているとはいえ、もともとの木の色だったのでしょう。

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 ここのところ、ドイツ製の、短いのがほとんどという萬年筆の中に、笑っちゃうぐらいにペン先が面白いものがあったのだそうです。そいつが知らぬ者はないというほどに有名な文房具店の店頭に並べられ、人に買われて、買った人もこりゃ面白い、ということになったのだとか。まぁ、よろしいのじゃないでしょうか。萬年筆なんて趣味の筆記具なんですから、時にはこれ書けんわ、なんてものも入っていてよい・・・はずはないですね。

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 普通に書くときにはこんなことしませんけれど、ちょこっと筆圧をかけるとパッカーンと開くペン先。ウォーターマンって固いものだと思っていると見事に裏切られます。まぁ、大部分の製品は固いのですけれど。

 で、こうしてペン先が開いていることに目を奪われないで、紙と接しているところにご注目。面白いでしょ。

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 裏返してみるとこんな感じです。まぁ一応、切り割りの両側に「玉」がありますから、まだ良いのですけれども。件のドイツ製は、そもそも切り割りによって「玉」が切り分けられていないという面白さ。私、わざわざそのメーカーのペンを買うことはしませんけれど、もし見かけたら、少しぐらい無理をしても買ってしまいそうです。そういうものに出会って、敢えて買うなんてことがあるだろうか、いやある(反語じゃない)。

2022年10月24日 (月)

同じ

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 ゆったりとくつろいでいる「まりりん(たぶん雄)」さん。カメさんってものは、リラックスしているときには四肢をピーンと伸ばしているものなのだそうです。今日も水槽の中でひたすらガソゴソ動き回っていたので、水を全部取り替えてやり、大好物の鶏のササミを少し与えたところこんな様子になりました。衣食足りて礼節を知る、っていうのはカメも同じなのです。

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 奈良公園、猿沢池近くのセレクトショップで買ってみたもの。奈良へ観光で来られた方は、これが噂のアレか、とお買い上げになるのでしょうか。ご丁寧にも、お一人様1日に2個まで、なんて注意書きがありましたので、きっちり制限一杯まで買ってみたのです。実際、奈良県で暮らしておりますと、こんな箱入りのものは買いません。かつては年に2回、ホテルの広い部屋なんかを会場に抽選会が開かれて、それで当選した人だけが買うことができる、っていう代物でした。かくいう私も、毎年申し込みのハガキを出しては落選していたクチです。

 神戸ペンショウですとか、Y.Y.Dayなどの時期には、これが大好物という方が来られますので、そういった方へのお中元、お歳暮代わりに用意するのが恒例となっております。自分では食べませんので、これを買いに行くと、あぁ今年もその時期なんだなぁ、と思うわけです。

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 名前とは裏腹に、白、黄、青、桃の4色。そのどれもがピーチ味です。大坂と奈良との間には褶曲によって形成された生駒山があります。大阪から奈良に向かって絨毯の上を歩いていた巨人が躓いて、そのはずみで絨毯が持ち上げられた、という感じ。大阪側は急斜面で、奈良の方が緩やかです。ここを越える国道308号線には、48%(約26度)もの急勾配区間があり、頂上の暗峠には参勤交代の時に殿様の乗った駕籠を担ぐ人が滑らないように石畳が施されています。国道で石畳というのは全国でもここにしかないともいわれます。で、そこを越えると奈良県生駒市。その生駒市の、ごく普通の住宅街の中に、このラムネを製造している工場があります。

 このラムネを製造している会社、一時は相当に経営が危なかったそうですが、そこを乗り越えて今があるのです。苦しいときでも販売を続けていたお店には、今でも定常的に商品が卸されているので、そういうお店を知っていれば、比較的簡単に手に入れることができるのです。

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 ま、こんな感じで。身も蓋もないですけれど、こういう形で購入するのが一番割安です。下世話な話をしますと、綺麗な箱に入ったものの7倍以上の量で、お値段は3倍です。箱代を考えても、この形で買うしかない、と思いますね。いつもこの時期になると現れて、常識では考えられない量を買っていくオッサンということで、オマケや値引きをしてもらえるのもありがたい話です。

 さて、これを用意したということで、今年の神戸ペンショウまで、あと3週間を切りました。全国旅行支援も、兵庫県については予定終了ということですが、今年は開催前日から会場付近で徹夜して待つ、なんてことをしなくてもいいように運営としても考えております。日帰り圏の方はぜひ、お気軽にお越しください。数量限定のものを絶対に買うのだ、というのもわからないではないのですが、会場に入って、あの独特の雰囲気を楽しむだけでも、入場料500円の値打ちがあると考えております。悲壮な顔しないで、気楽にご参加いただけますと幸いです。

2022年10月23日 (日)

マット軸協会

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 もはやバスタオルの囲いなしでは眠れないのじゃないか、というほどに、気持ちよくノンストップで眠る「ちち(仮名)」さん。これまでは何度か目覚めてはお布団を直す、ということがよくあったのですが、このようにして眠るようになってからは全くといってよいほど目覚めることがありません。周りが少しぐらい明るくても、ケージが外から丸見えでも、そんなことに離れていたはずですが、それでもやはりワンコはワンコ。暗くて外から見られないところで落ち着いて眠りたいという欲求が強かったのでしょう。これまでごめんね、という思いです。

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 PILOT謹製、キャップレスの少し古いタイプです。古いとはいうものの、ダブルのスペアインクを使うほどには古くありません。ペン先はいわゆる特殊合金というヤツで、金ペンではありませんので、いずれ14Kのペン体を見つけてきて交換してやろうとかと思っております。この個体は歴代のキャップレスの中でも、未だに評価の高い形状に加え、軸がマット調なのがよいところです。

 全日本マット軸協会という、マット軸の萬年筆をこよなく愛する団体があります。事務局は良識あるヘンタイ倶楽部内に置かれています。このキャップレスも、マット軸だからと熱心に使い込んでいくと、いずれマットな質感がテカテカなものへと変化していきます。

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 すでにクリップには錆が浮いており、自慢のマット調ボディにもあちこち剥げが見られます。いわゆる多面体軸のキャップレスも、軸は樹脂製ですがクリップなど金属製のところが剥げてしまいます。マット調のボディがテカテカになったり、黒い塗装が剥げて下地の金属が見えてきたりするのは、むしろ使い込んだ証し、味わいというものです。ZIPPOのライターなんかでも、ワザと傷をつけたり凹ませたりする人がいるようですが、そういうものにも通じるところがあるのかと思います。

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 現行のキャップレス、悪くはないのですが、あのふくよかな軸がボッテリした感じに思えてしまうのです。もちろん、短くて軽いキャップレスのことですから、現行のような、やや太めのボディの方が握り心地や書き心地はよいのでしょうけれど、オッサンとしてはやはり、このタイプのものに惹かれてしまいます。周年記念か何かで、こういうものが再版されると嬉しいのですが、型を起こすのも大変でしょうから難しいでしょうね。そうなると、まだ世にあるものをかき集めていくしかない、ということになります。

2022年10月22日 (土)

バレるとおいしい

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 本日も大きなバスタオルで目隠しされたケージで眠る「ちち(仮名)」さん。そして、隠してあるワンコの写真をわざわざ撮りにいく飼い主。本人(犬)は周りから見られていない、と思っていつも以上に熟睡していますから、暗いということを除けば写真が撮りやすいのです。

 本日は来る11月12日(土)、13日(日)の神戸ペンショウに向けて、おそらく最終となる打ち合わせが行われました。準備の進み具合を確認するとともに、運営陣の共通理解を深める、というのが目的。例えば会場設営についても、スタッフ一人一人の持っているイメージが違いますので、それをすりあわせておいて、いざ実行というときにはスムーズに事が運ぶようにするというのが目的です。参加した自分が言うのも何ですが、なかなか意義深いミーティングであったと思います。

