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2021年11月

2021年11月30日 (火)

変な人

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 こたつの天板越しにでも、カメラで狙われていることを察知して警戒する「ちち(仮名)」さん。あまりに気持ちよさそうにすぅすぅ寝ているので狙ったのですが、近づいただけで気づかれてしまいました。

 こたつ布団の裾の方、ここに彼女が立つと、忠実なサーヴァントが布団の形を寝やすいように整えます。それをご覧になった彼女は、満足そうに体を落としてゆったりとくつろがれるのです。

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 食卓の真上に設置してあるシーリングライト、そろそろ管球の寿命が来ていて、チラチラするようになりました。この家に来てすぐに取り付けたものですから、もう25年ほど活躍してくれていることになります。最近では、これに合うサークラインを置いていないお店なんかもあるので器具ごと交換することにしたのですが、そこでまた、変なこだわりが発動してしまいました。

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 電気店の店頭でこういうのがたくさん並んでいるところへ行くと、まずお値段に目が行きます。今やほとんどがLED照明で、有名どころの電機メーカー以外のところがけっこういろんな製品を出しているのですが、そういうことより何より、その光り方に目が行ってしまうのです。

 LED照明なのに、素子の配置やセードの設計によって、まるで中にサークラインが入っているかのような光り方をしているものがけっこうあります。というより、それがほとんどです。つまり、写真のようなまん丸な見た目の器具で、白いセードが全体的に明るいのではなくて、この中に輪っかが入って光ってるんですよ、という光り方をしているものが大部分なのです。

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 それがあまり好きになれないので、全体的に、「面」で光っているように見えるものを探してこれになりました。さすが、天下の松下さんは、そういうお馬鹿なこだわりにも答える製品を出してらっしゃるのですが、いかんせんお値段が。こだわるくせに、いいお値段のものには手が出せないというので、選定は困難を極めたわけですけれど、なんとか希望に合うものがあって良かったです。この器具がへたる頃にはこの世にはいませんから、とりあえず安心です。

 

2021年11月29日 (月)

十一日後れ

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 巡視活動中の「ちち(仮名)」さん。彼女は一日のほとんどを寝て過ごしていますが、時折ガバッと起き上がっては水を飲み、各部屋を巡回して回ります。冬になり、部屋の扉も閉められたままということが増えて彼女の活動に支障が出ており、ふすまの前で「ワン」と一声、ここを開けなさい、と命じることもあります。そうやってリヴィングルームから台所、洗面所に玄関ホール、廊下から和室とぐるっと一周して戻ってくると、満足そうに寝床に収まってまた眠るのです。

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 11月18日にはこのペンに関して書こう、と思っていて、すっかり忘れて、もう11月が終わってしまうぞ、ということで、久しぶりにこのペンを引っ張り出してきました。写真のケースはホコリまみれでしたのできれいに拭き上げて記念撮影。立派な木製のケースに、世界一有名な鼠さんが描かれた合成皮革が貼られています。

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 蒸気船ウィリー号からはじまるストーリーを紹介したブックレットがドンと置かれていて、蓋を開けただけではペンは見えません。こういうものを買う人にとっては萬年筆などはむしろオマケで、そこに描かれている鼠さんが目的でしょうから、それでいいのです。

 写真が下手なのでよくわかりませんが、このブックレット、銀色の表紙は鼠さんのところだけくりぬかれています。

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 どこのどういうブランドのものなのか、この萬年筆をこしらえたのはどこのメーカーなのか、さっぱりわかりませんが、いろいろな情報からは軸が銀製で、ペン先は18K、そしてコンヴァータが附属しているということだけがわかっています。

 長いこと放置してあったものですから、だんだんと軸の色が金色がかってきています。この先さらに放置しておけば、真っ黒になっていくのかと思うと楽しみですが、これがはっきりと黒くなるまで生きているかどうか、と考えると、私が黒くなったこのペンを見ることはなさそうです。

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 このペンを持って字を書いている人を対面から見れば、一瞬、ペンの動きが止まったときなどに、ペン先に鼠さんが描かれているのを見ることができます。けっこう重たく、スムーズな書き味なので、個人的には好みの1本ですが、重たすぎると言って嫌う人も少なくないでしょう。ペリカンのM1000クラスのボディで、しかも重たい、というものですから好みは分かれます。

 久しぶりに対面したので胴軸をくるくる回して取り外してみると、コンヴァータが黒っぽい。これは、さっそく洗浄しなければなりません。

 

 

2021年11月28日 (日)

継続は力

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 何も言わず、お母さんのそばに来て眠る「ちち(仮名)」さん。本当はヨシヨシして欲しいのですけれど、お母さんにしつこくせがむと叱られるので、黙ってそばに寄ってくるだけで我慢しているのです。これが飼い主相手だと、目の前に見えている手を放っては置きません。鼻先で手をつついて、遊んで頂戴とせがむのです。ちょっと怖い人にはおねだりしないで、黙ってそばにいてチャンスを待つ、いじらしい姿です。

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 東京インターナショナルペンショウにお邪魔した際に、やはり気になったのがHKワークスさんのブースでした。歴史的に重要な萬年筆やメカニカルペンシルなんかが、無造作に展示販売されているのです。いろいろと気になりつつも、もっと若い人が物色していたので我慢して会場を一回り。戻ってきてみると、回転式の古いキャップレスがまだ残っていたので、もう良いでしょうと手を出しました。これ、ダブルのカートリッヂ使うので、もうないからつけましょうか、とおっしゃるのを、いえ、持ってますと答えましたら、写真のケースをつけてくださいました。

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 とっても昭和な感じがしますね。実用的な筆記具であった昭和の萬年筆ですが、同時に貴重なものでもありました。だからこそ、名前を入れたり、こうした見栄えのするケースに入れて売られたりしていたのでしょう。実用品としては鉄ペンのものが多かったのでしょうが、それとて安くはなかった訳ですから、どうせなら長く使えるものを、と金ペン付きのものを張り込んで大事に長く使う、ということだったのでしょう。

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 何でもすぐに分解してしまうのは悪い癖です。この当時のものは、気をつけて分解しないと壊してしまいますから、良い子は真似しないようにしましょう。しっかりとダブルのスペアインキがひとつだけ着いておりますが、キャップレスには欠かすことのできないカートリッヂカヴァーのおかげでこれひとつでも大丈夫なのです。

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 カートリッヂの「蓋」が残っています。蒸発したのではなくて、きれいに洗浄して取り付け直されたものでしょう。この蓋がインキの中で動くことで、棚吊りの防止になるでしょうか。それとも、あまりに軽すぎてそういう効果はないのでしょうか。

 かつてPILOTのCON-50というコンヴァータは棚吊り大魔王でして、その解決策としてプラチナのカートリッヂから取り出したステンレス球を入れる、ということをやっていました。誰もがやっているかと思っていたのですが、案外気づいていない人も多くて、両手を握って感謝されたこともありました。

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 こんな小さなペン先で、しっかりと萬年筆としての機能を果たすキャップレス。20世紀の大発明だと思います。他のメーカーの繰り出し式の萬年筆で、キャップレスを超えるものはない、と言っても良いと思います。モンブランのボエムなんかは比較的よくやってる方かと思いますが、それでも続きませんでした。ずっと続いている、というのも優秀であることの条件のひとつだと思います。

 さて、修理から戻ってきたキャップレスLS、なんとなくインクを通して持ち歩くのがためらわれるので、他のキャップレスを選ばなければならないのですが、さすがにこれは貴重すぎて持ち歩けません。いっそ、螺鈿あたりを持ち歩くのも面白いかもしれませんね。

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2021年11月27日 (土)

蜘蛛の巣?

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 眠り込む「ちち(仮名)」さん。左の後ろ脚が変なところに見えています。人間であれば、こんなことしてると目覚めたときに脚がぶらんぶらんで力が入らない状態になっていることでしょう。ワンコの体は実に柔軟なのですね。

 飼い主は本日まるまる、家から出ずに過ごしました。出好きな私としては非常に珍しいことです。昨日、恐らくは人生で最後となる修学旅行引率から帰ってすぐに前の職場へ行き、そこで認識されないというNAS(というか外付けHDD)を預かってきたので、それを点検。LANにつないでもドライブが見えない、ということでHDDを取り出してみてみるとことにしました。

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 外から見えるネジは1本だけ。それを外し、あち、怪しそうなところを探しますと、底面にしっかりとシールが貼られていたので剥がしてみると、「ここ押して」と言わんばかりの部分があったのでマイナスドライバーで押し込んで、殻割りに成功しました。最近は外観デザインのこともあって簡単には分解できそうにないものが増えていますが、この機種は少なくとも10年は稼働しているはずですから相当前の製品。素人が分解できるだけ良しとすべきでしょうか。

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 カッチリハマってるなぁ、どないしたら取り出せるんやろ・・・などと悩んでいたのが馬鹿馬鹿しく思えます。この状態でHDDを持ち上げるだけでした。サムスンの1.5TB、SATAのHDDが採用されていました。個人的にはこのメーカーのHDD、好きではありません。WDや日立、東芝あたりを好んで使っておりますので、こいつの信頼性なんかはわかりません。

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 結論から言いますと、これが認識されなかったのはHDDの故障による可能性が高いです。ヘッド周りがダメになっている模様。十分に電力を供給できる接続機器で外部接続してみると、ヒュー~ンという回転音がしっかりと聞こえて、アクセスしようとするとカチッ、カチッと音がしたので、そこで終了。素人がこれ以上いろいろやると致命的なダメージを与えかねません。それでなくても、機器に内蔵された状態でここまで何度も同じことを繰り返してきているはずですから、できるだけ早くデータ復旧業者に委ねるのが正解でしょう。

 ここには10年以上にわたり、児童生徒の活動の様子を撮影した写真データが入っています。驚くべきことに、このHDDが内蔵されたNASは校長室の戸棚の中に設置されていました。密閉空間にこんなものを入れておくなんて恐ろしい話です。聞けば、ここ数ヶ月、NASが見えない状況というのが頻発していたそうで、何でそのときに声をかけてくれなかったのかなぁ、と残念に思います。

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2021年11月26日 (金)

機体更新

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 肉球をさらして眠り込む「ちち(仮名)」さん。こんな状態で肉球に触れると飛び起きるのが常でしたが、最近では慣れたのか、触られても何の反応もせずに眠り続けることがほとんどです。

 たった一晩、家にいなかっただけなのですが、飼い主に忠義を尽くすワンコらしく、けさからは飼い主の近くへ近くへと移動してきて眠ります。そういうところがワンコのかわいらしさで、ニャンコとはかなり違うところなのではないかと思います。

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 修理に出していたキャップレスLSが返ってきました。新品ですと言われても誰も気づかないでしょう。日頃ルーペを持ち歩いてペン先を見ることが常になっている人なら、いや、これはペン先を弄ってあるから新品じゃない、と言える、そんなレヴェルです。

 キャップレスLSは、エルメス・ノーチラスと基本的に同じ機構を組み込んだもので、ノックしてペン先を出すのは同じですが、ペン先の収納はノック部分の根元にあるリングを回すことで行います。すこし飛び出したリング部分に少しだけ回すような力を加えると、ゆっくりとペン先が収納されていきます。もちろん、この部分を回してペン先を出すことも可能ですが、それは実用的とはいいがたいです。

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 今回、ノック部分のバネが錆びて動作が渋くなるという不具合がある、ということで交換となりましたが、私の個体はよほど色褪せていたのか、それだけでは上半分と下半分の色が全く合わないから、という理由で外装全て交換となりました。ノック側、クリップ側、共に交換、という説明を読んで、あぁ、そういう風に呼ぶのだな、とまたひとつ賢くなりました。

