土佐の城
長女になら、こんな姿も平気で撮らせる「ちち(仮名)」さん。今日は一日、明日香村とその周辺を超小型電気自動車で走り回っていたのですけれど、とにかく柴犬の目撃率が異常に高く、かわいいなぁ、と声を上げてしまうような柴犬さん、10頭以上に出会いました。
そのほぼすべてが赤い柴犬さんでしたけれど、一頭だけ、「くま(仮名)」さんを上回るかもしれない美貌と小ぶりな体躯、そして真っ白な体毛を持つ柴犬さんがいて、これには夫婦揃って歓声を上げてしまいました。
今回は、超小型電気自動車を借りるためにmichimoステーションのある飛鳥駅で下車。駅前延ばすロータリーを斜めに横切って、ラーメン屋の前を通り過ぎたところにあるレンタサイクルの「庁舎」で説明を受け、実際に駐車場内を走り、坂道発進の練習までして、ようやくスタートすることが許されます。現地に到着してからスタートするまで、私のような人なら15分、長い人だと30分近くかかるかもしれません。
二人乗りですが、後席はこんな感じ。身長170センチの私で天井の高さは問題なし、中央部が盛り上がったフロアと前席とをまたぐように脚を開いて座るのでニースペースにも問題はありませんが、乗り降りは大変です。後席に乗り込むときは、前席を目一杯前に出してもらう必要がありますし、けっこうアクロバティックな姿勢で体を潜り込ませる必要があります。
まず、明日香村の南に位置する高取町にある高取城趾を目指しました。日本三大山城のひとつとされ、構造その他に見るべきところも多いのだそうですが、残念ながら明治期に建物が取り壊され、現在は石垣や土塁が残るのみです。国道169号線を周囲の流れに乗って時速50キロプラスアルファで走行。その後壺阪寺へと通じる山道を登り、壺阪寺を通り過ぎてさらに登ると高取城趾。40年近く前、高校時代の「遠足」で来て以来です。
立派な木は少し赤く色づいておりました。写真の奥の方にも石垣があり、そこが天守閣のあったところです。ほとんどの人は壺阪寺までバスできて、そこからハイキングコースをたどってここまで上がってきています。ごくごく一部、事情を知っている人だけがぎりぎりまで車で上ってくるのです。そういえば高校生の時も、先生の定年制がなく、あるクラスの担任が還暦を過ぎた人で一人だけタクシーでここまで来ていたのを覚えています。
若い頃は教師ではなく、南満州鉄道につとめていた、なんて話をよく聞かせてくれた英語の先生でしたが、満州から引き上げてくる時には「舞姫」さながらのお話もあったそうです。
レンタルした超小型電気自動車は、日産ニューモビリティコンセプトというクルマで、パワステなし、ブレーキサーボなしという、それこそバイクに毛の生えたようなものです。しかしながら原動機出力が大きすぎるため原動機付き自転車には該当せず、道路運送車両法に規定されたどのカテゴリにも当てはまらない車両のため、公道走行はできないはずのもの。それを特別の要件により緩和してもらっているので、こうしてレンタルできている、というわけです。
写真は下り坂でアクセルから足を離した、いわゆる回生状態です。高取城趾に来ただけですでにこれだけ電池の目盛りが減っています。目盛りが残りひとつになったら、走行しないでレスキュー呼んでくださいね、と言われていましたので、ここは必死に回生させるように頑張ったのですが、当然ながら目盛りが回復するほどの回生はできません。
とにかく絵になるこのクルマ。えぇオッサンとオバハンがこんなちっこいのに乗って走っていると、あっちこっちから好奇の目で見られます。窓にガラスがありませんから、「あれ何?、クルマ?」 「いやぁ、あれはバイクやで」なんて知ったかぶりの会話まで丸聞こえです。
気になる走行性能ですが、街乗り中心ならなんの問題もありません。最高で80キロまで出ます、というのは伊達ではなく、上り坂でも普通の軽自動車やトラックなんかであれば置き去りにできますし、ちゃんと走っているクルマにも遅れることなく追随していけます。最初はアンダーステアが強いように感じますが、それはクルマではなくパワステに慣れすぎた自分の腕の問題ですし、ノンサーボのブレーキもこの車を止めるのに十分な能力を持っています。また乗りたいなぁ、ウチにも一台ほしいなぁ、そう思わせてくれるクルマです。
つきみそうさん、こんちはー。
おお、高取城!!
実は地味に廃城好きで、特にこのような山中に取り残された石垣に心引かれます。w
石垣では豊後の岡城の次に美しいと思っています。特に、"写真の奥の方にある"とおっしゃっている天守閣の遺構の石垣は圧巻です!
比高日本一というのも山城ならではですね!
草木に埋もれつつある山城跡なんて、最高じゃないですか!!
変な再建とかなしで、今のまま残してくれるといいのですが。
投稿: ぽち | 2014年10月27日 (月) 20時35分
ぽち さん
山中にあって訪れる人とて少ない高取城趾は、そういう方にぴったりです。天空の城でありつつ、竹田城みたいにアホほど人が押しかけることがないのもよいところです。
天守閣があったところの石積みは独特のものだそうで、そういった石積みの補修は行われたものの、幸いなことに建物の再建などという計画はないようです。あっちもこっちも、石垣崩落につき危険、という看板ばかりなのが少し心配ではありますが・・・。
投稿: つきみそう | 2014年10月28日 (火) 02時31分