ダブル・2
寝ている写真ばかりでは彼女の名誉にかかわりますので、たまには起きて笑っている「ちち(仮名)」さんを。元気なときにはこうしてニコニコしておりますが、問題はそれが長続きしないこと。今日などはお散歩に出たかと思ったら、おしっこだけしてすぐに家に帰ろうとせがむ始末でした。元気ではありますし、食欲も旺盛なままなのですが、確実に老いてきている彼女です。
昨日の記事でご紹介した刈谷日劇。全国的に極限られたところだけで上映されている映画をぜひ観たいと思っていて、日帰りでいけるところでやっているところはないかと探したところ、一番自宅に近いのが刈谷日劇だった、というわけです。
昨年の今頃は、まさかこうしてDVDが発売されるとは思っていませんでしたので、上映されているうちにぜひ観ておかなければ、と思ったのです。じっくり自宅でDVD鑑賞というのも悪くありませんが、映画はやっぱり映画館で観るべきものではないかと思うのです。
このDVDのジャケットで、赤ん坊を抱えて三島の隣にいる男、これが芥正彦。映画の中でも、何かこう、自分は別だよ、みたいな感じで話をしていて、正直なところ気に入らないオッサンなのですけれど、実際彼も、三島がこの世にいないことを無念に思っている、寂しがっているんではないかというふうに、勝手な解釈をしながら観ておりました。
刈谷日劇、そう、子供の頃に地元にあった、そういう映画館が今も生き残っている感じで、とても嬉しく、懐かしいところでした。こじんまりとしていて、チケットを売ったりもぎったりするのも家族で回している、そんな実に昭和な感じ。それでいて、かける映画については一定の基準を持ってしっかりと選んでいる、まさしく映画屋さんというところも気に入りました。探せばこういう映画館、まだまだあるのでしょうけれど、うまく出会えるかどうかはけっこう運次第で、私はやっぱり運が良かったと言うべきでしょう。
で、この萬年筆。これとほぼ同型で、軸が濃いグリーン、金具がゴールドという仕様のものを三島由紀夫は使用していて、あの日、市ヶ谷の自衛隊に出向く前に、お気に入りだった下田の日新堂にそれを置いていったという話があります。グリーン軸のものをずっと探していて、ないのであればせめて同じものを、という過程で手に入れたのがこの2本なのです。
このキャップレス、ペン体(インサート)を軸に入れる際にも、自分でしっかりと向きをみて入れなければなりません。軸の方にある切れ込みにペン体の突起を合わせれば良い現行品とは違います。また、シャッター部分の機密性が今ひとつでペン先が乾燥してしまい、インクの出が悪くなるということから、グリセリンを混合したインクを入れた専用のカートリッヂが用意されていました。
こういうものが家に転がっていると、当局の手入れがあった際にヘンタイということがバレてしまいます。このカートリッヂ、経過している年月を考えるともう少し中身が減っていそうなものですが、そこはやはり混入されたグリセリンのおかげなのか、見る限りではしっかりと中身が残っているように思われます。
このダブルスペアーを使用する萬年筆は、今でもオークションなどに良く出てきますが、ウォーターマンのCFほどではないにせよ、インクを入手することは極めて難しいように思います。けれどもそこは天下のPILOTだけあって、ちゃんと対応策がとられております。
コンバアタW。型番や名称は変わらないのに、実は2種類あるらしく、自分のペンに合うかどうかは運次第・・・というか、時折、合わないこともあるようです。それでも、よほどのヘンタイさんでもない限り、好んでこういう古いペンを使おうとは思わないでしょうから、困る人はそんなにいないはずです。我が家には結構な本数、そういうのが転がっておりますけれど、幸いなことに実用しておりませんから、別段困ることもありません。
こんな風に、ペン体を軸に入れる際は、正しい向き、というか、角度というか、しっかりと見なければいけません。そして、正しく入れることができたとしても、ペン先を出すためのノックは重たいですし、収納するときのノックはさらに重くて渋いので、自分が何か間違った扱いをしてしまっているのではないか、という不安にかられてしまいます。
我が家にはこのほかにも、キャップのついたままのキャップレスとか、下手な人がノックするとペン先を出した状態で固定できないものとかおかしなキャップレスが転がっておりますので、いずれご紹介することもあるかと思います。
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