なおす
ごろんと横になって、録画しておいた番組を見ているうちに、意識を失っていることが増えてきました。めざめたあとで、無駄にしてしまった時間を残念に思いつつ、こうやってどんどんお墓に近づいていくのだなぁ、などと思います。今日もそうして惰眠をむさぼっていると、聞き慣れた音がして目が覚める、それが、「ちち(仮名)」さんの鼾というか、寝息というか、そんな音です。
ゴロンと横になったときには、たしか別のところにいたはずなのに、気がつくとそばに来ている、そんなことがよくあります。寝返りを打とうとして背中の方で寝ていた彼女を押し潰しそうになったことも一度や二度ではありません。
寝転んでテレビを見る、実に良くない習慣です。今こうしてキーボードに向かっていても、左の肩甲骨のあたりが痛いと感じます。痛いなぁと思いつつキーを叩いていられるのは、改善した証拠。昨日などは、椅子の背もたれにその痛いところを押しつけるようにして、なんとか痛みを押さえ込みながらキーを叩いておりました。
四十肩、という言葉を現実のものに感じて、それでも以前足首を捻挫して治療して貰ったときの記憶から「ポキポキ」されるのは地獄であると整体を避けつつ、それでも痛いものは痛い。で、痛くない整体、ということで「自然形体療法」なんてものを見つけて通ってみたこともあります。まぁそれなりに効果はあるなぁ、と感じ、なおかつ痛いとか怖いとかいうこともない。そういう印象を持っていたところで見つけたのが「朱鯨亭」という療法所でした。何度かお世話になりましたし、何より診療の記録を萬年筆で書き残している! というところもポイントが高かったのですけれど、人気があってなかなか予約が取れず、その流れを汲む療法所、というところで出会ったのが白樺整体院さんでした。
とにかく、ポキポキやらない。痛くない。まぁ目的や状況によっては痛いと感じる操法をとられることもあるのでしょうけれど、1時間ほどとにかく寝ているだけ。痛いと感じているところを直接なんとかして貰うことはむしろ少なくて、むしろ、そこ全然違いますやん、というところに触れて治していただくことがほとんどです。どこそこが詰まっていたので、とか、ここが歪んでいたので、とか、そういうお話を最後にしていただいて、世間話をしておしまいです。あんまり変わってないなぁ、と感じるのですが、家に帰ると大抵眠たくなって寝てしまい、起きるとけっこうすっきりと改善している、という感じです。
写真のニッポニアはEFのペン先。とんでもなくガリガリだったのですが、少し触って貰って劇的に書き味が良くなりました。書いている本人が、ここが引っかかる、と感じているところ、そこを削ったりすると、たいていの場合、良い結果にはなりません。手前に引くときに引っかかるというので、ペンポイントの手前側の紙にあたるところを削ったりすると、大抵良くない結果に終わります。奥の方、ペン先と紙とがこれでサヨナラ、というところをいじったりするとするするになったり。そういうところが、ペン先調整の面白さ、奥深さなのでしょうけれど、目が悪くて先が不器用な私は、ハナから手を出す気がありません。人にはそれぞれ適性というものがあります。
このキャップレスみたいに小さなペン先、これをいじると書き味が大きく変化するなんて、ほんとうに魔法のようです。コロナ禍で人と出会う機会が減り、WAGNERの集まりなどもどんどん中止となって、手元にある具合の良くないペンを調整して貰う機会も少なくなりました。昔は手に入ったペンを片っ端から調整に持ち込んでいたものですが、最近はインクすら通さないまま死蔵してしまっているペンも増えています。
写真に撮って改めてみてみると、毎日胸ポケットに挿して持ち歩いているだけなのに、クリップがこんなにも傷だらけになっているのか、と驚かされました。ペン先を調整して貰ったら、その瞬間が再興dえ、あろは書き味が悪くなっていくばかり、という話がありますが、それもまた頷ける話です。本日調整して貰った私の体も、また姿勢の悪い日常を経ていたんでいくのでしょう。
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