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2013年3月22日 (金)

何で書くか

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 例によって長女の膝の上でじっとしている「ちち(仮名)」さん。甘え上手で誰にでも好かれる「くま(仮名)」さんが同じようにしているのを、小さな頃からずっと見ていた彼女。けれども彼女はその気性の激しさ故、ケージから出してもらうときには厳しい監視付きでした。このところ年齢を重ねて性格がマイルドになってきたこともあって、こっちへおいでと家族に遊んでもらうことも増え、少し肌寒い日などはこうしてピタッとくっついて「くま(仮名)」さんの方を誇らしげに見やる、ということが多くなっています。我が家の犬たちはたいへんな焼きもち焼きなので見ていて面白いのです。

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 よし、春はアメリカや、と訳のわからんことを言いつつ最近持ち歩いて使っていたペン。アホか、片っぽはイギリスやないかい、というツッコミが入りますね。それでも、パーカー100はその青いボディがアメリカを感じさせます。かたやシェーファーのイントリーグ。例によってヘンタイな吸入方式を持つけったいなペンです。

 生徒たちがもうすぐ春休みだと浮かれている季節、先生たちは事務仕事の多さにうんざり、という日々を過ごします。なかでも大変なのが生徒指導要録を完成させること。年間を通じた教科の成績や学校でのさまざまな活動の記録、出欠状況などを記録して次年度へ引き継ぐのです。

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 成績はすでに算出し終わっていますから、あとは欠席日数などを集計して書類に書き込むだけです。けれども、9教科で37個ある観点別評価(ABCの3段階)とそれぞれの評定(54321の5段階)をそれぞれの生徒について記入する作業は、単調で間違いやすく、春の陽気が誘う眠気とも戦いながら間違いのないように記入していくのは大変です。

 そこで今年は、誰が記入しても変わりのないデータについてはPCから印字することにして、この生徒はこういう生徒ですよ、と言うことを文章表記する「指導上参考となる諸事項」などの項目を学級担任が手書きする、というシステムにしました。昨年まではすべてPCから印字していたのですが、それだとすべての担任がPCにデータを入力し終わるまで待たなくてはならず、結局担当者が仕事を終えるのは3月末、ヘタをすると年度を超えてしまうこともありました。今年はそういうわけにいかないので、スピード最優先なのです。

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 ここ何年かの間に本校で教職生活をスタートさせた先生は、指導要録を書いた経験がありませんから、何をどう書くの? 筆記具は何を使うの? という感じです。鉛筆やフリクションボールなど消せる筆記具はダメですよ、萬年筆はいいけれどインクは黒かブルーブラックですよ、なんてことを言ってましたら、萬年筆で書いてみようか、という人も出てきます。

 たまたま持ち合わせていたのがこの2本だったので、内心しまったと思いながら、机の上のペン立てに入っているPILOTのカスタム楓やLAMYサファリなどとともにご紹介して試筆してもらいます。意外や意外、というより内心ほくそ笑んでいるのですが、イントリーグが一番人気でありました。

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 カートリッヂまたは回転式のコンヴァータのいずれかを胴軸に内蔵して使うという、どヘンタイな吸入システム。コンヴァータを入れているときには、知り軸の部分を回して引き出すことでピストンを上下させてインクを吸入します。これも意外なことに、奈良でもシェーファーのインクカートリッヂが入手できます。

 パーカー100はその重たいボディが嫌われる原因のようです。皆さんボールペン愛用者ですから、書くときにお腹を擦るから嫌だ、というほどに寝かせる人はおらず、首軸の形状は大して問題にならないようです。

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 いずれにせよ、萬年筆の裾野が広がるのはとてもよいことです。いったん書いたら、校長室あたりの日の当たらないキャビネットの中で静かに保管される書類ですから、ペリカンのロイヤルブルーあたりのインクで書いても大丈夫かもしれない・・・・・などと思いつつ、もし万年筆で書くときはインクの選択などについて必ず相談してね、と言っておくことも忘れてはなりません。何せこの指導要録、住所氏名など学籍に関することが記録されているものについては卒業後20年、成績などが書かれているものについては卒業後5年間、きちんと保管しておくことと定められていますので。

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コメント

シェーファーもパーカーもペン先が硬いのが苦手、という話をしたら先勝国であるアメリカさまだからペン先の金をけちってないんや!むしろ有り難く思え!という反論を頂いたことがあった…ようなうっすい記憶があります。なるほどなぁと妙に納得。

 すいどう さん

 金をたっぷり使って厚いから堅い、のですね。なるほど。あの連中は不器用だから薄くきれいになんてものは作れないだよ、といわないところが日本人らしい。

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