いつもきれいに
手を出して遊んで頂戴とねだっていた「ちち(仮名)」さんでしたが、かんじんの飼い主は海外ドラマに夢中で自分の方を一顧だにしてくれないので、いつの間にか眠りに落ちてしまいました。いわゆるフテ寝というやつでしょう。このところの彼女、あまり掻かないようになりましたが、こまめにお風呂に入れているのが奏功しているのだろうというのが主治医の意見です。室内で飼っているワンコとはいえ、入浴させてきれいにしておくことは大切です。
寝だめ、食いだめはできないものと相場が決まっていますが、寝ない、食べないというのも反動がきっちり来ます。先日、教諭時代のテスト作成以来というほぼ完徹を経験した飼い主は、週末も暇さえあればうつらうつらとしておりました。
LAMY2000はこんな風に分解して洗うことができるので、インクを変える時も安心、なんてことがよく言われます。金ペンつきで吸入式、しかも舶来の萬年筆としてはお手頃な価格で、なおかつバラツキも少ないので、萬年筆使いとしては初心者レヴェルの人が手にすることも少なくないモデルですが、洗浄するには細心の注意が必要ですね。
最近は萬年筆を使う人の裾野が広がってきていますので、釈迦に説法シリーズとしてこの記事を残しておきます。
きれいに洗って、キッチンペーパーの上に並べられたLAMY2000。萬年筆の形をしていた時には見えなかった、あるいは意識しなかったものが見えていますね。
ペン先と同軸との間に置かれている銀色のリング。これはまさしくその場所にはまり込むものですが、分解したときには首軸側にくっついていることが多く、それに気づかないと悲惨なことになります。
首軸と同軸とを別にしようとしたとき、あるいは組み立てようとしている最終段階ではこんな感じになっています。銀色のリングの突起の部分は、キャップとかみ合う部分。こればないとキャップが固定されず、するりと抜け落ちてしまいます。
何より、このリングを間に挟んで組まなければ、インクが漏れてくるのではないでしょうか。私は怖くて実験したことはありませんが、そう考えるのが自然なように思います。
老眼の私が何も考えずに組み立てた例。実際、キュッと締め付けてからルーペなど確認してみるとこんな風になっていた、ということがよくあります。そしてもっと恐ろしいのは、組み立てようとしている最中にこのリングを床に落としてしまうこと。実際、この記事を書くために撮影している最中にもそれは起こりました。すぐに周辺を立ち入り禁止にして、懐中電灯などをつけて床にはいつくばって丹念に探して事なきを得ました。
こんな風に脅かしまくって、「一番いいのは分解しないこと、洗わないことね。」なんて話になると困ります。毎日使っていても、スリットに紙の粉が詰まって書き味が落ちたりインクの出が悪くなることもあります。使い続ける、定期的にインクを吸入させる。カートリッヂ式であれば、インクを入れ替える際に軽く流水で洗ったり、水を張った容器にしばらく首軸をつけておくなど、萬年筆も、常にきれいに保つことが大切です。
キャップや胴軸も水に浸したように見受けられますが,大丈夫ですか?
胴軸の方には金属は不使用だから良いと思いますが,キャップにはインナーに金属の三つ羽根が入っていた気がします(あれって,モンブランの2桁シリーズでしたっけ?)。また,クリップはバネ式だと思いますので,隙間から入った水が錆を招かないか,心配です。
投稿: monolith6 | 2018年3月12日 (月) 16時03分
monolith6 さん
さすが、目の付け所がヴェテランです。ご指摘の通り、
キャップの内側に付着したインクの雫を落とそうと、水を
入れています。黒いキャップですから、内側にある金属
部品がことさらにキラリと光ってよく見えます。
そこは、しっかりと水を切ること、あとは経過観察です。
そもそもインクでいつも濡れている部分ですので、多少
は水への耐性はあるものと思います。けれど、そういう
風に使われた年老いた個体のキャップが痛む、という
のもよくある話ですので、神経質なほど水切りしてます。
投稿: つきみそう | 2018年3月12日 (月) 19時00分
あああ、先日このリングを洗面台で見失ったのです!
職場の流し台で、ポップアップ式排水栓だったのでおいそれと触れず
流してしまった・・・と呆然自失で自席へ戻りましたら
椅子の下に落としてました(^^;
いやはや肝が冷えました(笑)
メンテの際は老眼鏡必須だ!と心に刻み込まれた出来事でした(^^;;;;
投稿: ポー | 2018年3月13日 (火) 09時49分
ポーさんと同じく,私も初めてこれを分解した時には,コロコロと机の上からリングが転がって,見えなくなり肝を冷やしました。
ところで,このリングは,6枚目の画像のようにエッジが落としてある面と,エッジが全く落とされておらず角張った面があります。この滑らかな面を,首軸側に向けて胴軸にセットするのが正解なのか,胴軸側に向けてセットするのが正解なのか,未だに分からないんです。そもそも,角を落とす,落とさないの面によって,首と胴の密着性とかインクの漏れとかに影響があるのかどうかも定かではありませんし,なぜわざわざこうしているのかの必然性も理解できません。どなたか御存知の方はいらっしゃいませんでしょうか?
投稿: monolith6 | 2018年3月13日 (火) 21時22分
ポー さん
それそれ、そういう体験をすると、流しを見るたび、
ものを吸い込まれてしまうのではないかという気が
する、そんなトラウマが身についてしまいますね。
流しのボウル付近や、絨毯の床、そういった場所
ではこのペン、書くことに専念すべきですね。
投稿: つきみそう | 2018年3月15日 (木) 06時53分
monolith6 さん
小さくて見えないのでルーペで見ていて、この形状に
気が付いていたのですが、その意味するところまでは
考えてませんでした。
面取りされている方がペン先側になるようにするのと
キャップが抜けにくくなって良いのかな、と思いますが、
これはもう、店頭で確かめさせてもらうしかないかな。
投稿: つきみそう | 2018年3月15日 (木) 06時55分