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2014年11月

2014年11月30日 (日)

ただ乗るだけ

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 広いケージの隅の方で丸くなっている「ちち(仮名)」さん。このときは拗ねていたわけではなくて、単に眠たかっただけのようです。彼女は犬にしては珍しく寝起きが悪いというか、一旦眠たい状態に突入するとなかなか意識レヴェルが回復しないようです。そういうときには、そばへ寄っていっても、カメラを構えても、たいした反応もせず、目だけでこちらの動きを追っています。おやつをもらえるとか、散歩に連れて行ってもらえそうだとか、彼女にとって大きなメリットがあるときでなければ起き上がることはありません。

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 期末試験前に起動しなくなった2台のPCを再構築するのに追われて、まったく採点をしないまま過ごしてしまった土曜日。そして日曜日の今日も朝からいいお天気でしたので、こんな日に採点なんかしてられるか、と遊びに出かけてしまいました。スルッと関西の3Dayチケットがあと1日分残っていましたので、まずは京都へ出て、河原町から念願の京トレインです。

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 8両編成で京都線を疾走していたもと特急車ですが、いまはこの京トレインとあと1編成が6両編成で残り、そのほかは4両編成になって嵐山線で活躍、という状況です。この6300系を最後に、もう2扉の特急車は出てこないでしょう。昔2800、今6300などと言っていた頃が懐かしく思い出されます。

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 京トレインに乗るのは初めてではありません。河原町から桂まで乗って、そこから同じく6300系で嵐山へ、なんて豪華リレーをしたことがありますが、この車両、3・4号車に乗ったことがなかったので、この際、河原町から梅田まで通して乗ってやろうというわけです。

 しかしながら、今後は普通の特急でいいじゃないか、という結論に達しました。桂と淡路の間をノンストップというのは眠るのに最適なのですが、このシートでは寝られません。京トレインなら他の号車にしなければ寝にくくて仕方がないのです。

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 何も寝るために電車に乗るわけでは・・・・・いえいえ、寝るのがいいのです。電車の中で寝るのは最高です。気持ちよすぎてどうしようもありません。当たり前ですが、寝ていると電車が速く走ってくれたような気になります。本日も、ふと目を開けたらもう淡路でした。さっき桂を出たところだと思っていたのに・・・・・。で、せっかく阪急梅田に着いたのだから、ということで茶屋町を目指します。キディランドで妻が色々と引っかかっておりましたが、何とか無事に到着。何人かの方にご挨拶をして、特に買い物もしませんでしたが、色々と目の保養はさせていただきました。終わったかと思ったら、来月もあるんですね。

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2014年11月29日 (土)

あとのまつり

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 自分も眠たいけれど、これだけよく寝ているワンコの写真も撮っておきたい、そう思って半分夢の中で撮った1枚だったような気がします。深夜のリビングルームで、ふと目覚めたときに、スゥ~、スゥ~という気持ちよさそうな寝息が聞こえてきたのです。寝息の主はもちろん「くま(仮名)」さん。ときおり、おやつをくれない飼い主に抗議している夢でも見ているのでしょうか、ワン、と小さく吠えることもあります。

 私もワンコたちもみんな眠りに落ちていたというのに、テレビは白黒の時代劇やってますし、照明も煌々と点いたままです。お互い、こういう環境でよくもこれだけ眠れるものです。テスト問題を作るのに追われて、その最中に動かなくなったPCの再生に時間をとられて、ようやく迎えた週末はカーニバル。そう、祭典ならぬ採点で多いに盛り上がりましょう、という、世の先生たちにとっては至福の時がやってきたのです。

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 手近にあった水色の封筒の上に、私の職場で使っているPPC用紙を2種類並べてみました。普通に使うのはもちろん右側。再生パルプをたくさん混ぜた、お前、ゴンボ(牛蒡)と一緒に風呂入ったんか? というほどに浅黒い紙です。これでも、普通学校で印刷用に使われる更紙(いわゆる「藁半紙」)よりもよほどマシなので、問題用紙は更紙、解答用紙はPPC用紙に印刷することが一般的です。

 お値段はそれほど変わりませんから、コスト的には左の真っ白な方を使ってもいいのですけれど、お役所が白くて綺麗な紙を使っていると市民からの苦情がものすごいことになるので、たとえ値段が高くても浅黒い再生紙入りのものを使う、ということになっているのです。実際、再生紙入りのPPC用紙が不足して価格が高騰したときには本当に難儀しまして、最終的には「これこれの事情でこんな紙使わせてもらってます・・・」なんて断り書きを入れた印刷物を生徒に持って帰らせたこともありました。何にも考えず調べもせず、TVで見聞きしたことや思い込みだけで苦情を言える人が本当に羨ましく、また腹立たしく思えます。

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 上は、私の愛用するPILOT823コースニブ付き萬年筆でマルを打ったもの。下はおなじみ、学校の先生のマル打ちといったらこれでしょう、というプラチナの採点ペンでマルを打ったものです。妻は定期テストには採点ペン一本槍なのですが、その理由は筆跡が太いからというもの。そんなに違わんだろう、と思っていて、実際比べてみるとだいぶ違います。

 ただ、萬年筆でマル打ちをするときには、逡巡というものがあってはなりません。少しでもペン先をひとつところに留めると、赤インクの海ができてしまいます。それに対して採点ペンの方は、少しぐらい立ち止まってもさほど大げさなことにはなりません。よく見ると、採点ペンの方はチップの先端が黒くなっていますが、鉛筆で書かれた解答の文字や印刷された解答欄の線などをこすりまくっているうち、このように色が付いてしまうのでしょう。使い込んでいくとペン先がより太くなり、交換しなければ使えないようになるそうです。

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 私が採点ペンを使わないのは、ひとえに素の「音」に原因があります。ペンで紙をこするわけですから、何でやっても音が出ますが、フェルトを固めたようなペン先で紙をこするときの音がどうにも好きになれないのです。興味の菜k人や気にしない人が聞いたら、たいして違わないと思うのでしょうが、シュルシュルという音には、すりガラスをひっかいたときの音にもつながる気持ちの悪さを感じてしまうのです。

 萬年筆を使おうがどうしようが、採点という作業は苦痛以外の何者でもありません。マルやペケなどを大量に書くこと、そしてそのマルの数を数えて点数を計算すること。この点数を読むのを採点といい、その前の段階はマル打ちと言うのだ、と古い先生に教わったことがありますが、どちらも嫌いな作業であることに変わりはありません。

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 プラチナの採点ペンには、萬年筆用とそっくり同じ形のカートリッヂを使います。ちゃんと例の玉も入っているのですが、なぜか少しだけピンクがかった色のインクが詰められていますので、それを嫌って萬年筆用のカートリッヂを使っている人もいました。それをするとペンに良くないから絶対にするな、などと書いてあるのですが、その先生は何十年もそういうことをやってきてなんの問題もなかった、と主張されています。

 そもそも採点ペンというもの、調子が悪くなったらインクフィードと一体になったペン先チップをすっぽり取り替えてしまうのですから、インクが原因で何か具合が悪くなっても、それがインクによるものか、ペン先の摩耗その他によるものかはわかりづらいことでしょう。いろんなやり方はありますが、おそらくこの週末は、全国の先生方が赤ペンをふるっていることだろうと思います。

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2014年11月28日 (金)

もみぢ

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 再び毛布を被せられてしまった「ちち(仮名)」さん。彼女の場合、こういうことができるのは疲れているときだけで、体力が回復すると被せられたお布団を払いのけてしまいます。被せられてもくるまれても知らん顔で眠り続けるのは「くま(仮名)」さんの専売特許です。

 職場で使用していたPCは、数日にわたる徹夜の末、ようやく事故前の環境を構築することに成功しました。この週末にしっかりと頑張って、予備機の方も同じようにやりたいと思いますが、あれ、あのWindowsのライセンスどこへやったかな、などと探し回ってけっこう能率の悪い作業が続いています。何より、古いインストールメディアをそのまま使っていますので、OSのインストールが完了したあとのアップデートが猛烈な分量になり、宵の口にアップデートを開始して翌朝になっても、まだプログレスバーが伸び続けている、というような状態です。

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 先週末、というより今週初め、勤労感謝の日の振替でお休みだった月曜の午後6時少し前の鞍馬駅前です。紅葉の季節に限り、通常15分間隔で運行されている鞍馬線の列車がもう少し短い間隔で運行されます。鞍馬駅に2本の列車が同時に停まっているという、ふだんは見ることのない光景も見られますし、何より、「紅葉のトンネル」が目玉です。

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 昨日もご紹介した、シートに舞い降りた紅葉。窓から手や顔を出すと木にぶつかりそうなぐらい、線路のすぐ近くまで木の枝が迫っています。これがあるからこその紅葉のトンネルなのですが、逆に雪が降り積もるシーズンには雪の重みで枝や木の幹が線路の方へと倒れてきて、列車の運行ができなくなることもあります。実際、開けた窓ガラスの縁にカメラを載せて撮影したために、紅葉に近すぎてまったくピントが合っていませんでした。

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 紅葉のトンネルと言われるのは、市原駅と二ノ瀬駅の間の一部区間ですが、いくらゆっくり走るとはいえ、急勾配の線区ゆえ、おのずと限度があります。その点、二ノ瀬駅の出町柳方面行きホームには見事な枝振りの木が生えていて、暗くなるとこのようにライトアップされます。写真のフレーム右側には、数寄屋風でしょうか、何とも風情のある待合小屋もあります。駅とその周辺の景色、それらを総合して、叡電鞍馬線で一番好きなのがこの駅です。

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 鞍馬駅前の、ふだんは駐車場として使われているスペースも、紅葉の季節にはディズニーランド方式で人が並ぶためのスペースになります。写真に写っている人たちはなぜ駅舎の中で待たないのかというと、叡電ご自慢のきららに乗りたいがため、次々と発車する列車を見送りつつ、こうして並んで待っているのです。紅葉の季節だけの特別ダイヤも、今月末でおしまいです。ということは、紅葉もそろそろおしまい。山は冬の姿へと変わっていくのです。お近くの皆さん、行くなら今ですが、やっぱり、けっこう混んでると思います。

2014年11月27日 (木)

保守

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 こんなふうにもふもふな頸をさらして寝ているのを見ますと、こちょこちょっとやりたい衝動に駆られてしまいます。もし、飼い主がその衝動を抑えることができずにもふもふしてしまいますと、「くま(仮名)」さんは薄目を開けて、寝転がったままできゅぅんきゅぅんと鳴くのです。本人(犬)は控え目に迷惑であると訴えているのでしょうけれど、愚かな飼い主はそれを聞いて「おぉ、ういやつ、ういやつ」と喜んでいるのですから、犬にしてみればたまったものではないでしょう。

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 この先、クリスマス、そしてお正月と、楽しいことが待っておりますが、さまざまな「動くもの」の面倒をみてらっしゃる方にとってはむしろ憂鬱なシーズンなのかもしれません。年末や大型連休の前にになるとよく見かける、ATM停止のお知らせを見るたび、あぁ、人が正月休みでふわぁ〜っとしているときに、必死こいて保守してる人がいるのだなぁ(詠嘆)と思います。

