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2012年11月18日 (日)

箱だけやから・・・

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 真剣な表情で一点を見つめる「ちち(仮名)」さん。当然の事ながら視線の先にあるのは食べものです。ちょっと可哀想でしたけれど、写真を撮るために娘が食べ物で引きつけておいてパシャッとやりました。ようやく食べ物を貰っても、若い彼女は一瞬でパクッとやってしまい、いつまでも「何か無いの」という目でこちらを見ています。

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 こういう場所へ行くと、人間様も「何かえぇモン無いかっ!」と目を見開くことになります。名古屋駅のバスセンターから名鉄バスに乗って白川公園で降り、ぶらぶら歩いて大須観音境内にさしかかったところで、何か歩きにくいなぁ、と思ったらまさかの骨董市が開かれていたのでした。まず探したのは萬年筆でしたが、「半」なものばかりでしたので見送りましたが、その30分後に通りかかった若き萬年筆ヘンタイMさんが何本か掴んできたのには笑いました。私は萬年筆を諦めて「小箱」に的を絞って見て回りました。

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 明治時代の懐中時計の箱、だそうです。眉唾です。懐中時計の箱というのは確かそうですが、明治時代ですから懐中時計そのものはあったでしょうけれど、それにしては箱が綺麗でしっかりしすぎているんですね。よほど保存状態が良かったのだと考えることも出来ますが、開けてみますとこんな感じです。

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 時計が載っていたであろう中敷きを外すとこんな感じ。ホコリまみれです。大丈夫でしょうか。お値段を聞いてみると2000円という答。ちょっと高いです。希望額としては500円ぐらいというところですので、えぇっと大げさに驚いて見せましたが先方は動じません。そりゃプロですから当然ですね。

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 蝶番の部分もしっかりしています。本当に明治のものでしょうか? それにしてもこの箱、手に持ったときに「紙箱か?」と思うほどに軽いので、内張も強度のうちと考えて張ったままで使い途を考えることにしました。内張を剥がしてチョーク入れに、というもくろみが外れてしまいましたが、箱としてはきちんとした良い箱です。気になるお値段は値切って1000円。

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 鳩が寄って来るのを嫌って、暇さえあれば段ボール箱で「大須観音境内案内図」をバンバン叩いては鳩を追い散らしている店主がいたのでのぞいてみましたら、小さな陶器類を扱っているお店でした。この箱、蓋がスライド式になっていて、しかもそのスライドが実にかっちりとしています。えぇ箱やなぁ、と手に取ってみると、驚きの値札。

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 ちょ、こ、これ5000円って・・・・・とほとんど抗議に近い訴えを店主に向けますと、「あ、それ、なかみ売れちゃったね。箱、箱だけ。」とのお答。言葉の感じや売られている陶器類の感じから、中国系の方のようです。これは手強いぞと思いつつ価格交渉に入ると、最初は「2000円。」ときました。このぐらいの木箱はそれが相場なんでしょうか。こちらもご予算500円ですので粘りに粘って、中身を買ったお客さんがいらないと置いていったものなんだろうと攻めてようやく1000円。関西人のくせに値切るのがへたくそな私です。

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 これこそ理想のチョーク入れですが、かっちりとした良い箱なので、見れば見るほどチョーク入れには勿体ないかも、という気持ちになります。萬年筆集めも同じなのですが、チョークの入れ物に凝るよりも黒板に書く文字を見やすくする努力をした方が良いのでは、というご意見、しかと承っておきます。

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コメント

初書き込みです。

こんばんは、
「若き萬年筆ヘンタイM」です。
エリートが4本もあります。
この一月で3本増えました。

たしかに今振り返れば、
大須の熱に浮かされていたようです。
買ったペンも3本上げてしまいましたし(笑)
でも、これもいい経験かなあと思います。
店長にも喜んでいただけましたし、
2本買った1000円の万年筆が
プランジャ式と兜木ペン先らしいと分かりましたし。
ああ、師匠にプランジャの生贄依頼をしないと
次の神戸が楽しみです。

でも、奈良からぶらっと来て
チョーク箱を買ってぶらっと帰る先生は
素晴らしいヘンタイさんです。

ではでは、長文失礼しました。

 関船 さん

 本日はどうもありがとうございました。骨董市で買われたペンというのが、私が手に取ったものと見事にズレていたのが印象的でした。私はマーブル模様のペンとか、そういう変なのにばかり興味をひかれていて、お買い上げになった「まともな」ペンたちを無視してましたので、私の方がよっぽど「半」ですね。

 で、奈良からぶらっと大須へ行って、そのままでは帰らなかった、というオチもつくんですよ、これが。そのお話はまた明日以降に。

いやいやいや、
こんなヘンタイの話に付き合っていただき
本当にありがとうございました。
変にテンション高かったですよね・・・

たしかにパイロットばっかり
全然「半」じゃないですね、
まあたぶん、自分が金ペンばっかり探しているからです。
でも、あのプランジャだかno.72だかを買ったお店は
WEBSTERS?だとかspecial?だとかの
鉄ニブの巨大ニブだったり、無駄にカラフルなキャップだったり、
ペン先がなかったり、軸が砕け散っていたり、ニコイチだったり
中々「半」な商品があってたのしかったですよー
今日の「半」にはあまり興味がいきませんでした。
良ければお店へ一度行かれては如何でしょうか?

さすが先生、予想の斜め上を行かれますね、
楽しみにしています。

また、長文です。ごめんなさい

 関船 さん

 そういう変なお店でしたら、今度教えてくださいませ。
是非一度のぞきに行って、変なモンがあれば・・・・・。

仕事で使うモノほどこだわりがついつい出てしまうのは仕方がないことですね。
私の場合は未だに悩まされ続けているのが、ボールペン。
三菱ジェットストリームからパイロットジャストミート、続いてペリカンK400。奮発してカランダッシュエリクドールまで色々と試しましたがどれも80点以上90点未満といった感じです。
銀で細身の重過ぎない軸にネットリとした書き心地でかすれやダマが出ないリフィルを装備できるボールペン!という理想が高すぎるのかもしれません(笑)

 すいどう さん

 軸の素材や重さ、持った感じ、あるいは、かすれない、ダマにならないとここまではいろいろと選択肢がありそうですが、「ねっとりした」というのが難しそうですね。そういうリフィル、私もいまだ見つけられてません。

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