無事帰還
おざぶに座ってうとうとしている「ちち(仮名)」さん。昨今は家族の皆から「おばあちゃん」と呼ばれている13歳の白柴です。女の子にしては大柄な「巨柴」であるためか、全身にガタが来ている今もなお、食欲は旺盛で、朝夕のお食事時間には若いワンコも顔負けの大声でご飯早く早くと訴えております。
朝ごはんとそれに続くお散歩を終えると、夜、わたくしが帰宅するまでケージの外で過ごします。昨今は家族全員が留守にするときでもケージに入れられることなく、おとなしくケージの外でお留守番をしております。やっぱり、歳をとっているなぁと感じさせられるところです。
先週の土曜日、大阪は谷町六丁目の文紙会館で開催された A Space Walk 2021 Summer Osaka Tani-Roku というイヴェントに少しだけ顔を出しておりまして、文房具店でその名を出すとバチがあたるとかシバかれるとか言われている関西のY氏から譲り受けた萬年筆がこちら。PILOTのカスタム一位の木です。
そのうち入手しようと思っているうちに廃盤となり、その後はオークションなどにもなかなか顔を出してくれなかったものです。こういうものは一期一会、親の仇と同じで、次はないと思わないといけません。カード決済の実験にも参加しつつしっかり保護いたしました。
軸がインクで汚れている? はい、そうですが、何か問題でも? 何よりこれは関西のY氏の手元にあったもの。PILOTの萬年筆ゆえ、買った時のままでも満足に書けるはずですが、そいつに関西のY氏が手を入れているのですから、うっとりするような書き味であることは間違いありません。
現行販売品であるカスタム槐ではだめなのかというと、そんなことはありませんが、まずカスタム槐は菊座クリップ。嫌う人が多いと聞けば聞くほど、わたくしはこの玉クリップが大好きなのです。このペンを無造作にカバンに放り込み、Y.Y.Pen12号の「最後の一本」を預かって、同じ日から某所で行われているペントレーディングの会場へと向かいました。
会場で私を待っていたのは、このマシン。Amazonで4万円弱で売られているレーザー彫刻機です。今回のペントレに出店されていたノンブルノートさんが、「ノート購入者へのサーヴィス」として、ノートに好みの文字や画像などをレーザー彫刻してくださる、という企画だったのですけれど、会場内ではノート購入をさておいて、あれに彫れるか、これには彫れないかと勝手に盛り上がる連中が大量に涌いて出る始末で、ここはひとつ、ぜひとも木軸の萬年筆に彫ってみたいところだよねぇ、という声もちらほら。二日目にはペンをしっかり置くためのペンレストまで持ち込んで私にプレッシャーをかける人まで出てくるありさまでした。
間違えてませんか? 萬年筆はペン先が命。軸があぁだこぅだというのはイタリア製のもの限定のお話です。実際、樹脂製ながら1本の萬年筆の軸とキャップとでは彫刻の結果が異なる、などという実験結果を見せられてしまうと、木軸とはいえ特殊な方法で圧縮されている一位の木を実験台に差し出す気持ちは萎えてしまいます。
などと言いつつも、彫ってみたいなぁ、という気持ちがあったのも事実。軸にくっきりと「つきみそう」なんて彫ってもらったら楽しいだろうな、とも思いましたが、中途半端に彫れてしまう可能性が排除できなかったので断念いたしました。
崎陽軒の炒飯弁当とともに、無事に家路につくことができたことを喜ぶ一位の木です。萬年筆は無事でありましたが、その持ち主の方も無事であったかというとそうでもなかった、というお話は次回以降に。
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