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 ペン体はそのままですが、きれいに洗浄されていて、空のカートリッヂが装着され、サーヴィス品の黒インキカートリッヂが添付された状態、すなわち新品で売られているときと同じ状態で戻ってきております。PILOTという会社の律儀な感じが良く出ていると思ったことでした。

 さて、またインキを詰めて使うのか、これを機に少し休ませて別のキャップレスを使うのか、しばらく悩んでみようと思います。

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2021年11月25日 (木)

瑠璃色

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 ウィンクする「ちち(仮名)」さん。たまたま目を閉じたところでシャッターが切れただけなのですが、ふかふかのお布団を抱いているかのような姿といい、「マダム」とお呼びしたくなる感じです。

 いつも自転車操業の拙Blogは、その日に思いついたことをネタに記事を書くのが基本ですが、この記事が皆さんの目にとまる頃、私は修学旅行の引率でよそにいます。ですのでこれは予約投稿です。

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 家にこんなインクがあって、どのペンに入れようかと思いながらそのままになっておりました。ラピスラズリをテーマにした青系のインクで、人気が高かったのでとりあえず手に入れておいたものです。昨今はインクと名がつけば何でも売れるような感じですが、私の場合、絵を描くわけでもなく、字がきれいに書けるわけでもない。インクはとにかく、黒か青か赤。ごくたまに緑ぐらい。それ以外の色のインクも持ってはいますがほとんど使い途がありません。

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 そんなところに、パーカー180のラピスラズリがやってくれば、この軸だからこのインク、という安直な発想になるわけです。実はこの軸、名古屋は大須にあるペンランドカフェに「このペン治りませんか」と泣きついたときに店内で見つけたもの。折しも、別のお客さんが結構なお値段の軸をお買い求めになっていましたが、聞けば、そちらもこういう感じの軸色だったとのこと。一旦は「考えます」と帰って行かれたものの、忘れることができずにお店に戻ってきてお買い上げ、というよくあるパターンだったようです。

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 その方がお買い求めになったのはルマン100だったとか。それもきれいな青い軸だったようです。いや、よくぞお買い上げいただきました。そんなきれいな軸が残っていたら私も危なかったです。私はヘンタイですから、両面書きのヘンタイペンでいきます。

 固いペン先で、字幅も細いですから、これにきれいな色のインクを入れたとしてもそう目立ちません。書いている自分だけが満足、という感じになるでしょう。でも、それでいいんですね。萬年筆趣味なんてそういうものでしょう。

2021年11月24日 (水)

発想力

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 埋もれて眠る「ちち(仮名)」さん。実はこの後、クッションの向こうで粗相をしていることが発覚し、ケージの清掃と同時にクッションを取り上げられてしまうことになりました。モフモフのワンコがこれまたモフモフのクッションに埋もれて眠る、本人(犬)はもちろん、見ている方も気持ちよさそうだなぁとうっとりする光景ですが、さすがに歳をとった彼女、我慢できずにケージの中で、というのが増えてきてしまいました。現在は薄っぺらいお布団でつまらなさそうに寝ています。

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 PILOTのジェントルマン。その独特の形状のペン先にばかり目が行きますが、CON-70を首軸に固定したかのように見える吸入機構も特徴的です。しかし、内部の構造はCON-70とは違っていて、現状、壊れてしまうと修理がききません。内部のパーツについてはある程度の在庫はあるらしいのですが、いざこれが修理で入ってきたとき、必要な全てが揃う訳ではないことから、残念ですが修理できません、という返事になるようです。

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 ステンレスのパイプは、しっかりと首軸にカシめられていて、これを外すところがまず第一の関門。外すと中には蛇腹が入っています。これがよくダメになるのです。私の手元にあった個体も、蛇腹がダメになっていたようで、タンク店長のもとへ引き取られていきました。そう、これはタンク店長が修理して使われていたユニット、そのものなのです。

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 本来、蛇腹が入っていた部分にはゴムサックが取り付けられています。白い矢印のついている《修飾語の連続》ボタンをプッシュすると蛇腹が伸びたり縮んでりしてインクの吸入をしていたわけですが、その部分がゴムサックに置き換えられています。通常、ゴムサックは側面をおさえてインクの吸入をしますが、外側のパイプの中にきっちり収まっているゴムサックを縦方向に押すと、結果として収縮することになり、インクの吸入ができるというわけです。

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 ということで、キャップも胴軸もきれいに磨いていただき、私のジェントルマンは見事に復活しました。インクの吸入に関して、もともとの蛇腹と使用感に大差はありません。ボタンをプッシュしたときの感触は違いますが、きちんとインクを吸入することができています。難点はインクの色を変えようというときで、ゴムサック内を徹底的に洗浄しないといけませんが、そこは洗浄液など使ってササッと済ませられる程度の知識と経験はあります。そういうわけで、また1本、ダメだった萬年筆が使えるようになりました。ありがたい話です。

2021年11月23日 (火)

お導き

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 天使のようなお顔の「ちち(仮名)」さん。実は写真を撮られまいとそっぽを向いているところなのです。勤労感謝の日は。飼い主の結婚記念日でもあります。思い起こせば30数年前の9月のこと。ふらっと職場に遊びに来たかつての学年主任さんに「仲人してもらえませんか?」と軽くお願いしましたら、「よっしゃ。日はいつや。何、決めてへんのかそしたら11月18日にせぇ。い・い・ひ・や。」と軽ぅく返答いただいたので、その日から二人で結婚式場探しを始めたのでした。当然、あちらでもこちらでも笑われ、呆れられました。親切なところは「えぇっと、普通はですね、2年ほど前から、短い人でも半年ほど前には式場その他、お決めになって・・・」と説明される始末。さすがにそれぐらいは知っておりましたが、当時の私たちは結婚式など挙げるつもりもなく、簡単なパーティーみたいなものでお茶を濁そうか、と思っておりましたので、仲人さんの依頼についても、婚姻届の保証人ぐらいのつもりだったのです。

 恐ろしいことに、11月18日は大安吉日。3年前から埋まっているような日でしたので、その近くで仏滅だった23日なら式場が空いているということで、その日に決めたのです。勤労感謝の日すなわち新嘗祭。こればっかりはハッピーマンデーなんかにならないでしょうから、ずっとカレンダーに赤い文字で書いて貰える、忘れようのない結婚記念日になるなぁ、なんて不埒なことを考えていたことを覚えています。

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 そんな結婚記念日というのに、名古屋までお出かけしている私。実は10日ほど前の東京インターナショナルペンショウの会場で、ペンランドカフェのタンク店長とお会いして、PILOTにも修理を断られたペンを何とか診てもらえないか、というお話をしておりましたので、別の用事とも合わせて出てきたのです。

 地下鉄大須観音駅で降りて2番出口から地上に上がり、そのまままっすぐ進むと左手に大須観音。さらに進んで左折したところで撮った写真がこれです。本堂大悲殿からまっすぐ進んで門を出たところ、餃子の王将を目印に右に折れると、大須マルシェという商業施設があります。

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 で、ここにペンランドカフェというお店があるのです。かつては麺や中華の点心などを製造する会社が運営していたものですが、その後、分離独立して、全く別の会社となりました。元自衛隊の戦車乗りだった人なので、タンク店長。そして全くの素人からお店の店員さんになり、今では萬年筆に関しては相当な知識と技能をお持ちのNさん。このお二人がいつも笑顔で迎えてくださるお店です。

 で、結論を書きますと、離れたところから来た私を気遣って、店長がお持ちの同じペンの中身を私のペンに入れてくださる、という形での修理をしてくださいました。壊れていた私のペンは、またじっくりとタンク店長が修理をされて、新しい命を得ることになるのでしょう。

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 PILOTのジェントルマン。このペンにはCON-70のような見た目のインク吸入機構が組み込まれていて、取り外すことはできませんしこれまたよく壊れるのです。同じような機構をもつ旧エリートやシルヴァーンなどとも部品の互換性はなく、そもそも部品がないのでPILOTにも修理を断られてしまいます。修理に必要な部品が5点あるとして、そのうち1点でも欠品であれば修理できませんと返ってくるわけです。

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 この右の端に、押し込むボタンが出ていないといけないのですが、中にある蛇腹状のパーツが腐っているのか、押し込んだら戻りません。逆さにすれば出てきますが、インクを吸入する機能は完全に失われているのです。

 このような、部品がないからもう修理できません、というのをコペルニクス的転回で解決・修理してしまう、そんな発想と技を持っているのがタンク店長なのです。しかも、現在までに三通りの修理法を思いつき、いずれも成功。そのうちのひとつはNさんの発想だと言うから驚きです。どんな方法で修理して貰ったのか、については記事を改めます。萬年筆のERを自認するペンランドカフェ。皆さんも、もしもの時は泣きついてみるとなんとかなるかもしれません。ただし、運が良ければ、という条件付きですが。

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2021年11月22日 (月)

またもや

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 近づいてくる「ちち(仮名)」さん。望遠ですのでぺったんこな写真ですが、離れている分、警戒せずにこちらを見てくれています。彼女のお顔がバッチリ写っている写真、私はめったに撮ることができないのでこれは貴重です。

 今日は休日の谷間のお仕事日。とはいえ、金曜日の午後から日曜日まではお仕事している方がよっぽど楽でしょうというほどの「激務」でしたので、むしろゆったりと物事に取り組むことができた1日でした。来年度に向けての人事異動に関する説明会が開かれ、しっかりやってくださいと念押しをされて帰って来たのですが、この2年間、これ以上ないほどのすばらしいスタッフを与えられて仕事をしてきた私ですが、私の後任の校長先生も毎日を幸せに過ごすことができるよう、気合いを入れて取り組みたいと考えています。

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 神戸ペンショウ、来場者のお世話で手一杯という状況でしたが、1日目と2日目ではけっこう状況が違っていて、2日目は萬年筆好きな来場者の割合が高かったと思います。そんな中、がらくた屋さんで手に入れた1本。これが2日目まで残っていたのはある意味幸運でした。プラチナ・プラチナはけっこういろんなバリエーションがあって、あちこちで「こんなのもあったの!?」と驚かされることが多いのですが、これは比較的よく目にするタイプです。プラチナ萬年筆の100周年記念なんかに見られる、格子柄の銀軸が一般的なものでしょうけれど、私はこの杉綾模様の軸が大好きです。

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 これで杉綾のプラチナ・プラチナは4本となりました。銀軸ですが磨いてませんので黒さは様々です。この中で一番黒いのにはスティピュラのグリーンのインクを入れて常用しておりました。インクの色としては確かにグリーンなのですが、書いた文字をあとで見ると黒インクで書いたとしか思えない、そういうインクでした。使わなくなって久しく、店頭でも見かけませんが、今でも手に入ることは入るようです。

 今頃になって騒がなくても、昔からインクなんて書いてしばらくすると色が変わるものです。大昔のボールペンは黒い字を書いたつもりが数年経つと赤茶けた色になってしまうから、正式な書類はボールペンで書いちゃダメ、ってこともあったのです。今は古典インクなんて呼ばれている匂いのキツいインクで書いておけば、何年経っても大丈夫、と。ところが、今度は紙の方がもたないなんて話も出てきて、この紙なら数百年後も大丈夫です、という紙が出てくる・・・。必要は発明の母です。

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 で、今回手に入れた萬年筆、お値段は新幹線で東京大阪を往復できるほどのものでしたが、満足しております。これまでの3本とは少し違っているからです。これはもう、服の裏地に凝るのと似た世界です。こうして置いてあると、何でまた同じもの買ったの、何本あれば気が済むの、という話になりますが、私、キャップをとったらスゴいんです、ってことなのです。

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 はい、これだけ。首軸の樹脂の色が違うだけです。私は左手で字を書くことはできません。まぁ右手で描いてもそれが文字といえるものかどうか怪しいのですから、そういう意味では左手で書いてもたいして変わらん、ということなんですが、でも一応、右手だけ使います。そうなると、手元にある数を数えたこともない萬年筆の山はどういうことなんだ、ということですね。

 細字と中字と太字、職場とおうちに1本ずつ。それで6本ですが、それだけ持ってる人はすでに萬年筆のヘヴィーユーザーでしょう。月ごと。週ごと、あるいは毎日、使う萬年筆を交代させている、っていうマメな人もいますが、萬年筆にとってはありがたいオーナーですね。私のように持っている萬年筆の大半がペンケースで眠っている、なんていうのは一番良くないオーナーでしょう。心を入れ替えて、どの萬年筆も均等に使うようになる日は来るのでしょうか。

2021年11月21日 (日)

また来年?

