飛翔
一生懸命に「食パン」をなめ回す「くま(仮名)」さん。はじめの頃はもっとしっかりとした山形食パンの形をしていたのですけれど、舐められ,噛まれてだんだんとこなれてきた結果、このようなものになりました。けれども、ピカチュウなき今となっては彼女の一番のお気に入りで、こうしてくつろいでいる時にはなぜかなめ回しています。
明日香村、石舞台古墳のすぐそばで舞い上がった熱気球。実は,これに乗ろうとして寒い中を明日香村まで出かけてきたのですけれど、最寄り駅である橿原神宮前駅まで来たところで計画が頓挫してしまったのです。奈良県に来られている天皇皇后両陛下が、宿泊されている同駅東側に隣接するホテルへ帰ってこられる,まさにその時刻に出くわしてしまい、しかもそのホテルのすぐ前が目的地へ向かうバスの乗り場という間の悪さ。ここで1時間近く時間をロスしたことも祟って、現地へ着いた時には熱気球に搭乗する当日受付は長蛇の列でした。なので、内心ホッとしながら諦めて、地上からの撮影となりました。
実際、こうして気球を膨らませて飛行の準備をするところは見たのですけれど、人を乗せて浮かび上がっているところはほとんど見られませんでした。写真の撮影時刻が午後6時半頃で、どんどん冷え込んできており、イヴェント終了の午後9時まで粘っていたら風邪をひく,都早々に退散したためです。
で、空を飛ぶ、といったらこれですね。父であるダイダロスの忠告を無視して太陽に近づきすぎたために墜落死した愚か者として語られることの多いイカロスですが、日本の小学校という世界では英雄です。勇気を持って空を飛んだ、という美談めいた歌があり、その歌を何の疑問もなく歌い、イカロス大好きになる。その結果、こうして卒業制作のテーマにも選ばれることも少なくないのです。教育の功罪、本当に大きいですね。
ペン先は18金、胴軸は18禁、などとお馬鹿なことを言ったりしますが、この銀のイカロスが夜店の景品くささをいっそう強調している、とは我が妻の弁。美しく青く透き通る軸も、鈍く光る銀のイカロスも、いずれもチープにしか見えないのだそうです。この「夜店のペン」が本当はいくらぐらいで取り引きされているのか、それを知ったら「すぐ売りなさい」と言われてしまうことでしょう。
それでも僕たちは、イカロスの勇気を見習って、このペンを手に入れ、さらにもう一段の勇気を振り絞って透明軸にもかかわらずインクを入れてしまうのです。黒ではなくて青系のインクを入れたのは、そうは言いつつも少しビビっていたからでしょうか。久しぶりにとりだして眺めてみると、やっぱり美しいと感じてしまうのは、左脳で見ているからなのでしょうか。
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