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2022年1月27日 (木)

正統派

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 パトロール中の「ちち(仮名)」さん。昼間はほとんどの時間を寝て過ごしているのですけれど、時折むくっと起き上がって、部屋の中を歩き回ることがあります。寒い季節でなければ、部屋と部屋との間、ドアやふすまが開け放たれていることも多いので、すべての部屋をぐるっと巡回して回りますが、この季節は締め切られていることが多いので、家族の誰かがトイレに立ったり、宅配便がとどいて玄関に出て行く、などというタイミングで「パトロール」に出ます。洗面所兼脱衣所なんて場所は、彼女にとっては最大の恐怖である「お風呂」に繋がる場所であるにもかかわらず、誰かが行くと必ずついていくのです。そんなとき、「ん? 何? お風呂はいるんか?」と聞きますと、それは違います、とでも言うようにきびすを返して寝床となっているクッションへと戻っていくのです。

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 仕事帰りにちょっと街に出て大きめの文具店や電器店に寄る、というような場合、帰りに駅頭でプチシュークリームを買って帰ることが多いのですが、そのとき、在庫があれば必ずエクレアも買うようにしております。この日はこれが最後の1個。きちんと買って帰りました。

 で、帰宅しますと、次男に見せながら、「これは絶対、お前にはやらん!」と威厳をもって宣言するのですが、そうすると次男は哀しそうな顔を作りながら、「えぇ~、くれやぁ~(泣)」と応える、これが我が家の決まりです。清く正しくまっとうな関西人となることを目指す、それが我が家の家訓。関西人虎の穴、とも呼ばれるほどの厳しさなのです。

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 どんぶりに卵三つ、といったら卵ご飯。間違えないようにあえて書きますが、卵かけ御飯ではありません。卵ご飯、です。最近、TKGなどという軽薄な略称とともに、もはや日本全土を制覇したかのごとき顔をしている卵ご飯というものがありますが、あえて言いましょう、邪道であると。TKGこそ本物、などと勘違いして、こういう会社すら出てきている始末です。実に嘆かわしいことです。誤解の無いよう書いておきますが、卵かけ御飯という食べ物があることを否定はしませんが、あくまで卵ご飯とは別のものです。私に言わせれば傍流の食べ物です。

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 一番大切なことは炊きたて熱々のご飯です。高級な料亭などでは、炊きたてのご飯の表面をすっとしゃもじですくい上げて茶碗によそったものを「ひとすじ」なんていって上客に出すのだ、などと聞いたことがあります。そんな高級なところには死ぬまで足を踏み入れることはないでしょうから伝聞に過ぎませんが、本当であるとするなら素晴らしいことだと思います。卵ご飯に使うのは、この炊きたてのご飯のみです。

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 どんぶりに割り入れた卵に、「おしょゆう」を入れてかき混ぜます。「お醤油」と書いて「おしょゆう」と読む、ここ、テストに出ますのでしっかりとおさえておいてください。先生が黒板に書いたらドンドンと叩くようなところです。

 で、ここから卵をかき混ぜます。最近、卵かけご飯用、などと称して卵を混ぜる器具も出ておりまして、卵のどろっとした感じがなくなる、と評判が良いのだそうですが、けしからん話です。実は我が家にもしっかり入り込んでいて、妻から「こんなんもあるよ」と提示されたのですけれど、おそらくはそれ、我が家きってのTKG派である長女によって持ち込まれたものと思います。やらせはせん、やらせはせんぞ、と固く強い意志を持って、お箸でかき混ぜましょう。

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 混ざってないやん・・・というのは、TKG派の人が言うことです。これを見たときの反応で、卵ご飯に忠実であるか否かがわかります。何とも哀しいことに、最近では黄身と白身を別に混ぜてからご飯の上に載せる、なんていうけしからん食べ物が、TKG進化形の名の下に勢力を増してきているようです。良くない傾向です。実に憂うべきことです。

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 味付け海苔。東京当たりから関西に来た人が驚くと言われるもの。「大阪ってさぁ、おむすびにちっちゃい味ついた海苔巻くんだね。」とか言ってカルチャーショックを受けている人、何人も見てきましたが、そんなこと言ってる人は富山県に行ったら即死してしまうことでしょう。

 海苔と言ったら味付け海苔一択。焼き海苔って、手巻き寿司パーティーとかするときに使うもんです。ちなみに富山県におけるとろろ昆布を巻いたおにぎり、私は認めています。

 小袋に入った味付け海苔を、袋に入ったまま、ぐちゃっと握って粉々にします。かつては手で直に海苔を揉んでおりましたが、揉む人の手もベちょっとなりますし、家族とはいえ衛生的にもあれなので、最近はこのように袋ごと揉み砕いて、それを卵ご飯に振りかけます。

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 正しくできあがりました。ちなみに、かんじんなところ、卵を溶いた中に熱々のご飯を投入して混ぜるところは、一子相伝の秘技でもあり、かつ、写真なんぞ撮ってる余裕はない、っていうぐらいに時間との勝負ですので、写真はありません。

 こうしてできあがった卵ご飯は、飲み物としていただきます。どんぶりいっぱいに卵3個の場合、ご飯はお茶碗で二杯分ぐらいでしょうか。うちの妻などは、せっかくおいしくできあがった卵ご飯にさらに白ご飯を足して「固くして」食べるという蛮行に出るのが常なので、閉口しております。卵ご飯には敵が多いのです。我が家では長男と次男だけが味方ですが、一子相伝の秘技の素晴らしさは認めつつも、「だが断る」と継承を拒否しておりますし、長女などはできあがった卵ご飯をおいしく食べるくせにしっかりとTKG原理主義だったりします。

 スタートレックTNGに、「超時空惑星カターン」というエピソードがありますが、私、この卵ご飯の記憶を探査機に詰めて宇宙に放ちたいとすら思っているのです。

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