 でも、保守というのは他人事ばかりではありません。拙Blogをおいてあるサーバのメンテナンスが、本日午後10時から、というのにも参りました。帰宅してさぁ、とPCに向かったらメンテナンス中、で更新できませんでした。やはり、何事も早め早めにやっておかなければダメですね。

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 終着駅に着いて、誰もいなくなった電車のシートで見つけました。つい先ほどまで、ある程度の人が乗っていた電車。場所は叡山電鉄の鞍馬駅です。このシートの前には迷惑なお嬢さん三人組が立っていて、ワァキャアと騒ぎつつ、車窓に広がる紅葉を私に見せないように頑張っていたのですが、その喧噪が嘘のようです。それにしても、もっとすいてる場所もあるのに何でワシの目の前やねん、と実に恨めしく思ったことでした。

 恨めしいのは私のPCも同じです。ここ数日、このシートのように青い画面を何度も見ながら、ようやく仕事ができるところまで整備することができました。日本語変換の辞書が賢くなることを除けば、PCも萬年筆同様環境構築完了、というときが最高の使い勝手で、あとは使うほどに調子が悪くなっていくものなのですね。

2014年11月26日 (水)

意外に・・・

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 寝転がったまま、顔だけこちらに向けてお返事をする、実に横着な「ちち(仮名)」さん。飼い主は今日の午後、お休みをいただいて自宅に戻り、じっくりと試験問題を作るつもりだったのですが、お昼前に来校されたPTA役員さんの「あとで書類を持って来ますので・・・・・。」という一言で午後からも職場にいなければならなくなってしまいました。

 私が使っているのは一太郎ですが、職場にあるPCで一太郎が動くものはプリントアウトができないので、編集済みのファイルを一太郎ビューアがインストールされた別のPCで読み込んで印刷、という手順を踏むことになります。そんな面倒なことは嫌なので自宅で作業するつもりだったのですが、職場に拘束されて仕方なくそういう環境で作業を進めて、結局最後までやりきってしまいました。

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 ようやく仕事を終えて職場を出る際、帰ってBlog書いて寝よう、などと言っておりましたら、同僚から1日ぐらい書かなくても、なんて言われました。けれども、1日抜けたら絶対にそのまま更新終了、となってしまうのがわかりきっています。特に今日などは「ペンの日」なので、更新しないなんてことはあり得ません。

 萬年筆趣味をやっていて一番良かったことはおつきあいの輪が広がったということにつきます。私の業界は非常に狭くて閉じた世界なので、その中だけで人付き合いをしていると妙に偏った考え方に支配されてしまいます。その点、さまざまなお仕事や経験、考え方などをお持ちの皆さんと広くおつきあいをさせていただけるというのはとってもすばらしいことです。

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 神戸の鞄屋さんに入すするように頼まれたAuroraの85周年Red。ようやく手に入れて、ご本人にお渡しする前に健康診断を、と持ち込んだのが名古屋で開かれたWAGNERでしたが、その会場に私と同じくパパスというショルダーバッグをかけた、いかにも怖そうな爺様がいらっしゃったので、これはいかん、近づかないようにしよう、と気をつけておりました。

 やがてペンクリの順番が回ってきて、私がとりだした萬年筆を見て声をかけてこられたのが件の怖そうな爺様。実際には怖いどころかとっても面白くて優しい好々爺で、それをきっかけに親しくおつきあいを願うようになりましたとさ、めでたしめでたし、というわけです。

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 件の爺様からは、最近、こんなものをいただきました。アマチンとはいうまでもなく俳優の天野鎮雄さんのことで、その「実物」にお会いできたのも件の爺様のお導きでした。ブロマイドなどで拝見するアマチンさんと、実際に目の前で動いて話されているアマチンさん、その違いに、なるほど、さすが俳優さんだわ、と妙に感心したことを覚えています。

 何かをやるにしても、どんな人と出会ったときも、最初からこうだと決めつけることなく、まずはやってみる、お話ししてみる、というのは大切なことだと、改めて実感したことでした。

2014年11月25日 (火)

殲滅

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 酔っ払いが倒れ込んでいるのかと思ったら、「くま(仮名)」さんがご飯を食べていたのでした。今、与えられているフードが気に入っているのと、そろそろ換毛期にさしかかるということから、彼女たちの食欲はたいへんなものです。歳を重ねて身につけた習慣が、もらったご飯を残しておいて少しずつ食べるというもの。一気にどか食いしないくせに、けっこう丸○と太っている彼女です。

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 仕事で使い倒しているノートタイプのPCが起動しなくなって、再インストールするのも面倒だなぁ、と手をこまねきつつ予備機を使っていましたが、今朝、一仕事済ませて授業に行き、戻ってきたらなぜか再起動中。そのまま立ち上がらなくなりました。色々手を尽くしましたが、やはりダメ。これも再インストールしか無さそうです。しょうがないので、というわけでもありませんが、前から気になっていたものを自販機で買ってみました。

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 辛い辛いウィルキンソンと比べてみよう、ということで、おつきあい願いました。久しぶりに飲みましたが、やっぱりウィルキンソンはいいです。容量が少ないですが、もしこれでたくさん入っていたら・・・・・この辺がちょうどいいところなのかもしれません。

 職場では完全にPC環境を失ってしまったので、文字通り手も足も出ません。完成間近のテスト問題は自宅で仕上げて職場で印刷。印刷直前にチェックして間違いを見つけたりすると、また自宅で手直し。猛烈に時間と手間がかかるので、本来できていなければならないはずの4種類の問題、いまだ一番分量の多いものが未完成です。結局、今日も明日も夜遅くまで粘って、深夜に一人印刷室、となりそうです。

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 立て続けに2台も起動不良になると、まず疑うのはウィルスその他ですが、今のところそれはなさそうです。ふだんでもPCが壊れると難儀なのに、一年で一番忙しい時期を狙って壊れるなんて、これはよっぽど怖いことが起こるはずだったのを、PCが身代わりになってくれたんじゃないか、とも思ってしまいます。

 そういえば、いつもならぎりぎりに取りかかるテスト問題作成、今回は1週間前から取りかかって、ものによっては早々と完成させてしまいました。そういう、自分らしくないことをしたのが良くなかったのでしょうか。かんじんのキリンのジンジャエール、味が薄いなぁ、と思いつつ飲みすすめていったところ、底の方は思いっきり濃い味でした。でも、炭酸飲料ですし、開栓前に良く振って、というわけにもいきませんねぇ。

2014年11月24日 (月)

モスラ

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 長男が投げた空のペットボトルを拾ってきて、ばりばりと噛みまくる。そしてそれを奪った長男が、また遠くへ投げて・・・・・という遊びを延々と繰り返してお疲れの「ちち(仮名)」さん。ふだんならこんな風に何かを被せられたら全力で排除しようとするのですが、お疲れですので「もうどぅでもえぇわ」という状態なのでしょう。

 この三連休、飼い主も実によく遊びましたが、日が暮れるとPCに向かって仕事をするなど完全な休日ではありませんでした。それでも、明日からお仕事、という今夜になって、あぁアレもできていない、コレもやっておかなければと、いつものようにドタバタしております。

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 妻と長女がどこかへ出かけていったと思ったら、「ほれ、ネタ。」とこんなものを持って帰ってきました。真綿です。ご存じのように、綿といっても蚕の繭から作られるれっきとした絹です。長女の友人がそういう研究をしているそうで、蚕を飼い、繭を作らせて、生糸をとったり真綿を作ったりしているそうです。

 当たり前ですが、繭の中には蚕(の蛹)が入っています。真綿の作り方を調べてみますと、繭をアルカリ性の薬品で精錬したあとで水中で広げ、不純物を取り除いて引き延ばす・・・・・などと、恐ろしいことが書いてあります。そんなことをしたら、繭の中から虫が出てくるではありませんか。

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 長女の友人も、最初はこわごわだったものの、今では蚕を手の上に載せても平気、なんてことを言ってるそうです。モスラのちっこいのが手の上でごそごそ這い回るなんて、 想像しただけでも気絶してしまいそうです。私、蛇や蜘蛛は平気ですけれどイモムシ毛虫にゴキブリはまったくダメなのです。そういうのが10メートル先にいるのを見ても足がすくみます。そんなものに近寄られるぐらいなら、真綿で首を絞められた方が数千倍マシでしょう。

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 薄く薄く引き延ばして、それこそ布団ぐらいの大きさにして、それを何枚も重ねて作られるのが真綿のお布団なのだとか。そりゃ暖かいでしょうが、素性を知ってしまうと怖いです。目の前にあるのは22センチかける18センチくらいの大きさの真綿ですが、これで繭5個分なのだとか。モスラのちっこいのが5つほど、これにくるまれていたんですね。

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 で、こうして広げて大きさ比較のために萬年筆など置いて撮影していると、長女が一言、あ、ここにゴミ付いてる・・・・・ごみって、つまり・・・・・。

 すぐお隣の国では、生糸をとった後、繭の中にいた虫を粉にして、それを薬として服用するなんてことがあるそうです。そしてそのお薬というか粉末は、糖尿病の妙薬なのだとか。家大丈夫です、一病息災、私は糖尿病と生涯付き合っていきますから。

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2014年11月23日 (日)

歳月

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 布団を着て眠る「くま(仮名)」さん。正確には、仰向けに寝ているところへ布団を被せられた、ということなのですが、眠りに入る少し前には、クッションの中へ餌鉢を引っ張り込んで寝ながらご飯を食べていた、ということもわかります。

 彼女に「くま!」と呼びかけると返事をしますけれど、その傍らで「くまとちゃう!」と必ず声を上げるのが長女です。その必死ぶりがあまりに面白いので「じゃあ、くまめくり、ってタイトルでブログでもやろうか。」ということになりました。娘を「嫌わす」(嫌がらせる)のが拙Blog開設の目的だというあたり、ホンマにエェ加減なオッサンです。

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 変わらない風景の店内。今年で開店から30周年となるレストラン、まんぎょくさんです。オッサンになると記憶が混濁してしまっているようで、学生時代からこのお店にお世話になっていたように思っていたのですが、30年前だとすでに社会人になっていたので、その頃からのおつきあいということになります。おつきあいと言っても、ごくごくたまにお店に行く程度のことですが、奥様が30年前から変わらぬ美貌を保ち続けてらっしゃるのには驚かされます。美魔女なんて言葉が流行るずっと前から、このお店の奥様は美魔女でした。

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 毎年、結婚記念日はこのお店で夕食、と(なんとなく)決まっています。今日も、辺りが暗くなる頃に帰宅した妻に「行こうか?」と声をかけて、電車の中で予約してお店へ、というパターンでした。ハンサムな旦那様と美人の奥様、それにプロレスラーみたいなごっついオッサンが厨房にいる、というパターンだったのですが、いつの頃からかそのプロレスラーが若返ってカウンターに立つようになり、代わってハンサムな旦那様が厨房に入られるようになりました。

