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2021年8月27日 (金)

だいだい

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 獣やなぁ、と感じてしまう「ちち(仮名)」さんのお姿、その2です。男の子はヤンチャ、女の子はおしとやか、なんていう、古くから受け継がれてきた考え方からすると、「ホンマに女の子か,アンタ」と言いたくなるような「おてんば」な彼女。ワンコだって、雌は産み育てる性ではありますけれど、やはり「生存」ということを第一に据えるなら,ジェンダー思考みたいなものにとらわれているわけにはいきません。

 飼い主は昭和な人なので、男の子は泣かない、とか、そういうことを言われて育ちました。しかし今、勤めている自治体では、教員の6割が女性です。小学校となるとさらにその比率は高く、なおかつ、一般に女性の先生の方が真面目でしっかりしていて、いろんな実力も高い傾向にあります。でも、男性の先生にはまた違った面で優れたところがあって、それらがうまく組み合わさっているのが私の職場。教員生活の最後に、優秀な人がほとんど、という職場に勤めることができて、本当に幸せです。言うならば、ON時代の巨人の監督しているみたいです。

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 大部分がオレンジ色に変わってきたゴーヤの実。しっかりとオレンジ色になったものは、食べると甘いのだそうですが、それ、人間の味覚で甘いと感じられるのか、それとも鳥たちにとってなのか。苦いものですらゴーヤを食べない私には、確かめてみる勇気もありません。

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 で、これはある程度鳥に食べられたか、あるいは種が地面に落ちたあとの姿。種も真っ赤な衣装をまとって、おいしいよ、とアピールしています。で、それを鳥が食べて飛び立ち、どこかで体重を軽くする、そのことでゴーヤは新天地に居を構える可能性を得るわけです。

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 見落としてしまいそうですけれど、鳥ではない来訪者も。ただとまっているだけなのか、あるいは汁を吸っているのか。毎年のようにゴーヤを使ったみどりのカーテンが作られてきているのに、こんなにしっかりと観察したことはほとんどありませんでした。そして、そういうものを身近に感じられるのも、小学校の良いところです。

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 だいだい色というよりは朱色というべきかも知れません。本日の萬年筆は仙台大橋堂の1本。私のように文字を書くのが大嫌いな人間が教員をしているのは罪悪なのかも知れません。しかも、大人のそれとは思えない稚拙な文字を書くので、職務を完遂する意欲を自らの手で押し潰すということになります。かつては何でもかんでも手書きで、特に年度末、担任する生徒一人一人について指導要録に所見を書くという業務は、いろんな意味で苦痛以外の何者でもありませんでした。

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 ちょうどそういう作業が行われる頃、毎年1月から2月に、地元の百貨店で「東北物産展」なんてものが開催されていたのです。そこに大橋堂さんも参加されていて、まだお元気であった植原さんが実演販売をされていました。指導要録の用紙を持ってそこへ行き、この紙に気持ちよく書ける萬年筆を、と植原さんに何本か出してもらい、これだ、となったら次に軸を選ぶのです。書き心地が良ければ軸なんて何でもよい、と思って売り場に赴くのですが、帰りはいつも分不相応な立派な軸を持って帰る,こういうことを毎年繰り返していたのです。

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 その頃手元にあった萬年筆は、残念ながら1本も残っていません。30代後半で赴任した職場では、100円そこらの透明軸のボールペンに誰もが自分の印鑑を捺した紙片を入れて使っていました。きっちりした人たちやなぁ、と思っていたのですが実際はその逆で、とにかく目に付いた筆記具を拝借して元に戻さない、それが当たり前の職場だったのです。

 当然、誰もが筆記具を人の目に触れないところにしまっておくようになる訳ですが、手近な抽斗を開けて持っていくので対策にはなりません。この職場で,萬年筆を数本失いました。今では手に入れることが不可能なものもありましたから,大変に残念なことです。大橋堂の萬年筆を手に取るたびに、その職場のことを懐かしく、いえ、苦々しく思い出してしまうのです。

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