書く道具・3補
くしゃっと潰れて眠る「ちち(仮名)」さん。かつては、彼女の他にもう一頭、ワンコがいたのです。26歳ぐらいの頃、職場(学校)に迷い込んできた子犬を家に連れ帰って、「タマ」と名付けて犬小屋にも表札をかけたのですけれど、そんな名前の犬はおらん、と家族に猛反対されたので一画減らして「クマ」にしました。その後、妹が嫁ぐのに際して実家を引き払い、私が戸建て住宅に移って面倒を見ることにしたのです。そのいきさつから、同僚から「犬御殿」と呼ばれる我が自宅ですが、実態は掘立て小屋です。
その後「クマ(実名)」さんが亡くなり、その一周忌のお墓参りの帰り道、ペットショップに寄ってしまったのが運の尽き。そのときに連れ帰ったのが「くま(仮名)」さんです。女の子でもあり、実名をネット上に公表することは避けたいので(仮名)。私がリアルでも仮名で彼女を呼ぶので、家族はおかんむり。それでもイチビるのをやめない私は、「日めくりみたいに毎日「くま(仮名)」さんの写真を載せるBlogを開設する!」なんて宣言して、本当に実行したのが2008年9月。以来、2020年の1月13日までは何とか毎日更新していたのですけれど、機器の不調もあって突然にお休みすること1年半。そしてまた、気まぐれに再開したという次第です。ですので拙Blogは何なの、と聞かれたら、萬年筆なんかが出てくるワンコのBlog、と答えるようにしています。
いきなり薄汚いオッサンのシャツ。私はどんな良い服でもおろしたその日に破ったり穴をあけたりするという特殊能力の持ち主なので、着るものに関しては無地で地味で安いもの限定です。このワイシャツも生地が薄くなってしまってますね。遠からず裂けてしまうことでしょう。
しかし、胸ポケットに挿さっている萬年筆は上等です。クリップの長い、というか普通の長さのものがセイラーの18K、異様なまでに短いクリップの方はご存じ、シェーファーのタッカウェイです。軍人さんの制服でポケットにフラップが付いている、そういうところに挿すのに便利なミリタリークリップと呼ばれるモデルと一緒くたにされたりもしますけれど、別のものです。もとは女性用でクリップそのものがなかったものでしたが、その後、申し訳程度のクリップをつけたモデルも出た、ということでしょうか。
セイラーの方は、私が子供の頃大流行した日本ならではのミニサイズペン、その中でもより短い方だと思います。ご覧のようにタッカウェイとほぼ同じ長さ。だから引っ張り出されてきたのです。こういうことをうだうだ書くので、長くなりすぎる、と昨日は切り上げました。
セイラーのキャップは刀の鞘みたいにペン本体がするりと収まってしかも抜け落ちないという「バネかつら嵌合」。シェーファーの方はネジ式嵌合です。では、よくあるパッチンと音がするやつは・・・。それは、「落とし込み嵌合」というのだそうです。世間一般、じゃない、萬年筆趣味の界隈では、パッチン=嵌合式、なんてことが暗黙の了解になってたりするようですが、キャップと本体とが組み合わさること、それが、「嵌合」なのです。嵌め合い、って書くんですから、そりゃそうですね。
アップにするとお肌の荒れが目立ちます。かといってこの軸を磨いてしまうと、貴重な白い文字も消えてしまうかも知れません。ですからそのまま大事に使います。タッチダウン式のインク吸入機構は生きていますので、インクを吸って筆記することが可能です。
一方のセイラーはカートリッヂ or コンヴァータの両用式です。小さくて軽い、持ち運びに便利、ということからは、やはりカートリッヂ式に勝るものはないですから、今日、このタッカウェイを持ち歩いて日常使いする、というのはあまりないでしょう。こんなに小さなクリップで縁にしがみついているのですから、ちょっとした弾みで胸ポケットからどこかへ飛んで行ってしまう可能性も低くはありません。
筆記時の長さ比較。これもセイラーの勝利、でしょうか。こういう、収納すると短くなって筆記時には十分な長さになる、ほぼ日本独自の萬年筆かと思いますが、こういうものが一時期廃絶したのは、やはり萬年筆が書くための道具として主流ではなくなったからなのでしょう。今日私たちは、萬年筆趣味という実に奥深く、そして危険なものにハマっているわけですが、このことの幸せをしっかりと噛みしめるべきですね。
あ、そういえば、シェーファーは現在、昔ほどヘンタイではなくなってしまっています。というか、ごく普通。古いシェーファーばっかり何本も家に転がっている人って、やはり度の過ぎたヘンタイなのでしょうね。
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