奥大井
一晩留守にしていた飼い主が帰宅したので飛行機耳でお迎えしてくれる「ちち(仮名)」さん、のはずだったのですけれど、お婆さんなのですでにお休みになっていて、出迎えはありませんでした。
文具店やオリヂナルな文具系商品を抱えている出展者などが集まってのイヴェント、Spaece Walk 2021 Summer in Shizuoka。インクとガラスペン、それに紙ものが中心の、圧倒的に女性参加者が多いであろうイヴェント、何も奈良からおっさんが出向いていくようなものではないのですけれど、静岡、というところで少し気になって出かけてみたのです。青春18切符を使って静岡を目指した場合、どれだけ早く家を出ても会場に着くのは12時半頃。なのではじめから諦めて、ゆったりと普通列車の旅を楽しみながら、ほとんど終わりかけの会場に到着。目的はこれではなかったのです。
宿泊したホテルで優雅な朝食を済ませて、静岡駅から30分ほど西へ。金谷駅で大井川鐵道に乗り換えて、奥大井、井川駅を目指します。まだ3人目の子供が生まれていなかった頃に、長島ダム建設に伴って廃線となった井川線の線路跡を巡るツアーというのに参加して、現地添乗員のおっちゃんに奈良から来たと言って驚かれたことがありますが、その際は新金谷駅まで自家用車で行って、そこからの列車旅。そして井川線も長島ダム駅まで行って折り返してきたので、今回はその先、南アルプスあぷとラインの終点、井川駅を目指します。
静岡駅を午前8時18分発の列車に乗って、井川駅到着は12時7分。驚くべきことにこの両駅、ともに静岡市葵区にあるのです。
本当に何にもないところでした。この先、堂平駅まで貨物線が続いているのですが、現在は休止中で、線路も井川駅を出てすぐのトンネルを出たところで寸断されております。長島ダムから上流に、奥泉ダム、井川ダムとあって、さらにその奥にもダムを、というようなことで延伸される可能性もあったようですが、もうその芽はないようです。大井川鐵道が運行していますけれど、中部電力が保有している路線です。
今から20年以上前にここへ来たとき、長島ダムの管理事務所に隣接する展示施設にふらっと入ったら、暇を持て余していた管理人さんに捕まって実に濃ゆいダム談義で盛り上がった記憶があります。実は当方も隠れダムヲタクなので、ダムの管理事務所のおっさんと奈良から来た一般人とが専門用語を駆使して長島ダムについて語り合うという、実に面妖な光景が繰り広げられたのです。それに懲りて、今回はダムには近づきませんでした。
長島ダム駅とアプトいちしろ駅との間、90パーミルの急勾配を担保してくれるED90型。南アルプスあぷとラインはこの区間のみ電化されていて、車両限界も拡大されています。このED90型をここまで回送してくるにあたっては、全高が低くなるように特殊な台車に履き替えさせたとか、いろいろ大変だったようですが、今は点検から検査からすべてここ、あぷといちしろでおこなっているので、よほどのことがない限りED90が川根両国の車両区へ降りていくことはないのだそうです。
今回は列車に乗るだけ、だったのですが、この南アルプスあぷとライン、沿線にも温泉やら絶景ポイントやらいろいろありますので、いずれまた、腰を据えて再訪してみたいと思っております。
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