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 何かの話題から、突然ぽ~んと全然違う話題に飛ぶ、なんていうのはよくあることです。職場で全日本コロッケ連盟のお話をしていたときに、なぜか萬年筆の話に飛んで、そういえば、変な形したインク瓶、空っぽですけどいりますか? と聞かれたので、とりあえず欲しいと言ったら、これを持ってきてくれたのです。靴の形のインク瓶、と言われますけれど、こんな靴履いてるとしたら私も顔負けの凄い外反母趾ですね。

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 そんな流れの中で、別の人がお菓子の空き箱に入れて持ってきてくれたのがこちら。親戚の人が分解したのはいいけれど元に戻せなくて、お店に持って行っても修理を受けてくれなかったので捨てよう、となったものを、私が萬年筆使ってるということで持ってきてくださったのです。

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 これ、禁断の分解ですよね。特に首軸からペン先のソケット引っこ抜いてますから、戻したとしてもインクがじわっと出てくるのでしょう。一説にはこれ、バスコークを塗ってから挿せば良いとも聞きますが、私にそんな器用な真似ができるとは思えません。

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 ピストンの後端部。こいつを尾栓に挿し込んで、この金属製の輪っかをパチンと嵌めて固定するのだそうですが、そもそもどうやって外したのか、それともこれはすでに壊れて(折れて)いる状態なのか、さっぱりわかりません。とりあえず面白いので、この状態でもうちょっと見た目の良い箱に昆虫の標本みたいにセットして人に見せる、っていうぐらいしか、私には思いつかないのです。

 

2022年10月21日 (金)

護られる

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 ケージの柵に大きめのバスタオルを掛けて貰って、プライヴァシー万全となった「ちち(仮名)」さん。これで飼い主にコッソリ写真を撮られたりすることもなく、安心してグゥスカ眠ることができる・・・というわけです。写真の上の方、バスタオルには部屋の照明が反射しています。こんな煌煌と明るい部屋の中で、彼女は平気で寝ていたわけですが、囲んで貰うと余計に眠りやすい、ということなのでしょう。対して疲れるようなこともなかった1日だったはずですが、本当にぐっすりと寝ています。

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 真ん中のでべそみたいなところを、ベルトに取り付けたクリップにカチャンとはめ込んだら出撃準備完了、だったのです。若い頃からとにかく鞄の類を持ち歩かない人でした。空前のシステム手帳、いやファイロファクス持ってなければ社会人じゃない、って風潮の中で、一度はシステム手帳(しかもファイロファクスではない!)を使おうと試みたこともありましたが、結局は資料リフィルを製作するのに徹夜して、持ち出した資料は全く見ることがない、なんてことが続きました(予想通り)ので、最後は高価な革のカヴァーだけが残った、という結末でした。

 それならばガジェットにすがってみるか、というわけで、ThinkPad220にPalmTop PC110、そしてHP-100LX。いつしかMS-DOSの時代が去り、LXの後継機も出ないというところで、Palmに進んだのはある意味当然な流れでした。

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 もう、装甲ですね。中味はPalmのTungsten Cです。このほか、アルゼンチンのVAJAとか、フランスのカヴァーテックあたりの革ケースなども取り寄せましたが、いずれもベルトに取り付けることのできるケースばかりでした。それだけ苦労して身軽に情報を持ち歩こうとしていましたけれど、当時はこうした携帯端末が「スタンドアロン」であるという恐ろしい実態があったのです。ネットに接続するっていうのは、しっかりとしたPCにモデムをつないで厳かに行うものでした。変なモバイルモデムなんぞ使って色の違う公衆電話を占有したりすると、変な人が公衆電話にイタズラしてる、と管理者を呼ばれてしまう時代でした。

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 端末と共にカードを持ち歩いていたのです。データストレージとして。今や、どんなデータでも空から降ってくるわけで、使用者が覚えるべきことはデータを降ろす方法だけ。こういう端末は、脳を拡張するツールだ、なんていわれたものですけれど、いやいや、もうこれ、人類こぞって携帯端末に脳味噌削られてますよね。

 もうホームページなんか作ってる時代じゃない、これからはブログだよ・・・・・って、それも絶滅危惧種ですね。何でもかんでもSNS。まぁそういう目の前を流れ去っていく情報をうまく捉えて賢く活用する、そういう能力がこれからの人類には必要なのでしょう。萬年筆とインク瓶を前に、呼吸を整え、まずはインクを飲み込ませてからさらさら・・・っていうのは、こういう時代だからこそ、むしろ新鮮な体験ですね。

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2022年10月20日 (木)

好きなロゴ、嫌いなロゴ

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 お散歩に行くときのハーネスを外してもらえないまま、ケージで眠りに堕ちた「ちち(仮名)」さん。お散歩の目的を果たせなかった、というのがその理由ですが、このようなときは夜の間にケージの中でコッソリと粗相しているケースが多いのです。歳をとってきて、お散歩に行ったからといって必ず綺麗に出るものが出るわけでもないようです。お互い歳をとって衰えてくるのは仕方のないことですから、温かくお世話をしてあげるしかありません。

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 今の職になって一番大きく変わったこと、それは毎日1時間のお昼休み(休憩時間)が確実にある、ということです。教員だったときも1日の勤務時間は7時間45分でしたから、その途中に45分間の休憩を与えられるはずでした。けれど教員は労働基準法の適用外ということもあり、まともに「昼食休憩」なんて取ってる人はまず見かけません。本来休憩時間は、職場を離れて自由にしてもよいはずですが、もし教員がそんなことをしたらマスゴミ様はじめ国をあげての批判キャンペーンが繰り広げられることでしょう。そう、たとえその間にきちんと児童生徒を管理監督している人がいたとしても、教員がお昼の休憩をとるなんて許さない、っていうのが日本の常識だからです。

 で、今は職場を離れても佳い、しかも1時間の休憩時間がある私。例によってお昼ご飯は食べないので、その時間にサササッと展開図を書いてそれを切り抜き、組み立ててみました。神戸ペンショウで使用する予定の抽選箱、5分の1スケールの模型です。これをどのように使うのかは、いずれ公式InstagramやFacebook、Twitterなどで告知されますので、参加予定で早くから会場入りしたいとお考えの方は要チェックです。

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 教員だったとき、このブランドロゴ、正直言って大嫌いでした。これを見るとバレーボールなどを思い出します。バレーボール部の顧問をしていたときは本当に地獄だったなぁ・・・などと嫌な思い出しか出てきません。学校の部活動問題、教員の皆さんが普通に人間らしい生活ができるようになるよう、解決していただきたい、と願っておりますが、心の底では、絶対に無理だろう、とも考えていたりします。

 しかし今回は、バレーボールでもその関連用品でもありません。敢えて言うなら、それらの近くで使うのに便利そうだ、というので、モルテンが他社から調達して販売している(OEM)ということなのでしょう。

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 11月12日(土)と13日(日)の神戸ペンショウ2022では、例年の如くこいつが活躍いたします。拡声器を腰に巻いたベルトにつけ、ヘッドセットをつないでお話しすれば、結構離れたところまで声が届き、しかも両手が空く、というべんりなもの。毎年レンタルしていたのですが、今回はオークションサイトやフリマサイトなどで投げ売りされているものを探してこつこつと台数を集めているのです。

 じつはこれ、ジャンク品ということで、通電はするけど動作保証はしませんよ、という条件で売られていたもの。ま、通電するのなら、最悪音が出なくても半田ごて握るか他の個体の部品取りに使うか、という気持ちで手に入れました。で、普通に使えます。

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 この手ぶら拡声器、音響機器の世界ではよく見かけるTOAの製品。このロゴも教員時代に嫌というほど見ましたが、悪い印象はありません。お世話になりました、という気持ちが残るばかりです。単三乾電池6本で動作させるのですが、省エネで行くなら4本でも動きます、というもの。ただし4本で動作させる際には、写真のようなスペーサーを2本、電池の代わりに入れてね、ということです。で、これが1本しか付いていないというのが、どうやらジャンクである理由だったようです。こういうジャンク品は、大歓迎です。現在までに、これの新品を1台買うよりも安い金額で、6台ほど確保できました。神戸ペンショウの準備、着々と進んでおります。

