いろんな紙に書く
倒れ込んだように眠る「ちち(仮名)」さん。トイレ用のトレーはいつでも使えるようにスタンバイしてあるのですが、彼女自身がこれを使っていたことを忘れてしまったのか、最近はあらぬところに粗相をするようになってしまいました。
幼い頃の彼女は、まずトイレ用トレーの上に立ち、それからケージの縁に前脚をかけて立ち上がって、その状態で何度もジャンプをしておりました。そうしている内に中身が移動するのか、やがて動きを止めたかと思うと「ジャー」あるいは「ポトンポトン」となる、というのが常でした。いつしかそういうこともなくなり、だんだんと歳をとって、なんだか窮屈そうに寝ているなぁ、と思ってよく見たらケージの中に水たまり、です。自分も歳をとって加速度的に衰えてきていますけれど、ワンコはもっと速く衰えていくのが哀しいですね。
奈良市南部、大和郡山市との境、池田町あたりに、紙屋さんが軒を連ねているエリアがあります。ちょっとそこら辺では売っていないような紙ですとか、紙質は普通でもサイズが特殊なものがほしい時などにお世話になっている紙屋さんがあり、この前、お邪魔した時に写真のような裁断ずみの紙の束をいただきました。
ここに、ペトロールブルーのインクを入れたLAMY2000のBBニブ付きで文字を書いてみました。以前、この紙を使って生徒に俳句を書かせる、という授業をしようとした先生がいたのですが、細字~中字のプラチナ・プレッピーではまともに字が書けない、ということで断念されたのです。ならば、インクぬらぬらのパワーで押し切ってみようというわけです。
写真が下手くそなので色が飛んでいますが、水色の色上質紙。問題ないどころか、非常に快適。萬年筆での筆記に適した紙ですね。「質」の最後の一画がかすれているのは、萬年筆をしっかりと保持できない私ならでは。ぐらぐらとペンが揺れているので、太字系のもので書くとうまくインクが出ないことがあるのも当然です。
少しだけざらっとした手触りの紙。問題なくかけています。このぐらいのざらざらですと、書いていてそのざらつきを意識するほどではありません。いや、書いている私が鈍いということを差し引いても、問題ないレヴェルです。速記しても大丈夫な感じです。
これが一番気に入った紙。羽二重という感じでしょうか。紙の表面に星形の突起がちりばめられています。当然、字を書く時にはペン先がその突起に引っかかり、乗り越えていくわけですが、その感触が実に心地よいのです。何かに似ているな、と必死で思い出して、あぁこれはバガス紙だ、と思い至りました。
その昔、さる萬年筆販売店が大和出版という印刷屋さんとコラボして高級なノートを作って売り出したことがあったのですが、そのノートに使われていた紙の感触に似ています。誕生日のプレゼントに、と妻が色違いの2冊を買ってくれたのですが、紙よし、製本よしの高級ノートに私の文字を書く、というかインクをにじりつけるという行為は犯罪レヴェルなのでいまだに未使用のまま保管してあります。その紙によく似た筆記感で、よく調整された萬年筆におすすめです。7月16日のy.y.Dayにお持ちしますので、ぜひ試筆してみてください。
コメント