京の夏の旅・1
何かあるのかな、と少しだけ期待してこちらを見ている「くま(仮名)」さん。たいていのことには「よっこらしょ」と動き出す9歳の彼女ですけれど、その「何か」が食べることに関係する場合には電光石火で動きます。たとえ、この写真のように四肢をだらんとさせていてもです。
朝から家族が慌ただしく動き回っていると、あぁ、みんなお出かけなのね、というような顔で見ています。新学期が始まると、昼間は自分たちだけでお留守番。ワンコにとってはけっこうなストレスでしょうけれど、それが犬なのよ、というような顔でどっしりと構えている、風格すら感じる彼女です。
京都市内を観光していて、懐かしいあの方に再会しました。ジャンボマックスさんです。叡電鞍馬駅前の土産物店で、店先のケース内に鎮座されてました。本物は身長3メートルですが、こちらは50センチかそこらのもの、しかも上半身だけです。埃がたかって薄汚れてはいますが、当時からのものと思えばなかなかのコンディションです。それにしても、胸の24という数字が哀しいですね。銀塩フィルムなんて、ほとんど見かけなくなりました。
ここまで来たのですから、そのまま坂を上って鞍馬寺へお参りするのが本来ですけれど、このときはえぇ歳をしたおっさん3人の旅でしたので、時間と体力を考えて断念。萬年筆を持っていれば、この石に刻まれた文字の窪みにおいて記念撮影をしたかったのですが、その持ち合わせもありませんでした。ここで、同行者の一人がふと、「大原も近いの?」と聞いたので、それなら行ってみましょうということになりました。地図上で見るとほぼ「同緯度」ですけれど、自動車で走るとなると一旦南に下ってから再度北上、ということになります。
おっさん3人で大原。似合いませんけれど、そのココロはこれです。デューク・エイセスが歌った、昭和なオッサンなら誰の耳にも残っているこの曲。大原というと、この曲が出てきますが、その歌詞を刻んだ石があるよ、という一言で訪ねてみることになったのです。観光駐車場にクルマを駐めて500円。管理人のおじさんにこの石のことを聞くと、ほんの数十メートル先、とのこと。あれしまった、と思いつつ歩いて、すぐに見つけました。
出ました。男のおばさん、永六輔さん。この人も昭和ですね。鞍馬に大原、京都観光するなら単独でも半日潰すところを二カ所も回って、鞍馬寺にも三千院にもお参りせず、オッサンたちの今日の旅は終わりました。やっぱり私、案内人としてはチョイスが変です。
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