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2022年9月24日 (土)

挿せない

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 夜半に目を開けて何事かもの想う「ちち(仮名)」さん。こういうときは、飼い主が近くに寄っていっても、特に反応することもなく、やがて何事もなかったかのようにガクッと頭を落として再び眠りに堕ちるのです。

 健康のためには最低7時間は眠りましょう、なんて言われるのですが、飼い主の場合、ほぼ5時間で目が覚めてしまいます。草木も眠る丑三つ時といわれる時間帯までに床に入ることは滅多になく、下手をすると新聞配達のバイクの音を聞きながら眠りにつくこともあります。どのようにしたら7~8時間、ノンストップで眠ることができるのか、目下の飼い主の課題はその一点なのです。

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 何の関係もなさそうなPILOTのRomanyと、LAMYのSAFARI。この2本には、意外にも初心者を惑わせる共通点があるのかもしれない、というのが本日の駄文のテーマです。

 いわゆる特殊合金ペン先を持つRomancy、この小ささでお値段5000円というのも凄いと思いますが、外装にはけっこう手がかかっています。お洒落な女性がバッグから取り出してちょこっとサインをする、というような用途にはぴったりなのかと思います。一方のSAFARIは、いわゆる「おとこニブ」です。くっきり「漢」と彫られた、それでいてハイレグカットなペン先をもつ1本。漢字を書くのに最適なペン先、といいますけれど、ホンマかいなと思います。もともとガッチガチのペン先、その穂先を少し細くしたぐらいで、そうそう変わるものではない、というのが私の出した結論。上手にペンを操ることのできる人ならば、綺麗な止め、はねを表現できるのでしょうが、そういう人はボールペンで書いても綺麗な文字になるはずです。

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 Romancyで問題となるのがこの槍の部分。通常はこの部分がぐるりと取り囲む筒状のパーツがあるのですが、軸を細くするためにそれが省かれているのです。いかにも槍という感じで飛び出した部分にカートリッヂをあてて、ガイドなしでグイッと押し込む必要があります。初めての人にはやや難しいのではないかと思います。

 一方で、使う人に優しいというか、使う人を全く信用していないというか、そういう設計なのがSAFARI。萬年筆の同軸内にカートリッヂが収まった状態で手元に届くので、胴軸を一旦とり外して、Removeと書かれている段ボールの小さな輪っかを取り除き、しかる後に胴軸をねじ込んでいくと、何もしなくてもカートリッヂが槍に挿さるようになっています。

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 先日の名古屋での宇宙遊泳、某ブースにて、5本用意されていたこの「おとこニブ」が、あっという間に売れてしまいました。そして、お買い上げになった方の中には、どうやったらカートリッヂを挿すことができるのかわかりません、というかたもいらっしゃいました。

 ここは難しいところで、そんなもん、失敗しながら自分で学んでいったらえぇねん、と突き放すこともできますし、そこで失敗して、何クソと再度萬年筆なりカートリッヂなりを購入して頑張る、となってくれたら、萬年筆を取り巻く業界が潤います。けれど、ほとんどの場合、そんなに面倒臭い、訳わからんもん、二度と使わん、となってしまう可能性の方が高いのではないかと思います。長いこと放置しておいた結果インクが干上がってしまった萬年筆を、ぬるま湯でゆすいでインクが通るようにしてあげると「凄い技を持ってる!」と騒がれてしまうのが現状です。まだまだ、萬年筆を取り巻く状況は、地道で丁寧な「布教」が必要であると思ったことでした。

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コメント

合理的なドイツブランドの中でもラミーは特に合理的メーカーだと考えていましたが、まさかコストの掛かる特殊ニブを作るとは…ラミーの「漢」振りが感じられる良い萬年筆ですね。

 すいどう さん

 噂によるとこの「漢」ニブ、ダイアログなんかにも用意があるとか。それが本当ならば、金ペンバージョンが存在するってことで、それなら期待できるんですが・・・。

 ドイツそのものが中国べったりなことに加えて、やはり購買力が高い国っていうこともあるんでしょう、このところLAMYは中国市場にばかりフォーカスしてるかのような印象もありますね。

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