熟成(本題)
前脚を放り出して気持ちよさそうに眠る「ちち(仮名)」さん。お人形さんのように可愛らしかった彼女ですが、いまやいびきをかいて眠る老犬です。こちらに突き出している肉球をぷにぷにしてやりたい衝動を抑えつつ、そっと写真を撮りましたが、すでに薄目を開けています。よほど眠たいときでなければ、人が近づいてきたら起きる、というワンコの鑑です。
本当はこれの話をしたかったのです。杉綾模様でやや小ぶりな軸のプラチナ。同じものですが上はこのBlogを始めて間もない頃に手に入れたもので、下はもっと後になってから手に入れたもの。硫化が進むといい味が出ますよ、という見本です。
磨いてピカピカにすべし、という人もいますけれど、私はそんなもったいないことは出来ないという派です。
銀色に輝いていた軸が、いつの間にか金色っぽくなり始めて、そこから黒くなっていきます。例えば銀軸と一口に言っても、その色の変化の仕方はさまざまで、その萬年筆を毎日使用していてもどんどん黒くなっていくものや、握っているときにいつも手が触れる部分だけ周りと色が違うもの、とにかくすごい勢いで黒くなっていくものに、いつまでも銀色のままのものとさまざまです。コーティングされていたりするものはいつまでも綺麗ですから、そういうのが好きな人はそれを。私などは、あまりに綺麗に黒くなったものは腫れ物に触るように大切にしてしまう方です。
昔のプラチナ製萬年筆ですからして、細字のペン先にむちゃくちゃ渋いインクフローで、書き味はけっして良いとは言えませんが、むしろその引っかかり具合が字の不自由な私には向いているようです。
今からでも遅くはありません。手持ちの銀軸、あるいはこれと思って購入した銀軸の萬年筆を熟成させませんか。
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