賢者の贈り物
丸くなって熟睡中の「ちち(仮名)」さん。顔の下に見えている肉球は前脚のものでしょう。自分の後脚の間に鼻先を突っ込んで眠るなんて、息苦しくはないのでしょうか。ちょっと風邪をひいて鼻づまりになったとき、息苦しいだけで眠ることも出来ない私には想像も出来ません。ちょうど左耳の先に見える部分が、 換毛期でゴソッと毛が抜けていますが、これがごく普通の状態。これからの季節、彼女は見ていて可哀想なくらいの薄毛で過ごすことになります。
神戸の六甲アイランドにあるホテルベイシェラトン前では、温泉の掘削が続いています。この撮影地点から徒歩30秒のところにある名店ル・ボナーにお邪魔したときに撮ったもので、3月14日の時点で深さ1100mまで到達している旨の貼り紙がありました。目標は深さ1600mなのであと少しですね。
ル・ボナーがこの地にオープンして20周年を迎えるのを記念して、ボンジョルノからハミさんに贈られたイギリスアンティークのチェスト。向こうに見える椅子とのセットです。重厚な中にも遊び心があちこちに見られるすばらしい品です。来店したお客さんはこの背面を見ることになりますが、もともと広い部屋の真ん中に置くようなことも考えて作られているのでしょう、背面まで綺麗に作られています。
すばらしいですね。こんなすばらしいものが、M1000を定価で買うよりも安く手に入ったのだそうです。開店20周年を記念したプレゼントの交換、ハミさんからボンジョルノへは今話題のPILOTジャスタス95が贈られたそうです。もともとオリヂナルのジャスタス95がお気に入りだったボンジョルノにはぴったりのプレゼントですが、その書き味に惚れ込んでハミさんご自身も1本お求めになったのだとか。こういう夫婦でありたいですね。
チェストの机として機能する面には革が張られていて、「それにね、この革、まだ生きてるんですよ!」なんていう話が出てくるあたりが、やっぱりボンジョルノって「革バカ」なんだと思わせてくれます。ハミさんへのプレゼントなんて言ってますけれど、本当は自分が欲しかったんじゃないか、なんて疑惑も浮上してしまいますね。
すてきなチェストの最上部には、建物の屋上テラスのように手すりが巡らされているという遊び心あふれる造りになっているのですが。そこにいくつか、アンティークな小物が置かれていて、これがまたチェストの雰囲気にぴったりなのです。写真は見ての通り、クラシックな秤の形をした鉛筆削りです。でも、やっぱり神は細部に宿るものですね。
削りかすはこの引き出しにたまります。秤ですから、目盛りの部分もしっかりと再現されています。ちゃんと針もあるのがわかるでしょうか。お店の中にこのチェストがあって、そこにはこういった小物やハミさん愛用の萬年筆たちが「産まれたときからここにいました。」というような感じで収まっています。お店の雰囲気出すのに最高やなぁ、と思ったのですけれど、それを言うなら、このチェストを愛用するハミさん、そしてボンジョルノのお二人こそがお店の雰囲気を出す小道具、いや大道具であり、そして主演者であるわけです。
何を撮ったものかよくわからない1枚は、チェストとセットになった椅子の座面を寄って撮ったものです。椅子の座面に張られた革にも、こうして模様が入っているのです。光が反射してよくわからなくなってしまってますが、それだけこの椅子、座面がこんもりとおまんじゅうのように盛り上がっているということです。今週末は神戸でのWAGNERもありますので、春先の六甲アイランドへも是非。チェストと椅子を見せてもらうだけでも歓迎してもらえることでしょう。帰りにはなぜか荷物が増えている・・・・・ということになるかもしれませんが、責任は持てません。
こうしてみると万年筆を好きな人が革製品に惹かれる訳が分かります。
どちらも時間の経過とともに熟成されていき、世代を超えて使うことが出来るという共通点があるのですね。
万年筆にはボールペン、革にはビニール素材という簡易且つ進化したものがあるのにそれに代える事が出来ない味がある、という面も共通しています。
投稿: すいどう | 2013年4月 3日 (水) 23時34分
すいどう さん
旧くなって色が変わったり傷が付いたり、あるいはすり減ってきたりしても、それを「味がある」なんて言って貰える素材、そうそうないですね。
何より、お使いになっているお二人が一番似つかわしい、と感じたことが印象に残っています。
投稿: つきみそう | 2013年4月 4日 (木) 08時22分