 話をしていると、この若いプロレスラーは経営者ご夫婦の息子さんらしく、件のプロレスラーは彼のおじさんだそうです。男の子はおじさんに似る、と言いますから納得ですが、かねがね私は彼について、話の端々から「ヘンタイ」ではないのか、という疑惑を抱いておりました。

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 隣に座っていた女性は、20年ぶりにこのお店に来たのだとか。その話を聞いて、すぐ奥様の美貌のことに話が及び、両者納得。で、その女性が帰られたあと、若いプロレスラーとの会話に出てきたのがLEGOでした。LEGOといえば、そう、成川氏です。名古屋の医者も白衣を脱いで逃げ出すと言われるほどのマシンガン駄洒落で知られる、あの成川氏です。

 それからひとしきり、成川さんの話題、そして最近のLEGOの進化ぶりと、それが堕落ではないのかという話をしていました。疑惑は本物でした。はからずもLEGOにハマっているヘンタイを発掘してしまったのです。

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 北欧の匠というお店があるらしいこと、そこでは、とてもすばらしいペンケースが売られているということ。けれど、東京やその近くに住んでいる人たちですら、滅多に買えない、在庫があるところに行き会わせることがないというものらしい・・・・・なんて話を、妻と東京へ行った折にしていたのです。で、田舎者の私たちが探しあぐねてようやくたどり着いた北欧の匠。お店に入ると、上品な奥様が対応してくださいました。

 いわゆる「でべそモデル」について、見本だけでも拝見できたら嬉しいと言いましたら、「あ、主人がね、昨日、帰って参りましたの。」とおっしゃる奥様。続けて「ハンス・オスターさんはね、いつも、少し余分に作ってくださってるんですよ。」などとおっしゃいます。

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 昨日デンマークから帰国されたばかりという成川氏も出てこられて、それからは駄洒落が雨あられ。149でもクリップごと収まります、というスロットが太いモデルをためつすがめつ見ていたら、「滅多にないんでしょ。あるんやから、買いなさいよ。」という妻のお言葉。つまりこれは妻に買ってもらったペンケースなのです。皆さん、奥方は大切にいたしましょう。

2014年11月22日 (土)

杵柄

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 凜々しいお姿の「ちち(仮名)」さん。お散歩から帰ってくると、それが当然,といわんばかりの様子でリヴィングルームのいつもの場所にでんと座り込むのが常です。この場所は、いつも「くま(仮名)」さんが飼い主に甘えている場所なので、ワンコたちにとっては特別な意味があるのかもしれません。ここに居座るということが、ひとつのステータスのようなものなのでしょう。

 肝心の飼い主は、愛用のPCが起動しなくなっったのでさっぱり仕事が進まず、ダラダラと休日らしく過ごしてしまいました。私らの仕事というもの、休日に何かやり終えておかないと次の週が悲惨なことになるのはわかりきっているのですが、わかっていてもうまく進みません。当初はOSが壊れたと思っていたのですが、どうやらハードウェア的にも問題がある様子なので、とりあえず代替機を用意しなくてはなりません。

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 かつて我が家の1階で家族の共用マシンとして活躍していたこの機体。突然、デスクトップ画面が黒く浸食されていって何も見えなくなるという奇怪な現象に見舞われたので、即使用を中止したものです。ハードウェア的に問題はなかったのですが、浸食されたHDDが気色悪いのでそのまま放置してありました。緊急事態ですから、これを引っ張り出して1台仕立て上げようというわけです。

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 そういう意識はなかったのですが、壊れたマシンもこれと同様、WindowsVista世代のものでした。黒い魔ソフト自身が失敗作と認めてしまったVistaですが、あれだけ鈍くさいOSを動かすことができたハードウェアですので、うまく使えばWindows7なら楽勝です。HDDをSSDに交換することで見違えるほど快適になりますが、緊急用でもあり、新たにSSDを購入するのも勿体ないので、とりあえず遊んでいるものを活用することにしました。

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 右側がもともとこのPCに入っていたHDD。 左側が VelociRaptor。同じメーカーですが、回転数が違います。2.5インチサイズの筐体に放熱用の外枠を取り付けてむりやり3.5インチサイズにした、という感じですが、容量は320GB、回転数は10000rpmとまずまずのスペックですので、SSDでなくても何とか行けそうです。

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 このマシン、小さいところに押し込んであるのでけっこう無理があるようで、寿命も短いように思います。すでに内蔵の無線LANが不調なので、USBタイプのもので補ってあります。あくまでつなぎで、ノートPCで良さそうなのが出たらお役御免です。私は今風の横に長い画面というのが嫌いで、縦方向に十分な解像度のあるノートPCがもう少し出そろうまで様子を見るつもりなのです。

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 メモリはノート用のものを使っているので、最大容量もたいしたことありません。これもまた我慢です。とりあえず、これから年末にかけて殺人的に忙しくなるので、安定して動くPCがないと話になりません。職場では一人に一台、ありがたいノートPCが与えられていますけれど、これがお話にならないくらい不安定なので、大事な仕事はさせられないのです。またこれから時間のかかるOSやアプリケーションのインストールか、と思うと、正直憂鬱です。

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 このPC、内部にアクセスするためにはこのねじを緩めなければなりませんが、そのためにはネジの上に貼ってあるシールを破るしかありません。そこで保障がなくなるということらしいのですが、実際にはこのシール、輸送中に中の部品が抜かれるのを防ぐ目的の方が強いのだそうです。日本のすぐ隣には、そういうことを心配しなければならない国がある、ということを改めて意識させられました。

2014年11月21日 (金)

のむ

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 悪戯されても嫌がるそぶりさえ見せずに、ひたすらまどろんでいる「くま(仮名)」さん。実際のところ、「お布団」をかけてもらって温かくて気持ちよかったのかもしれません。彼女はご幼少のみぎり、まだ子どもだった長男に、犬用のカマクラみたいなものの中へ無理矢理押し込められたことがあり、それ以来、温かそうなものでも「中に入る」ということをしません。その彼女が、布団を掛けられても嫌がらないというのは、肌寒い日だったからなのかもしれません。

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 期末考査は来週水曜日からだというのに、今週の木曜日にすでに一つ目の問題を完成させるという「快挙」を成し遂げてしまった私。周囲からは天変地異が起こるのではないかとか、そのあおりで自分が問題作りに苦しむことになるかもしれないのでやめてくれとか、散々に言われてしまいました。

 それに気をよくして、よっしゃもう一丁、と意気込んで取りかかったところへ自宅からの電話があり、「ワイン買って帰ってくるなら、クラッカーも忘れないでね!」と。まさかの身内からの切り崩しにあえなく降参して、昨日はそれ以上の問題作成を諦め、自宅近くのスーパーでヌーヴォを買って帰りました。

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 買って帰っても自分は呑むまい、などと思っては見たものの、意志の弱さでは国内でも五本の指に入るぐらいの私ですから、そんなことができるはずもありません。気がついたらおつまみをこしらえて呑んでおりました。なかなかに口当たりも良く、あとに残らない良いワインであることよ(詠嘆)、などと楽しんでおりましたけれど、気がついたら朝でした。

 まぁ、そうやって鋭気を養ったのだからと気を取り直して朝から・・・・・と思ったら授業がみっちり詰まっていて、それが終わって机の前に座ったら、なぜか再起動を促すメッセージ。授業をしている間に、賢いOSがアップデートをダウンロードして適用してくれていたようです。ならばと再起動したのが、見慣れたデスクトップ画面とのお別れになりました。

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 いろいろと試してみましたが、レジストリが壊れています、と他人事みたいなメッセージを見ることしかできず、諦めざるを得ませんでした。データはもともと外付けディスクに保存してありますからダメージはないのですが、使い慣れた機械がなくなってしまったのは痛いところです。やはり、やるべきことはやれる時に済ませておくべきでした。

 もっとも、PCダメになった、という法に接した同僚たちはどこかホッとした様子。あの調子でこやつめがサクサク問題を完成させるなんてことがあったら、絶対に良くないことが起こる、と誰もが信じていたようです。日頃の行いって、大切なんですねぇ。

2014年11月20日 (木)

おあずけ

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 今年も巡ってきた11月の第三木曜日。ですが、飼い主たちはグッとこらえて呑みません。定時に退勤して都会に出ると、誘惑の洪水です。さて今年のおすすめはと聞いてみてもどれもみなおすすめですと言われてしまい、結局そこそこいいお値段のものとチーズを買いこんでお家で呑んだくれる、というパターンを封印して、しっかりと夜なべ仕事に励みます。

 寒いなぁ、と半をすすりながら仕事をしている飼い主たちの傍らで、炬燵はいいなぁ、とまどろむ「ちち(仮名)」さん。ワンコにだって色々と大変なこともあるのかもしれませんが、人間様から見れば気楽なものと思えてしまいます。

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 妻が同僚からもらってきたレモン。写真が下手くそなのでわかりづらいですが、半分黄色くて半分青い、絶妙な色合いをしています。今からしばらく、暖かい室内に放置しておかれるので、気がついた頃には綺麗なレモンイエローになっているのでしょう。

 レモンと言えば・・・・・と気になって確認してみると、檸檬忌は3月24日。おそらくその日の夕方には、人事異動に関する話題が職場で飛び交っていることでしょう。

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 だいたいカジイモトジロウって何?檸檬忌って高村智恵子の死んだ日でしょ? などとのたまう長女。なるほど、レモンといえば高村光太郎と智恵子なのかもしれません。

 写真の前に挿した桜の花かげに
 すずしく光るレモンを今日も置かう

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 でも、このレモンはまだまだ若いので、やっぱり梶井基次郎にしておきましょう。偶然なのかどうか、高村光太郎の死んだ日は連翹忌。時代も創作したものも全然違いますけれど、司馬遼太郎さんの命日は菜の花忌。私はイエラーではありませんけれど、黄色い萬年筆は、ときおり眺めてみるぶんには魅力的です。偉大なる先人たちを忍びつつ、期末テストという作品を作り上げるべく、ワインを我慢して夜なべです。

2014年11月19日 (水)

世界トイレの日

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 ぺろり、と舌を出している「くま(仮名)」さん。彼女は柴犬の中でも小柄な方で、このケージの柵に前脚をかけて立つのは本当にたいそうなことのようです。ですから、「あ、立った!」とカメラを構えた時には、すでに前脚が地面に降りてしまっています。ですから、どうしても彼女の立ち姿が撮りたいときには、「仕込み」が必要になるのです。

 写真のフレーム左側にはおやつを手に持った妻が立っていて、それを見た「くま(仮名)」さんが立ち上がって舌を出している、というわけです。本当は今日のテーマに沿った写真がほしかったのですが、そちらはどうしても無理でした。今日11月19日は、ユニセフが提唱する世界トイレの日なのです。