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 飼い主が帰ってきてケージにカメラを突っ込んできたので目を開けた「ちち(仮名)」さん。ここ3日ほど、まともに彼女が起きている顔を見たことがありませんでした。目を開けて動いている彼女を見るのは実に久しぶりな感じがします。

 1日働いたらまたお休み、とはいうものの、休日の終わりはやはり寂しいものです。特にこの週末は、年に一度の大イヴェントがありましたのでその余韻と、それが終わってしまったことの寂しさ、そして開放感と共にやってくる疲労感。そういったものが、ふだんにも増して明日という日をブルーなものへと染め上げます。

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 今年、神戸ペンショウはついに有料参加者1000人超えとなりました。このご時世、たくさんの方に来ていただくことは嬉しいことながら、感染症への対策も考えないわけにはいきませんから、結果的に、参加してみよう、という皆さんに我慢を強いる結果となってしまったことは残念に思います。いっそ東京インターナショナルペンショウのように事前予約制にして欲しいという声もあるようですが、それも長所ばかりではないと思っています。

 萬年筆やその他の筆記具、インクなどにハマっていて、そういったものに関する情報ならどんな小さなことでも拾っていくような熱心な方ばかりなら、それも良いでしょう。けれど、そうではない、ちょっと覗いてみたい、通りがかりに面白そうだったから入ってみた、というような人たちが、実は神戸ペンショウを支えていたりするのです。何でもかんでも全国一律、熱心な人たちが望むなら何でも合わせますよ、というのは少し違うように思うのです。万年筆やインク、ガラスペンのことなんて何にも知らない人でもふらりと入れる、知り合いが誰もいないのだけれど一人でも寂しくない、そういうイヴェントを目指していますので、あえて言います。参加者も出展者もみんなお知り合い、である必要はありません。

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 と、エラそうなことをいいながら、この方がHASE硝子工房の人なんだ、と意識してお会いし、お話ししたのは今回が初めてという私が、その方の作ってくださったものを大抽選会の景品として手に入れる、なんてことが起こります。そんな、HASEさんの作品の良さも十分わからないようなおっさんの手にわたるなんて許せない、私なら作品の良さを活かして愛用するのに、と残念に思われた方もいらっしゃったことでしょう。

 それでも、そういうことが起こってしまうのが神戸ペンショウの面白いところです。来年も開催されましたら、どうぞよろしくお願いします。

 

また来年

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 飼い主が帰ってきてケージにカメラを突っ込んできたので目を開けた「ちち(仮名)」さん。ここ3日ほど、まともに彼女が起きている顔を見たことがありませんでした。目を開けて動いている彼女を見るのは実に久しぶりな感じがします。

 1日働いたらまたお休み、とはいうものの、休日の終わりはやはり寂しいものです。特にこの週末は、年に一度の大イヴェントがありましたのでその余韻と、それが終わってしまったことの寂しさ、そして開放感と共にやってくる疲労感。そういったものが、ふだんにも増して明日という日をブルーなものへと染め上げます。

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 今年、神戸ペンショウはついに有料参加者1000人超えとなりました。このご時世、たくさんの方に来ていただくことは嬉しいことながら、感染症への対策も考えないわけにはいきませんから、結果的に、参加してみよう、という皆さんに我慢を強いる結果となってしまったことは残念に思います。いっそ東京インターナショナルペンショウのように事前予約制にして欲しいという声もあるようですが、それも長所ばかりではないと思っています。

 萬年筆やその他の筆記具、インクなどにハマっていて、そういったものに関する情報ならどんな小さなことでも拾っていくような熱心な方ばかりなら、それも良いでしょう。けれど、そうではない、ちょっと覗いてみたい、通りがかりに面白そうだったから入ってみた、というような人たちが、実は神戸ペンショウを支えていたりするのです。何でもかんでも全国一律、熱心な人たちが望むなら何でも合わせますよ、というのは少し違うように思うのです。万年筆やインク、ガラスペンのことなんて何にも知らない人でもふらりと入れる、知り合いが誰もいないのだけれど一人でも寂しくない、そういうイヴェントを目指していますので、あえて言います。参加者も出展者もみんなお知り合い、である必要はありません。

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 と、エラそうなことをいいながら、この方がHASE硝子工房の人なんだ、と意識してお会いし、お話ししたのは今回が初めてという私が、その方の作ってくださったものを大抽選会の景品として手に入れる、なんてことが起こります。そんな、HASEさんの作品の良さも十分わからないようなおっさんの手にわたるなんて許せない、私なら作品の良さを活かして愛用するのに、と残念に思われた方もいらっしゃったことでしょう。

 それでも、そういうことが起こってしまうのが神戸ペンショウの面白いところです。来年も開催されましたら、どうぞよろしくお願いします。

 

2021年11月20日 (土)

一大勢力

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 本日の「ちち(仮名)」さんは、おそらくこんな風に過ごしていたのでしょう。飼い主は朝早く家を出て、神戸ペンショウの運営に参加。とても良いお天気で、寒くなくて良かったと思います。最初に並んでくださった方は、実に朝の5時10分頃からその場所にいらっしゃったそうです。

 朝一番の混雑と会場内に人が殺到することを避けるための整理券でしたが、結局、1番から480番までの整理券を配り、最後の番号の方が入場されたのは午後1時半を過ぎてからでした。最終的な有料入場者数は635名でした。おいでいただいた皆さん、ありがとうございました。

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 超精密な金属加工による筆記具ですとか、匠の技によるガラスペン、魅力的な色のインクなどをゲットすべく、皆さん駆けつけてくださったのですが、数量に限りがあることは如何ともしがたいことで、手に入れられなかった方には諦めていただくほかありません。それでも、同好の士と共に過ごし、語り合うひとときを持てたことを喜んでいただければと思います。

 SNSの投稿に、インクとガラスペンが好きな人と作家さんだけが集い、好きなだけ語り合う場、というイヴェントを誰か企画して欲しい、などというのを見つけました。そんなことでは、いつまでも実現しません。ない企画なら自分でやる、それぐらいでないといけません。

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 そして、ここが大切なところですが、排除の論理に陥ってはいけません。同じものを好む人が集まるのは楽しいことです。そうでない人を引きずり込むぐらい出ないとダメなんじゃないかな、とも思うのです。今の自分がハマっていること、ただそれだけにフォーカスしたイヴェントも良し、そこから少し範囲を広げたものも良し、なのですよ。

 そういうことなので、萬年筆の方に軸足を置いている人も、ガラスペンでなきゃダメよという人も、たまには自分の嗜好と違うものを試してみることを、強く強くおすすめします。かく言う私はオッサンですので、若い頃にはガラスペンなんてもの、そこら中に転がっておりました。ただ萬年筆だけ、ってわけでもないのです。

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 さて、実に玄人受けのする、Y.Y.Pen倶楽部限定萬年筆。30本限定でしたが、何と、まだ残っています。まぁガラスペンが何本か買えるお値段ですが、これはこれで、実に満足感の高いものだと思います。

 明日もまた、神戸ペンショウ。午後3時頃からは注目の大抽選会です。今年はすごいと思います。秋は神戸で萬年筆。今年はここ数年の傾向に拍車がかかってインクとガラスペンの展示販売が多いのですが、萬年筆もしっかり売られていますし神戸名産の革製品もあります。日曜日のひとときを、北野工房のまちで過ごすのも楽しいかと思います。

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2021年11月19日 (金)

いよいよ

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 飼い主に写真を撮られまいと必死に顔を背ける「ちち(仮名)」さん。ワンコは飼い主に似るので、飼い主の写真嫌いがそのまま伝搬したものでしょう。何せ飼い主は卒業アルバムに載せる写真からも「脱走」した経歴を持つほどに写真に写るのが嫌いなのです。自意識過剰なのでしょう。

 本日は月に一度の受診日で、飼い主は叱られるのではないかと怖々主治医のもとを訪ねたのですが、先月の血液検査の結果がまずまずでしたのでそれほど叱られることもなく終了しました。

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 北野工房のまち、3階講堂。明日はこの場所を会場に、神戸ペンショウの第1日目が開催されます。絶対に手に入れたいものがある、という人はかなり早い時間から並んで、番号の若い整理券を手に入れようとしてくださることでしょう。

 午前9時頃から整理券配布の予定で、9時45分ぐらいになったら整理券の番号順に館内へご案内し、階段に並んでいただきます。1階から3階までの階段は49段ですので、その前後も含め、約60名ほどの方に館内で待機していただき、10時の開場をを待っていただきます。

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 ここが3階。右手が講堂の入り口です。ここで検温を済ませ、入場料500円を払って入場券と記念品を受け取ったら、場内の探索です。一度に全ての夢を叶えることができないように各ブースを配置しています。それを乗り越えて効率よく回ることができるかどうか。いっぽう、趣味の世界に効率なんて不要、という考え方もあります。効率重視なら趣味なんてやめてしまえば良いわけですし。

 この場所ではまた、手指のアルコール消毒も行っていただきます。場内では不織布製のマスクを着用してください。布マスクしかない、という方は受付でご相談ください。

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 3階へはエレベータで上がることもできます。で、場内でお目当てのものをゲットされた方は、まだまだ入場できずに待っている人がいることを忘れることなく、一通りのお買い物が済んだらいったん場外に出ていただけますと幸いです。入場券を提示していただけば、当日の開催時間内は何階でも出入り自由です。

 ブースの配置は覚えましたか。気になるブースが何という名前で、どの辺りでお店を開かれているかを頭に入れましたか。晩秋の1日を神戸で萬年筆やガラスペンしながら楽しみましょう。

2021年11月18日 (木)

明後日

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 ケージに入っておやつをもらい、さぁ寝ましょう、というところで、お布団が気に入った形に成形できずに苛立っている「ちち(仮名)」さん。つい先ほどまで、飼い主がおいしそうなおつまみと共に今年の新酒を呑んでいたので、それを思い出して余計に腹が立つのかもしれません。

 まだ学生であった1983年、何故かボージョレィ・ヌーヴォーなる言葉を聞きつけて、それは呑んでみなければならぬとあっちこっちの酒屋を回るも、どこでも鼻で笑われて「お兄ちゃん、ワインっていうもんはな、造ってから何年か経ったのを呑むもんやねんで。よぅ覚えときや。」とあしらわれたものです。で、ここもダメだろうなぁ、と最後に入った、本当に小さな酒屋さんで、応対してくれたのも腰の曲がりかけたおばあちゃん。あぁこれも期待でけへんわ、と思いつつ、もうすっかり覚えた台詞を口にしましたら、「あぁ・・・」と奥へ入って行かれて、「はい」とボトルを渡してくれたのでした。裏のラベルには、しっかりと「輸入者 サントリー」なんて書かれていて、なぁんや、今まで回った酒屋さんが知らんかっただけかいな、と少し鼻を高くしたのを覚えています。

