たこ焼き
正体もなく寝ている「くま(仮名)」さん。彼女はソースの匂いには興味がないようで、すぐそばの食卓でたこ焼きを食べていても知らん顔でこうして寝ています。
Facebookに地元の「知る人ぞ知る」スポットなんかを紹介し合うグループがあったので参加し、「おいしいたこ焼き、どこで売ってますか?」と質問を投げてみたのです。この、おいしいたこ焼きというのが実にむずかしい。有名店、チェーン店などで供されているものは、確かにおいしいし、そのレヴェルも高いのですが、そういうことではないのです。
皆さん、それぞれにご存じのおいしいたこ焼き屋さんを紹介してくださったのですが、その中にひとつ、私の自宅から歩いて行けるお店がありました。そしてそのお店のたこ焼きこそが、私が「おいしい」と思い、例に挙げたものだったでした。
私はたこ焼きに、まんまるで、表面はかりっと、中はとろーり、なんてものを求めてはいません。不揃いな形で、爪楊枝を刺しても崩れ落ちたり、逆に焼きすぎて皮が固くなっていたり、肝心のたこが入っていなかったり、そういうものを求めているのです。緑色の紙で包んでほしいなんてのは、その中では順位の低い要望です。
緑色の紙の下には、何というのでしょう、このビニール。こいつが薄い紙でもよいのですけれど、そうなると今度はソースを吸ってしまうので、最近はビニールなのでしょう。添えられている爪楊枝も、ごく普通に食卓の上に置かれているような短いものです。立派な串みたいなものではありません。
どうでしょう、この不揃いな形。焼く時にひっくり返すのに使う鉄串で3個ほど串刺しにしてトレイに載せ、一面埋め尽くされたところでソースを塗って、その上にまた積み重ねていく、という何とも適当な感じが実に良いのです。こうして入れていく時に、鉄板の上に半端な個数が残っていたりすると、迷うことなくオマケに入れてくれるのもお約束です。それが残されるようならば、あぁ、オバチャン、数読んではるんやな、と納得します。
おっとこれは、いきなりたこが入ってませんか? たこ焼きにたこ入ってないやん、と文句を言われたら、ほな、鉄板焼きには鉄板入ってるんかぃ、と返す、それぐらいのことができなくては関西では生きていけません。
このたこ焼きは焼きすぎて皮が焦げてしまい、そこだけかたくなっているのです。こいつが絶品で、私は買う時にどの辺に入れられたかをチェックしておいて、真っ先に狙いに行きます。意図せずこれにあたると、本当にラッキーした、という気持ちになります。多くのたこ焼き屋さんではこういうのを売ってくれず、捨ててしまいます。話つぃの自宅近くのたこ焼き屋さんも、もう30年近い付き合いですけれど、いまだに「あかんあかん」で断られて、オバチャンが許せると思った範囲のものだけを入れてくれるのです。
下手に「新鮮な」たこ焼きだと、こうしてだらんと垂れ下がって、爪楊枝から落ちてしまうこともあります。邪道だとは知りつつ、そんなときはお箸で食べますが、それもまた楽しみのひとつです。たこ焼きが綺麗で均一で、いつも変わらぬおいしさだなんてあり得ません。いびつな形、焼き足りなかったり焦げていたり、それがたこ焼きなのです。あちこちのたこ焼き屋さんを巡っては、こういうタイプのものを探していますが、なかなか見つかりませんね。
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