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 トイレといえば陶磁器です。これだけ科学技術が発達した現代にあっても、コストや強度、その他諸々の面から見て、トイレは陶磁器で作るのが一番で、それを上回るような素材はなかなか出てこないのが現状なのだそうです。では、それにちなんで陶磁器製の萬年筆を、と行きたいところですけれど、モンブランのマイセンとか、セーラーの伊万里焼なんかは見るだけのものですし、LAMYのレディでしたか、そういうものにも縁がありません。我が家にあるものといったら、陶器製のインクボトルぐらいのものです。

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 上から見ると何の変哲もないインクボトルですが、外箱の説明にもあるように陶磁器製で、しかも底面にはインクだまりが設けられています。コレトセットになった筆記具は残念ながら萬年筆ではなくて筆ペンのような穂先の長いマーカーですが、インクボトルだけでも十分に「変なモン」ですので良しとしましょう。

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 ボトルの底面はこんな形になっています。こうして見ると陶磁器製だというのがよくわかります。ボトルの底を全体的に持ち上げて、中央部と周辺部だけを同じ高さに仕上げることでインクだまりを形成していますが、ボトルの底がべたっと机に接するよりも何となく安心できる、そんな効果もあるように思います。

 このボトルは未開封ですし、今後もこのまま保管するのでしょうから、どんな色のインクなのか、マーカーの書き心地はどうなのか、といったことについてはまったくわかりません。それより何より、目前に迫った期末テストの問題作成の方が重要です。全部で4種類の問題を作らなければなりませんが、できれば今夜のうちに半分くらいは作ってしまいたいところです。

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2014年11月18日 (火)

BigName

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 日中はこうして過ごすことが多いという「ちち(仮名)」さん。少しずつではありますが確実におばさんになりつつある彼女は、その分、落ち着いて可愛らしさが増してきました。そう遠くない将来、「くま(仮名)」さんがいなくなって彼女だけが残るという日が来るのでしょう。そのときには飼い主も今以上に老境に達していて、ペットロス症候群に苦しむのでしょうか。

 仕事柄、日に何度も階段を上り下りしますが、そのときの足のだるさに「歳や・・・」と情けなくなりつつ、それでもこの階段上り下りを続けていれば少しでも健康増進につながるかも、などと思ったり。いずれにせよ、体力はしっかりと保たなければ成りませんね。

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 今年もまた巡ってきた、世界一有名なネズミの誕生日。萬年筆趣味の世界では、そのことは知らずとも、あの人のお誕生日だと意識している人も少なくないはずです。我が家でも、子どもたちが小さかった頃はよく千葉県に通いました。なぜエルグランドなんてガスガズラーな車に乗り続けているのか、そもそもなんでそんな車を選んだのか、それはリアシートを倒したスペースにダブルのお布団を敷くことができるから。妻と3人の子どもたちをそこに寝かせて深夜の東名高速を爆走していたのも懐かしい思い出です。

 深夜というよりは早朝という時刻になって、三車線に増えた東名高速を下りながら、快適な夜のドライブが終わってしまうことの寂しさを感じ、紫色の空に映えるレインボーブリッヂの美しさに感動しつつ、あぁ、もうすぐ寝られる、という安堵感を覚える。いずれも懐かしい思い出です。

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 朝の5時頃でも、すでに駐車場には車があふれていますが、その多くは遠くの県のナンバーをつけ、布団を積んでいます。やがて車の中で目覚め、有名なネズミに会えると興奮していた娘も、今では友人と夜行バスで夢と魔法の国へ行く歳になりました。

 そんなことを思い出したのは、同僚が志摩スペイン村へ行ったという話をしていたから。まだ小さな子どもさんを抱える同僚は、伊勢志摩へ向かう2時間ほどの電車の旅でも長く感じられて大変だった、とこぼしておりましたが、たしかに、それだけ時間をかけて行っても、さほど得られるものは多くない、それが志摩スペイン村というところなのかもしれません。

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 今は、志摩スペイン村へ行くことよりも、そこに至る道中をこれの車内で過ごすことの方が主たる目的、という人も少なくありません。実際、大阪や名古屋から鳥羽までの区間はプラチナチケット状態で、志摩スペイン村に至る鳥羽から賢島の区間は空気を運んでいるような状態です。でも、そのどこかひなびた感じが、また良いのです。

 志摩スペイン村が開園した頃は、バブル景気がはじけようかという頃で、そのあたりから近鉄の苦難の時代が始まります。駅の管理を行う別会社を作ったり、自動券売機や改札機などはすべてリースにするなど、大きな会社らしからぬなりふり構わぬ合理化でなんとか建て直しを図る姿は、まるで平家物語の冒頭の一節を思い起こさせるようなものでした。沿線住民としては、近鉄がコケなくて本当に良かったです。

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 先日、たまたま転がり込んできたチケットでこいつに乗った時には、賢島でミズノクラシックとかいうゴルフの大会があったようで、賢島駅は珍しく人であふれていました。近鉄特急が全席指定席で自由席がないなんてけしからん、などと駅員に食ってかかっている酒臭いゴルフオヤヂが山のようにいてうんざりしましたけれど、人がたくさん来るのはいいことですね。

 今週末はまた三連休ですが、それが開けると期末考査です。生徒たちにとっても憂鬱なものでしょうけれど、先生たちにとってはもっと憂鬱。特に私なんぞは例によって4種類もの問題を作成しなければなりません。金曜までにできあがらなければ、三連休が仕事で潰れてしまうことになりますが、さて、どうなるのでしょうか。しっかりテストを作るぞ、と目論んでいる明日もまた、予定外の仕事に忙殺されてしまうのかもしれません。

2014年11月17日 (月)

飛翔

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 一生懸命に「食パン」をなめ回す「くま(仮名)」さん。はじめの頃はもっとしっかりとした山形食パンの形をしていたのですけれど、舐められ,噛まれてだんだんとこなれてきた結果、このようなものになりました。けれども、ピカチュウなき今となっては彼女の一番のお気に入りで、こうしてくつろいでいる時にはなぜかなめ回しています。

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 明日香村、石舞台古墳のすぐそばで舞い上がった熱気球。実は,これに乗ろうとして寒い中を明日香村まで出かけてきたのですけれど、最寄り駅である橿原神宮前駅まで来たところで計画が頓挫してしまったのです。奈良県に来られている天皇皇后両陛下が、宿泊されている同駅東側に隣接するホテルへ帰ってこられる,まさにその時刻に出くわしてしまい、しかもそのホテルのすぐ前が目的地へ向かうバスの乗り場という間の悪さ。ここで1時間近く時間をロスしたことも祟って、現地へ着いた時には熱気球に搭乗する当日受付は長蛇の列でした。なので、内心ホッとしながら諦めて、地上からの撮影となりました。

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 実際、こうして気球を膨らませて飛行の準備をするところは見たのですけれど、人を乗せて浮かび上がっているところはほとんど見られませんでした。写真の撮影時刻が午後6時半頃で、どんどん冷え込んできており、イヴェント終了の午後9時まで粘っていたら風邪をひく,都早々に退散したためです。

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 で、空を飛ぶ、といったらこれですね。父であるダイダロスの忠告を無視して太陽に近づきすぎたために墜落死した愚か者として語られることの多いイカロスですが、日本の小学校という世界では英雄です。勇気を持って空を飛んだ、という美談めいた歌があり、その歌を何の疑問もなく歌い、イカロス大好きになる。その結果、こうして卒業制作のテーマにも選ばれることも少なくないのです。教育の功罪、本当に大きいですね。

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 ペン先は18金、胴軸は18禁、などとお馬鹿なことを言ったりしますが、この銀のイカロスが夜店の景品くささをいっそう強調している、とは我が妻の弁。美しく青く透き通る軸も、鈍く光る銀のイカロスも、いずれもチープにしか見えないのだそうです。この「夜店のペン」が本当はいくらぐらいで取り引きされているのか、それを知ったら「すぐ売りなさい」と言われてしまうことでしょう。

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 それでも僕たちは、イカロスの勇気を見習って、このペンを手に入れ、さらにもう一段の勇気を振り絞って透明軸にもかかわらずインクを入れてしまうのです。黒ではなくて青系のインクを入れたのは、そうは言いつつも少しビビっていたからでしょうか。久しぶりにとりだして眺めてみると、やっぱり美しいと感じてしまうのは、左脳で見ているからなのでしょうか。

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2014年11月16日 (日)

石の舞台

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 もう少しすると見られなくなるもの、それがこの「ちち(仮名)」さんのふさふさしたしっぽです。冷暖房完備の室内で飼われているせいか、どうも換毛の時期が遅れがちな彼女たち。世間は立冬も過ぎて立派な冬に突入しつつあるというのに、彼女たちの毛が冬毛にきりかわるのはこれからです。まもなく毛が抜け始めて、この寒いのに何ということ、というような貧相きわまりないお姿になり、もうそろそろ冬も終わり、春がそこまで来ているというような時期にふさふさの毛が生えそろうのです。

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 昨日と今日、2日間だけしか見ることができないものとして話題になった、明日香村石舞台古墳でのプロジェクションマッピングです。約10分間のパフォーマンスが、午後6時から20分間隔で何度も公演されました。暗闇の中ですが、私が持っているような旧式なカメラでも写せるぐらい、くっきり、はっきりした映像が石舞台古墳に投影され、その前で白装束の忍者がヴァイオリンを弾く、という不思議な演目でした。

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 1回の公演を見ることのできる人数が決められていて、入れ替え制でしたので、割にゆったりと見ることができました。あと、見に行っておいて言うのも何ですけれど、子どもでも「アホくさ」と思うような設定が泣かせます。 寒い中、何のことやら訳のわからないものを見せられる小さな子どもさんはいい迷惑だったことと思います。中には乳母車に乗って鑑賞していた赤ちゃんもいましたが、風邪をひいていないことを祈ります。

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 別の目的があって、会場にもう少し早く着くように家を出たのですが、橿原神宮前駅で天皇皇后両陛下がご公務先から宿舎へと戻ってこられるタイミングにぶつかってしまったために、交通規制がかかってバスが動かず、半時間ほど待たなくてはなりませんでした。そのため別の目的は果たせませんでしたが、とりあえずプロジェクションマッピングは第1回目で見られたので良しとしましょう。奈良に住んでいると、いろいろと面白いものが見られて幸せです。

2014年11月15日 (土)

三光丸

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 「ちち(仮名)」さんもすなる「鼻先をケージの柵に引っかける」といふもの、私めもして見んとて、するなり・・・・・という「くま(仮名)」さん。短い鼻先を無理矢理ケージの柵の隙間から出しています。ワンコは顎の下に何か台になるものを置いて寝るのが落ち着くようですね。

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 いつも利用する近鉄大和西大寺駅のホームから見える広告看板。これを見るたび、一度行ってみなければ、と思うものの、平日と第2土曜しか開館していないということで果たせずにおりました。職業柄、夏休みの間に年次休暇を取って行けば平日でも行けるのに、そういうのに限って夏休み中には思いつかないのです。そして今月も気がついたら第2土曜が過ぎていた、と残念に思って、念のために同社のWebページを見ましたら、なんと今日が開館日になっているではありませんか。ですので、嫌がる次男をお供に行って参りました。

