のりこぼし
にゃぁお、という声が聞こえそうな1枚。うけると思ってワザとこういうポーズをとるのですから侮れません。村上たかしさんの「ナマケモノが見てた」に登場するレッサーパンダくぅん、を思い起こさせます。
立春を過ぎて、ここ数日は寒さも少しましな日が続いています。奈良では、あと2週間ほどでお水取りの「試別火(ころべっか)」がはじまります。その頃には、私の新しいパートナーとなる車も手元に届いて、バケツリレー方式の通勤にも終止符が打たれていることでしょう。
明日2月6日には、奈良県内の私立高校で入学試験が行われますので、私なども早朝から職場に詰めて不測の事態に備えることになります。そんな折も折、今日は職場の宴会でしたが、それを早めに切り上げて帰宅すると、長女がお茶を点ててくれました。
お抹茶の横にお漬け物みたいな物が見えますが、これがこの時期だけの和菓子、「のりこぼし」です。お水取りの行中に使われる椿の造花を作る際、紙の上に糊をこぼしてしまったことがあって、その斑点の見た目が開山堂の庭に咲く椿に似ていたことから、椿の方が「のりこぼし」と呼ばれるようになったということです。シンプルな、練行衆がこしらえる造花のような見た目のお菓子です。
このようにアップにすると、細かな作り込みもよく分かります。たいへんシンプルなお菓子ですが、お値段を聞くと結構複雑な気持ちにさせられます。この時期だけ、という希少性もありましょうし、何より日持ちのしないお菓子。誰かにお土産として持って行こうにも、すぐにおいしくなくなってしまうのが辛いところです。
練ることは誰よりも得意なこの私。明日、生徒達が遺憾なく力を発揮してくれることを願いつつ、濃いお抹茶をいただいてもすぐに眠りに落ちてしまうことでしょう。
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