人災
この子、病気か何かと違うの? アカンやん、と言われそうなお姿の「ちち(仮名)」さん。お腹周りの毛がごっそり抜け落ちているので、かなり重篤な病気のように見えますが、正常な夏毛への換毛が進んでいる状態であって、何ら問題はないのです。
完全な夏毛になると、柴犬さんならでは、というもふもふした感じはなくなり、撫でてみると毛足の短い絨毯を触っているような感触になります。でもこの調子ですから、お盆を過ぎて赤とんぼが飛び始めるような頃になってようやく夏毛に変わる、という感じで進むでしょう。少しずつでも、元々の換毛サイクルを取り戻してもらいたいものです。
我が子を連れて水族館に行き、開館前の短い時間、外で遊ばせていただけで熱中症。しかもこれは5月のお話です。小学生が死亡したというニュースに触発されて、火ノ鹿たもんさんという人が、ご自身のお子さんで経験されたことを漫画にして発表されたものです。
このぐらいの熱中症なら、私も毎日のように経験しています。若い頃は半袖のシャツを着て、顔を防護する面もつけずに草刈りをしておりました。熱中症という言葉自体、まだ一般的に知られていない状況でしたから、こんな風に熱中症になりかける、あるいはなり始めているところで、あぁ、自分はなんと体力がない情けない奴なんだろう、と嘆いては休憩をするという繰り返し。でも、当時の私に「根性」なんてものが備わっていたならば、今頃こうしてのんきにBlogなんて書いていないで、「あぁ、もうすぐお盆や、仏壇へ帰る支度せな」などとあの世で思っていたことでしょう。いや、地獄でギンギンに責められていてそれどころではない、という方が可能性としては高いですね。
この夏、医療に携わる皆さんは大変な思いをされていることでしょう。熱中症様の症状を呈して医療機関に搬送される人がいない日はない、というほどの暑さが続いています。
私の勤務する自治体では、8月に入っても「部活動の活動時間は1日最大3時間まで」という制限が続いています。首長が幹部を集めた会議の席上、「なんで部活動なんかやってるんだ。試合があろうがどうだろうが関係ない、すぐにやめさせろ!」と教育委員会関係者を責めているという話も伝わってきています。こんな状況で、一人でも熱中症の犠牲者がでれば、私の自治体に属する学校の運動部と吹奏楽部はすべて活動禁止となり、夏の大会であるとかコンクールなどへの出場も辞退させられることでしょう。
そんな中、「活動が3時間なら、その前にウォーミングアップを『自主的に』やらせて、3時間めいっぱい練習したあとに『自主的に』クールダウンをさせたいと思います。活動が午前7時から10時で、生徒はその30分前に集合し、終わった30分後に下校させる、ということを許可してください。」と真面目な顔で訴えてくる教員。押しに弱くてまともな指導なんて何もできない私ですが、さすがにこれにはキレました。
この夏、全国各地で熱中症で倒れる子どもが後を絶たないのは、こういう指導者がいるからです。で、これはおいしい!とばかり、マスコミ様と、公務員である教員が大嫌いな皆様が総攻撃をかけてこられています。
いっぽうで、なんで練習時間を短くするんだ、隣の市の学校では普通に朝から晩まで練習してるのに、こんなことでは試合で勝てないじゃないか、と学校にねじ込んでくる保護者も少なくありません。
スポーツは素晴らしいからみんなやりましょうという押しつけには反吐が出る、運動部の顧問に就任して年3日ほどしか休みを取らず指導することが尊い、なんて風潮も大嫌い。とにかくスポーツの押しつけには大反対の私にとっては、この夏は正念場です。何とか抜け道を探して長時間の練習に持ち込もうとする運動部の顧問たちをばしばしシバき上げることこそが、この夏、私に与えられた使命です。
熱中症で子どもが倒れる、それは間違いなく、人災です。
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