2022年10月19日 (水)

銃鉄

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 寝ているようでいて、実は台所の方をじっと見ている「ちち(仮名)」さん。誰かが台所にいると、何かおいしいものを食べてるんじゃないかと気になって仕方がないようです。暴飲暴食が得意技だった飼い主も、このところ歳相応にお腹が衰えてきて、おにぎり二つでしんどいと感じるようになってきました。特に体調に変化はなく、各種検査結果もいつもどおりですので、これはやはり、喜ぶべきことなのでしょう。

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 萬年筆蒐集において暴飲暴食だった頃に手に入れたもの。家のどこかにあるはず、という記憶だけはあったのですが、手元に届いたときに確認したのみで、インクを入れたこともなければ、その日以来日の目を見たこともないというかわいそうな1本です。梱包用のエアーキャップに地図がプリントされておりますから、あのお店がらみのものね、とわかります。

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 オリヂナル萬年筆を作るならほぼ一択であったセイラー製。国産の他の二社でも無理ではないけれど、最低ロット数やら何やら、相当ハードルが高いのだと聞いたことがあります。この頃、というか少し前まで、セイラーにお願いするのが一番やりやすかったのかもしれません。

 革紐などを通せば首にかけられるように作られた革のケース。これは多分、あのお店の・・・と思います。

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 写真を撮るのが下手くそなのでワインレッドに見えますけれど、綺麗な赤いキャップ。一時、このタイプが市場から姿を消していたときに何故か欲しくなって探しまくっていたことがあるのですが、しっかり手元にあったのでした。しかも、普通ではない仕様のものが。

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 気がつく人はここで。ペン先の刻印がどうの、とかそういう問題ではありません。そこに目が吸い付けられている内はまだ引き返すことができるはずです。なんだこの大先は、と言ったりしてたら、もう引き返せないところまできているのではないかと。

 こんな小さくて短いペンで、低重心、なんて言ってもどれだけ効果があるのかわかりませんが、手に持ってみると、いい感じではあります。アカゲラをモチーフにした萬年筆だったのかな、とかすかな記憶が。

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2022年10月18日 (火)

Hidden

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 寝ている間に写真を撮られないように・・・とお布団を立ち上げてお顔を隠して眠る「ちち(仮名)」さん。この形を創り上げるまでには相当な時間と、見ていてかわいそうになるほどの「きゅんきゅん」と「ほりほり」があったのです。しかし、一度形がキマってしまえばお気楽極楽で、朝までぐっすり・・・ではなく何かの拍子に起き上がるまで鼾をかいて眠り続けるのです。

 今の職場でも、ありがたいことに夏季特別休暇というものがあります。7月から10月の間に5日間、できるだけ2日以上連続で休みなさいというありがたいお達しが出ていたのですけれど、今の職場で初めて過ごす夏休み、猛烈に忙しかったら何としょう・・・と様子を見ていたところ、いつの間にか夏は終わり、長袖の服が恋しい時節となったので、叱られないようにと慌ててお休みをいただいて、昼頃まで寝ておりました。

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 午後からゴソゴソと動き出して、間近に迫った神戸ペンショウ2022の入場チケットや整理券などを作るための資材の買い出し。年ごとに、同じようなチケットでも求められる役割や券面に盛り込む内容などが変わっていくので、毎年イチから作るような感じです。特に今年は、1日目と2日目の入場チケットが全く違う形になりますので、そのあたりも含めて、ボチボチ試作を始めないと間に合いません。

 そんな関係で、本日も手近に転がっていたペンを拾ってきての写真撮影。プラチナ・グラマーのマット軸、通称「カラス」と、これまたその辺に転がっていた小さなペンです。ところが実際には、グラマーさんの方が付き合わされた感じ。メインはこの小さなペンの方なのです。

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 小さいながら、この子、凄いのです。いっちょまえにスタブ? それともカリグラフィ用でしょうか。こんなちっこいペンで、洋画のタイトル画面に出てくる、羽ペンで優雅に綴られるような文字を書けるのでしょうか。

 グラマーさんにしても、キャップをお尻に挿してもたいがい短いので、実用性云々よりも見た目のウケ、一発芸的なところが大きいのですが、それでも真面目に中字とか。萬年筆しております。もっと言えば、お仲間内には14金のペン先を持った方もいらっしゃるほどです。

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 で、結局、ちっちゃいのは、メカニカルペンシルなのでした。ノックするまで、このガイドパイプ的な部分は引っ込んでいて、「ペン先」に隠れております。芯はお尻のキャップを外して入れるタイプで、ちゃんとメカニカルペンシルらしくなっております。

 クリップやキャップリング、「ペン先」はもちろんのこと、胴軸やキャップにも、自分は何者です、ということが一切示されておりません。名前も素性もわからない小さな子なのです。どなたか、ご存じの方があればご教示ください。

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2022年10月17日 (月)

薄い

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 陸場に前脚をかけ、水中でほぼ垂直に立ってこちらを見つめている「まりりん(実名)」さん。連日、水槽の硝子越しに動いている相手に手を振るという行動から、本当は雄なんじゃないか、といわれ始めている彼女。もしそうなら、名前は「まりお(実名)」になるのか、という話も出ておりますが、館長専決により「まりりん(実名)」のままで行くことに決定しております。

 実際彼女(?)は施設のアイドルでして、来館する子どもたちはもちろんのこと、施設の職員達にもとっても愛されております。溝掃除の最中に「ゴトン」と音がしたので石だと思われ、投げ捨てられそうになった彼女(?)ですが、すっかり水槽にも慣れ、最近は館長に咽を撫で撫でされても平気な顔でくつろいでくれるようになりました。

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 縁あって手に入れた1本。これに関しては、ほとんど実物を見たり書いたりした人がおらず、その割には雑誌に付録としてついてきた小さな中華萬がやたらと話題になったという、実にけったいな萬年筆です。何だかんだ言っても黄色いPILOT742でしょ、って、それを言っちゃぁおしまいよ、という世界ですね。

 以前、職場に新任でやってきた国語の教員に、こういう萬年筆がある、という話をしていたとき、当然ながら梶井基次郎とか京都丸善なんかも話の中に出てくるわけですが、この先生、京都で学生時代を過ごし、下鴨神社で結婚式を挙げたという京都好き。挙げ句の果てに、じゃんけn大会でゲットした、師匠が実験で使ったプレッピー30本、なんてものを「書写の授業で使いたいから貸してください!」なんていうヘンタイさんに育ってしまいました。私の責任ではない、と思いたいところです。

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 で、その職場をあとにするとき、選別としてその先生がくださったのがこちらのインク。まぁ、国語の先生でも梶井基次郎知らない人は一杯いますし、そんな話を数学の先生(本当は社会と技術の先生)がしたので印象に残っていたのかもしれません。

 これをいただいたのは3年ほど前のこと、ちょうどコロナで3ヶ月ほど全国の学校がお休みになっていた時期です。その頃すでにインクブームが始まっていたので、相当に難儀して手に入れてくださったのだそうです。3月にお別れしたのに、これをいただいたのは初夏の頃でした。

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 個人的には、やはりペン先に檸檬の絵が刻印された140周年の方が、サイズも大きくて好みなのですが、この742のサイズというのも結構手に馴染むものだと改めて思ったことでした。それにしても、もともと本数が少なく、なおかつ自身を模したミニチュアに話題をかっさらわれてしまったこのペン、偉大なものと走りつつも、何となく影が薄い感じがいたします。これに黄色いインクを入れて字を書くと、筆跡も薄い。同じく影の薄いもの同士、仲良くやっていきたいと思うのであります。

2022年10月16日 (日)

