くらきをあきらむ
秋の味覚、サツマイモにかぶりつこうとしている「くま(仮名)」さん。モサモサしているのでのどに詰めないかと心配していたのですが、さすがは消化器を毛皮で包んだ生き物です。なんということもなくあっさりと食べてしまい、もうないの?と可愛く見上げてくれました。はい、いくら可愛い仕草をしても、ないものはないのよ、と諭しましたが、とっても恨めしそうにいつまでもこちらを見ておりました。
さまざまな障碍を持って生きている人たちへの理解を深める、ということを目的に、同じ市内で活動しているNPOに協力していただいて体験授業を実施することになり、そのための打ち合わせに関係の方々が来校されました。タイミング悪く担当者が授業中でしたので、代わりに私がご案内する中で、授業の打ち合わせにまで話が進んでしまいました。思えばそれが不幸の始まりだったのです。
こちらで用意をしておくべきことなどを伺って、キャップレスデシモでメモを取りながら、質問されることにお答えしたり、いろいろと提案させていただいたりしておりました。その中で、講義の内容が全ての生徒に良く聞こえるようにしてほしい、というご要望があったので、生徒の列があまり長くならないように、ある程度横にも広がった形でお話を聞かせていただきます、とお答えしたのがまずかったらしく、厳しくお叱りを受けました。
横に広がったらホワイトボードに書いた文字がよく見えないでしょ、ダメです!とおっしゃいます。左右に広がってはいけないとなると、講師の方から見て前後に長い列になってしまうのですがよろしいですか?と申し上げると、何を考えてるの、それじゃあ後ろの方まで声が届かないでしょ、と再度のお叱り。講師の方を半円形に囲む形もだめということですので、ではどのような形が・・・・・とおたずねすると、それを考えるのがあなた方の仕事でしょ、と一喝されました。これはなかなか難しいお題です。
少なくて70人、多くて110人の生徒が、教室で使っている椅子を持って体育館に並び、お話を聞きます。そのあと、床に座って椅子を机代わりに体験学習をするのです。縦に長くてもいけないし横に広がってもいけない、丸くなってもいけない。怒られるのを覚悟で、ほかの学校ではどんな形で生徒を並ばせてらっしゃったのかとお聞きしますと、こんな感じに決まってるでしょ、そんなこともわからないのっ、といいながらも、親切に教えてくださいました。
教えてくださったのは30人ほどが並ぶ例で、70人を同じスペースに収めなさい、というお達しでした。実際に生徒用の椅子を持参して私がその前に立ち、これが一人分のスペースですから70人となればこのくらいの・・・・・と実演して見せたのですが、ご不満がおさまらないご様子でした。何でそんなに広がってしまうのか、それでは大きな声を出さないと聞こえない、というわけです。ここら辺でさすがに馬鹿らしくなって、おっしゃるようなことは絶対に実現できません、とやや語気を強めてしまいました。
講義の資料がよく見えるよう、机代わりにした椅子の背もたれにテープで貼らせてください、なお、生徒がおもちゃにして遊ぶといけないので、テープカッターは会場に1台のみとし、110人の生徒が順番に使っていって2、3分で全員が貼り終えること、という、何かの競技ですか?ギネスに挑戦ですか?というような条件も出されましたので、はっきりと聞こえるような大きな声で「テープカッターは10台ほど用意します!」と宣言して、またもご不興をかってしまいました。
それでもどうにかこうにか打ち合わせを済ませ、生徒の様子が見たい、とおっしゃるので窓越しに授業風景を見ていただく中で、教室の中にポンポンがあるのを見て不思議がってらっしゃるので、「昨日の体育大会で応援に使ったんですよ。」と申し上げたところ、「何で平日に”運動会”やるんですかっ!」とまたもお叱りを受けてしまいました。
このあたりになると鈍い私もさすがに慣れてきて、ま、いくらでも怒ってください、雨が降るのも日が沈むのもみんな私が悪いんですよ、ってな感じで、それ以降は何をおっしゃっても適当に聞き流しておりました。けれども、本当の山場がそのあとにやってきたのです。
私がメモを取っている手元をじっと見て、「そのモンブラン、かわってるわね。もっとちゃんとしたのはないの?」とのお言葉。私が「あ、これ、パイロットです。」と事務的にお答えしましたら、「あら、知らないの? それはモンブランっていうのよ。パイロットって、ボールペンのことなのよ。先っちょの形をみたらわかるじゃないの。それはぜったいにモンブラン!」とご指導いただきました。
と、いうことで、私が持っているありったけのモンブランを引っ張り出して写真を撮りました。私はモンブランがあまり好きではないし、誰も彼もが萬年筆=モンブラン、ってな感じなので、余計に好きになれません。ですが、萬年筆すなわちモンブラン、ということになりますと、私は山ほどモンブランを持っていることになります。
萬年筆というのは、本当はモンブランというのだ、ということを無知蒙昧な私に教えてくださったNPOのお偉方に、感謝。
私もモンブラン(固有名詞)のモンブラン(一般名詞)は余り所有していません。現在はペリカンのモンブランが比較的多いと思いますが、個人的に使用していて安心感が有るのは国産のモンブランですね。中でも昨日のコメントのとおりセーラーのモンブランをもう少し研究してみたいと思っていますので、軟調のペン先を装備したセーラーのモンブランの情報がありましたら御紹介頂けると嬉しいです…って、これは訳文が要るなぁ(笑)
投稿: すいどう | 2012年10月12日 (金) 01時25分
突っ込みどころ満載ですね。先生の御腹立ちがわかります。
投稿: 達哉ん | 2012年10月12日 (金) 02時28分
そんなアホな団体相手することはない!
