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2021年8月 9日 (月)

アンティーク

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 お昼寝中の「ちち(仮名)」さん。お昼寝と言っても、朝起きてご飯を食べ、お散歩から帰ったらハァハァして、それが落ち着いたら夕方までほとんどの時間を寝て過ごしていますから、彼女にとってはホンマもんの睡眠です。犬は一日に14時間程度は寝手過ごすものだそうですから、老境にある彼女の場合はそれ以上寝るひつようがあるのかもしれません。

 昨今の異常なまでのガラスペン人気、私のような年寄りは「なんで?」という感じで見ています。子供の頃、大人たちが使っている机や本棚の抽斗を開けると、そこにはたいていガラスペンや萬年筆が入っていました。たまにボールペンやメカニカルペンシルを見つけると興奮したものです。今とは全く逆ですね。余談ですが、父の本棚には吉川英治の宮本武蔵とか、江戸川乱歩全集なんかが収まっていました。小学生の頃、あまりにも本を読まない私に業を煮やし、私を椅子に縛り付けて、この本を読み終えるまでは解放しない、と宣言した母も、ちちの本棚にある本を読むことは厳に禁止していました。そう、そこにある抽斗を開けることも・・・。

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 某巨大オークションでこんなものを見つけたので入札しておいたのですが、京都手書道具市から帰って来たら落札してしまっておりました。セイラー万年筆謹製のガラスペンとインクのセットです。前述のように、我が家にはガラスペンがたくさん転がっていました。父は教員でしたので、当然、私の家は大変に貧しかったのですが、そういう筆記具類と印刷原稿を作成するための鉄筆とヤスリなんかはたくさんありました。今も昔も、学校の先生というのは生活よりも授業の準備に部活動、って感じなのです。

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 ペン先はすべてガラス製、という表現。では軸はどうなのか、というと、持ってみた感じでは樹脂っぽいです。子供の頃に家に転がっていたガラスペンは、小筆みたいな感じで、軸は竹製というものが多かったように思います。ペン先にしても、写真の白い方、予備のもののようなシンプルな形状のものでした。インクの保持力もそれほどではなかったような記憶があります。

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 京都手書道具市でのワークショップでも、ガラスペンに関する質問が結構ありました。それに答えることができてしまう自分たち講師陣も難儀な人たちだと思いつつ、丁寧にお答えしたつもりですが、かつてはこんな風なシンプルなものがほとんどでした。で、ペン先は摩耗しますし欠けることもありますので、予備のペン先が付属していたり、ペン先だけ買い求めて付け替えて使っていたりしたのです。今時の華麗なガラスペン、大量生産ではなく、作家さんが丹精込めて造られたものであっても、やはりペン先調整は必要でしょうね。

 ちなみにこのインクボトル、なかなかに可愛らしい見た目です。蓋を取ると、インナーキャップが付いています。まぁ恐ろしいので開けてもいませんし、使ってみようとも思わないのですが、そのうち気が向いたら開けてみるかもしれません。

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