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 近鉄吉野線の市尾駅から徒歩15分、JR和歌山線の掖上駅から徒歩10分。いずれも1時間に2本とか1本とか、そういう頻度でしか列車の来ない線区なので強烈に不便です。今日は午後2時頃に橿原神宮前駅へ天皇皇后両陛下が来られますので、その時間帯を外すように計画しました。行きは道筋がよくわかりませんので、市尾駅のひとつ先、葛駅からタクシーを雇います。思えば、祖母が最後の数日を過ごした病院へも、この駅から通ったのでした。

 ミュージアムは三光丸製薬本社に隣接していて、若い社員さんが実に親切丁寧に対応してくださいました。入口では白澤さんが出迎えてくれますが、こやつとは相当にイメージが違いますね。

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 ミュージアムショップにて。三光丸は奈良県の薬売りが各家庭に配置薬として営業していたもので、富山のケロリンと同じですが、やっぱりそういうところはタオルも黄色と決まっているのでしょうか。萬年筆やシャープペンシル、マグネットなどもありましたが、手桶や萬年筆はありませんでした。

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 薬包紙を折り、丸薬を詰める体験ができます。ヘラに無数のディンプルがあって、こいつを丸薬の中に突っ込めば決まった数の丸薬がすくい取られるというもの。奈良県の人なら誰でも知っている、使っている道具ですね。

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 独身時代ですからもう三十年以上前、大阪の実家にはこの三光丸の営業さんが来ていて、しっかり配置薬が置かれていました。引き出し式の配置薬の箱は3~4個ぐらいありましたけれど、結局最後まで続いていたのは三光丸さんだったはずです。オウバクの皮を煮詰めたものをもとに丸薬にしたもので、お腹に絡むことすべてに効く、という系統のお薬です。実際、車酔いしてしまったあとなどに飲むと、効き目が実感できます。プラセボ効果もかなりあるとは思いますが、奈良県民の多くはこの系統のお薬を頼りにしているはずです。

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 時代劇なんかではよく見ますけれど、実際手にとってごりごりとやってみたのは初めてです。色々と貴重な展示品があるのですが、触ってよし、撮ってよし、なかなかに充実しております。このほか、配置薬をおいてあるお宅を訪ねる行商人が持って行ったお土産、たとえば紙風船なんてものも展示されていて、あぁ、そういえばこういうので遊んだな、と懐かしく思い出されたりもします。

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 入館無料で、お土産もしっかりといただけます。忍者装束のイメージキャラクターは、三光丸(さんこうまる)くん。ここでも、ティッシュの袋の色がケロリンと同じく黄色ですね。公式にはアナウンスされていませんけれども,本社隣接ですから駐車場もないわけではありません。これ、次に行くならクルマだな、と思ったことでした。

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2014年11月14日 (金)

あと1本・・・

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 寒い季節になると、炬燵で丸くなるもの。それはいうまでもなく猫なのですが、我が家に猫はおりません。飼い主家族が「こたつむり」になるか、あるいは写真のように「ちち(仮名)」さんが炬燵に寄り添うか。しかもこの場所、日中は良く陽があたって温かいというおまけ付きです。

 ホットカーペットに通電したまま寝転んで、そのまま一夜を過ごしてしまうというのは、温かくて気持ちがいいけれど実は危険なことなのだそうです。その危険なことをやってしまって、朝起きたら腰の痛みがだいぶマシになっておりました。靴下をはくために腰をかがめるだけでうめいていたものが、何の苦労もなくサッとはけるようになったほどです。

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 何ということはない朝の風景。毎朝ここを通りかかるのは午前8時少し前です。今朝は、この50メートルほど手前に着いた時点で8時を過ぎていました。手前の信号付き三叉路で止まったまま青信号を5回ほどやり過ごしたので予想はできていたので、すぐさま職場に遅刻するであろうという連絡を入れて、あとはひたすら待つだけです。

 近鉄奈良線と京都線、橿原線の結節点となっている大和西大寺駅。写真はその西側にある菖蒲池8号踏切です。電車はここを含めて3つの踏切を越えて西大寺駅に入ります。

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 写真の右端に見えているのが奈良行きの快速急行。10両編成のこの列車が抑止されているので、車の通れない小さな踏切がふたつほどふさがっているはずです。写真の左端にもクルマが待っていますが、その後の方には近鉄京都線の踏切があります。ここに嵌まってしまったら、もう逃げ場はないのです。ですから、Uターンできないクルマだけでなく、歩行者も皆おとなしく踏切が開くのを待っています。

 ときおり、電気笛ではなく大きなホーンを鳴らして通過していく列車があります。中には遮断機をくぐり抜けていく人がいるのかもしれません。

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 前にいたクルマはどんどんUターンして離脱していき、いつしか私の車は3番目になっていました。踏切待ちの人の数もふくれあがっています。この時点で、待ち始めておよそ40分ほどたっていますが、いっこうに遮断機の上がる気配はありません。原因は西大寺駅からふたつほど南に行った西ノ京駅あたりでの信号故障だったそうです。

 そしてこのあと、待ち始めてから53分経ったところで遮断機が上がり,私はようやく踏切を越えることができました。それでも、線路の上をまたいでいる時にまたもや警報音が鳴り始めて、私の後についていたクルマは渡ることができなかったようです。

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 本日届いた、富有柿と萬年筆。共通点は、どちらもでかい、ということです。富有柿は本犬の名産品ですから,このくらいの大きさのものも珍しくありませんが、キャップレスが入っているというのにこの箱、これは大きすぎます。嫌な予感がしたのですが、箱を開けてみると予感は的中しておりました。

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 革を巻いてもらうための素体としてあつめている中古品のキャップレスデシモ。今回は何と限定品の赤ラメ軸が届きました。普通ならこれは喜ぶべきところなのでしょうけれど、そもそも私は関西人ではあるけれどもラメ入りは嫌いですし、限定品の軸に革を巻いてしまう,というのも何となく気が引けます。

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 君原健二さんばりに、あと1本、というところまで来ましたけれど、さて、どうしましょうか。ピカピカの軸、珍しい軸はいらないのですが、安いものを探しているときに限ってそういうものに縁がつながってしまいます。

2014年11月13日 (木)

燈篭

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 え?何?どこ撮ってるのよぉ、ってな感じの「くま(仮名)」さん。彼女が違和感を感じたとおり、撮影者はしっぽを狙っております。ふさふさのしっぽをだらんと下げて、犬鍋状態でクッションにはまり込んで寝ている彼女。こういう姿を見ると悪戯したくなって、くるんと巻き込んだ首の内側に手を突っ込んでこちょこちょしてみたり、しっぽを手にとってぶらんぶらんしてみたりと、実に悪い飼い主です。彼女の方も慣れてしまっていて、面倒くさそうに顔を上げ、ただじっと飼い主が飽きるのを待っています。

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 夜の春日大社、二の鳥居付近です。撮影時刻は午後7時少し前。鳥居の内側から西の方を向いて撮っていますので、この向こうに一の鳥居や奈良国立博物館などがあります。夕刻、突然に妻から「今晩、春日大社に行きませんか?」と電話がありました。春日大社の宮司さんのお話を聞き、その後特別に夜間参拝をさせていただく、というツアーがあり、大判の時刻表なんかも出している大手旅行代理店の営業さんが、とにかく参加してくれと営業をかけてきた、というのです。

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 春日大社の宮司さんといえば、かつて奈良県の教育委員長を務めてらっしゃっる方。春日大社の来歴や、日本人の「こころ」のことなどについて、わかりやすく、愉しいお話を、予定時刻を越えて話してくださいました。そのお話の間、私はうつむき加減でじっとしておりましたので、見かねた妻につつかれましたが、それは内緒にしておきたいところです。

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 夕刻で参拝が締め切られたあと、いったん閉じられた扉を特別に開けていただいて、回廊に下げられている吊り燈篭のどれでもお好きなものに火を灯してください、というサーヴィスもありました。作られた時期などによりさまざまなタイプの燈篭があって、その違いを見るのも愉しいものでした。

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 私が選んだ燈篭は、火口が一カ所だけのもので、そのせいか火口のすぐ上の「ひさし」の部分がめくれ上がっています。何年もの間、何人もの人がここを開けて火を灯し、そのときに手が「ひさし」にあたって・・・・・というのを繰り返してきたのでしょう。

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 鎌倉時代に描かれたというこの絵に、小さなお社と一本の木がみえます。鎌倉時代に描かれたのだから、おそらくは平安時代の終わり頃の様子を描いたものであろう、というお話でしたが、この木が現在、どのようになっているかをしっかりとごらんください、というのが宮司さんのお話の中にありました。参加者一同、その木が現れるのを今か今かと待ちつつ、参拝を済ませますと、すぐそばにその木は立っておりました。

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 実にでかいですね。絵が描かれた頃から800年以上経っているのでしょうから、それも当然です。ちなみに撮影者が立っているところは「林檎の庭」というところで、巫女さんが舞を奉納したりする、本来はとても清浄な、神聖な場所なのだそうですが、今回、社殿の大修理をしている関係で参拝経路の一部として使用されているそうです。

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 林檎の庭に植えられている和林檎の樹。ピンポン球ぐらいの実がなるそうです。暗闇の中で、当てずっぽうにカメラを向けた割にはうまく撮れました。関係者のお話を聞いて夜間特別参拝、というこのツアー、このあと興福寺バージョンと東大寺バージョンが予定されているそうです。この際、コンプリートするか、と思ってしまったことでした。

2014年11月12日 (水)

実にマニアック・2

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 とろけている「ちち(仮名)」さん。この場所は、日中よく陽があたるので、彼女は好んでここに寝転んでいるのだそうです。長女と一緒に過ごしているとこんな風におとなしくしているのですが、飼い主が帰ってくるとそうはいかないらしく、あっちこっちとせわしなく走り回っています。

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 先月、たまたま訪ねた明日香村で、ちょっとした出来心で受検した「叙任試験」の結果が届きました。受検するだけで、とりあえず「舎人」には任じられるのですが、できれば大舎人を狙いたいところでやなぁ、などと言いつつ、最初の10問でノックアウト状態でした。とにかく、半端ではなくマニアックな問題が出るのです。これで入門編なのですから、中級編なんて歯が立つどころか近づくことさえできないのではないでしょうか。

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 こういうお手紙が送られてきて、妻は47点という得点で小智の舎人、私は平均点ぴったりの74点で小義の大舎人という結果でした。あと少し、まぐれで正解できていたら、大義で県主だったのになぁ、などと皮算用。実際、自信を持って答えられた質問などほとんどありませんでした。

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 正月に金の鳥が鳴くと言われているのは何古墳か、なんて問題が続きます。歴史の知識だけでなく、飛鳥とその周辺の地理、民俗、伝承、そういったものすべてが出題範囲です。この調子では、冠の色が綺麗な黄色や赤までいくのもむずかしく、さらに上級の青や紫なんて夢のまた夢ですね。こちらから、問題とその正解を見ることができます。これをしっかり復習しておけば、中級編でも少しは答えられるでしょうか・・・・・とも思いましたが、無理なようです。その中級編、こちらから問題と正解が見られますが、勉強する気も失せるほどマニアックです。

