あお
お母さんこっち向いてくれるかな、と妻の方をじっと見てお座りをする「ちち(仮名)」さん。妻は3月に早期退職したので、日中、ワンコと一緒に過ごす時間が長くなりました。ワンコたちも、この人にこそ愛想良くしておかなくては、というのがわかるのでしょう。最近は、こうして妻の方をじっと見てお座りをすることが多くなっています。
そんな妻と長女を連れて、京都国立近代美術館へ。写真は美術館の入り口前に設置されていたもので、反対側も同じような造りになっています。要するに、ここで写真を撮れば映える、っていうことなのでしょう。私にはどうにも理解できない心理です。
私は写真を撮るのは大好きですけれど、撮られるのはとにかく嫌いで、中学生の頃は校外学習なんかで集合写真を撮影する時に「逃亡」するという、困った生徒でした。その写真は授業参観の朱鷺に教室に貼られ、それを見て保護者が購入を申し込む、というシステムでしたので、「何でアンタは写ってないのっ!」と母親に叱られるのがいつものことでした。それをこじらせて、高校の卒業アルバムからも「逃亡」してしまいました。
今の仕事をしていて一番嫌なことは、卒業アルバムに写真が載せられてしまうことです。数年前からいただいた年賀状にすら欠礼するようになったのも、私が生きた痕跡を少しでも残さないようにするためでもあります。そういう意味では、卒業アルバムなんてものは大変に邪魔な存在です。
肝心の展覧会は、「東山魁夷の絵は絵の具が盛り上がっている!」という風評を確かめるためでしょうか、画を正面から見るのではなく、額縁のそばに顔を近づけて横から見ている人がたくさんいらっしゃいました。私と同じタイミングで入館した、僧形のおじさんがとにかく舐めるようにそういう見方をするので、私からすると絵の横に僧形の頭がくっついているかのような、そういう印象の画ばっかり、という展覧会でした。はっきり言って迷惑です。
何とかそのオッサンとみるタイミングをずらそうと努力をしたのですが、夜空に輝くお月様から逃げられないのと同じように、僧形のオッサン(の頭)からは逃げることができずに終わりました。残念な結果です。
この美術館の中にあるカフェが実におしゃれな感じで、実際、自家製の生パスタを供しているほどです。メニューを黒板に書く、っていうのもおしゃれですが、それならなおのこと、普通に「作っています」と書いてほしかったところです。いや、変なモン蒐集家としてはこういうのは大好物ではあるのですけれど。
コメント
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おお、私の2番目のお気に入り美術館です(笑)
1番はこの近くの細見美術館、3番目は我が家近くの弥生文化博物館、
番外編で清水三年坂美術館、という小さいハコ好きの私です(^^;
ココに来るとお手洗いは綺麗だしミュージアムショップはなかなかオサレ、
カフェも美味しくてつい長居してしまいます。
でもこの〼の字、斜線が逆では・・・と重箱の隅をつつくお姑ババァな自分に
気づいてしまいました(泣)
投稿: ポー | 2018年9月18日 (火) 08時47分
ポー さん
私にとって京都の街のイメージは、入れ物が大きくて移動が大変、さらに地下鉄もバスも空いているのを見たことがない、どこへ行くにも案内が不親切で初めての人にはいっそう難儀、さらには街全体が人であふれてごちゃごちゃ、というものです。けれど、この岡崎界隈、特に京都会館、いやロームシアターのあたりは、これから先、枯れ葉の舞うシーズンなどは特に趣が深く感じられて、京都の中でも好きな場所の一つです。
「ます」と打って変換されて出てくる文字と、この黒板に書かれている文字、確かに斜線の向きが反対ですよね。いや、そういう所こそ、変なモン蒐集家には嬉しかったりします。
投稿: つきみそう | 2018年9月19日 (水) 05時22分