ふらふら

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 おやつを貰って早く寝たいので、ケージに入ってアピールする「ちち(仮名)」さんですが、不覚にも寝落ちしそうになっております。それを見ている飼い主も、体調不良でふらふらです。あぁしんどいなぁ、という主たる原因は、明日か明後日には主治医を受診しなければならないということ。そのために体調{?)を整えているのですが、日頃乱れている食生活を、このときとばかり清く正しい食生活に戻すので、体が嫌がって体調不良になるのです。これでは何をしていることかよくわかりませんが、朝目覚めたときの爽快感は格別なので、おそらく正しいのでしょう。具体的にどういうことをやっているのかは、あまりに壮絶なので控えます。

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 そんなわけで、大量に積み上げられた箱の山から萬年筆を探してくるのも億劫、ということで、手近にあるこの1本。ペリカンの萬年筆は大好きですが、M600サイズはサハラを除いて手元になく、M400サイズのものもトレドがほとんど。そんな中、なぜか「普通の」M400ですが、これも、いつ、どうして手に入れたのか記憶がない1本なのです。

 ※どうやらこれ、#600というモデルのようです。

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 彫りの天冠。当然ながら雛は2羽。これより古い、もうパッと見なんの模様かわからんやつは、多分我が家にはないと思います。プリント天冠のM400系というのも、多分ありません。どうせ字が下手なので、見た目、大きくて立派な萬年筆が良い、というわけでM400には手が伸びないのです。

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 綺麗な状態なので、インクを入れて書いたことはないのだろうと思われます。キャップレスなんかは大好きなのですが、しっかりと長い目の手紙を書いたり、気の張る書類に記入したりするときにはM800なんかの出番です。いろんな場面を考えてみても、私にとってM400の出番はないのです。実に不憫な萬年筆です。こいつに18Cのペン先。こういうモデルもあったのか、それともガッチャマンなのか。真相は不明です。

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2022年10月15日 (土)

ひっそり

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 静かに寝ているとばかり思っていたら、顔を上げてこちらを見つめていた「ちち(仮名)」さん。こういうとき飼い主は、すぐに顔を背けたり目をつぶったりして、彼女が次のアクションに移らないようにするのです。やり損なうと、きゅんきゅん鳴きだして収拾が付かなくなります。

 昨日は強制的にお風呂に入れられて、阿鼻叫喚の大騒ぎでしたので、本日もその疲れが完全にはとれていないようで、そのままおとなしくお休みになりました。

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 ん、何かあるぞ、とつまみ上げてみたら、プラチナの堆朱(ついしゅ)でした。コクヨの野帳の上にポンと置かれていたので、保護色のようになっていて気づきませんでした。結構前に入手した記憶はありましたが、インクを入れて使っていた記憶がありません。けれども空のインクカートリッヂが挿さっておりましたので、その状態で入手したものか、記憶はないけれど使っていたのか、いずれにしてもお掃除が必要です。

 萬年筆はガシガシ使ってこそ、と思っておりますので、かつては手に入れた萬年筆に片っ端からインクを入れておりましたが、次第にそういうことが億劫になってきて、やがてはインクを入れた萬年筆ですら握らないようになり、だんだんとインクの固まった萬年筆が増えてきたのです。今、その空白を取り戻すべく、見つけた萬年筆を次々と洗浄しまくっているわけです。

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 何層にも漆を塗り重ねたあとで、その表面を敢えて削り落とすことで、このような面白い模様が生まれるのだとか。筆記時にも、軸の表面にあるでこぼこを感じますが、筆記の妨げになるほどではありません。手に入れたときには、堆朱なんて技法についても知らず、とりあえず好きな緑色の軸だ、ということだけだったように思います。

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 プラチナのある程度上等な萬年筆らしく、首軸に象嵌が施されています。キャップは落とし込みではなく、スライドさせて摩擦力だけでしまるという方式。キャップの内側に仕込まれたバネかつらがいい仕事をしておりますので、今もしっかりとキャップが止まりますし、かっちりとしたしまり具合、実にいい感じを保っています。

 こういった昭和な萬年筆、できれば復刻していただきたいものですけれど、売れるのか、ということを考えると難しいところでしょう。今あるものを大切に慈しみながら使う、というのが、できる最善の策かと思います。

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2022年10月14日 (金)

手探り

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 良いお天気だったので、いつもより良質なお昼寝を楽しんでいる「ちち(仮名)」さん。物音がしても全く反応しません。この状態のまま家人が留守にしても平気。想像ですが、ここに泥棒が入ってきても、尻尾を振りながら「遊んでぇ・・・」とやるか、そのまま寝続けるかのどちらかではないでしょうか。

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 東急ハンズ名古屋店が制作した限定萬年筆と、世界限定15本(!)のY.Y.Pen第1号。東急ハンズおなじみの緑色をそのまま軸色にした萬年筆を見てピピッと来た親方が、メーカーをシバキ倒して同じ樹脂を使って造らせたものです。マットで、なおかつギャザードになっていますから、知らなければ違う色の樹脂だと思うかもしれません。

 Y.Y.Dayの会場で購入者に配ります、っていう話だったのです。メーカーから届いた箱のまま会場に持ち込んだ親方は、誰かに持って行かれては大変と新調したばかりの一澤信三郎帆布謹製のエプロンのポケットにないないしていたのですが、いざ配ろうという段にはそのことをすっかり忘れていて、「誰やぁ、〇〇〇(人名)、どこへ持って行ったぁ!」と怒り狂っていた、と当時を知る人は証言しています。

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 まぁとにかく、作っても売れるかどうかもわからなかったので、「作ったら買いますか?」と近しい人に聞いて、そこから15本という本数を導き出したのですけれど、ご本人曰く、ちゃんと売り尽くせるかどうか自信がない部分もあった、ということのようです。そういうわけですからオリヂナルと言えるのは樹脂の色ぐらいのもので、その他は普通に売られているプロフィット21のマットギャザード。しかしここから12号に至るまで、あれこれ趣向を凝らしたセイラー製のY.Y.Penが世に出ていくわけです。そこに込められた親方のアイディアは、どういうわけか後のセイラー社製萬年筆にも取り入れられております。

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 開催まであと1ヶ月、11月12日(土)と13日(土)に北野工房のまちで開催される神戸ペンショウ20222、今年はペンショウ限定の萬年筆はありません。その代わりというわけでもないのですが、今年は萬年筆を取り扱うお店が昨年までより多く出店してくださっています。

 Instagram、Facebook、Twitterでは、すでに出展者の紹介も開始しております。ハッシュタグ #神戸ペンショー で検索してみてください。

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2022年10月13日 (木)

どんな感じ?

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 水槽の中でいちばん高いところへ上り、さらに立ち上がって手を振る「まりりん(実名)」さん。この手を振るという動作が雄の求愛行動であないか、という疑惑が持たれていますけれど、長いこと関西で暮らしている飼い主は、リリアンっていう名前のダミ声のオッサンが「京橋はエェとこだっせ・・・」と歌ってたりするのを聴いて育っておりますから、ホンマに雄であったとしても名前を変えるつもりはありません。

 ほんの1週間ほど前までは、1日の大半、水槽内に設置したこんな陸場の下に潜り込んで過ごしていたのですが、ある日、来館した児童がカメのぬいぐるみを吹奏の硝子越しに見せたことをきっかけに、ほぼ一日中、硝子に向かって突進し続けて、それでも飽き足らずに高いところへよじ登っては水槽の周りにいる人たちに手を振る、ということを繰り返しているのです。恋の季節、なのでしょうか。

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 今日は10月13日。もう30寝ると、神戸ペンショウ2022開催なのです。職場の同僚達から、萬年筆のイヴェントって何してるんですかとか、そこであなたはどんな感じで過ごしているのですか、などと聞かれたのですけれど、まぁ、百聞は一見にしかずです、とだけ答えておいたのです。一片どんな感じなのか見てみたい、などとおっしゃるので、神戸ペンショウのことも紹介したのですけれど、何の予備知識もない人が、いきなり参加しても大丈夫でしょうか、なんてことを逆に聞かれました。結論から言うと、何の問題もありません。大丈夫です。