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 その翌年、翌々年あたりから、日本ではかの岡本太郎大先生などが中心となって、11月第三木曜日に大騒ぎをするようになりました。こいつら、何を今頃騒いどんねん、と、ここでもまた少し鼻を高くしつつ、その頃からワインの好みが白い方へ移っていって、それからしばらくは11月といわれても別段なんとも思わない、という時期が続き、そしてオッサンになってまた、毎年、今年はどれにしようかな、なんてあれこれ考えるようになったのです。

 そう、11月は、心躍る月。札幌ペンショウのエンディングで、よせばいいのに「来年は神戸でやります!」なんて宣言した我らが首領。我ら良識あるヘンタイ倶楽部のメンバーは皆、「ホンマにできるんかいな」と思ったものでした。けれども本当に、その翌年からやっているのです。最初は神戸にある老舗文房具店さんとの共催でスタートして、昨年あたりからは単独主催となっております。そして、今年もやります。屋号は、「Y.Y.Pen倶楽部」で、本当の名前は「良識あるヘンタイ倶楽部」です。ここ、大事です。テストに出ます(黒板を叩く)。

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 三宮駅、元町駅、地下鉄県庁前駅、そのいずれからでも、NHK神戸放送局のある中山手三丁目交差点から異人館通りの方へ上って、北野工房のまちに着きます。上の地図で「×」をつけてあるところです。果敢に新神戸駅から歩いてくる場合も、異人館通りから下ってくると同じ場所に行き着くはずです。この「×」のところとその周辺で時間待ちなどしないでください。良識あるヘンタイ倶楽部が主催するイヴェントですから、参加してくださる皆さんもまた、良識あるヘンタイさんのはずなのです。いえ、ヘンタイさんでなくても、良識ある人たちであるはずです。

 上の地図で、「」をつけてある方へ回り込んでください。そこには、おそらく、小太りだったり大太りだったり、あるいはそれ以外の体型の人が、腰に拡声器をつけた姿で整理券を配ることになります。整理券の配布は午前9時からを予定しています。整理券を受け取っていたらあとは入場のご案内まで周辺の散策などしてお過ごしください。

 ただし、状況により、午前9時以前に整理券の配布を始める場合もあり得ますことをご承知おきください。

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 写真は、先の地図で「×」をつけたところ、道路を渡った向かい側から北野工房のまちをみたところです。風船で飾られたゲートが正面入り口なのですが、その真裏にあたる場所で、整理券の配布を行います。待機される場合も、車の動きなどにお気をつけられまして、写真の建物の裏側にある駐車場周辺でお待ち合わせください。

 なお、言うまでもないことですが、入場整理券はあくまで整理券です。館内に入られまして、3階講堂の入口までは紛失されないようにお持ちください。講堂の入口で入場料500円をお支払いいただいて、入場券と来場記念品を受け取っていただいて、あとは場内でお楽しみください。

 入場券には日付が入っています。パッと見た感じ、20日土曜日の入場券は青、21日日曜日の入場券は赤、という見た目です。入場券はその日付の日のイヴェント開催中に限り有効で、何度でも出入り自由ですから、お目当てのものをゲットされましたら、あなたよりあとでお待ちの方のことを思って、いったん会場から出てください。北野工房のまち、1階旭屋さんのコロッケなど、おすすめです。

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 ここのコロッケは安い方がいいよ、などとよく言うのですが、それは一番安いヤツではなくて、1個270円のもの。ほどよくゴロッとしたお肉も入っていて、北野坂とかTOR ROADなどより食べやすいです。脂上等、って人なら、そういう高いのもいいかもしれません。食べ比べも楽しいですけれど、とにかく注文を受けてから上げてくれますので、火傷に注意ししてお楽しみください。

 他にも、館内には面白いお店がたくさん入っています。また、施設を出て山手に向かうと異人館街まですぐです。三宮や元町の方へ降りていくのも楽しいでしょう。秋の神戸を、存分にお楽しみください。

2021年11月17日 (水)

荷造り

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 私の定位置はここなのよ、という「ちち(仮名)」さん。このときはこたつ布団をお腹の下に敷いております。こたつの近くで彼女がたたずんでいるときは、サーヴァントよろしくこたつ布団をサッと引き出して寝床を造って差し上げます。そうすることで、お嬢様は「よろしい」と行ってその場でドテッとお休みになるのです。

 原稿書きの方、相変わらず神様は降りてこられないのですが、お地蔵様に少し助けていただいて、2本書かねばならない原稿の内一本のテーマは決まりました。ところが、明日締め切り、という原稿については、未だに影も形もないという状況。この記事を書き上げたら、泣きながら徹夜でひねり出すことになるのでしょう。

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 テスト前には机の上を片付けたくなる、というのは学生特有の病気。実は、先生の方にも、テスト問題を作成しなければならない状況になると机上の整理なんかに時間を使ってしまう、という人が少なからずいます。かく言う私がその一人で、夕方の5時から未明の4時までかかって4つのテスト問題を仕上げた、なんていう馬鹿な話もあります。

 写真は神戸ペンショウの開催に絶対必要な荷物をパッキングしたもの。特に下段のコンテナボックス、これの中身がないと運営ができません。昨年の神戸ペンショウが終わって撤収するとき、あれもこれもと片っ端から段ボール箱に詰め込んで、それを本日開梱してみたら半分以上がゴミだった、というお話です。本当に必要なもの、毎年使うものをコンテナボックスに収納しました。段ボール箱や手提げ袋は、おそらく今年のペンショウが終わったら姿形がなくなっているであろうものを入れています。

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 で、運営に必要なものをパッキングする中で、アレはどこだ、なんて探し回っていると、ペンケースが出てきました。これは確か、ペントレか何かで東京に遠征したときに買ってきたもののはず。で、明らかに中にペンが入っているような膨らみが見てとれます。自分のものではありますが、手に入れたものをすぐに忘れてしまうリス並のおつむですから、少しワクワクしながら開けてみます。

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 はぁ、またけったいなラインナップですね。PILOTばっかり、ってことはN御大のところからお嫁に貰ってきたものでしょう。一番下の金色のヤツなんかは、これにカートリッヂ挿せますか? なんて若い人をからかうために買ったもの。真ん中の旧型カスタム、これはもう、軸の模様が面白いから、っていうだけの、いわゆる軸買い。本命は一番上の多面体黒マットキャップレス。今から20年ほど前には普通に買えたものですがいつの間にやら貴重品になっております。正直、もういちど金型作り直してもこれを復刻してくれたら売れるんじゃないかなぁ、と思うのは、私がヘンタイだから。実際にやってみたら、そんなに売れないような気もします。何と言っても地味ですから。

 そう言えば、不具合があるからとメーカー修理に出ているキャップレスLS。二分割の外装のうち、ノックボタンのある方を交換するという話でしたが、実際に現物を見てみると軸が色褪せていて、上半分は綺麗で下半分はくたびれている、という不調和な姿になることから、外装全交換ということになりました。さすがPILOTです。

 書き忘れましたが、最初の荷物の写真。この中には大抽選会の景品なども入っております。秋は神戸で萬年筆。11月20日、21日は、北野工房のまちで遊びましょう。

https://twitter.com/i/events/1460058491054280711

 

 

2021年11月16日 (火)

エプロン

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 ケージに入って眠っていたのに、飼い主が帰宅した途端、起き上がって愛想を振る「ちち(仮名)」さん。何かいいことあるかも、という考えなのでしょうけれど、残念ながら何も出ません。ここは心を鬼にして、良い子良い子となでなでするのにとどめておかないと、夜中に鳴き叫んで近所迷惑なワンコになってしまいます。というか、すでにそうなっていますので、これ以上ご近所にご迷惑をおかけしないためにも、あえてつれない態度を取るしかないのです。

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 今日明日が締め切りという原稿執筆の依頼を3件も抱えているというのに、頭を逆さまにして振ってみても何も出てきません。こういうときは神様も助けてはくださらないようで、降りてきてくださる気配すらありません。画面をにらんでキーボードを叩いては戻し、と繰り返す傍らで、プリンターだけは健気に仕事をこなしております。

 今週末の土曜日曜は神戸ペンショウ。運営側の一員というのに、気分は浮き立っております。実際、その日の朝まで心配でろくに眠れない、というのは主催の「親方」だけで、他のメンバーは気楽なものです。私などは会場内の電源引き回しと入場券などの準備さえしていれば当日を迎えられますので、緊張しようがないわけです。気がかりがあるとすれば、全ての印刷が終わるまでプリンター壊れないでね、ということぐらい。

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 初日となる20日の土曜日は、例年の傾向から見て、たくさんの人に来ていただけるのではないか、と思っています。カレンダーでは土曜日が青く塗られていることが多いので、この日のチケット類は青を基調にしたものにしました。当日は午前9時頃から入場整理券を配布予定です。

 神戸ペンショウは、昨年度からY.Y.Pen倶楽部が主催するイヴェントとなりました。メンバーは会社員や公務員など、そこら辺にいる普通の人ばかりなので、イヴェント当日も自宅や宿泊先からえっちらおっちら会場へ向かいます。会場到着はやっぱり午前8時頃になってしまいますので、それから会場内で皆さんを迎える準備をしつつ、待ってくださっている方がいれば整理券をお配りすることになります。状況によっては9時より早い時間に整理券をお配りすることもあるかと思いますが、早くから来て待ってやろう、という方は、けっこう冷えますのでそれなりの対策をお願いします。トイレに行きたい!となっても北野工房のまちには入れません。近所に喫茶店等はありません。すぐ近くにファミリーマートがありますが、そこは良識ある大人としての行動をお願いいたします。

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 北野工房のまちの正面入り口です。昨年はこの前の歩道に並んでいただきましたが、列が長くなってご近所に迷惑をかけてしまいましたので、今年は絶対にこの場所で時間を潰すことはやめてください。写真の門柱、右の方には神戸市立北野小学校という表札がかかっています。ここからさらに右手に行くと駐車場の入り口ですので、車に気をつけて駐車場の中へと入ってください。整理券は写真の入り口の真裏にあたる場所で配布いたします。2階建てのプレハブ小屋があって、その前に飲料水の自動販売機、上にはアーチ型の構造物、という場所です。

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 私はこんなエプロンを掛けて皆さんをお迎えします。無愛想なおっさんに見えますが、ボケ突っ込みどちらもこなせる関西人ですのでお気軽に声をかけてください。会場内外にはこれの色違いのエプロンをしている人が他にも何人かいます。オリーヴ色のエプロンをしているのが「親方」ですので、見かけたら逃げてください。 萬年筆その他、いろんなことを気軽に相談してみてください。お子様連れの人は特に、声をかけると何か良いことがあるかもしれません(お子様にとって)。

 今日は火曜日。もう四つ寝ると神戸ペンショウです。調子の悪い萬年筆がある人は、忘れずに持ってきて相談する、あるいは思い切って調整を依頼してみましょう。これ、ホンマにあの萬年筆と同じモンか!? となりますよ。秋は神戸で萬年筆。北野工房のまちで遊びましょう。

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2021年11月15日 (月)

黄金井

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 日向でまどろむ「ちち(仮名)」さん。こういうのをこそ、まさしくGolden Slumbersと言うのではないでしょうか。実際、私が乗り鉄であることについては、電車に揺られてこういう境地に達することを大きな目的のひとつとしているのではないか、という説があります。それを否定するつもりは毛頭ございません。御意、と申し上げておきましょう。

 東京インターナショナルペンショウに参加された皆さん、そろそろ余韻から冷めて日常に戻られた頃でしょうか。けれども楽園は目の前に迫っておるのです。今週末は神戸ペンショウ。秋は神戸で萬年筆、ですから、金曜日まではしっかりとお仕事に励んで、週末は神戸で会いましょう。

