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2021年7月28日 (水)

目をつぶる

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 ケージの中から眠たそうな顔でこちらを見ている「ちち(仮名)」さん。ワンコの写真を撮るには、相当な腕前と忍耐、そして幸運が必要になります。腕前と忍耐はカケラほども持ち合わせていないので、幸運に頼るしかない私。この一枚も、眠たそうにこちらを見ている、というところを撮ろうとして、取れたのは目を閉じているところ、という結果になりました。これはこれで彼女の魅力が出ていますね。何の努力もせず、運だけで60年生きてきたオッサンの面目躍如というところです。

 何の努力もしないのに運に恵まれていた、その最たるものは人との巡り会いでしょう。萬年筆がらみではおやかたとの出会い。萬年筆趣味の世界において、数々の巨星ともいうべき人たちと出会い、お付き合いをさせていただいているというのは、そこら辺のオッサンに過ぎない私にとっては実にありがたいことです。

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 2本の万年筆。上の方は書類などの細かい記入欄に文字を書き入れるのに使っておりますプラチナ製のWAGNERオリヂナル萬年筆。大方の人は良く目にしたり愛用されたりしているであろう、プラチナのセンチュリー系の萬年筆で、大きさ比較のために引っ張り出されてきました。

 で、本日ご紹介したいのは下の方。例によってあちこちガサゴソと整理をしていて発掘されたものです。セイラーのプロフェッショナルギアマーブルエボナイト。ベスト型ですが、長さも十分、そして軸の太さもあって堂々たる姿です。天然ゴムと硫黄からなる人類最古の合成樹脂。タイヤで有名なグッドイヤー氏が1839年に発明したもの。日本では江戸時代、水野忠邦による蛮社の獄の年です。黒檀(ebony)のようだから、ということでエボナイト(ebonite)なのです。製造過程で赤みのある色素を混ぜることで、マーブルエボナイトとなります。

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 見るからに使い込まれている、ように見えますが、実際、使い倒していてそのまま放置されて今日に至り発見される、ということです。萬年筆にとっては最も良くない状態で幾星霜過ごしてきたわけですね。この記事を書き上げたら、すぐに洗浄してあげなくてはいけません。

 そもそもこの萬年筆、使用中になぜか空を飛んでペン先から着地。見事にコンコルドなペン先になってしまったという過去があります。長刀のペン先は今ひとつ好みではない、なんて言ってた私に、「長刀のホンマのすごさ、教えたげますわ。天国、見せたげます。」とおやかたが調整してくださったペン先を、ぐにゃりと曲げてしまったわけです。で、その修正もまたおやかたにお願いして、何事もなかったかのような姿に直していただいて今日に至る、というわけです。粗末な扱いをしてたらバチが当たりますが、そこは目をつぶってもらいたいところです。横着な人間が100本以上の萬年筆をしっかり面倒見られるわけがないのです(開き直り)。

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 アップに耐えないインク汚れですが、長刀研ぎのペン先、誇らしげな「N」の刻印。最近、ようやく長刀研ぎが店頭にも並ぶようになったのは喜ばしいことですが、中古の萬年筆でも長刀研ぎのペン先を持つものは値段が高騰しておりますね。長刀研ぎ好きじゃないから、なんてスルーしていた昔が懐かしくもあり、言い時代だったなぁ、と改めて思ったことでした。

 

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