原点

なかなかベストなお布団が仕上がらず、苛立つ「ちち(仮名)」さん。しかしながら本日は、いつものようにキュンキュン鳴くこともなく、ひたすら無言でお布団の成形に励んでいます。
飼い主は本日、久しぶりに妻とお出かけをしましたが、いいお天気の中、結構な距離を歩いたので、二人とも少々疲れて、帰宅したらお昼寝、という状態でした。歳ですね。
ステンレスの軸に、ステンレスのペン先。そのブランド名を除けば、何ということもないペンです。嫌らしい言い方ですか、私もある程度の数の萬年筆に触れてきましたので、今更手にしても、というペンです。けれど、見かけたのであえて手に入れました。
まだ高校生だった頃、もらったお年玉を握りしめた私は、今は亡き(名前は残っていますが)ダイエーというスーパーのショウケースを見つめていました。銀色に鈍く輝くそれに、私は心を掴まれていたのです。
しかし、かなり思い切って手にしたそのペンは、カリカリというよりはガリガリ、インクはほとんどでない、というひどい代物でした。ペン先とペン芯との間に細い針金を入れて擦ってみたこともあります。結局、あまりの使いづらさに放置した挙句、どうなったのかもわかりません。
今の妻と付き合っていた時、妻のお母さんの「彼氏」から、萬年筆をあげるから取りにおいで、と招かれたことがありました。今にして思えば、この先のことをなかなか決めようとしない私に業を煮やして、ということだったのだと思います。で、その時にもらったのは、奇しくも同じペンだったのです。鉄ペンと金ペンの違い、いや、そもそも金ペンの存在すらも知らないほどの私でした。またこれか、という思いで、ろくに使うこともなく、結局、行方不明になりました。
認めたくはない若さゆえの過ち。それを思い出させてくれる一本として、今回、あえて手に入れたのです。おそらく常用することはないと思いますが、きれいにお掃除して、しばらくの間は手元に置いておきたいと思っています。
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