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 土曜日の午後1時半からの部に参加して、3時過ぎには会場を後にした私。お金もないので買ったものは可愛らしいカニさんが数匹でしたが、そのあとがよくありませんでした。何故かオレンジ色の電車に乗って山手線の外側へ。訪ねた店で手に入れたのがこの鉛筆です。

 ウルトラマンも仮面ライダーも、高校入試に失敗すると言われております。眉毛を剃って試験会場へ行って、わずか3分で退場せざるを得ないウルトラマンは、その見た目と試験舐めとんのか態度で落とされてしまいます。仮面ライダーに至ってはバイクで会場に乗り付けるという快挙を成し遂げてしまうので、へたをするときょうしつにすら入れて貰えない可能性があります。

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 このヒーロー鉛筆、この他にウルトラマンレオとかミラーマンなんていうバリエーションがあるそうですが、ミラーマンもダメですね。鏡など試験会場に持ち込んだらカンニングか変態か、どちらかを疑われてしまいます。代替においてヒーローはみんな高校入試には不適で、エイトマンは試験中に緊張してピンチになるとベルトのバックルからタバコみたいなものを出して口にしますから、即指導、退場の流れです。鉄腕アトムは剃り込みの入った独特の髪型にパンツ一丁という服装で、これもアウトです。アトム以外は受験票の顔写真をどっちのものにするのか、というのも大きな問題となります。まぁ、こういうことを大真面目に考えたりするのがヘンタイというもので、これも高校には受かりそうにありません。

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 この鉛筆、デカいというか、無駄に長いのです。光の国から来たウルトラマンですので、「ひかりの京都」のパンフレットに重ねてみました。A4サイズの紙の対角線はおよそ363ミリですので、この鉛筆はウルトラマン込みでそれより長いということになります。

 神戸ペンショウへ来られる方、夜は京都方面でこういう幻想的な風景を楽しまれるのもよろしいかと思います。ただし、寒さ対策は必要です。叡山電車に市原~二ノ瀬間には「紅葉のトンネル」とよばれる区間があり、250メートルほどの間に280本の紅葉した木々が並んでいます。けっこう勾配のきつい区間ですが、ここで車内の照明を落として徐行運転をする、ということをやってくれるので、未体験の方はぜひどうぞ。

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 この鉛筆を手に入れたお店、昭和な看板をいろいろと掲げてらっしゃるのですが、その中で注目したいのが「万年筆用ナショナルインキ」ではないでしょうか。ササッと検索してみると、埼玉や大阪にそういう名前の企業が存在している(していた)ようです。ナショナルインキの製造元が東京にある会社なので、その販売元であるナショナルインキっていうのはやはり埼玉の方なのでしょうか。看板一つであぁだこうだといろいろ遊べるのも、この趣味の良いところではないでしょうか。

 このお店の名前や所在は書かなくても皆さんご存じでしょうし、本日のタイトルに書いてあるじゃないか、とも言えなくはないですね。

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2021年11月14日 (日)

追い込み

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 こたつが出てきたのでさっそく寄り添っている「ちち(仮名)」さん。いずれ興に乗ったら布団の中に潜り込んで反対側から出てくるようになるのですが、今日のところは布団の感触を楽しんでいるだけでした。全身が毛に覆われているのに、敷物よりもお布団の感触が好き、というのもよくわかりませんが、彼女はとにかく肌触りの良いものにくっついて眠るのが大好きなのです。

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 東京インターナショナルペンショウ2021の記念萬年筆。最終日の本日、きちんと売り切れたという情報が入ってきました。すごい話ですね。わずか1000円という頒布価格ですが、どの程度書けるものなのか。やはりお値段がお値段ですから、過大な期待はできませんが、一応は萬年筆なので、インクを通さず放っておくのも失礼というもの。で、インクを入れた状態で一日持ち歩いていたら、透明なキャップの内側にインクの雫がついてしまいました。

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 実は、ペン先の様子などからどうにも書けそうにない個体でしたので、達人の手に委ねたのです。ペン先とペン芯とのマリアージュをはじめ、各部を弄っていただいて、なかなか降りてこないインクがペン先まで届くようにして貰って、書けるようになりました。スタブらしい面白さだけでなく、きちんと書けることを優先してやっていただきました。

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 透明なペン芯がしっかりとインクの色に染まっております。ここまでインクが降りてくるようにするのに、けっこうな時間を要していたように見えました。参加者の皆さん、記念ということでインクを通さず保管しておく人もいるかもしれません。それもいい選択かと思います。スタブの面白さを味わうなら、他にも色々なペンがあります。無理にこのペンでやらなくても、というところす。

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 特に粘度が高めのインクというわけでもなかったのですが、棚吊り気味です。それ自体珍しいことではないので、附属のコンヴァータにはあらかじめ棚吊り解消のためのパーツが仕込まれています。PILOTのCON-40と同じような感じのものが入っています。

 そもそもこれ、PILOTの組み立てペンのそっくりさん。あの国の製品ですから、オリヂナルに忠実に造られている、ということでしょう。

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 などと言いつつ、本日は、いよいよ次の週末に迫った神戸ペンショウに向けて様々な準備を進めておりました。先週末も会場となる北野工房のまちに行ってきましたが、今日もまた足を運んで、気になるところの確認、広報用の写真撮影など、あれこれやっておりました。そして参加してくださる出展者の皆さんが、スムーズに撤収作業を進められるよう、物品の配送についても最終確認を行いました。詰めれば詰めるだけ、新たな問題点が出てきて、それを潰して・・・という感じで残りの数日を過ごすことになるのでしょう。

 秋は神戸で萬年筆。みなさん、11月20日、21日は、北野工房のまちで楽しくすごしましょう。初心者でも、お一人様でも、気後れする必要は全然ありません。困ったら会場内にいるエプロンをつけた人に声をかけてください。それで大丈夫です。

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2021年11月13日 (土)

木霊

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 本日の「ちち(仮名)」さんは、おそらくこんな風だったんじゃないだろうか、という1枚。飼い主は彼女が朝ご飯を貰おうと起き上がってきたところで家を出て遊びに行ってしまい、深夜のご帰館となりましたので、今日の彼女がどんな風だったかはわかりませんが、概ねこんな風に暖房の前にお布団を置いて、陽射しと温風、その両方に包まれて暖かく過ごしていたのだろうと思います。

 休みの日であっても直前まで予定が立てられないヤクザな商売ですので、前の日に予約してもある程度安く東京まで行ける、という旅行商品にはいつもお世話になっております。ひょっこり東京でのイヴェントに顔を出しますと、皆さん異口同音に「鈍行で来たの?」と聞いてくださるのですが、現在のところはまだ18きっぷ期間前ですので、本日は鈍行のスーパーエクスプレス、こだま号での往復でした。片道約4時間。壮大な時間の無駄かもしれませんが、望みの普通車に乗るより安くグリーン車に乗れるので、往復共にぐっすり寝させていただきました。

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 早くに入場チケットが売り切れたのでご縁がないものと思っておりましたが、非常事態宣言解除に伴って入場者数制限が緩和されたとのことで、追加のチケットを手に入れることができました。東京インターナショナルペンショウ、っていうたいそうな名前だけあって、チケットも立派です。神戸ペンショウのチケットなどは素人がデザイン考えてPCとプリンタで手作りですから、全然違いますね。けれども、神戸ペンショウのチケットには「番号」が入っています。初日11月20日については飾りみたいなもんですが、21日の入場券に記載されている番号で大抽選会をやります。それはもう、ホンマかいなというような豪華な景品が出ます。

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 昨日金曜日はスペシャルデーだったそうで、入場料はこれ込みで2000円。私は話のタネになればと、おそらくは使わないであろう萬年筆をいただいてまいりました。入場料と萬年筆とで2000円也。神戸ペンショウは、お土産のトートバッグ込みで入場料500円です。

 まぁ会場の立派さが違いますね。都会に建つシュッとしたビルの展示会場で開かれる東京インターナショナルペンショウに対して、昭和6年に建てられた小学校の講堂をを利用する神戸ペンショウ。正直な話、必要な電源をとるのにも苦労するのです。そのあたり、実際に会場へ来てご覧になっていただきたいと思います。

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 きちんと文字を書くために作られている萬年筆を使っても「文字みたいなもの」しか書けない私が、スタブなんていうややこしいペン先を使うことなんて、とてもできるわけがありません。実際、附属の説明書にも心して使いなさいなんて意味のことが書いてあります。心して使うも何も、使う前から無理なことはわかっているのです。

 もし使うことができても、どんなインク使って何を書くのだ、という問題もありますね。昨今、いろんな面白いインクとガラスペンで楽しむ人が増えているようですが、羨ましい限りです。私にはどちらも縁遠い代物です。

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 1000円でコンヴァータもついていますから、お遊びペンとしていい線ですね。会場ではこの萬年筆を組み立てるワークショップも行われていたようです。簡単な構造ですし、透けていて中が見えますから、こういうものを組み立てたことをきっかけにガラスペンの人が萬年筆にやって来てくれると良いのですが。

 神戸ペンショウは来週末の土曜、日曜に神戸市中央区の北野工房のまちを会場に開催します。みなさん、秋は神戸で萬年筆、ですよ。

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2021年11月12日 (金)

きらきら

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 ケージには入ったものの、実はまだ眠たくない「ちち(仮名)」さん。居間にはこたつがセットされ、なんだかよくわからないけれどキラキラ光る変なモノ(クリスマスツリー)が自分のよく寝ているスペースに設置されるなど、部屋の雰囲気も変わったので、ひょっとしてこれは家族がいろいろと遊んでくれるんではないだろうか、という期待感もあるようです。子どもたちがみな成人した我が家では、土曜日曜だからみんながお休み、というわけではなくなっているのですが、今日の金曜日はなんだか雰囲気が・・・と感じているようです。

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 そんな、少しゆったりとした気分の金曜日、きんきらきんの萬年筆を。サンライズ貿易がプロデュースしたセイラーのプロフェッショナルギア派生品、グランザスネオです。

 胴軸は銀製。そこにロジウムメッキをかけていますが、普通では面白くないと思ったのでしょう、もみくちゃにされたアルミホイルみたいな、そんな表面処理になっています。正直、銀なら銀で、ロジウムならもっとすっきり綺麗な面で、と思います。安っぽいとも感じます。

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 ちょうどクリスマスの季節、いろんなモノが金色や銀色に飾られますが、この胴軸はそんな感じ。お菓子の入ったでっかい靴下、あるいは長靴みたいなヤツの表面が、真っ赤でなければこんな感じ。手に取ってみない限り、そんなに上等なものだとは思えません。

 けれど、そういう私の感じ方はきっとズレているのだと思います。私は何につけ、いわゆるセンスというものが皆無なので、ものをみたときに美しいとか上等そうだとか、そういうことが正直、わからないのです。自分が着るものすら選べないので、洋服の売り場は大の苦手。服を買う必要があるときは、閉店間際のスーパーにコッソリと行って、サイズの合う中で一番安く、地味なものを選んでササッと会計を済ませて帰ってくるのです。売り場にいろいろとアドヴァイスしてくれる人がいると、くるりと背を向けて帰って来てしまいます。

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 萬年筆として大切な書き味はどうなのか。これもセンスがないのでわかりませんけれど、自分として、書きやすいかどうか、ということなら、十分以上に満足です。胴軸がしっかりと重たいので、それだけで高得点。さらに、キャップは樹脂製ですから、これをお尻に挿してもバランスが大きく狂うことはありません。

 一番問題なのは、こういう書き味のよい萬年筆がたくさん手元にあるのに、どれもこれもお休み状態、ということでしょう。もっとまめに交代させながら使える人ならばよいのですが、ずぼらな私にそれを望むのは無理な話なのです。

