しかたない
珍しく正面から写真を撮らせた「ちち(仮名)」さん。悪の権化たる長男にシャワーを浴びせられ、訳のわからない液体(シャンプー)を塗りたくられて、浸け置きと称してそのまま放置されること10分。そのあとまたシャワーで洗い流されるという苦行を経て、ようやく解放されたのです。
しかし、世の中そんなに甘くはないもので、待ち構えていたお母さんと長女とにがっちり抱きかかえられて拭き拭きされているところへ、家の中では一番優しいお父さんが登場したのです。やれ嬉しや、お父さんなら助けてくれるはず、という満面の笑顔なのですが、頼みのお父さんは写真だけ撮ると去って行ってしまったのでした。
果たして、「ちち(仮名)」さんはこの本のタイトルのように悟りの心で見送ることができたのでしょうか。そうではなかったはずです。ゆきのした ろせ さん作の漫画、「ならしかたなし」です。大仏さんそのものといった風貌の女子高生の名前は「しゃな子」。大仏さんは「盧舎那仏」ですから、そこからとっているのでしょうけれど、「仕方ない」すなわち「しゃあない」という意味も込められているのかもしれません。
隣にいるのはただの鹿ではなくて、しっかり者の「鹿男(しかお)」さんです。ちなみに、このしゃな子さんには、鎌倉に住んでいるあみちゃんという親戚がいます。どんな子か、それはもうご想像の通りです。
漫画雑誌に連載されていて、コミック第一巻が発売になったばかり、というこの漫画。できれば末永く、しゃな子さんが結婚して子ども産んでおばあさんになるぐらいまで続いてくれたら、と思います。この半跏思惟している男子高校生も出てきますし、しゃな子さんのことが気になって仕方がない、というか惚れているぼんさんも出てきます。興味のある方、ぜひご一読ください。
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