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2021年9月20日 (月)

墓参・行き

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 最高に眠たそうな様子で玄関の方を注視する「ちち(仮名)」さん。誰か帰って来た、ということは察知したものの、眠たいのでお布団の中でお出迎えをしようとスタンバイしているところなのです。ありがたいことに,飼い主が帰って来たときには眠たくても布団から出てきて懸命に飛行機耳をしながら甘えに来てくれます。おぉ、愛いヤツ愛いヤツ、と悪代官みたいなことを言いながらひとしきり撫で回してやると、満足してまたお布団へと帰って行くのです。

 本日は秋の彼岸の入りですので、珍しく朝早くから起き出してお墓参りに行ってきました。何事にも無計画な私のこと、本来であれば昨日のうちにお墓に供えるお花を買っておくべきところですが、当然,何の用意もできていません。けれども本当にありがたいことに近所のスーパーが食品売り場限定ながら朝の7時からオープンしているので、そちらで花を買って高野山へと向かいました。

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 南海高野線の終点、極楽橋駅。自宅から大阪難波駅まで近鉄電車で出て、難波駅から南海電車に乗るのですが、昨今は列車の本数が少ないので、日頃、駅まで行ってきた列車に乗る、という私にしては珍しく、前もって行程の計画を立てなければなりません。

 子どもの頃は大阪府に住んでいましたので、お盆の帰省は南海高野線の難波、堺東、河内長野のいずれかの駅から電車に乗り、高野山まで村の誰かに自動車で迎えに来てもらう、というものでした。とにかく夏の南海高野線はラッシュ時並みの混みようでしたので、貧しい我が家二は珍しく有料の特急列車に乗ったりしましたが、それでもこの極楽橋駅では青春18きっぷの旅さながらのダッシュをかます必要がありました。

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 極楽橋駅は3面4線で頭端式、すなわち行き止まりの構造で、ホームの先でここまで来た線路と直角に右折してこの風景です。今はずいぶんと綺麗になりましたが、昔はこの通路、行きも帰りも走ったことしかありません。駅名の由来となった極楽橋という橋は駅の難波側にある引き上げ留置線の近くにあり、この通路の途中で右の方を見るとよく見えます。

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 スロープになっているその奥がケーブルカーのホーム。このケーブルカーに乗りきれないほどの乗客が電車に乗っていますので、走らなければ次のケーブルカーまで待たなければならない、ということでした。当時お世話になったケーブルカーは退役し、スイス製の車体を持つ美しいものになっておりますが、定員はグッと減っております。皆さん、高野山へは自家用車で、というのが多くなったのでしょう。私が子どもの頃は道路状況も悪く、比較的マシな道路は和歌山県の管理する有料道路という状況でしたし、何より、自家用車を持っている家庭なんてほとんどなかったのです。

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 本日はこの鮮やかな赤、朱系統の軸を持つ萬年筆、ということで、ウォーターマンの小ぶりな1本。確か同じ色の「筒」に入れられていたと記憶していますが、いつの間にか筒を振り切って彼女だけで暮らしております。いずれどこかから主を失った筒が見つかるのかもしれません。

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 上品なご婦人が、このペンを筒に入れてバッグに入れておき、サインなどの必要があるときに取り出してサラサラ、ということでしょう。小ぶりではありますが、キャップをポストすることで、ゴツい手のオッサンでも問題なく筆記することが可能ですが、大きく寝かせて書く人には男女ともに不向きかも知れません。手帳を使うのであれば、小さなサイズで便利かと思いますが、私は手帳はおろか、ちょっとしたメモすらもとらないという横着極まりない人間なので、そういう活用場面もありません。なんでこのペンがうちにあるのでしょう。

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 教員になったとき、新規採用者が全員、大ホールに集められて偉い先生方のお話を聞く、という研修会があり、壇上の教育長と目が合って仕方がないと感じていました。やがて教育長が、「皆さんはもう社会人なのですから、人の話を聞くときには必ずメモをとる。常識です。」と私の目を見ておっしゃいました。なるほど、周りの人たちは皆、教育長の顔なんか見たくない、というぐらいにうつむいてメモをとっています。

 でも、私はとりませんでした。そもそも用意していませんでしたから。今でもバカですが、当時はもっともっとバカだったわけです。教育長はそんな私を見て呆れたのでしょう。「そして、注意されたら素直に改めることも社会人としては大事なことです。」と畳みかけてきました。あぁ、ワシ、このままクビを宣告されるかもしれんなぁ、と思ったことを今も覚えています。それほど字を書かないやつが、萬年筆の登場するBlogを書いているのですから、人生何が起こるか予想もつかない、というのは真実ですね。

 

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