いい感じにクッションからこぼれて眠る「くま(仮名)」さん。仲が悪いくせにシンクロ率の高い「ちち(仮名)」さんも同じようにして寝ていたのですが、そちらは写真を撮りに行ったところで察知されて撮影できませんでした。
自宅は近鉄沿線ですので、青春18きっぷは京都駅から使用開始。いきなり懐かしいこいつがやってきました。新快速シティライナーとして活躍していた117系ですが、現在は湖西線や和歌山線、あるいは中国地区あたりでローカル運用中。錆びが目立ちますが、状態の良い車両を種車に、「新しいタイプの観光列車」が製作されるとか。楽しみです。
最初の下車駅は湖西線の近江今津。多さから北陸を目指す場合、時間が合えば湖西線経由の方が所要時間を短縮できます。京都駅を午前7時に出て金沢駅に11時42分に着くという、なかなかに便利な、そして超有名な乗り継ぎがあります。有名ということは誰でも知っているということでもあります。この駅8時14分発の福井行きというのがこのルートのキモで、これに接続する列車が京都駅を7時に出るわけです。私がのんきにこんな写真を撮っているとき、すでにホームには列車待ちの列ができていました。
敦賀から乗客すし詰めでやってきたこの列車が、折り返し福井行きとなります。交直両用の521系2両編成ですが、私と同じ列車でやってきた「知ってる人」だけで座席はほぼ埋まりました。経路案内アプリで調べたり、駅員さんに尋ねたりして京都発7時の列車で間に合う、とやってきた人たちは、通路を歩くことも難しいほど混雑した車内で立ったまま福井を目指すことになります。
そんな中、私の隣に座ろうとしたのがおばちゃんの2人連れ。実にお行儀の良くない人たちで、貧乏揺すりに大声での会話、私の膝の上にまでのしかかる巨大な荷物と、迷惑が服を着ているような人たちでした。あぁ疲れた、と座れなかった方が座席の手すりに座りつつこちらを見るので、福井までずっと、iPhoneで数独をして知らん顔して過ごしました。
福井から先は、本当に18きっぷで遠くを目指そうという人たちと地元の人たち。日帰りで遊ぼうという人や福井に用事があるという人が抜けて、そこへ4両編成の列車でしたので快適に金沢まで到達しました。写真は花嫁のれん号が発着する頭端式の5番線。金沢駅では普通の列車をよりサンダーバードやしらさぎを見ることの方が多いという状況でした。
金沢駅で小一時間ほど時間を潰して、それでも昼食をとるわけでもなく、これは下手すると低血糖になっていやな汗をかくかもなぁ、などと思いつつ列車を待っていると、やってきたのは413系。これがまた、どれほど節電するねん、というほどに冷房の効いていない車両で、試しに弱冷房車にも乗ってみましたが、そちらの方がむしろ涼しいのではないかと思われるほどでした。汗をかきつつ扇子をバタバタやって到着したのは七尾駅。この地で生まれた長谷川等伯ゆかりのゆるキャラ、「とうはくん」に出迎えられます。
金沢から先の北陸本線は、新幹線の開業により、金沢から倶利伽羅まではIRいしかわ鉄道、その先直江津まではあいの風とやま鉄道となりました。しかし、七尾線は新幹線と並行する在来線ではないので、JR西日本の路線として残っています。よって、金沢から途中下車せず(津幡駅では降りられる)七尾線に直通する場合には、IRいしかわ鉄道線区間も含めて青春18きっぷで乗り通すことができます。
JR.西日本の七尾線はこの一つ先、和倉温泉駅までですが、特急列車以外は七尾までの運転で、その先、穴水までの区間のと鉄道となります。かつてはその先、輪島や蛸島までレールが延びていたのですけれど、次々と廃線になってしまいました。
七尾駅から七尾港まで歩いて行くと、フィッシャーマンズワーフなんかもあるそうですが、魚介類食べない私には無縁の施設ですのでパス。何より、1時間ちょっとの間合いで折り返さないと自宅までたどり着けません。かつて金沢でWAGNERが開催されていた頃も、朝はこの乗り継ぎで会場まで行ったとして、帰りはサンダーバードに頼らなければ宴会に出られず、そうであれば往復サンダーバードの割引切符の方が良い、というわけで、結局、金沢までの鈍行旅行は今回が初めてなのです。
とにかく、青春18きっぷで旅をする場合、遠くの目的地に到着するのが目的ならば体力と根性で乗り切るしかありませんが、「乗り鉄」を楽しむならば、黄金ルートをはずした列車選びをするのが鉄則です。さもなければ、遠くへ行きつつラッシュを体験しただけ、ということで終わってしまいますから。
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