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 さすが、飛鳥版科挙を名乗るだけのことはあります。作問も大変でしょうが、これに挑戦して叙任される方がいるというのも驚きです。二右衛門マスターのお話を聞いても何のことやらよくわからない、という方がいらっしゃいますが、そういう人の気持ちが良くわかります。この際、萬年筆趣味に加えて歴史マニアを目指すか、なんていう気には残念ながらなりませんが、また機会があれば挑戦してみたいと思います。

2014年11月11日 (火)

実にマニアック・1

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 前脚が少し短めな「くま(仮名)」さんは、おすわりをすると猫背になってしまいます。その猫背できちんと正座して給水器の水を飲むお姿を、うしろの方から撮りました。実にマニアックです。マニアックであることが世のため人のために役に立つこともありますが、それはごくごく稀なケースであり、ほとんどの場合、呆れられたり敬遠されたり、酷い時には嫌われたり恐れられたりもする、それがマニアックというものです。

 萬年筆趣味の世界は、それ自体が世の中一般から見てマニアックなものですが、その中にも私のようなさらりとした「上善如水」な人から、二右衛門マスターなどこってりとした「半」な人まで、さまざまなタイプがいます。

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 ある日ある時、ホームにある待合室で電車を待っていましたら、もうすぐ到着というアナウンスが聞こえました。ホームに出て、電車が来るであろう方向を見やると、ふだんとは違う色の電車が近づいてくる、そこでどういう反応をするのか、というのが「鉄」の見せ所です。写真の車両は前面貫通扉のガラスが大きいという特徴から近鉄5200系とわかりますが、なぜか塗色が阪神青胴車っぽくなっています。

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 近畿日本鐵道のもととなった大阪電気軌道が伊勢神宮まで路線を延長すべく設立したのが参宮急行電鉄で、開通後にこれを併合、さらに何社かを併合して関西急行電鉄、そして近畿日本鐵道となりました。その参宮急行電鉄の名車、2200系の後継車として戦後登場した2250系は近鉄特急として運行され、座席でラジオが聴けたり、冷房装置を搭載していたりといった先進的なサーヴィスを提供しました。その車両がこの塗色だった、というのです。

 この色になっているのは5200系の第5編成で、ラッピングではなく実際この色に塗り替えられています。最近のダイヤ改正で、かつて宇治急と言われていた列車の大部分がひとつ先の五十鈴川まで延長運転となりましたが、マニア恐るべしで、よりにもよって1編成しかないやつに出会い、乗ってしまいました。

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 五十鈴川駅にて。これがいわゆる「シチサン」ってやつでしょうか。撮り鉄な人たちはこういうアングルで車両を撮るために、我が身の危険も顧みず、人の迷惑考えず、邪魔だと思う人を罵倒して必死のパッチで写真を撮ろうとするのですね。ここまで読んでいただいた方は、何のことやらよぅわからん、というのが本当のところでしょう。そう、マニアってそういう迷惑なものなんです。自分らで楽しんでるだけでも不気味なものなのです。ですから撮り鉄の皆さんも、その辺を考えていただいて、他人様に迷惑のかからない範囲で写真を楽しんでいただけたらと思います。

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 と、まぁそんなことを書いておりましたら、鉄っちゃんなんか足もとにも及ばない強烈にマニアックな世界があることを思い知らされました。明日は萬年筆でも鉄でもない、さらにはアニメでもない、けっこう社会的に認知されているけれど実はとんでもない底なし沼なんじゃないか、というマニアックな世界について少し触れてみようと思います。

2014年11月10日 (月)

飽きが早い

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 ふと気がつくと、「ちち(仮名)」さんがこちらを見ていました。炬燵に足を突っ込んで寝転がったまま、ケーブルテレビを見ていたところまでは記憶にあるのですが、何の番組を見ていたのか、もちろんその番組の内容がどうだったのかもおぼろげな記憶です。

 フローリングの上にカーペットを敷いただけの固い床に寝転がっていると、大変に楽ちんです。寝たり起きたり、寝返りをうったりするときは地獄ですけれど、あ、これは楽だと感じる姿勢に入るとすぅ~っと意識が遠のいてしまいました。これでは、毎晩のように布団にも入らず突然死を続けるということになってしまいそうですが、そうなると今度は風邪をひくことになるのでしょう。難儀なオッサンです。

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 先日のデスクペンを磨こうと、まずは台から回転式のカレンダーを外すべくぐるぐる回してみたのですが、このぐらい浮き上がったところからいっこうに外れる気配がありません。おそらく台の中にナットがあって、それが共回りしているのでしょう。そうなると行き着く先はロクなことにならない感じがしたので、カレンダー部分を外すのを諦めました。

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 埃まみれのお姿で発見された3Aパール。まずはこの蓋に積もった埃を取り除いて綺麗にしてから、台座につけてごしごし磨いていきます。使用後、結構しっかり手を洗ったつもりでも、いつまでも匂いが残りますね。お湯と石鹸で念入りに洗ってみましたが、それでもダメなようです。まぁ、それぐらいの根性がないと、磨く対象物を綺麗にするなんて働きはできないのでしょう。

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 右の方が磨き上げた後、左の方が磨く前の状態です。埃が積もったものが固着したという感じが良くわかります。濡れ雑巾で拭いたぐらいでは、この汚れは落ちません。鏡に着いたウロコ汚れぐらいの頑固な感じです。根気のないオッサンはこのぐらい磨いたところで飽きてきました。あとは、バイト料払って子どもたちにでも磨いてもらおうか、などと横着なことを考えてしまいます。

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 PIVOT、でしょうか。どうやらペン先は鉄ペンのようです。舶来ものかと思っていましたが国産品、それもれっきとした「なんちゃってPILOT系」のものだったのですね。人の記憶というのはアテにならないもので、尻軸を外してみると内部の空洞部分が異様に小さなスペースで、ヨーロッパタイプのショートカートリッヂでも収まりそうにありません。さてはこれ、つけペンなのでしょうか。そのあたりは、いずれWAGNERにでも持ち込んで碩学の皆様に教えを請うてみたいと思います。

2014年11月 9日 (日)

固まった・・・

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 クッションに上半身をもたせかけて気持ちよさそうにしている「ちち(仮名)」さん。こういうことをすると気持ちよさそうですが、今の私にはできません。

 今日は昼前に家を出て職場へ出向き、長いこと放ってあった書類の山を整理しておりました。授業などで1~2時間職員室を開けていると、戻ってきたときには机が使い物にならなくなっています。生徒の確保に必死な高等学校から山のようにDMが送りつけられてくるからです。緊急を要するものは別として、この学校にはまずお世話にならないだろう、というところまでガンガン送ってきてくださるので、そういうものは一応中身を確認してから処分しよう、と思って別室に置いてあったのですが、その山がだんだんと大きくなってきていました。

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 昨日、写真の「しまかぜ」に乗って優雅なひとときを過ごしたのがウソのような、単調で腰に来る作業です。長机の上に載せられた封書の山をひとつひとつ開封し、中身を分別して、必要なものは引き出しに収納していらないものは捨てる、という作業を続けること2時間。同僚も手伝ってくれましたが、作業が終わった時には体が「く」の字になったまま動かなくなっておりました。

 そこから先は、椅子に座るのも立つのも、車に乗り降りするのも、すべてうめき声とともに、です。時間が経つにつれて症状は重くなり、帰宅したら寝るしかありませんでした。寝てしまえば楽ですが、寝返りを打つと激痛。起き上がるのはもっと大変です。

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 私の体の癖というか、数年に一度、こうなるのです。また来たか、という感じで、仕事をしている時は気が紛れるので楽ですが、家に帰ると本当にダメです。気が紛れるとマシ、ということから、いっとき痛いのを我慢してぐいっと動いてしまえばいいのかもしれませんが、それをすると最後には身動きできなくなってしまうので、少しずつ様子を見ながら動くという対応しかありません。整体やペインクリニックなども効果なしなのがわかっているので、この先2週間ほどは、動くたんびに「ぐぇ~」などと言いながらの生活です。なので、今日はBlogの更新もいつも以上に手抜き。皆さんも、時節柄じゅうぶんにご自愛くださいませ。

2014年11月 8日 (土)

台車振替場

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 今日は「ちち(仮名)」さんのいい写真がないので、順番を入れ替えました。最近あまり食欲のない「ちち(仮名)」さんとは対照的に、猛烈な食欲を示し続けている「くま(仮名)」さん。朝、鉢に盛られる餌はおいしい「ふりかけ」の部分だけを少し食べて、残りは昼から夕方にかけてじっくりと食べていく、というのが彼女のスタイルです。

 夜になると、さすがに餌鉢が空になっているので、「ちち(仮名)」さんのケージの周りをウロウロ。あそこに残ってるのになぁ、と羨ましそうな目で見ていますし、もし住人(犬)が留守にしていたりすると、すぐさま入り込んで「いただきます」しております。大手術を経て中性化しておりますから、それだけ食欲が増すのでしょうけれど、肥満は健康の大敵なので止めなければなりません。

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 朝から部活動の対外試合引率に出かけている妻と、お昼頃に榛原駅で妻と合流する約束をしていたので、朝寝坊をしてから出かけました。時間がたっぷりあるので、少し寄り道をして橿原神宮前駅へ。何となく、こういう予感がしていたのです。写真の右奥へ延びる線路をまっすぐ進むと、近鉄吉野線に入ります。吉野線やそれにつながる南大阪線は、JRの在来線などと同じく軌間1067ミリ。対して、写真の手前側2線は近鉄橿原線で、軌間1435ミリ。最初に鐵道を走らせたイギリスがこの軌間だったというので、標準軌とも言われます。

 関西ではこのほか阪急・阪神・京阪、大阪市営など、首都圏ですと京成、新京成、北総鉄道、京浜急行、都営浅草線、横浜市営地下鉄、都営大江戸線、箱根登山鉄道あたりが標準軌です。そういえば首都圏には、京王線など、1372ミリの馬車軌間というヘンタイなのがありますね。いずれも、レールの一番上の面から鉛直方向に16ミリまで下がる間で一番狭いところをはかる、というのが日本の基準だそうです。

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 標準軌の箱根登山鉄道に狭軌の小田急が乗り入れている区間は、三線方式となっていますが、ここ橿原神宮前駅の構内は4線方式です。南大阪線で運行されている車両の大規模な定期検査などを大阪線沿線の五位堂研修センターで行うために、ここで仮台車に「履き替え」させる施設なので、車体の中心がズレないようにそうしてあるのでしょう。

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 少し古い写真ですが、台車の振替が終わった編成は、本来その車両が履いていた台車を荷台に積んだ電動貨車が両端につくサンドイッチ編成で五位堂まで回送されます。モト97とモト98、この電動貨車はマンモスという愛称で知られる、近鉄では結構有名な車両です。