2021年11月11日 (木)

スラッシュ

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 お手々だけだらんと外に出して、眠るでもなく、さりとて起きるでもなく、ただじっとしている「ちち(仮名)」さん。だぁれも遊んでくれないなぁ、つまんないなぁ、という状態なので、下手に近づくと猛然と起き上がって遊んでくれ攻撃をしてきますので注意が必要です。

 本日はSNS上で嫌というほど「11/11」ってのを見せてもらいました。「1」が四つ並ぶ日付なので、「1」を萬年筆に見立てて遊ぼうというわけですね。そういう風に並べて見栄えのする萬年筆、お気に入りの萬年筆、披露したくもなる気持ち、よくわかります。

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 私は地味に、PILOTの旧カスタム系、銀色の軸を持つものを並べてみました。で、日付の「/」スラッシュですが、コンピュータで扱うには少々厄介な代物だったりします。例えば、神戸ペンショウの開かれる日は、21/11/20とか21/11/21とか書きます。日本国内であれば、あぁ21年の11月20日と21日なんだな、と理解されます。けれど、アメリカ式では月/日/年、イギリス式では日/月/年となるのだそうです。21/11/21なら日本風とイギリス式のどっちに転んでも大丈夫ですが、その前日はイギリス式やアメリカ式に解釈すると去年になりますから大問題です。

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 実際、コンピュータで日付を扱うときに正確を期するならば、2021-11-20というように、ハイフンでつなぐのがよいと言われます。データとして格納されてしまえば、跡は表示の問題だけなのですが、そのデータを格納する前、プログラムの設計の段階などではけっこうこれ、重要なことかもしれません。

 開催まであと10日を切りました。秋は神戸で萬年筆。目の前の週末をしっかり楽しんだら、その翌週は「週末は神戸ペンショウだ!」と心を躍らせながらお仕事に励んでください。

2021年11月10日 (水)

直会

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 すぅ~っと寄って来たかと思うと、飼い主の脚を枕にして寝てしまう「ちち(仮名)」さん。傍目にはそう寝やすい姿勢でもないように見えるのですが、彼女としてはそれでもいいみたいです。この態勢で耳だけはしっかりと働かせていて、他の家族が動くとアクションを起こします。実は、もう眠たいのでケージに入れて欲しい、というより、ケージに入るとおやつが貰える、という学習ができているので、おやつをあげるからケージに入って寝なさい、と家族の誰かが言ってくれるのを待っているのです。

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 秋の学校といえば運動会。けれど昨年度から今年にかけては、朝からみんな場所取りに来て、家族総出で子どもの応援と写真撮り、そしてお昼は子どもといっしょに豪華なお弁当を食べて・・・という、みんなが普通に思い描くような運動会をやっていません。コロナ禍が原因ですが、私はこれ、実にいい契機だったと思っています。昨年度は4月5月と学校が「なかった」わけですが、7時間目授業とか土曜授業なんてことをやらなくても、授業が遅れることもなく、ゆったりと教科書を終えることができました。それは、運動会の練習に時間を割かなかったからです。

 私が勤務している自治体で一般的に行われている習慣として、転出した職員が、前年度の職場の運動会の時期に陣中見舞いを贈る、というものがあります。写真のお菓子もそういう頂き物です。昨年度と今年は、運動会をやらずに学年ごとに体育の授業参観を行ったのですけれど、それが一段落したということで、勤務時間終了の時刻に合わせてお菓子をいただきました。これはなかなか、よい習慣と思います。

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 職場の親睦会の幹事をしている人がお菓子や飲み物など、頂き物を分配してくれるわけですが、その幹事さんから「修学旅行どうしましょう」という相談を受けました。ついでに忘年会もやるかやらないか、ということも聞かれたのですが、まぁどっちもやらない、でよいのじゃないか、と考えを伝えました。忘年会は、コロナ禍がなりを潜めている現状ではやりたくもなりますけれど、やはり警戒を緩めない方がよいと考えます。で、「修学旅行は?」っていうのは、修学旅行の引率に行った先生方をねぎらうべく、帰校の時刻に合わせてお茶菓子などを用意して、子どもが家に帰った後、「お疲れさん!」と簡単な慰労会をする、という習慣について、です。

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 お祭りになぞらえて、それを直会(なおらい)なんて呼ぶこともありますけれど、もう、いいんじゃないか、と。修学旅行を帰校すると、もう夜というべき時間になっています。それを修学旅行に出かけていない先生方で待ち受けて、「お疲れさん!」と出迎え、簡単に飲み物とお菓子でねぎらう、っていうのは、気持ちとしてはすごく暖かいし、そういう職場は最高だと思うものの、子育てまっただ中の先生も含めて遅い時間まで職場で待って貰うなんていうのも気の毒ですし、出迎えられる方も、学校でお茶飲んでるより早く帰りたい、って気持ちもあります。いい習慣ではあっても、時代に合わないものは変えていった方がいい。で、そういう、「えぇ~、ソレもなくしちゃうの!?」ってなことを言われそうなものについては、今年限りで職場を去る校長が決断しておくのが、まぁ角が立たなくてよいでしょう。

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 ミルキーはママの味、です。100人規模の子どもをつれて旅行に出かけ、無事帰ってきた。そういう人たちを同じ職場の仲間として出迎えてあげたい、って、本当にすばらしいのですけれど、自発的な取り組みが、いつしか「やらねばならぬ」になってしまうこともよくあること。今の私の職場には、やれる人だけでやればよい、帰らなけりゃならない事情がある人は変えるのが当然、っていうこれもいい雰囲気が充満していますからいいのですが、そういう雰囲気もいつしか変わっていってしまう可能性があります。

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 お釈迦様の死後、正法の時代、象法の時代ときて、さいごは末法の時代となります。実は学校というところ、この「象法」の時代かっ、ということが非常に多いのです。これは何を目的としてやっていることなのか、っていうのを深く考えることなく、去年までずっとやっていたから、という理由だけで続いていること、それがすごく多いのです。上の学年でやっていることを見聞きしたら、子どもも保護者も、自分たちもその学年になったら同じことするんだ、と何となくそう思っている。それをぶち壊していかないと、遠からず、学校というシステムは確実に崩壊します。

 甘いお菓子を食べ、これまた甘いジュースを飲みながら、校長と教頭がそんなことを語り合う、ある日の夕方の学校なのでした。

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2021年11月 9日 (火)

柔軟性

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 ふと目覚めた「ちち(仮名)」さん。お目々を見るとまだ眠たそうです。ここで声をかけると、パッと反応して立ち上がる場合と、全く反応がない場合とがあります。このときは後者で、こちらを一瞥したきり、しばらく元の姿勢のままで、やがてストンと顔を落として再び眠ってしまいました。眠たいときはそれ以外のことはどうでもいい、というのが彼女の本質なのかもしれません。

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 ペリカンのM1000。20年ほど前にはこれのEFニブ付きを所有していたのですが、人に譲ってしまいました。この大きな図体にしてEFニブ付きの個体で、そのことになんとなく違和感を感じていたということと、何より、M800と比べるとなんとなく書きづらい、という印象が拭えなかったというのが大きな理由です。当時も今も、字を書くことに関しては世界で10本の指に入るほど苦手な私ですが、その当時は今よりもその程度が著しくて、こいつの特性に全くついて行けなかったのです。

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 月日は流れて、再び我が家の一員となったのがこのM1000。前回の反省を踏まえて、今回は3Bニブ付きです。何にしてもやることが極端な、0か100か、という私です。

 手元に来たときは出荷時そのままの3Bニブ。バリバリの角刈りで、とてもじゃないけれども私に字が書ける状態ではありませんでしたので、これを持って恐る恐る「萬年筆談話室」に飛び込んで、師匠に手を加えていただき、私でも文字らしきモノが書けるようにしてもらいました。今の私なら、このペンでも文字らしき筆記線が残せます。萬年筆に慣れた、ということでしょうね。でもやはり、しっかりと文字として認識されるように書くのであれば、M800を選んでしまいます。

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 結局のところ、ペン先が柔らかいから、ということになるのでしょう。私が毛筆、いや筆ペンを使うと、どんな渋面な人でも相好を崩すほどの面白い筆記線が残せます。ミミズののたくったような、と表現したらミミズ連盟から公式な抗議が来るほどのモノです。ですから、私は柔らかいペン先がダメなのです。それに加えて3Bでぬらぬらなんて、もう狂気としか言い様がないのです。

 萬年筆好きすなわちヘロヘロなペン先好き、というのは危険な考え方です。そこのあなた、本当に、柔らかいペン先が好きですか。あなたにはそれが合うのでしょうか。今一度、よぉく考えてみることを、満足に文字が書けないほどの私だからこそ、提案したいと思います。

 

2021年11月 8日 (月)

反古紙

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 つまんないなぁ、という顔で寝ている「ちち(仮名)」さん。耳が立っていますので、臨戦態勢であることがわかります。視線の先では家族がTVを視ていて、自分の方には一瞥もくれない、という状況ですが、もし誰かが立ち上がったりすれば、即自分も立ち上がって、ねぇ遊ぼうとおねだりができるように備えているのです。けれど、老体の悲しさで、この姿勢を続けているうちに眠くなって墜ちてしまう、ということもしょっちゅうなのです。

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 以前にもご紹介した、職場で使っている萬年筆。入っているインクやペン先の状態と紙の状態によっていろいろあるなぁ、と思ったことを書き留めておきます。

 LAMYのサファリは、数年前のY.Y.Dayの企画「萬年筆をぶっ壊そう(内輪のタイトル)」で、畏れ多くも自分でペン先をこすったものです。ペン先調整というのは、それを使う人、字を書くところなどを見て、話を聞き、それに基づいてやるものでしょうから、私のように独断専行、人の言うことなんて聞きません、なんて人間には無理なものです。これ書き味良いなぁ、というペンをじっくり観察して、そのまねをするということでも、目が悪く、空間認識能力も低い私には無理です。なのでこのサファリ、インクが出て書けているだけでも奇跡なのです。

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 事務机の一角に置かれたメモ用紙。学校はちょっとした印刷所並みに印刷物をこしらえますが、内容が間違っていて刷り直しを余儀なくされるものや、役目を終えた資料など、裏面が白ければ、A5サイズぐらいに切ってため込んでおきます。私の勤務している自治体では市民の皆様の声に配慮して、真っ白なコピー用紙を使うことを避け、それより割高で地色も黒っぽい再生コピー用紙を使用しています。真っ白な紙を使うとお叱りの電話が殺到するからなのですが、白い方が安いんだよ、ということをもっとアピールすべきだと常々思います。

 地色が黒っぽくても、日に焼けて黄ばんでいても、ここにLAMYの青インクでメモを書くと映えます。LAMYの青インクがそう、抜けるようなすっきりはっきりとした青だからでしょう。万年筆に興味の無い人でも、このメモ書いたの誰? この色きれい、どこのペン? なんて聞いてくるほどです。これ、文具に興味の無い人が多いウチの業界としては、かなり珍しいことなのです。

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 一方こちら、PILOTのシルヴァーンベースのWAGNER伍周年記念万萬年筆。これには大量に発掘された青のカートリッヂをいれてますが、相当に水分が蒸発しているので粘度が高いせいか、それともペン先の状態によるものか、あるいはその両方の組み合わせによるものか、必ずと言って良いほど、書き出しの第一画が出ません。スキップ、と書いたら第一画がスキップした、という画像を面白がって載せました。

 まぁこれは、本人もわかってやっていることなので支障とはなりません。少し水分が抜けた程度のインクなんて、今はやりのラメ入りインクなどに比べたらかわいいものです。誰よりもずぼらな自分をよく知っているのと、それでも顔料系のインクを使って往生した経験もあるので、わたしは死ぬまでラメ入りインクには手を出さないことでしょう。もし、萬年筆で顔料系やラメ入りのインクをお使いの方、毎日使うとか豆に洗浄されるとか、どうぞご自愛くださいませ。