 神戸ペンショウに限っていえば、入場料500円をいただいてお買い物を楽しんでいただく、ということが中心になりますが、何も買わないで見て回るだけなのに500円払うっていうのもなぁ・・・と毎年、たまたま北野工房のまちへ来た人たちから会場入り口で聞かれます。これも、結論から言いますと、文房具に興味のある人なら、500円はお得なのではないかと思います。

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 この写真のようなヘンテコなもの(黄色いのは除く)は、神戸ペンショウにはあんまり出てきません。もっと煌びやかなもの、実用的なもの、今まで必要性を感じていなかったけれど、とにかく買って帰りたいと思ってしまうもの。そういうものが会場内にあふれるほど並んでいますので危ないといえば危ないのです。じゃいっそのこと、十畳量の500円だけ握りしめて、お財布は会場の外にいる家族や友人に預けて中に入る、という捨て身の作戦に出たとしても、今度は出展している人や同じようにペンショウに入場した人たちとの会話が弾んでしまって、やっぱり500円は無駄ではなかった、と思ってもらえるだろうと考えています。

 ここ数年、多種多様なインクや、作家さんが丹精込めて創り上げられた商品というよりは作品というべきガラスペンなどが人気を集めており、それらを求める方がたくさん来てくださることで、入場制限をしながらの開催とせざるを得ない状況です。そして今年も、おそらくそうなるものと考えております。開場前に入場整理券をお配りして、番号順に粛々と入場していただく、ということになります。

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 昨年は、開催前夜から整理券配布予定の場所付近で野営された方もあったとか。もはや神戸ペンショウは新型iPhone発売の日に並んだのか、と喜んでいるわけにはいきません。整理券をお配りした最後の方が入場されたのはお昼を過ぎてからのことでした。今年は、早くから会場付近でお待ちになられても意味がない、という形での整理券配布を考えています。

 同好の士に出会ったときに見せびらかすことができるように、とペンケース一杯に萬年筆を詰めて出かけるわけですが、それでも何本か追加で収められるように空きスペースを設けてあったり・・・・・佳い萬年筆との出会いがあることを期待して、ですね。

 Instagram、Facebook、Twitterで、ハッシュタグ #神戸ペンショウ で検索していただいて、あと一月をワクワクとお過ごしください。

2022年10月12日 (水)

本格始動

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 デレーっと寝そべる「ちち(仮名)」さん。彼女の腰のあたりにある、スカイブルーのポリゴン形状のものは、ストレートネックを是正するという触れ込みの枕。こいつを首の下に入れて寝そべることで、スマートフォンなどの画面を凝視しすぎて頸椎の「反り」がなくなってしまったのを治すのに役立つ、のだそうです。

 そう聞いて試してみましたけれど、実際にはジワジワと治していく、というようなモノなのでしょう。首の下にあてがっても、まだ隙間が空いているかのような感覚。ストレートネックならば首の後ろが枕に当たって当然なのですけれど、どうなのでしょうか。老眼で小さな画面は見にくいということもあって、少し込み入ったことがあるとすぐPCに逃げてしまうので、思ったほどスマホ首にはなっていないのかもしれません。

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 来月の今日は何の日か、記憶していただいているでしょうか。11月12日(土)と13日(日)の2日間、神戸・北野工房のまちを会場として、神戸ペンショウ2022を開催いたします。神戸ペンショウは、「第何回」と言わず、西暦年をつけております。2015から始まり、今年は2022ですので8回目の開催となります。

 主催者とその周りの人たちの努力により、もう大方の準備はできているのですが、私にも少しだけ役割分担というものがあります。開催に必要な物品を会場まで運び込み、閉幕後は保管して翌年に備える、というものです。コロナ禍で人が密集することを避けるべしという流れになって、さらにインクやガラスペンという、筆記具界隈の新しいムーヴメントも加わって、ここ数年、用意する物品も増えてきています。昨年いろいろと考えて新調したはずのコンテナが力不足であることから、懲りずにまたコンテナを購入したのです。

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 けっこう大きな折りたたみ式のコンテナ。昨年使用していたものは、言うなれば丈夫で小ぶりな衣装ケース、といった趣のものでした。形状の関係もあって、あと一息、というところでものが収まらなかったりして残念な思いをしましたので、今回は余裕を持ったサイズにしております。

 で、考えてみるとこれ、折りたたみ式である必要は全くないのです。このコンテナを使用している限り、1年のうち362日ほどは中にものが入っており、完全に空っぽになることはないのです。アホでした。

 このコンテナ、昨今のトレンドでしょうか、外装の一部に、宅配便の伝票をしっかり貼ることができるような表面処理が施されています。毎年神戸ペンショウには、前日準備、1日目、2日目と3日間、奈良から神戸へとクルマを飛ばして通っておったのですが、愛犬同様、寄る年波には勝てない、という感じが出てきて、「物品は宅配便で送って、自分は会場周辺のホテルに2日間泊まれば楽ちんだ!」という邪心が沸き起こっておさえられなくなりました。このコンテナも、主にその目的で購入したものなのです。

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 でもよく考えると、行きと帰りだけクルマを使って運べば、宅配便の送料など不要です。このくらいの大きさ、重さ、それも複数個となると、宅配便の送料も馬鹿になりません。そこで、せっせとこいつに物品を詰め込んでクルマで運び、浮いた分で少し佳いホテルに泊まって神戸の夜を満喫しよう、という、少し方向性の違う邪心にあらがうこともなく、素直に従ってしまいました。

 が、しかし、ここまでするのなら、いっそのこともう一つ同じコンテナを買って、現在段ボール箱に詰め込んである電源設営用の各種コード類を収納すれば、すっきりして取り扱いも簡単になることでしょう。これから1ヶ月の間、あぁでもないこぅでもないと試行錯誤しながらコンテナに物品を詰め込んで、神戸ペンショウ2022に備えたいと思います。

 秋は神戸で萬年筆、です。11月12日の神戸、ホテルの予約がやや取りにくいようで、かつ、けっこう強気なお値段が示されているようですが、今年は整理券の配布方法などを見直しますので、「とにかく朝早くいって早い順番をとって入場し、狙ったものをゲットする。」という作戦は通用しなくなりました。逆に言うと、朝早く並ばなくてもいい、朝早くから(過去には徹夜した人もいるとか)並んでも意味はありませんので念のため。今時、新型iPhoneの発売当日でもそんなに人は並ばないのですよ。

2022年10月11日 (火)

本来の目的は

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 いつもと違う場所で「仕方なく」眠っている「ちち(仮名)」さん。普段は食卓のすぐ脇にお気に入りのクッションをおいて貰って寝ているのですけれど、あろうことか、そのクッションの上で粗相をしてしまったのです。当然、洗濯するためクッションは没収。で、食卓から離れたところにおかれた、気分転換のためのクッションで寝ているのです。

 飼い主がそばに来るとササッと立ち上がって、じっと顔を見るので、このクッションを持ち上げて「正規の」場所に置いてやると、非常に嬉しそうな表情をして、そそくさと眠る支度である「ホリホリ」を始めました。やはり、眠るのに場所は重要な要素であるようです。

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 これは何か、と聞かれたら誰でも答えられます。鉛筆削りです。気の利いた学生なんかだと、ペンケースにこういう小さいのをしのばせていたりもします別にシャープペンシルで勉強したって何の問題もないのですけれど、鉛筆には鉛筆なりの良さもあります。そういうことがわかっている子は、鉛筆を手放さないようです。

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 これは無駄に大きな鉛筆削り。ピノキオの顔になっています。伸びた鼻の代わりに鉛筆を突っ込んで削ります。お顔の中は鉛筆削りと削り滓の収納スペースになっているのです。一発芸的な、これ、オモロイやろ、と見せびらかしたらそれでおしまい。実用性の面でも、特に使いやすいというわけでもありません。

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 使い込んでいくことによって、この白木が真っ黒になっていくのですね。そのうちその黒いのが外側にも広がってきて・・・ということになるのでしょう。だったらプラスチックでもよかったのですけれど、木工品ならではのぬくもりが良いのでしょうね。