 私が出会ったのは、車体が非常に綺麗でしたから検査後出場してきた編成だったのでしょう。4両編成のうち2両はまだ振替場の屋根の中にいましたから、これから台車を元に戻すところだったのかもしれません。

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 とっても良いお天気の日に、こうして「鉄」な時間を過ごすのは最高です。あまりにもありふれた光景であるせいか、迷惑な撮り鉄もおらず、快適でした。ちゃんとした撮り鉄も少なくありませんし、撮り鉄以外にも迷惑な「鉄」は一杯いるのですけれど、鐵道が好きで、知識もそれなりに持ってるんだと言うのなら、運行その他に支障を来すような行為はやめてもらいたいものですね。

 今は携帯電話やスマートフォンを操作しながらホームを歩かないで、なんて言われてますけれど、そのうち駅構内での撮影は禁止、なんてことにならないことを祈ります。

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2014年11月 7日 (金)

日焼け

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 こんな姿勢で大丈夫なんだろうか、と心配になりますが、しっかりとくつろいでいるご様子の「くま(仮名)」さん。この状態だと、マツコデラックスさんも顔負けの幾重にもなったアゴも目立ちません。最近は昼の間も誰かが家にいる日が多いので、ワンコたちの精神状態もかなり落ち着いているようです。

 気がついたら11月になっていて、しかもすでに1週間が過ぎました。実は先月末から、教員免許状更新講習の受付が始まっているのを忘れていました。私の場合、平成29年度末までに更新の手続きを完了しないと免許が失効し、失職してしまいます。それまでに最低でも3万円の講習料を支払って免許を更新しなければなりませんが、これがなかなか大変で、申し込み開始の時期に出遅れるとどこの大学でも「満員御礼!」になってしまうのです。

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 何事に関しても調べたり勉強したりするのが大嫌いなこの業界のこと、今の時期から更新講習を申し込めるというのを知らない人が一杯いたので助かりました。第一希望であった放送大学での講習に申し込むことができたので、正式な申込書を書いて送ります。それには現職の教員であることを所属長に証明してもらう必要があるので、様式に下手くそな字を埋めて、校長の公印をもらいました。このような様式の狭い欄に結構長い文字列を書き込むには、デスクペンが最適です。

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 ながいこと、家に放置したままになっているデスクペン。昔懐かしい、回転させるとストンと日付が替わるカレンダーのついたスタンドとセットになったものです。久しぶりに手にとると、もう真っ白、埃まみれでした。積もった埃を拭き取ってみましたが、一部はこびりついたようになっていてなかなか綺麗にはなりません。

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 窓辺に置いてあったので、見事に日焼けしています。カレンダーの部分を少し回転させてズラして見ると、色の違いがはっきりとしています。台の部分がこうなっているということは、本体、すなわちペンも同じようになっているのではないでしょうか。

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 写真が下手くそなのでわかりにくいのですが、ペンホルダーに挿し込まれていた部分の緑色は濃く、露出していた部分はすこし薄くなっています。問題は、磨いたりすればこの色の差がなくなるのかどうかということ。それを思いついたら、俄然磨きたくなってきたのですが、残念なことにサンエーパールが見つかりません。あちこちひっくり返して探すか、ケロ御大に頼んで磨いていただくか、いずれにしても今日のところはここまでです。

2014年11月 6日 (木)

食欲の秋?

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 最近、さっぱり元気のない「ちち(仮名)」さん。「くま(仮名)」さんの餌鉢はほとんど空っぽなのに対して、夜になっても、朝盛りつけてもらった状態からほとんど減っていないという日々が続いています。彼女はご幼少のみぎり、お腹にたちの悪いウィルスがいて下痢が続き、栄養がとれずにこのままでは衰弱死してしまう、という状態になったこともあるので、食べないとなるとたいへん気になります。

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 先月末、めでたく全国販売開始となったメロンパンの皮。表面がかりっとしていて甘く香り、中はふんわり、という大人気のメロンパンですが、実際にはメロンパンの中の方というのは固くなっていることの方が多いように思います。ならば、誰もが大好きな「ガワ」だけを食べてもらおう、ということなのでしょうか。

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 いつもの「ちち(仮名)」さんならば、この状態になる前、すなわち外装のビニール袋をカシャカシャいわせた段階で雄叫びが出てくるのですが、今日はまったくもって静かなまま。かたや「くま(仮名)」さんは、鳴き声こそないものの、しっかりと視線をロックオンして賢くお座りをしています。メロンパンの皮、といいますけれど、特徴的なデコボコはあまりはっきりとしていません。クッキーをそのまま拡大したような見た目です。

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 この状態にまでなっても、キュンとも言いません。飼育係の長女に寄れば、おやつも食べないというので、いよいよ病院行きかと思ったのですが、その昔、「くま(仮名)」さんが同じような状態になって受診した際、問診後に「試しに」と出された医療用のドッグフードを目にもとまらぬ早さで食べ切って「異常ありませんね。」と診断されたという経験もあります。とりあえず、ここ数日食べさせている餌が気に入らないのかも、とわざわざお店に出かけておいしそうなペットフードやおやつなどを買い込んできました。

 結果は予想通り。妻が与えるおやつをおいしそうに食べ、しばし落ち着いていたのですが、そこで食欲に火がついたらしく、「もっとくれぇ~」と大騒ぎ。結局のところ、今の餌、おいしくないぞぉ、というアピールに過ぎなかった、という情けないオチでした。

2014年11月 5日 (水)

大古事記展

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 一点をじっと見つめて賢くお座りをしている「くま(仮名)」さん。実は今、「ちち(仮名)」さんのケージの前に妻が座っておやつを与えているのです。これには事情があるのですが、それについてはまた明日、記事にしたいと思います。

 今日もバタバタと忙しくしておりました。午前中びっちり授業をしていて、昼食の時間に準備を調えて午後からは「進路説明会」でした。保護者の皆さんに、進路選択に関する日程や手続き、子どもに接する時の心構えなどについてお話をさせていただきました。これは世間に流布している進路選択にかかわるさまざまな「デマ」に対抗するためでもあります。

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 で、それが終わったら卒業アルバムに載せるための職員集合写真の撮影に参加して、そのあとは職員会議。ですが、私は進路説明会の会場をほったらかしにして写真撮影に駆けつけたので、まずは会場の後片付け。それが終わってから(いやいやながら)職員会議に参加しました。

 法律で学校のことはすべて校長が決めることになっていますので、職員会議は意思決定のための議決機関などではなく、あくまで校長の諮問機関に過ぎないものです。例によって本日もあぁだこぅだと揉めに揉めて、会議が終わった後にも別の会議が続いて、すべて終わった時に時計を見ると午後8時近く。それから残務整理だけして午後9時過ぎに帰宅しますと、長女がこんなスプーンを見せてくれました。

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 奈良県立美術館で開催されているこんな展覧会で買ってきたものだそうです。小さい方がティースプーン、大きい方はカレースプーンといった大きさで、古墳ケーキのお店で扱っているものがつや消しであるのに対して、これはぴかぴかと光沢ありです。

 年末近くまで開催されていますので、奈良近辺へお越しになる機会があればご覧になってはいかがでしょうか。展覧会そのものも面白そうですが、私はむしろミュージアムショップの方に興味をそそられます。

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 柿の葉茶入りのカステラ。太安万侶さんは古事記を書いていて、脳が疲れた時にはやっぱり甘いものを食べたのでしょうか。時代が時代ですから、そうそう甘いものなどなかったはずで、ふだんの食事も今日の水準からすれば大変な粗食だったはずです。それで古事記の編纂が捗ったのでしょうか。私など、時間割を組んでいると体重が減りますから、脳は相当にエネルギーを使う臓器であるはずです。古事記のもととなる内容をすべて暗記していたという稗田阿礼なんて、ものすごいエネルギーを消費していたはずです。

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 奈良時代のことですから、当然毛筆で書いていたわけですが、今ならワープロですね。小説家や随筆家などの著作業の人なら、萬年筆で長文を書く機会も多いのでしょうが、今やワープロで下書きをして万年筆やボールペンで清書する、という人もいるそうです。キーを叩くことでしか文章を綴れない人(私もそうです!)もいますし、やっぱりアウトプットは手書きでないと、という考えもあります。

 理にかなっているようにも思えますが、私が同じことをしたら、ワープロで打ち出した原稿を写しながら、ついつい加除訂正を加えてしまいそうです。そうなると、自分にもいきなり筆記具握って文章を書くという力が少しは残っているのか、とも思いますが、さて、最後に書いた長文は何だったか、ひょっとしたら大学の卒業論文が人生で一番長いものを書いた記録なのかもしれません。ちなみにタイトルは「明治初期の音楽教育」だったかな・・・・・。

2014年11月 4日 (火)

文化の違い?

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 ひとりケージの中でもの思う(?)「ちち(仮名)」さん。つい先ほどまで、鼻先をケージの横桟に引っかけるお得意のポーズでこちらを見ていたのですが、飼い主が話しかけてこないので諦めてぷいと横を向いてしまったのです。そうやって姿勢を変える時に、「フンッ~」と鼻でため息をつくのが変に人間くさくて面白いものです。犬も我々同様、夢を見るようで、眠りに落ちるとぶつくさ言ったり、時には小さく吠えたりしています。

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 京都、西本願寺の雨水桶の四隅を支える天邪鬼さん。思わぬところでお友達に出会ったので一枚撮らせていただきました。このあと、お寺の周辺で昼食場所を探したのですけれど、よさげなお店、というより数少ない飲食店はどこも盛況で、並んでまで昼食を摂らなくても、といつもの悪い虫が出て、結局そのままバスに乗って衣笠へ。付き合わされて空腹を抱えたままバスに揺られた妻には悪いことをいたしました。

 で、衣笠へは建物それ自体が作品かと思える堂本印象美術館を目指していったのですけれど、バスを降りたところで近くに回転寿司店があったのでとりあえず昼食。例によって店内は賑わっており、番号札をとってしばしの間待っておりました。

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 と、そのとき、店内に入ってきたのが外国人旅行者のグループ。8人で来て、システムがわからずウロウロしていますが、店員さんには彼らが見えないようです。回転寿司が珍しいのか、店内にズンズン入っていって食事中の人たちを観察していますので、片言というにはあまりにも稚拙な単語の羅列で話しかけてみました。

 カウンターが良い、とおっしゃるのですが、グループは8人で、そのお店のカウンター席は6席ほど。4人掛けのテーブル席ふたつでどうじゃ、と予約待ちのカードを取ってあげて、先ほどからこのグループを見ないふりをしている店員さんに「633番、この人たち、8人ね。」と声をかけて私たちは昼食開始です。

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 一皿一皿がお安いからといって食べ過ぎてはいけません。吾唯足るを知る、であります。それにしてもその外国人グループ、珍しいのかもしれないけれども順番待ちの間じっとしておらず、店内にずかずか入っていって食事中の人たちをのぞき込んだり、写真を撮ったり。並んで静かに待つということを知らないのは隣国の人たちだけではないのだな。割り込んでこないだけマシかな、と妻に言いましたら、いやぁ、欧米にも食事中の人をじっと見たりする文化はないでしょ、とのお返事。確かにそうです。

