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2022年7月13日 (水)

凄み

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 何してるの、とこちらを見ている「ちち(仮名)」さん。飼い主が萬年筆をどこかに置き忘れてあっちこっちと探し回っているのを見て、私、もう寝たいんだけどなぁ、とでも言いたげな表情です。確かに、飼い主が捜し物をするために部屋の電気が煌々と灯っている状況ですから、寝るのには明るすぎるのでしょう。何より、私のことでもないことに、何でそんなに一生懸命になってるの、ということなのだと思います。

 結局、捜し物は見つかったのですけれど、その過程でもう少し面白いものが見つかったので、本日はそちらでいきます。

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 いや、たいして面白くもないです。一昔、いや、二昔も三昔も前の事務員さん、あるいは現代の学校の先生が使っているようなペンです。学校のICT化、DXっていうんでしょうか、そういうのは全くといってよいほど進んでいません。私ができないのに、何で進めるのっ、って真顔で反対する先生が山のようにいるからです。私は腹黒くて意地悪な校長だったので、なんだかんだと誤魔化して、ふと気づいたときにはICT機器とその利用者に周りをすっかり包囲されていた、という状況に持ち込みましたので、ある程度は進めることができました。遠くから見ていますと後任者もしっかりとその方向で進めてくれているようです(ただし、私と違って、人間的には凄く真面目で清廉な、立派な人です)。

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 ヒゲ生えてます。紙の上のホコリとか、そういうものをどんどん巻き込んで、常にこんな状態なのです。時折このヒゲを取り除かないと、実に芸術的な、榊莫山先生みたいな文字を書いてしまいます。それでも、ヒゲを取り除く方法はティッシュペーパーでシュッと拭き取る、ですので、本当にヒゲを取り除いているのか成長させているのか、やっている本人にもよくわからない世界だと思います。

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 文字を書くことを止めてからすでに3年ほど経っていますので、固形化したインクもべったりとくっついています。その昔、二右衛門半に続く者として彗星の如くデヴューした広島半氏(正しいハンドルネームは、羅焚屋)が、これ、お気に入りで毎日使っているんです、と親方に見せた萬年筆がこんな状態で、登場したその日に親方にシバかれるという輝かしい足跡を残したという故事を思い起こさせる1本です。

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 こちらは意図せずペン先全体が朱に染まってしまったもの。生徒の書いてきたものにコメントをつけたり、起案文書に朱を入れたりと毎日毎日酷使していたらこうなりました、という1本。インクが固まってしまってどうにもこうにもならないので使用するのを止めたものだそうです。

 そのときに一言、何とかなる? と言ってくれたなら、ぬるま湯につけること一昼夜で何とかなったのではないかと思います。実際、萬年筆に詳しくない人たちに対して、インクの固まったペンを一晩水につける、ということをやりますと、魔術師か何かのように賞賛されます。

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 これもエグイです。すぐにでもお風呂に入れてあげたいところ。けれどもお風呂には先客がいて、それがまた長風呂なので、本日の2本に順番が回ってくるのはかなり先になるのではないかと思われます。

 先日、これから使い倒してやろう、などと言っていたオプティマ、軽く洗ってみると紫色のインクがドバドバ出てきて、いくら洗っても綺麗になりません。超音波洗浄機にもかけ、それなりの洗浄液も使っているのですが、なかなかしぶといので、しばらく湯治していただくことにしました。色水が出なくなる日は来るのでしょうか。

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