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 大昔のアニメなんかに出てきそうなロボット。それも、相当融通の利かなそうな、そして簡単にバグってしまいそうな感じが出ています。昔はロボットというとこんな感じでした。もうちょっとマシなデザインのものが「サンダーバード」なんかには出てましたけれど、まぁ、ロボット、といのはこういう形にしておいた方がわかりやすいのでしょう。

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 胸の部分を開いて鉛筆を突っ込み、削るようにグルグル回していくと、何故かロボットの内部でゼンマイを巻くような音がして、前へ前へと歩き始めるのです。二足歩行ロボットというのは、ある意味、人類の夢でもあったわけですけれど、鉛筆を回しつつ綺麗に歩かせるのはなかなかに難しいことなのです。

 本当は、超高級な鉛筆削りが欲しいのです。そう、西班牙のアレです。でも、手に入れたとしても、多分使わないままホコリを被らせてしまうことになるんだろうな、と思いとどまっているのです。

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2022年10月10日 (月)

お掃除・イカれた人編

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 お母さん、どこ行っちゃったの、早く寝たいよぉ、おやつほしいのぉ・・・という「ちち(仮名)」さん。自分からケージに入るのは良いのですけれど、このまま扉を閉められてしまうと、おやつをもらえないまま「はい、ねんね」と言われてしまうので、安全(?)のため首から先だけ外に出しているのです。結局、お母さんは別の部屋に行ったきりだったので、本日は小っちゃい方のお兄ちゃんからおやつを貰って眠りにつきました。

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 現在では、大西製作所のアセテート、さくらです。色柄を気に入った妻が購入した萬年筆ですが、その際、せっかくだからインクもこんな感じの色で、とお店の人に勧められるまま、ピンク系のものを入れたのが運の尽き、だったのではないでしょうか。

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 塩ふいてます。別に赤色系統のインクでもかまわないのですけれど、どんな色のインクでも、長いこと放置して干上がってしまうと、こんな風に粉のようなものだけがペン先とその周辺に残った状態になります。これが頑固なインクだった場合、萬年筆がお亡くなりになってしまうこともあります。

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 すでにこんな、超音波洗浄機がおうちにある、という段階でおかしいのですけれど、まだこの機種ならば、老眼鏡や入れ歯の掃除に使うのだ、という言い訳もできます。とりあえず首軸だけドボンと放り込んで洗浄してみましたが、さほど効果はなかった様子。すでにコンヴァータに洗浄液を吸い込んでしばらく放置したり、そのまま文字を書くような動きをしたりというようなことは済ませております。

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 結局、こんなことになってしまうわけです。首軸内部とペン先の裏側をこすった綿棒も添えて。今回はペン芯の溝をさらうようなことはしなくても済みました。まだ軽症だったわけです。問題は、こういう掃除を覚えてしまうと、どんな状況でもまずはバラして綺麗に、などと思ってしまうことでしょうか。よほど変なインクを使っていたとか、前に入れていたものより薄い色のインクに入れ替えるとか、そういうことでもない限りここまでする必要はないのですが、これをやると気持ちがすっきりするわけです。これをヘンタイというのでしょう。

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2022年10月 9日 (日)

お掃除・廃業した人編

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 本日もよく眠っている「ちち(仮名)」さん。飼い主が一日家にいるときは比較的落ち着いています。我慢強い柴犬ではありますが、やはり家人が家にいないのは寂しいものなのでしょう。お婆さんになって体力も落ち、そんなに遊べなくなっているのですけれど、家人の姿を見ると誰彼なく遊ぼうアピールをしてくるのも可愛らしいところです。

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 我が家でお片付け、お掃除をしていると必ず出てくるのがこの手のペン。採点ペンというもので、萬年筆と同様の構造を持ち、カートリッヂも同じものが使えますが、ペン先はフェルトペンと同じようなものになっています。特に右端のものは今でも現役なので、全国どこの学校に行っても目にすることができます。私はこのペンで採点をするときの、フェルトチップで紙をこする音と感触が好きではなかったので、何人もの調整師さんに無理を言ってマル打ちができるように調整してもらった萬年筆を使うことが多かったのです。

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 ハードに使い倒されるので、すぐに先端部のチップが潰れてしまいます。現状、セイラーやPILOTの製品は見かけないようですので、撤退したのでしょうか。どこへ行ってもみんなプラチナです。一時期、これにつ買う赤インクのカートリッヂが品薄になって大騒ぎになったことがありました。けれども、私の周りにいた中学校の先生達は、ほぼ例外なく標準で付いてくるカートリッヂを使わず、萬年筆用の赤のカートリッヂを使っておりました。なんでも、その方が綺麗な色のマルが打てるから、なんだそうです。

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 この透明軸のヤツなんか、クリップの形が妙に凝っています。だいたい、こういうのを使う先生という種族は、胸ポケットさえないような非常にカジュアルな服装をする人が多いので、こういうところに凝っても意味なかろうと思います。メーカーもそう思ったのか、このタイプは早々に廃盤になりました。

 マル打ちっていうのは楽しそうに見えるようで、子どもたちが「やらせて!」と寄って来ます。でも実際には非常に辛く退屈な作業であり、なおかつ、間違いの許されない作業でもあるわけです。そして、マル打ちのあとに待っているのが採点。これまた難儀な作業であり、特に観点別評価なんてものが導入されてからはさらに難易度が上がっております。教員志望者が減り続けている、っていう原因のひとつかもしれません。

2022年10月 8日 (土)

お掃除・普通の人編

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 お顔をモフッと食い込ませて眠る「ちち(仮名)」さん。今日は本当に眠たかったようで、割と早い時間からきゅんきゅん言いながらお母さんの後ろをついて回っておりました。眠たければ勝手にケージに入って寝れば良いのですけれど、「ハウス」→ケージに入る→おやつを貰っておやすみというルーティーンが彼女の中で確立されていて、それを崩すことはできない(許せない)のでしょう。特におやつ。

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 お母さんとお姉さんは、そんな「ちち(仮名)」さんを適当にあしらいながら、食卓の脇に置かれた棚の中味を大掃除。とりあえず、と手近な箱に放り込んだものをいったん取り出して整理していくのですが、コレは捨てよう、というものがけっこうたくさん出てきます。そんな中、これは何、とお姉さんが撮りだしてきた1本。お母さんが高校入学時に親戚からいただいたという萬年筆です。

 私たちの世代は、中学や高校、大学に入るタイミングで腕時計か萬年筆をプレゼントされる、というのが普通でした。「中学生時代」等の雑誌には、新学期特別号の付録として、普及品の萬年筆がついてきたものです。

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 長い間、プラチナの黒インクカートリッヂが挿さったままになっていたので、とりあえずカートリッヂを抜き、ペン先に何度もぬるま湯を通して洗浄を繰り返した後、ペン先を拭き取ったティッシュペーパーにはインクの色などかけらもなかったのですが、念のためローラー&クライナーの洗浄液を空きカートリッヂに詰めて装着。しばらくおいてから、おもむろに文字を書く真似をしてみるとこんな状態でした。

 つい先ほどの、もう綺麗になった、という状態はどこへ行ったのでしょう。不祝儀の表書きができる程度の薄墨色で、しっかりと書けます。

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 これはこの状態で一晩おいて、また文字を書いて、おなじみ、プラチナのお掃除キットなどで掃除をするのが良いでしょう。胴軸を装着しなくてもよいので、手元にあるコンヴァータを装着して何度も給排水を繰り返す、というのもやってみましょう。普通の人ができる萬年筆のお手入れとしてはこんなところです。ライニガーを使うところを、プラチナのお掃除キットに置き換えるだけです。

 何となく弄っていて気づいたのですけれど、クリップはしっかりバネ式なのですね。この時代の萬年筆、普及品といえども侮れません。

2022年10月 7日 (金)

osanokenji

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 餌鉢の上に乗り、手足を伸ばしてくつろいでいる「まりりん(実名)」さん。まさしく「亀の子」状態なので、この後どうなるのだろうとじっと見ておりましたら、さらに手足を伸ばして難なく脱出、ぽちゃんと水の中へと戻っていきました。一説によるとカメはワンコ程度には人間を認識できるといいますが、果たして最近は飼い主の手の上にのっても首をすくめることもなく、むしろ長く伸ばして周囲を睥睨しております、実に可愛い職場のアイドルなのです。