2021年11月 7日 (日)

実踏・2

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 朝から大あくびの「ちち(仮名)」さん。午前9時頃からお昼すぎまで、とにかく眠くて眠くて仕方がないようです。日に14時間は眠るというワンコですけれど、彼女の場合は日に18時間ぐらいは寝てるんじゃないかという気もします。

 飼い主は本日も神戸ペンショウ会場となる北野工房のまちへのアクセスについて、実際に歩いて調べてみました。そんなことで休日を有意義に過ごした気分になれるのですから、実に安い人間です。

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 本日は元町駅からの道案内。JR東海道線(神戸線)、阪神線ともに、元町駅では東口に出ます。海側に向かうと南京町。横浜や長崎では中華街と呼びますが、ここ神戸では南京町。特にそれで差別的だとかなんだとか言って怒ってる人を見た記憶がありません。JRの場合、ホームから階段を降りてきたところで振り返って、こういう置物があれば正解です。

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 改札口を抜けたら左手、セブンイレブンの横を通り抜けて駅の外に出ます。阪神で来た場合も東口で地下から地上にあがるとJRのコンコースですので、同じくセブンイレブンの横を抜けます。

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 信号待ちをしています。写真の交差点を左手の方へ上がっていくのが鯉川筋。ここは道路を渡って東、すなわち写真右奥の方へ進み、次の交差点(賃貸住宅のお店あり)で左に折れます。ここから上がっていくのが、かの有名なトアロードです。

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 で、二つ目の信号が、昨日もご紹介した中山手南三丁目の交差点。トアロードに入ったら山に向かって上っていきます。トロリーケースを引いていても大丈夫な緩い登り坂。ゆっくり歩いても10分ほどで北野工房のまちに到着です。

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 SNS上で、新幹線で新神戸まで来た場合は地下鉄に乗り換えて二つ目の県庁前で降りると近い、という書き込みを見かけました。その通りですが、新神戸駅で地下鉄に乗り換えるには、やはり10分は見ておきたいところです。さらに地下鉄は都市部にしては運行間隔が開いているのと、県庁前駅の東口出口1番から北野工房のまちまで、やはり徒歩10分ほどかかります。新神戸駅から異人館街を通り抜けて北野工房のまちまで歩くと25分ぐらい。二人で新神戸駅からよーいドンした場合、ほぼ同着、もしくは徒歩の方が早いかもしれません。

 伊丹空港からはリムジンバスで三宮ですし、関西国際空港からは同じくリムジンバス、もしくは関空から神戸空港まで高速船で30分、そこからポートライナーで三ノ宮、というちょっと毛色の違うコースも面白いです。

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 秋は神戸で萬年筆。神戸ペンショウもすばらしいのですが、神戸の街も素敵です。あと、こういうイヴェントって萬年筆に詳しい人ばっかりで怖いんじゃないか、なんて声も良く聞かれるのですが、事実は全く逆です。会場内で困ったことがあれば、エプロンを掛けている人に声をかけるだけでOKです。お待ちしております。

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2021年11月 6日 (土)

実踏・1

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 家族が食卓を囲んでいるのを笑顔で見守る「ちち(仮名)」さん。ここで家族の誰かがリンゴのかけらを投げてくれたりするとそれで満足なのですが、それが満たされなければ吠えて要求する、という困ったワンコに育ててしまいました。もうお婆さんなので、まぁ仕方ないか、と諦めている飼い主。けれども、お母さんとお姉さんは厳しいからご飯の他には何もくれない・・・というのはしっかりと理解しているわけですので、結局は我が家の男性陣が皆、彼女に大甘なだけ、ということになるのでしょう。

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 写真は神戸、三宮駅の高架下です。青い高架橋はJR東海道線(神戸線)のもので、写真奥の方が東になります。この上にあるのが三ノ宮駅。その北側、写真では左手奥の方に並行して阪急神戸線が走っており、そちらは神戸三宮駅。この高架橋のあたりはJR三ノ宮駅のホームの真ん中へんになり、撮影者の左手後方が阪急の神戸三宮駅になります。この高架下にある、緑色のバス停が、神戸シティループバスの乗り場です。

 来る11月20日(土)、21日(日)の神戸ペンショウ会場へは、ここから緑色のレトロな外観のバスで行くことができます。乗ったら次のバス停が北野工房のまち。運賃は260円ですが、車内で車掌さんから一日乗車券(680円)を買うのもひとつの手です。神戸ペンショウを楽しみつつシティループバスに乗って異人館街や南京町、神戸港なんかを巡って、再び会場へ戻ってくる、なんてのも楽しいのではないかと思います。

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 いっぽう、先の写真を撮影している場所で振り返ると、交差点の向こうにこんなビルが見えます。ラウンドした壁面に「阪急」とありますが、その左手の方、まっすぐな壁面にも「阪急」とあります。歩道橋や地下街などを通って、まっすぐな壁面の「阪急」の方を目指すと、そこに神戸市交通局のバス乗り場があります。地下へ潜った場合は、A13出口で地上に出れば目の前がバス停です。

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 ⑦乗り場のうち、特にY3乗り場から、7系統神戸駅前ゆきに乗り、中山手3丁目で降りると、神戸ペンショウの会場となる北野工房のまちはすぐそこです。運賃は210円です。バス停を降りたら、バスの進行方向に進んで最初の交差点(中山手3丁目)で左に折れます。緩やかな登り坂になっていますので、ぼちぼちと歩いていただくと、聖ミカエル国際学校の前を過ぎたところが北野工房のまちです。

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 この施設の営業時間は午前10時から午後6時。ですので、神戸ペンショウも午前10時開始です。それ以前に会場に着いてしまった、という方は、北野工房のまちの正面玄関を行き過ぎて、この看板のあるところで左に折れて、写真の奥の方を目指してください。駐車場の入り口ですのでクルマにはお気をつけください。通路の左側を歩き、Timesカーシェアの駐車場を過ぎたらまた左に折れて、駐車料金の精算機を左に折れると、次の写真のような入り口が見えます。

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 午前10時の開場少し前になると、この入口から館内へとご案内します。昭和6年に建てられた小学校の校舎を改装したこの施設、入ってすぐにクラシカルな階段があり、それを3階まで上ったところが講堂、神戸ペンショウの会場です。

 昨年、開場前に並んでいた先頭の方は、午前7時頃に来られたということでした。運営スタッフは午前8時頃に現地に到着しますので、整理券の配布はそれ以降となります。昨年度はトアーロード側で並んでいただきましたが、今年はこの場所で整理券を配布します。

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 実際にこの写真のように整理券を配ります。整理券を受け取っていただいたら、午前10時少し前まで、好きな場所でお過ごしください。券面にあるQRコードをスマートフォン等で読み込むと、整理券番号を入力する画面になります。また、メールアドレスを登録しておけば、順番が近づいたときにメールで通知されます。さらに、この場所近辺で、現在何番までの方に入場いただいているか、ということもお知らせします。

 人気のあるガラスペンやインクなどは、初日だけで売り切るのではなく、2日間ともに販売するよう、出展者にお願いをしております。2日目も開場前にたくさんの方が待たれている場合は整理券を配布します。

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 くれぐれもこの正面入り口前で並んだり何人もで固まったりして時間待ちをしないでください。隣には国際学校もあり、土曜日曜でも登校して来る子どもがいるようです。また、歩道を通行される皆さんにもご迷惑がかかります。この正門の真裏、そこで整理券が配られ、そこから館内へとご案内をします。開場してしばらく時間がたち、3階までの階段に人が並んでいない状態(整理券が不要な状態)になれば、それ以後はお好きな入り口からお入りください。

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 正面入り口から見えるファミリーマートの前を通り過ぎて歩いて行くと、神戸モスクがあります。神戸最古、もちろん日本で最初に建てられたモスクで、見学もできます。こういうところが神戸にはいろいろとありますし、異人館街にも近いので、整理券を受け取られたら散策などされて入場の時までお待ちください。

 最後に、会場入り口には体温を測定する機械があり、アルコールで手指消毒をしていただくようになっています。受付を通り、場内に入るまでの間に、手に吹き付けたアルコールを完全に乾かしていただく、ということをお願いします。樹脂製の萬年筆などは、アルコールで湿ったままの手で触ると損傷します。感染対策と、出店されている商品を大切に手に取ってみていただくこと、その両方ともに、お忘れなく。

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2021年11月 5日 (金)

コメント

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 あくびをした直後に、むにゃむにゃむにゃ、としている「ちち(仮名)」さん。気持ちが良いので、このまま睡眠継続と決めて、このままズデッと崩れ落ちて寝てしまいました。羨ましい限りです。

 週末の本日、飼い主はそこそこ忙しく過ごしました。公立の学校というのはお役所ですから、書類にはんこを押して次に回す、っていう文化が今も続いています。私のところの自治体ではかなり減りましたけれど、それでもまだまだかなりの数のはんこを押さなければなりません。校長というものは何の権限もない割には大量にはんこを押すという、暇なのか忙しいのかよくわからないお仕事で、それに加えて本日は学校と市役所との間を二度も三度も往復して、その合間になかなかに慎重な対応を求められる方に震えながらお電話をかけるなど、まぁふだんの日とは違って、そこそこ仕事してる感じのする一日でした。

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 その昔、学級担任をしていたとき、よせば良いのに一念発起して、子どもたちに毎日「本日の振り返り」なんてものを書かせて、それを集めてじっくり読んではコメントを書いて返す、という、今にして思えば何と愚かな、と思うようなことをしたことがあります。で、何事にもまずは形から、道具立てから入る私のこと、コメント書くなら萬年筆だよね、それも太字で、赤インクだけれど普通の赤インクは嫌だな、なんていろんなことを考えて、行きずりに見かけたモンブランのボルドーインクを買い、これ使うならコンヴァータ付けた萬年筆、あんまり日とが使ってない野がいいな、ということでロットリング・リーフと、いきなりヘンタイな組み合わせでスタートしたのでした。

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 当時は近所でペンクリなんてやっているところもなく、調整してくれる素敵なお友達なんていうものもいませんでした。そしてこのペン、実にアタリが悪かったというべきか、太字なのにさっぱりインクが出てこないという代物でした。その昔、夏目漱石大先生は思うように書けないペリカン萬年筆(ギュンターワグナーとは別物)に腹を立てて墨汁をしこたま呑ませてやった、のだと言いますけれど、私も負けじとデンタルフロスを持ち出して、ペン先とペン芯との間に入れてゴシゴシとやったりしました。

 実に乱暴極まりない行動ですが、偶然にも効果が出て、それから抜群のインクフローになりました。けっこう無茶苦茶なことをしましたので、偶然にもペン先の寄りが緩んだとか、ペン先とペン芯とのくっつき具合がいい塩梅になったとか、そういう幸運に恵まれたとしか思えません。

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 何をどう考えたら、こんなところにデンタルフロスを入れようといことになるのでしょうか。アホというか、この時点ですでに気が狂っていたのかも知れません。それでも壊れないのですから、ドイツ製品っていうのは本当に頑丈なのだな、と変なところに感心してしまいました。

 結局、ぬらぬらな書き味になってしまったので、コメントを書くといっても、生徒たちから見れば綺麗でもない赤茶色のインクで何やら呪文のような謎の筆記線が残されている、ということでしかなかったのだろうな、と反省しております。

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 現在、ぬらぬらで適当に書き殴る、という役割はBニブ付きのLAMYサファリが担当しております。しかし、こうして懐かしいペンをじっと見ていますと、もう一度、こいつにインクを入れて活躍させてみたいな、などという気持ちになってくるのです。それでは、どんなインクを入れましょうか。今流行りのラメ入りインクでも、このタフなペンならいけるかもしれません。

