あなた次第
今日もまた、目の開いている「くま(仮名)」さんが撮れました。私が子どもの頃は、寿命が短いとか縁起が悪いとか言われていた「白足袋」の彼女。けれども、この真っ白い足先、これが真っ黒な胴体との対比で実に美しく、また可愛らしいところなのです。「ちち(仮名)」さんの方がカワイイ、なんていう声も聞かれますけれど、それは写真で見るからであって、生身の犬を見比べたら「くま(仮名)」さんに勝てる犬はそうそういないと思います(親ばか)。
とってもいいお天気の日曜日。こんな日は夫婦でどこかへお出かけしたいと思いつつ、さてどこへ行ったら良いのか、すぐには目的地が思い浮かびません。「MIHO MUSEAM」へ行ってみよう、と思い立ったのは、ほんとうに偶然でした。この美術館、京都駅の伊勢丹の方から階段を降りてきて、近鉄の改札口へ向かう途中の柱にポスターが貼ってあって、それが妙に気になっていたのです。山中に見事な建物がある、ただそれだけのポスターなのですが、さすがは美術館のポスターだけあり、とってもキャッチーだったのです。
周囲の景観に溶け込むように、建物のかなりの部分が地下、あるいは斜面に沿うように作られています。駐車場に車を駐めてすぐ目に入る建物がレセプション棟で、そこから少し歩いてこの橋を渡ると展示棟というつくりになっています。ルーヴル美術館にあるガラスのピラミッドなどでしられる建築家イオ・ミン・ペイの手によるものだそうです。この美術館のある山へ登ってくる入口あたりの地名が「桃谷」なので、かれはすぐに桃源郷をイメージした、なんて語られていますが、たしかに綺麗な美術館です。
あぁ、これ、MOA美術館と雰囲気が似ている、とすぐに思いました。熱海駅から山を登り、入口を入ると京橋駅にも負けない長い長いエスカレーター。壮大とか荘厳とかいう言葉が思い浮かぶ造りはまさに同じです。この時点では何の予備知識もなかったのですが、あまりに匂うので調べてみれば、何のことはない、宗教法人がバックにある美術館であり、なおかつその教団の教祖は岡田茂吉。そのまんまです。美術館へ向かう道すがら、自然農法を大々的に取り入れた農場の看板なんかがあるのを見て、ちょっと危ないなぁ、とは感じていたのですが、ここまでどんぴしゃとは。ものを知らないというのは恐ろしいことです。もっとしっかり勉強しなければいけません。
まぁしかし、入手経路について色々言われてはいても、所蔵されている美術品そのものに罪はありませんし、自然農法で作られたお野菜を使ったお食事もおいしくいただけました。特にお豆腐にはハマってしまい、よくないなぁとは思いつつお持ち帰りまでしてしまいました。大豆の味がしっかりとしていて、とろっとろで、とにかくおいしいのです。
件の美術館へは、もう行くこともないと思います。けれども、近所へ行くことがあったら、お豆腐だけでも買い求めに行ってしまうかもしれません。まぁ、これも個人的にたまたま好きなタイプのお豆腐だった、というだけのことなのですけれども。自然農法を推進し、このお豆腐を作っている人たちが所属している教団から被害を受けた、という人がたくさんいるようですから、豆腐がおいしいからと行って手放しで褒めるわけにはいきません。宗教というのはこころの問題ですけれど、それがお金の問題になってしまっているところが哀しいところです。
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