間に合わせ
飼い主の方を一瞬見てしまった「くま(仮名)」さん。写真を撮られたことを悔いてか、この後は顔を上げることはなく、最後にはそのまま寝てしまいました。実はこの少し前、飼い主がお箸を持ってケージの前を通ったので、「お、昼ご飯かっ!」と色めき立って舌をペロペロやっていたのですけれど、カメラを取り出した途端、つれないそぶりに変わったのです。
せっかくのゴールデンウィークですので妻とどこかへお出かけしようと、電車に乗って京阪電車の丹波橋駅まで来たところで、出町柳行きの特急の発車時刻。残念、とホームに降りると、その後に出る準急(普通)まで扉が閉まっているので、一瞬諦めかけましたが、そこは鉄っちゃん。ドアがアルミの色そのままなのを見逃しはしませんでした。
究極の間に合わせ電車、京阪5000系との遭遇です。写真に写っている2ヶ所のドアの違いがわかりますでしょうか。1960年代後半、乗降に時間がかかりすぎて遅れが常態化していた京阪本線。対策としてまず考えられるのは編成両数増ですが、当時は架線電圧が600Vであったことから、増やしても7両が限界でした。急ピッチで進められていた複々線化工事にしても、完成するまでには何年もかかります。
そこで、とりあえず乗降時間を短縮できる車両ということで、18メートル級の車体で5扉という前代未聞の本系列が誕生したのです。7両編成7本、後に事故廃車の補充分を新造して合計50両が世に出ました。
ラッシュ時以外は2番目と4番目のドアを閉め切り、天井付近に放り上げてある座席を下ろして使用します。すでに1編成が廃車となっておりますが、残り6編成も2020年度までに廃車予定だとか。それでも、40年以上使っていることになります。アルミ製の車体、登場時から冷房装置装備、全電気指令式のブレーキなど、実は先進機能の塊です。子どもが線路に石を置いたことが原因で脱線したのもこの系列。当時、技術的なことを知らないマスコミはアルミ車体で軽いから脱線した、などと書き立てましたけれど、ドアが5つもあって、しかも座席を上げ下げする装置やら冷房装置までついているので、鋼製車体ならモーター増強しないと走らない重さになったはずで、それだと600Vの制約にかかって使えない車両になっていたはずです。久々に出会って乗れたことに感謝しつつ、狙っていた列車に乗り遅れるのも悪くないモノだな、と改めて思ったことでした。
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