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 エーデルシュタイン、それも赤系統のインク。誰がこんなものを我が家に持ち込んだのだろう、と首をひねるばかりですが、そんなの他にいる訳がありませんので、自分自身が持ち込んだものでしょう。けれど、色彩雫シリーズで懲りたので、もうインクは増やさないと決めておりますので、なんでこんなのがウチにあるのか、それが謎です。記憶にございません、というわけです。

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 ペリカンのど定番、ロイヤルブルー。万年筆にはこれを使っていれば安心、のインクなのですけれど、変なモンが好きな私はむしろ避けてきたとも言えます。そもそもこのインクで書いた文字は、そう遠くない将来、読めなくなる可能性も高いのです。どんな水性インクでも、それがペンにとって安全なものであればあるほど、書かれた文字は消えて行きやすい、とも言えます。だからといって顔料インクを使うのは、私のような不精者にとっては自殺行為です。もっと大切なことは、どっちにしろ自分は、たいしたことを書かないので、インクなんてどうでも良いのです。

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 ステンレス製のインク入れ、のはずでした。もし本当に、これをインク入れとして使っている人がいるなら、そのお使いになっているところを見せていただきたいものです。精密そのもの、加工精度が高すぎるので、蓋をかぶせるとゆっくりと侍従で沈んでいきますが、今度は開けるのが大変です。

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 あともう少し。下まで降りきったら、ネジになっていますのでくるくると。それを逆にやるとしたら・・・。加工精度が高いため、なかなか蓋の部分を引き抜くことができません。で、力を入れて引き抜いたらどのような惨状が待っているのでしょう。

 我が家では、妻が漢字検定1級に挑戦する際、テキストを開いておく重石として使っておりました。インクを入れた記憶はございません。書斎なんてものを持っている偉い人が机上にこんなものを置いてあると、暴漢に襲われたときに凶器として使われてしまうでしょう。いずれにしても危険な逸品なのです。姿形は、実に美しいのですが。

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2022年10月 6日 (木)

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 写真を撮られても気づかないほど熟睡している「ちち(仮名)」さん。朝夕のお散歩で排泄できず、日が暮れてからきゅんきゅん鳴きだしたとのことで、再度のお散歩。それでも望みは叶わなかったのですが、お散歩から帰ってきたところで帰宅してきた飼い主と遭遇、体中あちこちをなでさすられたところ、玄関へと上がる階段を上りきったところでめでたく・・・となりました。すっきりしたので、快眠なのです。

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 ムーアのフィンガーチップ、96B萬年筆です。全体を見ると、黒いセルロイド製の古いペン。クリップの処理が少し特徴的かな、という程度なのですが、キャップをとると少しびっくりさせられます。たまたまオークションサイトで見かけて、そのペン先の見た目だけで手に入れたものです。あまり知られておりませんが、私、実は「変なモン」が大好物なのです。だから、トヨタの車はものすごく良くできていると誰よりもよく知っているけれど、トヨタの車は絶対に買わないぞと決めているのです。たまにレンタカーなどで乗ったりすると、心底惚れ惚れするのですけれど、それでもトヨタの車は買いません。人に相談されたら、「悪いこと言わないからトヨタにしなさい」とは言うのですけれど。

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 まぁ、これですから。首軸はステンレス。削り出しじゃないか、という説もありますが定かではありません。そこにがっちり埋め込まれたインレイドニブは、確実にシェーファーのそれよりも堅いです。世の中にこんな固いペン先ってあるのか、というほどに固い書き味です。その割にはインクが良く漏れるとも言われています。首軸とペン先との隙間から漏れる、けっこうフローは良いので切り割りからドバドバ出る、ということで、キャップを開けると必ず手が汚れるという個体もけっこうあったようです。そして、こんなヘンタイなペン先なのに、しっかり「ハート穴」であるところに時代を感じます。

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 残念なことに、長いこと放置しておいたのでサックがダメになっておりました。自分では交換する技術も道具もないので、いずれどなたかにお願いして書けるようにしていただこうと思っております。紹介し遅れましたが、もちろんこれ、レバーフィラーです。この個体がいつ頃のものなのかは不明ですが、モデルとしては、日本がアメリカその他の国との戦争に負けた頃には、もうこの世にあったものです。セルロイドにしては軸もキャップも痩せておりませんし、ペン先はそのヘンタイな形のせいでしっかりしております。復活させて、バリバリ使うのも面白そうです。

2022年10月 5日 (水)

高級品

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 ねぇ、何かおいしいもの作ってるんでしょ、とお母さんを見上げている「ちち(仮名)」さん。決して広くはない台所で、忙しい夕食の支度をしている最中に足下でウロウロされると本当に邪魔ですし、お互い危ないのですが、彼女にとってはワンチャンス狙い、ひょっとしたら文字通りのおこぼれがいただけるかもしれない、と期待しているわけです。こういうところは、歳をとってきても全く衰えを見せません。

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 これまた生前整理中にひょっこり出てきたもの。このブランド、萬年筆はおろか、本業(?)のボールペンでさえ、1本も持っていないという自信があったので、このケースを見たときにはちょっとびっくりしました。

 おそらくは、かつてWAGNERの集まりで開催されていた迷惑じゃんけん大会で勝ち取ったもの、あるいはどなたかにいただいたものと思われます。ま、今でも萬年筆系の集まりに行くたび、何やかんやといただくことが多くて、恐縮しておりますけれども・・・。

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 蓋を開けてみるとこんな感じ。この時点で、万年筆でもボールペンでもないことが確定です。クロスのボールペン、ちゃんとしたビジネスマンなら1本は持っているべき、なんてビジネスマナーの記事を読んだこともありますが、そんなに良いものなんでしょうか。私はものの善し悪しがからない田舎者ですし、そもそも、良いもの、ってどういうものかすらよくわかりません。

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 メカニカルペンシル本体と、長い方の筒は替え芯、そして驚くべきは、短い方の筒。これ、変え消しゴムが入っています。こういうのを見て、あぁ高級品って凄いなぁ、と思うわけです。私などはきっとどちらも使うことなく、何度か内ポケットに本体を挿して持ち歩いたところで行方がわからなくなっておしまい、になりそうです。

 それにしてもこの色。もともとは金ピカだったと思われるのですが、少し赤みがかるというか、萬年筆のペン先がエボ焼けしたような色です。この色が大好物なので、結局、使わないで眺めているだけ、になりそうです。

2022年10月 4日 (火)

強くはない

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 甲羅干しを兼ねたお散歩に(無理くり)連れ出された「まりりん(実名)」さん。室内で飼っており、紫外線ライトなどを当てていないので、天気の良い日には10分ほど陽の当たるところで過ごさせるようにしています。毎日のように掴まれて運ばれるので、私の手に慣れてきたようで、手の上でビュッと排泄されたりするようになりました。可愛い子です。

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 安売り、いや投げ売りされていたので買ってみました。ドライバといえばここ、というべきヴェッセルから登場の、電動でも動くドライバです。

 ホームセンターで組み立て式の家具を買ってきて組み立てる、なんてときに使うと便利というか、手が楽になりそうです。

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 教員だったときに、生徒たちには「ドライバは回すんじゃない」とよく言ってました。ドライバを使い慣れてないと、回すことにばかり気持ちがいってしまい、結果としてねじ山を潰してしまうことが多いのです。

 ならばどうするか。手のひらの真ん中にドライバのお尻をあてがい、そのまま握ってから、グッと押すような力をかけつつ回すのです。並べてみた同じヴェッセルのドライバ、やっぱりお尻が丸くなっています。

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 お尻にUSBの口があるので、ここから充電して使います。ケーブルとの相性はかなりシビアで、これより電気を食う製品が充電できるようなケーブルを使っても、全く充電できなかったりします。

