忍者電車
あ、写真撮られる、と視線を外そうとしたそのとき、一瞬早くシャッターを切られてしまった「ちち(仮名)」さん。でも、ぱっちりとこちらを見ているわけではなくて、視線をそらそうと動き始めたところを追っかけて撮っているわけですので、この勝負、彼女の勝ちです。飼い主は天然記念物に認定されそうなほど反射神経が鈍いのです。ドアを開けると正面に人が立っている、それを人だと認識して、それからおもむろに、「あぁっ」と驚く、というほどに反射神経が鈍いのです。
自動車教習所に入る際の適性検査でもその鈍さはいかんなく発揮されました。その教習所は開所間もないため、卒業生すべてに運転免許センターの実技試験を受けさせて実績を上げられたら「認可教習所」すなわち卒業生が学科試験のみで免許をもらえるような、普通にある教習所になれる、という段階でしたので、私のようなものを入所させても合格させられる見込みがない、ということでしょう、「入学金お返しします。あなたに運転は無理です。」と言われてしまったのでした。
それ以来40年近く、まぁ人に怪我をさせたり轢き殺したりすることもなく、そこらに立っているものをなぎ倒すこともしていないのは、ひとえにその時の衝撃、それを忘れずに運転しているからでしょう。ありがたいことです。
滋賀県へ出張する際に京都駅のホームで出会った115系電車。本来は草津線で運行して客寄せを行うための忍者電車ですけれど、湖西線でも草津線でも、あの緑一色の115系の走っているところならどこでも共通運用ですから、湖西線に忍者電車が走ることもあるわけです。その行先表示を写真に収めようとして、ここでまた、ドン臭いのをいかんなく発揮した飼い主。こういう表示機、人間の目で見ると残像現象で常に点灯表示されているように見えますけれど、実際にはダイナミックに書き換えられつつ表示されているので、写真に収めるのは存外難しいものです。何枚も何枚も撮ってようやく成功。そのために電車を一本見送った、というのは内緒です。
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