 と、なると、2週間後に迫った神戸ペンショウで、変なインクを物色するのも良さそうです。残念ながら私は「中の人」なので、初日は正午を過ぎる頃までお買い物が禁じられております。コレは、というものが残っていれば良いのですが・・・。

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2021年11月 4日 (木)

手習い

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 珍しくクッションの上で寝ている「ちち(仮名)」さん。頭からお尻までほぼ全身がクッションの上、しかも伸びた状態というのはけっこうレアなお姿です。しかしこれも、時間の経過と共にムニャムニャ言い出したかと思うとくるっと姿勢を変えてしまいますので、いつまでも見られるわけではありません。お婆さんになって、本当に寝ている時間が長くなりました。

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 文化の日を中心に、PILOT、プラチナときましたので、本日はセイラー。ごくありきたりな仏壇軸で、小さいサイズのプロフィットです。実用品としてならともかく、趣味の品としてわざわざ手にしたいと思う人は少ないのではないか、と思われる一本です。

 しかし、セイラー萬年筆の面白いところは、キャップをとってみないと何なのか本当にわからない、というところです。

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 ね。まぁこういうヘンタイな萬年筆、わざわざ自分のものにしようという人も少ないでしょう。色もん、キワモノ扱いで、どんな字が書けるか興味のある人でも、例の緑色の安いヤツで試しておしまい、ということが多いのではないでしょうか。ペン先が上に反ったり下に曲がったりするのはまだマシな方で、エグいのになると草刈り鎌みたいに横方向に曲がったペン先、なんてのも存在します。もちろん、普通の人が使っているというわけではありませんが。

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 シェーファーのペン先が反っているなんて言っても、これに比べたらかわいいもんですね。こんな風に反ったペン先をもつ萬年筆を立てたり寝かしたりしながら、さらに筆圧もコントロールしつつ書くことで、実に味わいのある良い文字が書ける、のだそうです。

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 だから、毛筆と萬年筆、両者の特性を併せ持つ、ってことで筆でまんねん。でも、私のように毛筆はもとより、萬年筆であってもまともな形の文字を書くことができない人間にとっては、宝、いや道具の持ち腐れです。良い萬年筆を使えば綺麗な文字が書けるようになります、と川口師はおっしゃってましたが、私には当てはまらないお言葉です。

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2021年11月 3日 (水)

正直者

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 寝息が聞こえてきそうな1枚。「ちち(仮名)」さんがあまりにも気持ちよさそうな寝息を立てて寝ているのを聞いた飼い主が、彼女のそばまで匍匐前進して近づいていって撮ったものです。その間、彼女は一度目を開けましたが、すぐに閉じました。気持ちよくて飼い主どころではなかったものと思われます。

 文化の日の今日も、ゴロゴロと何もせず寝て過ごした飼い主。水曜日も休日として週休三日とすれば、週の勤務日は4日で、どの日も休み明けか休みの前の日、というすばらしいことになるわけです。実際、生産性が上がるという研究結果もあるようです。もし日本が豊かな国であるなら、遠からず実現しそうなものですが、この先、世界の最貧国へ向けてまっしぐらでしょうから、そんな日は来ないでしょう。

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 文化の日なので、プラチナ萬年筆のオネスト60です。米軍の地対地ミサイル、オネスト・ジョンからその名をとった、と言われるオネスト。1960年に市場を制する意欲から、その名になったのだそうです。1936年に世界初のインクカートリッヂをウォーターマンが発売した、という話と、1956年に世界初のカートリッヂ式萬年筆をプラチナが実用化した、という話。さて、この辺の話をもっと深く掘り下げるには、私のような素人では限界があります。もっと詳しい方にお会いする機会があれば聞いてみたいところです。

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 この剥がれかけている値札が、実は大切なのです。価格は1000円。値札の近く、胴軸の首軸と接する部分に近いところに、P60-100という刻印があるのです。これまた有名なオネスト66、手元にある個体は1500円で、P66-150と刻印されています。わかりやすいといえばそうですが、価格改定となったら刻印を変える必要があります。昔のものは、いろんな意味で面白いです。

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 そしてこの当時はまだ、現在のプラチナのマークではなくて、地球マークです。プラチナの古い製品、この地球マークがあるから貴重品だよ、と言ってオークション等で売り出されています、オネスト66が完成したのが私の生まれた年、現在も使われる「P」のマークが69年からだということですから、地球マークのついたものは若くても50代後半。「萬年」筆とはいっても、きちんと動作しているものは少なくなっていると思われます。

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 我が家にある萬年筆の中では珍しく新品未使用なので、インクを通したことはなく、書き味もわかりません。とにかくペン先に刻印がたくさん施されています。地球マークと14Kだけならともかく、両サイドのPLATINUMっていうのは、写真右側からペン先を上にしてみると上下逆さまになってしまいます。どうせならここ、そういうことも考えて刻印打てば良かったのに、なんて勝手なことを思ってしまいます。

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 おなじみの透明なペン芯。オネスト60は、1.7ccのインクが入ったカートリッヂでインク60滴、1滴で800文字書けるので48000文字書ける、という宣伝を打ったそうですが、実際、どうなのでしょう。100字程度書くだけでもしんどい私には、48000文字も書くなどということは到底できませんから、自分で試してみる術はありません。

 もういくつ寝ると・・・ということで言うと、本日を含め17回寝たら神戸ペンショウの朝です。文化の秋です。秋は神戸で萬年筆。ご都合の合う方は、ぜひ、愁色深い秋の神戸にお越しください。そのついでに、神戸ペンショウで楽しんでいただけると幸いです。

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ていて、

2021年11月 2日 (火)

箱 in 箱

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 モフモフな「ちち(仮名)」さんがモフモフなクッションに顔を埋めて眠る光景です。モフモフなのは気持ちよいのだけれど、あまりにモフモフすぎて自分が思うような「型」にならない、といつも怒りながらホリホリしておりますが、ついに諦めて枕として活用する道を選んだようです。

 人間でも思うようにならないときにブツブツと一人で文句を言うことがありますけれど、ワンコのくせに同じように文句タレながらクッションの形を整えているのを見ますと、つい笑ってしまいます。

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 ついに届きました。発送前に電話でこちらの受取希望時刻なんかも聞いてくださり、それではよろしく、ということで、しっかりとした箱が送られてきました。キャップレスLSの内部機構に錆が生じて動きが渋くなる不具合を解消すべく、ノック側の軸を交換するのですが、そのためにこういった箱を送ってきて、これにキャップレスLSを入れて返送して欲しい、ということです。

 送付先は東京都中央区京橋。いやぁ、私も一緒に送って欲しいわ、という場所ですね。1階は喫茶店でしたか、そして2階は展示館。その地下に秘密基地?ならぬ作業場所があるのだと言いますが、軸の交換ですから、工場ではなく事務所的なところでも作業できるのかもしれません。

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 送られてきた箱の中に入っている箱を開けると、製品を入れてくれる箱が入っています。こいつにキャップレスLSを入れて、同梱されているクッション封筒に収め、それをこの写真の段ボール箱に入れて伝票を貼って返送します。ただこれだけのことですけれど,カラー印刷の実に詳細な説明書がついてきます。

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 これはダメな例です。このプラ箱にきちんと紙のスリーブかぶせないといけません。このまま送ってしまうと、余分に紙のスリーブを消耗することになってしまいます。メーカーがきちんと対応してくれているのですから、ユーザーも礼を尽くして対応しなければいけません。

 さて、このノック側の軸が交換されて戻ってくるのに3週間ほどみて欲しい、ということでした。つまりこのペン画手元に戻ってくる頃には、神戸ペンショウも終わっているということですね。

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2021年11月 1日 (月)

おもい

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 念願叶って、というべきか、家族がちょっと手洗いに立った隙に、そのブランケットを占領して眠る「ちち(仮名)」さん。彼女はとにかくこのブランケットが大好きで、家族がこれを被ってうたた寝していると、いつの間にか添い寝をしてくれています。ワンコなんて全身毛で覆われていて肌触りもへったくれも無いだろうと思うのですが、どうもそうではないようです。

 本日は思いがけず懐かしい人に出会いました。40歳の時に異動した、生徒はもとより先生方すらも荒れに荒れていた職場で4年間、校長としてお仕えしていた方が職場に来てくださったのです。自慢するわけではありませんが、その方と共に勤めた4年の間に学校の様子が一変し、教員にも生徒にも笑顔が戻ったことも懐かしい思い出です。

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 思いは叶う、と常におっしゃっていたのです。あるべき姿を思う、なりたい自分を思う、それを続けていればいつか現実のものとなる、ということで、その考えに共鳴する人もいれば、それこそ夢みたいなこと言ってどうするんだ、と言う人もいました。私はその校長の下で初めての教務主任という大役に押し潰されそうになりながら、結局11年もその仕事を続けることになるほど「ハマって」しまったのでした。

 管理職の選考を受けてみるようにすすめられて、素直に受けたのもその人だったからこそ、でした。自分としては落ちるものと決めてかかっていて、合格した後もまさか登用されるとは思っていませんでしたが、管理職のなり手が不足していることから、いないよりはマシ、ということでいつの間にかその椅子に座ることになりました。こういう学校になればいいなぁ、とずっと考えていたことを、今、少しずつ形にして行くことができているのも、その人のおかげです。あの頃、この人がすすめてくださったからこそ、自分が思いが叶っているのです。

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 とにかく、ヘンタイであり、なおかつ偏屈な私。大きくて立派なペンが良い、と言われればカヴェコやサファリに走り、ペンなんて字が書ければそれでいいんだ、といわれたらこんなペンに手を出すのです。同じ大きさでも、モンブラン149は好きではなくて、オマスのパラゴンを選ぶというヘンタイっぷりです。

 モンブラン、すばらしいのですよ。人が萬年筆買いたいと相談に来たら、モンブランをすすめます。車を買いたいという人にはトヨタ。電化製品ならばパナソニック。けれど、自分はそういうものは買わないのです。

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 学校が荒れているとき、生徒よりもむしろ先生の方が荒れているものです。その職場に赴任して三ヶ月ほどの間は、職員室の片隅に置いてある共用PCを使いたくても、その近辺で談笑しているグループの人たちがどうにも苦手で近寄ることができませんでした。仕方が無いので私物PCをデスクの上にどーんと置いて仕事をしていたのですが、そんなことをするから目をつけられて、みんなが敬遠する教務主任なんて仕事を仰せつかったわけです。だいたい、その日の仕事の段取りすらできない人間が、学校のマネジメント係である教務主任をするなんて、それこそブラックジョークというほかありません。

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 でも、今はそれも良い思い出と、そして貴重な経験です。学校でなんとか主任とか、教頭、校長なんて役職に就いたからといって、何か研修を受けさせて貰えるわけではありません。見よう見まね、前任者への問合せ、周りの人の助言なんかを積み重ねて、なんとかかんとか仕事をやっていくのです。教務主任として最初の4月はまさしく書類の海に溺れながら、かろうじてゴールデンウィークという「島」にたどり着くことができました。そんな調子で1年を過ごして、2年目は少し余裕ができ、3年目ともなればオリヂナルの企画なんぞを立ち上げたりするわけです。

 さて、今回発掘されたこのパラゴン。どんなインクを入れて、何に使いましょうか。考えるまでもなく、黒かブルー系統の重厚な色、でしょうか。同じように発掘された訳のわからないペンは、神戸ペンショウで景品として出すことにしましょう。秋は神戸で萬年筆。11月20日土曜日と21日日曜日、神戸でお会いしましょう。

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