 後、電動だからと過度な期待はいけません。あらかじめネジ穴があるものに対して使うように作られていますので、木にタッピングビスを捩じ込むような使い方はできません。そんなトルクはないのです。機械やPCの分解、組み立てなんかが最適な用途でしょう。

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2022年10月 3日 (月)

化けの革

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 もう、酔い潰れて寝ているオッサンとしか言いようのない「ちち(仮名)」さん。若い頃からその片鱗はありましたけれど、昨今はひときわその感が強くなって参りました。ワンコの寝姿というものはカワイイものですけれど、これはただのオッサンに過ぎません。

 この子は小さな頃、ケージの柵に前脚をかけて立ち上がり、何度もジャンプをしてから排泄をする、という癖がありました。クセと言うより、そのようにしなければ排泄できなかったのだろうと思います。歳をとった今、お散歩に連れだしても排泄をすることなく家に帰ってきて、毛並みを整えるブラッシングの刺激で排便、なんてことがちょくちょくあります。ワンコも歳をとると、赤ちゃん返りするものなのでしょうか。

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 その昔、まだ妻と一緒に毎週神戸に遊びに通っていた頃に手に入れた1本。妻のものなのですが、何故か私が革巻きをする実験台になってしまいました。その当時、ル・ボナーで扱い始めたばかりの素材であった黒桟革という革を提供していただいて、あろうことか私自身が革巻きに挑戦したという、歴史的な1本なのです。

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 キャップも胴軸も白い萬年筆。白いのは綺麗、という理由で妻が買ったものですが、いかんせん鉄ペン。その当時は、WAGNERの会合でも、師匠は鉄ペンの調整をしてくださらなかったのです。インク止めとかアイドロッパーとかは萬年筆と認めん、鉄ペンは調整しない、なんて尖ったことをおっしゃっていた時代なのですが、現在は萬年筆趣味の裾野を広げるべく、いろんな分野に手を広げていただいています。この萬年筆も、購入したお店で調整して貰ったものですので、筆記角度その他は妻に合わせたものになっています。

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 クリップとペン先には、PLAYBOYのウサギさんの刻印があります。鉄ペンではあっても、これ自体しっかりとしたコンセプトで造られたペンなので、そのままの状態で保存してあったならばそれなりに価値が出ていたのかもしれません。胴軸やキャップに両面テープで革を貼っていって重なったところをカッターナイフで切る、という方法ですので、今、この革を剥がすと、カッターナイフで掘られた溝が残っているはずです。ですので、これはこの先もずっと革を巻いた状態で使い続けていくしかないのです。

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 日本で三番目に不器用な私がやりましたので、仕上がりもそれなり。苦労して合わせたはずの継ぎ目も、時間がたつとこの通りめくれ上がってきています。いかにも、「貼りましたよ」という仕上がり。プラチナ・シープは職人がいないという理由で廃盤になったそうですが、このような寸胴な軸に巻くのですら難しいのですから、連続的に太さの変わる軸などに巻いていくにはさらに高度な技が必要になるはずです。

 そして、この萬年筆、どうやらラヴレターインクを呑ませていたようですね。しっかり洗浄しておかなくてはいけません。

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2022年10月 2日 (日)

大先輩

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 ケージの柵に食い込むようにして、こちらをじっと見る「ちち(仮名)」さん。飼い主がまだ小学生だった頃、「ペス(実名)」さんという雄犬を飼っていたのですが、ある日、お散歩の最中にノーリードで散歩中の土佐犬に遭遇。3倍ほどある体で襲いかかられて、背中に噛みつかれ、もううちの犬は死んだ、と思いました。相手の飼い主はニタニタ笑っているだけで謝罪も何もなく、「さぁ、行くぞ」と土佐犬を連れて去って行ったのですが、半泣きになって家に帰り、子細に点検しても、「ペス(実名)」さんの体には傷ひとつなかったのです。あまりにモフモフだったので、阿呆な土佐犬は毛の部分を噛んだだけ。道理でうちの犬は平気な顔をしていたわけです。

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 箱の中に転がっていたSWANのレバレス。恐らくは私より年上の萬年筆です。英国マビートッド社の萬年筆は、JACKDAW(ジャックダウ)、KIWI(キーウィ)、BlLACKBIRD(ブラックバード)、そしてSWAN(スワン)という4階級(?)の製品を出していたそうで、このSWANは最上級ラインの製品だったそうです。

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 軸やキャップの素材はセルロイドなのかとも思いますが、それにしては痩せておらず良い状態。もともとの素材の質や現在までの扱いなどで、大きく変わってくるところなのでしょう。軸には社名やモデル名などが彫られており、文字に入れられた白いペイントも残っています。私の手元にあってはいけないような、状態の良いヴィンテージ萬年筆なのです。

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 お辞儀をしているニブ。柔らかいと言うより、よく撓るという感じの書き味です。これだけお辞儀をしているので、撓りますけれど堅いタッチであり、ヘロヘロな書き味ではありません。ペン芯がインクを保持する能力もなかなかのものです。

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 特徴的なレバーレスの吸入機構を持ちます。尻軸をまず左にひねっておいてペン先をインク瓶につけ、しかる後に尻軸を元に戻すと、けっこうな量のインクを吸い込んでくれます。雑巾を絞るような感じで、中のインクサックをひねっているのだそうです。今も生きています。持ち歩くのはさすがにアレですので、インクを入れて家で使おうか、などと思うのですが、そもそも、いつ何のために字を書くねん、という人なので、使う機会はなかなかなさそうです。

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2022年10月 1日 (土)

オリンピック精神

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 あら、帰ってきたのね、と迎えてくれる「ちち(仮名)」さん。本日は少し気温が高めなので、ハァハァ言ってなかなか寝付けないようです。飼い主はWAGNER中部地区大会に参加して、閉会後は偉い偉い先生とご一緒しておりましたので、帰途は新幹線を奢って何とか帰って参りました。多分「まりりん(実名)」さんの水槽はえらいことになっているんだろうなぁ、と思いつつ、呑んでしまっているので職場までクルマを飛ばすこともできず、本日はおとなしくおうちでネンネです。

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 ア、アレやね、と思う人もいることでしょう。ここでキャップをおもむろにお尻にくっつけてくりくりくりっと回すとペン先が現れるのですがドイツ製の高級なペンではありません。今はロッテリアのマークを誇らしげに掲げた高級車を造っているメーカーも、かつては自動車ショー会場に巻き尺を持ち込んで海外メーカーのクルマの寸法を測っていたといいますが、おそらくこのペンも、ドイツ製のお高いヤツをバラバラに分解して細部まで忠実に再現することでできあがっているのだろうと思われます。

 で、そこは米粒に般若心経を書いてしまうような人がいる国ですから、とにかく器用。下手すると本家よりいいのではないか、と思われる仕上がりに驚愕です。

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 本日のWAGNER名古屋、とりあえず、来年度の開催も決定したようです。次世代を担うべき萬年筆ヘンタイの皆さんは、ぜひこういった会合に参加して知見を広め、人の輪をつないでいって貰いたいと思います。私自身、右も左もわからない人でしたけれど、そういうことを積み重ねてある程度は萬年筆についてわかるようになってきました。

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 色の付いた石をクリップに取り付けるところまで、しっかり再現してあります。本家でこういう、キャップが黒でないもの、或いは全体が黒でないものを買おうとすれば、中古品(今はそれしかないでしょう)でもかなりのお値段がいたします。しかも、実用性に関しては「?」マークが付くような萬年筆です。けれどもこのコピー品は、ここまでできるんだったらもっとクォリティを上げて、もうこいつがオリヂナルなんじゃないかと後世の人に思わせるほどに精進していただきたいものです。

 そうそう、このペンはどうしたのか、といいますと、会場内でいただいたのです。そういうこともありますから、特に若い方は、お近くで開かれるWAGNERの会合には参加する、と決めておいて損はないと思うのです。

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