折り曲げ
自分より強い「ちち(仮名)」さんがケージにとらわれているのを良いことに、暴虐の限りを尽くしている「くま(仮名)」さん。それでも、「ちち(仮名)」さんが少しでも迫力ある形相でにらむと、飼い主の元に駆け戻ってきます。若さ、勢い、力の強さ、そして賢さ。どれをとっても「ちち(仮名)」さんの方が上回っているのですが、「くま(仮名)」さんは猛烈に可愛らしくて、10人(匹)並みな容姿の「ちち(仮名)」さんは逆立ちしてもかないません。
さすがにいつまでも放ってはおけないので、意を決して組み立てはじめたところです。まずは部品をひとつずつ取り外していくところから。今井の金属板を打ち抜いてできているキットですので、それぞれのパーツをグニグニとひねりながら取り外していきます。
組み立て説明書の部品一覧の横に並べて確認。ここをしっかりやっておかないと組み立て始めてからアレッということになりがちです。リフィルは定番のパーカータイプですが、これだけはあらかじめくりぬかれた金属板の突起に引っかけるようにはめ込まれていました。
第一の工程からしてすでに難しいというのが笑わせてくれます。わずか2、3ミリほどの突起を附属の工具を使って90度に折り曲げるという、人によってはここで挫折してしまいそうな作業です。かといってラジオペンチなどを使うと曲げるどころか引きちぎってしまいそうです。この曲げられた部分がリフィル先端部が前後に移動する際のガイド部分になります。
翼状に広がった部分も90度に折り曲げて、リフィルが収まる首軸部分の完成です。説明図の2と5の間に写っている部分、ここはボックス状になっている部分に沿うように曲げなくてはなりませんが、これが結構難しく、結局仕上がりも汚いものになってしまいました。やはり私はとびきり不器用なのだということを再認識させられたことでした。
ペンの外形が完成。真ん中あたりに見えている細長い穴をリフィルが貫通していきます。爪切りの出来損ないみたいな外形ですが、Rに沿ってぴったり合わせて曲げたくなる部分はこの状態で放置です。リフィルを通した後、その邪魔にならない程度まで曲げるぐらいのことしかできません。
筆記時、そしてスタンドにセットするときはリフィルのお尻をこの穴に引っかけておきます。ペン先を収納するときは、板状の「胴軸」の端部を上の方に押し上げます。そうすることでリフィルのお尻が穴から外れてバネの力で先端が引っ込むのです。リフィルがぶらぶらしないように、端の方の穴にお尻を引っかけておきます。写真でわかるように曲げ方が下手くそで、きれいなRではなく直線の連続になっています。
とりあえず完成。手前のパーツは定規で、机の上に置いた状態から持ち上げやすいように一部を折り曲げて取っ手にする設計です。リフィルそのものは大変スムーズな書き味ですけれど、ペンの外形がこれですからお世辞にも書きやすいペンとは言えません。けれども、それこそがイタリア、なんですね。美しく作ることのできない自分を恨めしく思います。
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