銅鐸
例によって横着きわまりない姿勢で水を飲む「くま(仮名)」さん。飼い主が横着な人ですからそれに似たのだ、という説もあって、それは否定しにくいのですが、飲んだり食べたりという、消化管が毛皮をかぶっている生き物としては最も重要なことを寝転んだまま済ませてしまうというのはかなりのものです。
土曜日は事務仕事、日曜日はお墓参りと有意義な三連休を過ごしてきた飼い主ですが、最終日はすっぱり遊んでみようと車に乗って終日ブラついておりました。
古代の人の生活間違い探し、などと工夫の凝らされた展示のある兵庫県立考古博物館。ブラついて流れ着いたのはここでした。竪穴住居の中に冷蔵庫がありますけれど、ここが扉になっていて、開けると正解が展示されています。実際、この冷蔵庫のところを開けると、中には甕が一つ。こんな風に簡素に食物を貯蔵していたのですよ、というわけです。
ここでは今月27日まで、淡路島で発掘された「松帆銅鐸」が展示されています。銅鐸は祭祀器として、多分鳴らして使っていたのだろうなぁ、というところですけれど、写真の図にある、鳴らすための「舌」や、銅鐸そのものをぶら下げておくための「紐」が、銅鐸本体と一緒に発掘された、日本で最初のケース、それが「松帆銅鐸」なのです。
展示室内は写真撮り放題、というのがうれしいところです。発見当時、この写真のように入れ子になっていたそうです。銅鐸というもの、最終的には埋納することを前提に造られ、使われていたもののようです。
日本には純粋に青銅器だけの時代がほぼなかったとされています。鉄器も同時に伝わってきたので、実用には鉄器を主に用いて、青銅器は祭祀用という性格が強かったものと考えられているのだそうです。けれど鉄器は地下に埋まっている間に錆びてなくなってしまうので、実際に土の中から出てくるものは青銅器が多い、というわけです。
館内には復元された銅鐸もあって、それらを振りますと実に大きな、そしてよい音が鳴り響きます。27日まで限定の展示ですので、ご覧になりたい方は急いで加古川へ向かいましょう。JR山陽本線の土山駅から徒歩15分となかなかに厳しい感じですが、大阪方面から車で行くと2号線の渋滞にも引っかかります。春の陽気の中、ぶらぶら歩いて行くのも悪くないでしょう。
ちなみに今月24日には、「銅鐸鋳造実験」というイヴェントも計画されていて、10名様にミニ銅鐸プレゼント、なんて企画もあるようです。
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