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 これってやっぱり、食事をしているのが日本人だから、なのでしょうか。神に選ばれし欧米人の皆様からすると、黄色い連中が食事をしているのをのぞき込むのは動物園で楽しむのと同じことなのかもしれません。あんたら、呼ばれるまでここに座ってじっとしてなさい、とstay、stayと言っておったのですけれど、残念ながら漏れ聞こえてきた彼らの会話はフランス語でした。

 世界中どこへ行っても、できた人とそうでない人はいますし、このグループがたまたまマナーの悪い連中だったというだけのことかもしれません。それにしたって、気分の良いものではありませんでした。セルフサーヴィスの冷えた生ビール用ジョッキグラスをどんどん持ち出して安いノンアルコールビールをシェアして飲んでましたが、店員さんはここでも見ないふり。そういえばこのお店、近隣諸国はもとより、英語の案内なども一切ありませんでした。

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 二度の対戦、いずれも仕掛けた側で二度とも敗戦国になりつつも、え、そんなことあったっけ、というような顔をしている機械仕掛けの国もありますが、残党狩りさえしていれば文句を言われないようで、軍備などもしっかりとやっております。それに比べて我々は、珊瑚密漁のふりをして領海を侵す薄汚い連中に文句を言うことさえできないという状況。冗談抜きで、この状況を何とかしないと、本当に島のひとつやふたつ盗られてしまいます。それに対抗するようなことをするのは良くない、なんてことを真顔で言う国会議員がたっくさんいるというのが信じられません。ここまで来るともう、文化の違い、では済まされないように思いますので、しっかり成り行きを見守るべきでしょう。我々が酷い目に遭っても、欧米の人たちは何とも思ってくれないのでしょうから。

2014年11月 3日 (月)

文具=文化

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 たまには起きている「くま(仮名)」さんを、と苦労しておさえた1枚。例によって、写真を撮られるのを避けようとする彼女のこと、シャッターが落ちる直前のとってもかわいらしいお顔ではありません。美人は得よねぇ、というのは妻の口癖ですが、本当にそうですね。彼女のように可愛らしいと、どんな風に撮っても可愛らしく写ります。

 今まで気付いていなかったのか、忘れていたのか、今日は文化の日であり、そして文具の日でもあるそうです。曰く、文具は文化と歴史的に同義である、ということで東京都文具事務用品商業組合等が1987(昭和62)年に制定したのだとか。実に堂々とこじつけていますね。すがすがしく思えます。

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 カタヅケラレネーゼ日本代表チームの一員である私のキーボード周りには、実にいろんなものが転がったままになっています。これは何だろう、と拾い上げたのがたまたまコンパスで、あぁ、たしかこれ、以前にBlogのネタに使ってそのままここに放置してあったんだ、と思い当たりましたが、その隣にいたのが同じような経緯で放置されていたのがシャープペンシル機能を持ったネクタイピン。文具は組み合わせですので、組み合わせてみました。

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 思った以上に綺麗に組み合わせることができました。写真の右下の方、緑色の部分を回転させて針を出すと、両側の足の長さもぴったりです。このコンパス自体、半分ネタみたいなものですから、芯の太さが一定でもたいして意味はないのでしょうけれど、ネタならネタらしく、より一層ネタっぽくしてみるのも面白いではありませんか。

 明日からまたお仕事。忙しくても何でも、文具が手元にあるとついついいじってしまうのが哀しいところです。

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2014年11月 2日 (日)

暑い!

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 雨模様の日は気圧が低いので眠たくなる、と言った同僚がいましたが、ワンコたちも同様のようです。朝のお散歩、夕方のお散歩ともに無事繰り出すことができたようですが、飼い主が帰ってきてもおやつをもらおうと騒いだだけで、その後はひたすら眠っておりました。いくら歳をとっても、慣れてきても、絶対にお腹を上に向けて寝ようとはしないのが「ちち(仮名)」さんらしいところです。

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 これが発売されると、とりあえず電車に乗りまくらなければ、となってしまうのは悲しい性です。今回の三連休、初日は寝て過ごしましたけれど、あと二日は何とか遊びたいところ。行き先も決めずに駅まで行ってこのカードを買い、妻と二人、どこへ行こうかと相談です。

 このカードには乗り放題以外にも特典があります。沿線にある社寺や美術館、博物館などの拝観料や入館料が割引になったり、お店でものを買う時におまけがついてきたりするのです。その特典一覧を眺めて、近くにありながらいったことのない施設を最初の目標に決めました。

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 時代を考えると異様に大きな倉庫。もちろん復元されたものですけれど、このサイズのものが何棟もこのあたりに建っていたのだ、というお話です。場所は大阪市内で一番空気が汚く騒音もえぐい、と認定された法円坂交差点の近くです。乙巳の変(大化の改新)のあと、大阪に都が移され、このあたりが難波宮だったところです。その遺構を保存するため、阪神高速道路の東大阪線もこのあたりだけ高架ではなく地上を走っています。

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 大阪歴史博物館は、NHK大阪放送局とほぼ一体となったビルです。北に大阪府警本部、北東には大阪城がそれぞれ隣接するという立地です。古代の大阪についての考古遺物なども興味深いものではありますが、いわゆる大大阪時代、大阪が元気に栄えていた、明治から昭和の初めにかけての展示に興味をそそられ、人々の生活もあの時代に戻ることはできないのだろうかと思いました。もちろん、そうなると萬年筆はエボナイト製でインク止め式、ということになってしまうのでしょうけれど。

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 で、その約2時間後には、こんなところまで来ておりました。海から見ると虎が伏せているように見える山の上に建てられていることから虎伏城、もしくは伏虎城ともいわれたという、和歌山城まで足を伸ばしたのです。大阪城も和歌山城も、現在目にすることができる天守閣は鉄筋コンクリート製のものですが、お城はお城です。

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 天守閣のある本丸まで登っていく道は階段になっていますが、歩くことがむずかしい人は脇に設けられたスロープを利用して、「忍者」にサポートしてもらって登ることができるそうです。忍者かぁ、と思っていましたら、やたら明るく挨拶をしてくれる若い娘さんがいて、よく見ると変な服を着ています。

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 忍者です。全然忍者に見えへん!などと程度の低そうな大学生に絡まれているところですが、さすが忍者、上手に受け流しておりました。この先、私ども夫婦がひぃこら言いながら坂を登っておりますと、今度は赤い服の忍者が「大丈夫ですかぁ。」と声をかけてくれました。どうやら、すでにお年寄りに見えてしまっているようです。

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 尖閣や小笠原だけでなく、日本全土が盗られてしまうんではないか、と本気で心配になるほど、大阪にも和歌山にもあまり好きになれない近い国の人があふれていました。実にパワフルで、傍若無人にふるまい、腹が立つほど大きな声で会話をする、そういう人たちを見ていて、かつて欧米人も日本人を見てこういう感覚を覚えていたのだろうか、と思いました。

 日本人には慎みとか遠慮とかいうものがまだまだ残っていますけれど、そもそも文化的にそういうものの考え方が存在しない国の人にそれを求めても無意味です。ほしいと思ったら手を出す、嫌ならしっかり守ればいいじゃないか、という気持ちに、お前らも昔取りに来たじゃないか、という意識。観光客がたくさん来て潤うのはいいのですけれど、うかうかしているとこの国が乗っ取られるような気がします・・・・・というのは考えすぎでしょうけれど。

2014年11月 1日 (土)

たこ焼き

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 正体もなく寝ている「くま(仮名)」さん。彼女はソースの匂いには興味がないようで、すぐそばの食卓でたこ焼きを食べていても知らん顔でこうして寝ています。

 Facebookに地元の「知る人ぞ知る」スポットなんかを紹介し合うグループがあったので参加し、「おいしいたこ焼き、どこで売ってますか?」と質問を投げてみたのです。この、おいしいたこ焼きというのが実にむずかしい。有名店、チェーン店などで供されているものは、確かにおいしいし、そのレヴェルも高いのですが、そういうことではないのです。

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 皆さん、それぞれにご存じのおいしいたこ焼き屋さんを紹介してくださったのですが、その中にひとつ、私の自宅から歩いて行けるお店がありました。そしてそのお店のたこ焼きこそが、私が「おいしい」と思い、例に挙げたものだったでした。

 私はたこ焼きに、まんまるで、表面はかりっと、中はとろーり、なんてものを求めてはいません。不揃いな形で、爪楊枝を刺しても崩れ落ちたり、逆に焼きすぎて皮が固くなっていたり、肝心のたこが入っていなかったり、そういうものを求めているのです。緑色の紙で包んでほしいなんてのは、その中では順位の低い要望です。

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 緑色の紙の下には、何というのでしょう、このビニール。こいつが薄い紙でもよいのですけれど、そうなると今度はソースを吸ってしまうので、最近はビニールなのでしょう。添えられている爪楊枝も、ごく普通に食卓の上に置かれているような短いものです。立派な串みたいなものではありません。

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 どうでしょう、この不揃いな形。焼く時にひっくり返すのに使う鉄串で3個ほど串刺しにしてトレイに載せ、一面埋め尽くされたところでソースを塗って、その上にまた積み重ねていく、という何とも適当な感じが実に良いのです。こうして入れていく時に、鉄板の上に半端な個数が残っていたりすると、迷うことなくオマケに入れてくれるのもお約束です。それが残されるようならば、あぁ、オバチャン、数読んではるんやな、と納得します。

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 おっとこれは、いきなりたこが入ってませんか? たこ焼きにたこ入ってないやん、と文句を言われたら、ほな、鉄板焼きには鉄板入ってるんかぃ、と返す、それぐらいのことができなくては関西では生きていけません。

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 このたこ焼きは焼きすぎて皮が焦げてしまい、そこだけかたくなっているのです。こいつが絶品で、私は買う時にどの辺に入れられたかをチェックしておいて、真っ先に狙いに行きます。意図せずこれにあたると、本当にラッキーした、という気持ちになります。多くのたこ焼き屋さんではこういうのを売ってくれず、捨ててしまいます。話つぃの自宅近くのたこ焼き屋さんも、もう30年近い付き合いですけれど、いまだに「あかんあかん」で断られて、オバチャンが許せると思った範囲のものだけを入れてくれるのです。

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 下手に「新鮮な」たこ焼きだと、こうしてだらんと垂れ下がって、爪楊枝から落ちてしまうこともあります。邪道だとは知りつつ、そんなときはお箸で食べますが、それもまた楽しみのひとつです。たこ焼きが綺麗で均一で、いつも変わらぬおいしさだなんてあり得ません。いびつな形、焼き足りなかったり焦げていたり、それがたこ焼きなのです。あちこちのたこ焼き屋さんを巡っては、こういうタイプのものを探していますが、なかなか見つかりませんね。

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