すすまない
食卓の下ではなく、食卓に座る人を邪魔するかのように椅子の手前に寝そべる「ちち(仮名)」さん。家人はこの難儀なワンコをまたいで椅子に座り、何事もなかったかのように食事をとるのです。
食事をしている人が飼い主または長男であった場合、彼女は食べ物の匂いからおいしそうと判断すれば「ください」と鳴き始めます。他の3人が食事をしている場合、この人たちにおねだりをしても無駄だ、と知っているので、一応期待に目を輝かせつつ見つめてはいるものの、声を上げることはありません。
机の引き出しから出てきた中屋。個人的に「よりカス」と呼んでいる1本です。もう10年以上前に、さる萬年筆専門店で目にとまったもの。店主が考えた仕様で何本かオーダーしたものをお店に並べて置いたら、この軸にこのペン先なら買う、などというお客が来たのでご要望にお応えしたところ、そういう変な客が何人も来て、最後に残った1本分のパーツを組み上げたものがこれです、ということでした。
大好物の溜塗。使っているうちにだんだんと・・・ってことなのですが、大事にしすぎてまったくと言ってよいほど使っていないので、いまだに上塗りが少しも剥げず、新品時に近い状態で小傷だけが増えている、という感じです。
もうひとつ、クリップとペン先、ともにルテニウム仕上げなのです。聞けば、船客たちはみな、黒いクリップやペン先を喜ばなかったので最後まで残ってしまったのだとか。いや、大好物です。私が来るのを待っていてくれたんですね、などと妻のいる前で口走りつつお買い上げでした。
はい、このとおり。まだまだです。というか、お店に並んでいるのに近い。小傷も増やしながら、こすれて下地が出てくるまでしっかり使ってやりたいものですが、問題は私がほとんど手書きをしない人であること。ちょっとしたメモですらPCに打ち込むような奴ですから、この先も、このペンが成長していくことはないのでしょう。
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