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2021年9月19日 (日)

旅行瓶

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 少しばかりこぼれ落ちながら眠る「ちち(仮名)」さん。当初はくるんと丸くなって頭もクッションの上に収まっていたのですが、寝返りを打つのはワンコも同じで、ときにう~んと伸びてみたいときがあるようです。実に平和な休日の午後です。

 私の業界は、特に中学、高校に勤めておりますと休みの日はすなわち部活動の日、みたいな感じになってしまっています。教員に残業手当が付かないことは比較的広く知られるようになりましたが、では時間外勤務がないのかといえばそうではありません。始業時間の少し前に職場に着く野は社会人として当然のことですが、「朝練」なんてものがあると、朝は7時までに職場に着かなければ、なんてこともありますし、日が暮れるまでに自宅に帰り着けるようにと、中学校では普通「最終下校時刻」なんてものが設定されていますが、それがこの季節であれば午後6時です。勤務時間内に子どもの活動が終わらない仕組みを自分たちで作ってしまっているわけです。部活動がこのまま幅をきかせていると、学校は遠からず崩壊します。頑健な人ばかりを教員にしたら大丈夫、なのではありません。授業の準備なんてする時間がないので、授業の質が低くなって、学校の授業なんて受けるだけ無駄、と思われる日が来るのです。恐ろしいことだと思いませんか。

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 さて、そういう面倒な話はとりあえず忘れて、楽しいことを考えましょう。お気に入りの萬年筆とインク、そして書き心地の良いノートなどを携えて旅に出るのです。旅先で見聞きしたこと,触れあった人との思い出、そういったものをしたためて、手紙にして送るも良し、日記など自分の記録として残すも良し。何より、「萬年筆で書く」という豊かな時間を旅先で過ごすことができるのです。

 写真はヴィスコンティのトラヴェルインクポット。現在手に入るのはこんな感じのもので、品切れが多くて入手難のようです。一般的な萬年筆とほぼ同じ大きさで、太い太い萬年筆が収まるケースであれば、あるいは収めることができるかも知れません。

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 私のような素人でも、ゴム板ぐらいは家に転がっています。キャップが非常にキツくしまる(そうでないと困りますが)ので、ゴム板で挟んで回さないと開けることが難しいのです。じっくり、おとなしく開けず、力任せに引っ張ると・・・悲惨なことになりますので。

 本来はスポイトも一緒になっている製品のようですが、我が家に転がっている中では見当たりませんでした。附属していたスポイトをどこかにやってしまったのかもしれません。もう20年近く前に手に入れたものですから、記憶も曖昧でよくわからないのです。

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 この線までしかインクを入れないでください、ということのようです。キャップが大きく筒の内側に入り込みますから当然でしょう。ポットにペン先を突っ込んで吸入しますが、慣れないとトラブルを起こしそうですので、水で練習しておくのが良いでしょうし、旅先で使うときも、この筒それ自体を立てておけるようなものを用意しておくのが無難かと思います。ペンを突っ込む口の部分にゴム製のベロのようなもの、流しのトラップに取り付ける目隠しみたいなものがついていたような記憶もあるのですが、それはまた別の製品だったかもしれません。

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 かつて、我が家にも何本かヴィスコンティの萬年筆がありました。しかし、耐久性に難があったり、そもそも書けなかったりするのですべてお嫁に出してしまいました。最近はまた凝った機構や変なペン先を持つものなど、ヘンタイ心をくすぐる製品を出しておりますが、これ以上、萬年筆を蒐集しない!と公式発表しておりますから、同社の萬年筆を握ることはもうないだろうと思います。このインクポットだけが、我が家に残る同社の製品なのです。

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