NPOと言えば、なんでも通ると思っているやからだ。
NPOは錦の御旗と違うぞ!
表向き儲けてない団体だそうだが、ちゃんと人件費とかの
経費はとっていると思う。
ボランティアの団体とは全然違うと思う。
まあ、まともな人もいると思うけど。
わざわざトラブルのもとを抱え込む事は止めましょう。
投稿: マオぢい | 2012年10月12日 (金) 06時38分
マオぢいさんのご意見に激しく同意致します。
NPOとは名ばかりの自己満足の為の団体のような気がします。
こんな時「クルクrPか、芝九で」と呟ければ少しは気が紛れるんでしょうがw
名古屋にお越しの際は少しでも毒を吐いてって下さい。
お相手ぐらいならなんぼでも!
投稿: ともぞー | 2012年10月12日 (金) 12時53分
すばらしい!
さすが奈良の大聖人。
雨を降らせることも、お天道さまを沈めることも意のままにとな。
投稿: くーべ | 2012年10月12日 (金) 18時50分
モノの名前もしっかりいえない大変不自由な方でしたのでしょうね。おかわいそうに、としかいえません。これまでの人生、よほど不自由に暮らされたたでしょうし、これからの人生も不自由におかわいそうに暮らされていくのでしょう。モンブランはスイスに行って実物をごらんになったらよろしいのに。
投稿: くーべ | 2012年10月12日 (金) 19時38分
すいどう さん
これ、オノロいですねぇ。洋菓子バージョンなんかもあると、裾野が広がりそうです。
私はその、イチゴショートのモンブランがいいわ。いや、やっぱり洋梨のタルトのモンブランかなぁ・・・なんて。
とりあえずWAGNERの寄り合いでこんなの流行ったら話ややこしくておもしろすぎます。
投稿: つきみそう | 2012年10月13日 (土) 08時45分
達哉ん さん
それこそ翻訳するプログラムとか矯正するプログラムとか組んでくださいよ・・・って無理だわなぁ。
投稿: つきみそう | 2012年10月13日 (土) 08時46分
マオぢぃ さん
NPOの後ろには行政もくっついてますからねぇ。要するにNPO紹介してくれるのも行政もしくはそれの息のかかった団体ですから、行政の末端としてはさからえまへん。
投稿: つきみそう | 2012年10月13日 (土) 08時48分
ともぞー さん
ありがとうございます。でもこれシバいたらエラいことになるしなぁ。なので、親方に倣って超丁寧語で受け答えしました。
投稿: つきみそう | 2012年10月13日 (土) 08時49分
くーべ さん
そんな平清盛みたいなことしたら、最期はモンブランの雪でも冷やせないほど熱が上がって死んでしまうでしょう。
萬年筆、高峰、ケーキ、そして懐かしの女優さん。モンブランは実に偉大です。
投稿: つきみそう | 2012年10月13日 (土) 08時51分
つきみそう様(敬称付)
ご臨終です。
手の施しようが ありません。
珍回答にして
東京湾に沈めました。
投稿: 紙様(敬称略?) | 2012年10月13日 (土) 20時35分
神様(敬称略)
お手数かけました。それにしても、駿河湾ではなくて東京湾に沈めてくださったのですね。新鮮な海の幸の安定供給という面ではその方がいいのかもしれませんね。
投稿: つきみそう | 2012年10月14日 (日) 00時25分